『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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さて、工房に篭っていたハジメをベルファストが強硬手段に出る前に京矢が引っ張り出した食後。食後のお茶を楽しんでいた京矢にハジメが問いかけた。

 

「そう言えば、メルドさんがお前のステータスプレートが可笑しいとか言ってなかったか?」

 

「そう言えば有ったな、そんな事……」

 

そう言って無くさない様にと四次元ポケットの中に無造作に突っ込んでいたステータスプレートをハジメに投げ渡す。

 

京矢も京矢で魔物の肉を摂取して大幅に能力を増強させていたのでステータスは良い。

剣聖と希少(レア)な天職も良い。

ライダーの力と剣術と魔剣目録の中身があれば十分なので技能も全部興味無いと切り捨てているので今更見る気も無いのだろう。

 

だが、京矢のステータスプレートには一箇所だけ明らかにおかしい所があった。

 

 

 

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鳳凰寺京矢 17歳 男 レベル:???

天職:剣聖

第二天職:蓬莱寺京一

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何故か彼のステータスプレートに刻まれている第二天職と言う物と、何故か職業ではなく人の名前らしきもの。

 

「何だよ、その第二天職って? しかも、これ、人の名前だよな?」

 

「……第二天職? ……ハジメ、そんなの書いてない」

 

京矢のステータスプレートに疑問の声を上げるハジメの言葉に続くのはユエだ。

彼女の言葉に思わず見つめてしまうハジメだが、その不思議そうな表情には嘘を言っている様子はない。

 

「何を……」

 

「いや、これではっきりした。その第二天職ってのは地球出身者しか見えない可能性が高い」

 

ハジメの言葉を遮って京矢が第二天職と書かれた部分を指差して、

 

「ここは地球出身者以外には不自然な空白に見えるんじゃ無いのか?」

 

京矢の言葉にうなずく事でユエは肯定する。

何処かの世界には織田信長が職業になってる世界もあるのだから、こういう事になるだろうとも思う。

 

京矢とハジメとの共通点としては他にはガチャアイテムの使用程度しか思い付かないが、それは関係ないだろう。

 

「どういう事だ?」

 

「さあな、オレにも分からねえ。まあ、オレ達をここに呼んだ悪霊擬きの想定外の力、って認識しとけば良いんじゃ無いのか?」

 

手持ちの剣の中にも当たることさえできれば十分封印することの出来る代物はあるが、対抗できる手札は多い方がいい。

 

「それに南雲、一つ大事なことを忘れてるぜ」

 

「大事な事?」

 

「オレのステータスプレートを見た時、メルドさんはなんて言ったか覚えてるか?」

 

京矢の言葉にハジメは首を横に振る。当事者では無いハジメは奈落での生活に必死すぎてそんな事を気にしている余裕はなかったのだ。

 

「オレのステータスプレートに不自然な空白がある。じゃなくて、オレのステータスプレートにも不自然な空白があるって言ってた筈だ」

 

京矢は比較的後の方にステータスプレートを見せていたが、同じようにメルドが不自然な空白と認識する何かを持った者が少なくとも一人はいた事になる。

 

「それがオレと同じ第二天職かは知らねえが、城に残った連中の中に悪霊擬きの認知外の何かを持った奴が居るのかもな」

 

それが味方ならばいいが、それが敵ならば厄介な事になる。

だが、一つだけ確かな事がある。

 

「「檜山達じゃ無いことだけは確かだな」」

 

露出狂と勇者(笑)王(ぜんらおう)と言う訳の分からない技能を見て驚きのあまり悪意なく叫んでしまっていたので間違いはない。

しかも、この技能は服を着るたびにデバフを受ける単なるデメリットしかない技能。この技能が原因で檜山達は着衣してるとスライム以下なので、全裸でダンジョンアタックする羽目になった事だけは同情する。

異世界から呼ばれた神の使徒と呼ばれた後に、檜山達だけは周りから微妙に汚物を見る目で見られていたのだから。誰だって露出狂の変態にはそんな目を向けるだろう。本人達にしてみれば誤解だが。

……まあ、助けてやる気は一切無いが。

死んだ檜山を弔ってやる意思も何一つないが。

 

全裸でダンジョンアタック。確かにそれを決行する者は別の意味での勇者だろう。そんな勇気は無謀ですら無いが。

何を考えてそんな技能を与えたかは知らないが、檜山一味はエヒトの壁画の方に全身が向いていた気がする。

 

なお、その檜山は現在進行系で死を懇願する苦痛を味わってる事は二人は知らない。

 

「しかし、タイタンソードを練習で作るか?」

 

「まずは単純なものからって思ったんだよ」

 

魔力を込めると形状がライジングに変化したり切れ味が増したりとシンプルなアーティファクトの剣だが、充分に宝物庫に保管される品だ。記念に貰った時に魔剣目録に収めておいた。

ハジメも自分の初めて作ったアーティファクトが京矢の魔剣目録の中に並ぶのはちょっと誇らしげだった。

 

はっきり言って京矢の魔剣目録の中の剣はどの剣も錬成魔法を会得したハジメにとっても遥か高みにある代物だった。

 

その次に作ったG3のケルベロスやらG4のギガントは京矢の四次元ポケットの中だ。

 

「しかし、お前のその魔剣目録の中の剣はどれもとんでもない品物だよな」

 

「……ん」

 

ハジメの基準からも、ユエの基準から言っても、魔剣目録の中身はそう言うしかない。

 

「そうか? 斬鉄剣なら似たような物は作れるだろ?」

 

確かに切れ味ならばそれに特化したアーティファクトを刀状にすれば近づけるだろうが、斬鉄剣は純粋に技術だけで作られた代物だ。

京矢と二人で悪ノリして(二人して食事の時間を忘れていたのでベルファストに強制的に一度中断された)作った日本刀もあるがそれもやっと同等に至れた代物だ。超えられてはいない。

 

魔剣目録に収められたガチャを通じて異世界からも集まった魔剣、聖剣、妖剣、邪剣は伊達ではないのだろう。

 

「そう言えばお前、八重樫に伝えたって言ったけど、いつ伝えたんだ?」

 

「割とこっちに来て直ぐだな」

 

そもそも、光輝が鬱陶しいという理由で学校ではあまり関わらないようにしていたが、京矢と雫は幼馴染の関係にある。

トータスに来てからは余計に光輝が鬱陶しいので人前ではあまり長く話す機会はなかった筈だと言うのがハジメの記憶だが、予想外の答えが返って来てしまった。

 

「アイツには苦労かけるけど、あのバカコンビの手綱を握って貰わないとならなかったからな」

 

「バカコンビって……」

 

そう、光輝と龍太郎の異世界放置確定組の事である。

丁度トータスに呼ばれた直後の事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去、トータス召喚直後

 

「よお」

 

「京矢!?」

 

割り当てられた部屋に入ると窓の所に腰掛けている京矢が居たのだから驚くしかないだろう。

 

「ああ、壁伝いに来て窓からな」

 

サラリととんでも無いことを言い切る京矢に頭を抱えたくなる雫であった。

 

「で、現状はどう思う?」

 

「……ごめんなさい。今回は私達が悪かったわ」

 

「気にするな、悪いのは天之川とその取り巻きだ」

 

寧ろ、光輝が言い出しそれに龍太郎が続いた事で原因で全員で戦争に立つ空気を作ってしまって居た。

 

寧ろ、一切の躊躇もなくそんな事を言い出してくれた光輝に驚いて居た為に龍太郎が賛同する前に光輝に対して反対意見を言えなかった京矢にも非がある。

 

「まっ、当面は連中に従うしか無いだろうな。こんな状況でこの人数だ、帰る方法を探す為にも国の庇護っての必要だからな」

 

悪い事に向こうにはこの世界での衣食住を握られているのだ。京矢だけなら兎も角クラス全員となると信用できなくても保護を受ける為にも戦うしか無い。

 

「当面は難しいだろうけど、全員前線に送られるのだけは避けないとな」

 

人と殺し合いなどした事もない子供ばかりで前線に立たされたらどんな被害が出るか想像も出来ない。

それを分かっていないのか、自分達には特別な力があるから大丈夫と軽く考えているのか、その邪魔になりそうなのが光輝だ。

 

下手したら奴が原因で誰かと変な契約とかを結ばされそうでもある。

こんな世界なのだ、そんな誓約を強制する魔法とかあっても不思議はない。

 

「殺し合いの本番に全員が駆り出される前に頭に冷水をかけて頭を冷やして貰わないと、全員が前線に出る羽目になるからな」

 

「……そう」

 

そう答えると雫は黙り込んでしまう。改めて自分達の現状を認識してしまったのだろう。

 

「京矢は……大丈夫なの?」

 

「へっ、実は異世界召喚は三度目だ」

 

既にセフィーロに二度も召喚されているのだから、別の世界とは言え歩き方はわかるし、二度目のセフィーロよりもマシな世界だろう。

 

「だから最初にお前にだけは教えておくぜ」

 

そこで一度言葉を止めて雫を見つめると、

 

「実戦訓練の時にでも、機会を見て死んだと偽装してオレは別口で元の世界に戻る方法を探す」

 

だからオレが死んでも目の前で動かないオレを見るまで心配するな、と。

 

「まっ、異世界で冒険してた時使ってたガイソーケンも有るし、何とかなるだろ」

 

そう言ってみせたのが先程から持っていたガイソーケンだ。

そんな京矢の言葉に雫は一瞬ビクッとして俯く。

 

「……怖いのか?」

 

京矢の言葉に顔を上げて頷く。しっかりしていたとしても17歳の少女。寧ろしっかりしているからこそこれから自分達がしなければならない事を理解してしまっているが為に、恐怖を感じてしまったのだろう。

そんな彼女の姿を見て様子を見に来て、居なくなることを伝えられて良かったと思う。

 

そんな彼女の頭にポンと手を乗せて、

 

「雫、怖いなら泣けば良い。チャンスがあれば居なくなる身の上だけど、オレが近くにいる間ならいつでも頼れよ。泣きたいなら胸くらい貸してやる」

 

「……ありがと」

 

「気にすんなよ、弱音くらいは聞いてやる」

 

京矢の胸に顔を埋めながら呟くと泣き始めた。

弱いところを知っているのが自分だけなら、近くにいる間だけはその弱さを受け止めてやると誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(まあ、その後にあの二人の手綱を握るのを頼んだ時は思いっきり殴られたけどな)

 

流石に問題を一つ押し付けたのだから殴られるのも仕方ないとは思うが、それはそれ適任なのが雫だけだから仕方ないと諦めて貰いたい。

 

外に出たら機会を見つけて雫には自分とハジメの無事を伝えようと改めて違う京矢であった。

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