『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝 作:ドラゴンネスト
さて、大樹で今後の旅の目的である、再生を含む三つの神代魔法の入手と定めた後、カム達を京矢のガチャ産アイテムとハジメの錬成魔法の合同で作り上げた地下要塞都市に案内するとハウリア族は驚きの声を上げていた。
王都の四倍の巨大な地下都市は半分はハジメ達の隠れ家としての機能を使っているが、それでも王都の倍の面積を残している。
簡易的な家屋を建てているので生活の心配は無いだろう。
その地下都市の入り口を守る為に設置された要塞の上面は樹海特有の霧だけでなく有事の際は激獣ボンゴレ拳の激技の霧によって敵の感覚を奪いさり、侵入しようとするものの大半を仕留める事だろう。
そんな地下都市ではハウリア族の手によって獣拳の修練場が現在進行形で建設されている。
そんな訳で京矢達はハウリア要塞の地下で次の目的地と旅の準備を整えていた。
ユエとシア、ベルファストの三人がエンタープライズを引きずって女同士で旅の準備をしている時、京矢とハジメは顔を付き合わせていた。
京矢用のバイクを三人で乗れる様にサイドカータイプに改造していた時(同じく三人乗りのハジメ達だが、ユエは小柄なので問題はない)の事だ。
「そう言えば、いつの間にかガチャが引ける様になってたな」
「マジかよ!?」
何となくそう呟く京矢に強く反応するのはハジメだった。何気に1日一回とは言え地球の食べ物を召喚できるテーブルクロスは重宝しているのだ。
他にも出てくるアイテムにも非常に興味がある。
「ああ。街中じゃ使えそうもないから、今のうちにやっとくか?」
「そうだな」
またヴィランのカプセルなんて引き当ててウッカリ開けてしまったら事だし、味方を呼び出せるにしても街中で急に仲間が増えても怪しまれる。
その可能性を考えて二人は顔を付き合わせてガチャのアプリを開く。
そのアプリを起動させると光と共に現れる10個のカプセル。その中の一つを手に取る。
『パンチングコングプログライズキー』
「バルカンの強化アイテムか。南雲、使うか?」
「おっ、サンキュー」
最初のカプセルの中身はバルカンの強化アイテムだ。どうせ自分は使えないし、バルカンを使うハジメが使った方がいいと判断して、それをハジメへと渡す。
「でも、気を付けろよ。それを使ってフォームチェンジすると、スピードタイプからパワータイプに変わるから」
「確かにバルカンってのはスピードタイプだったから、パワータイプにか、悪くないな」
そう言いながらも京矢から貰ったプログライズキーを受け取るハジメの顔は心底嬉しそうだった。
最初のカプセルの中身を確認し終えた二人は次のカプセルに視線を向ける。
『鎧の魔槍(DQダイの大冒険)』
「槍か……」
「……槍だな……」
二つ目のカプセルの中から出て来た武器は槍。既に似た能力の鎧の魔剣が有るので必要はない。
「あの魔剣と言い、この世界のアーティファクトよりスゲェ武器だよな。魔法が効かないんだろ、これも?」
「ああ、そう言う金属らしいから、後から付与したのが鎧への変形機能だな」
「どっちにしても、凄いのには変わりないな。勇者の聖剣がもうオレには棍棒にしか見えねえよ」
「いや、中盤の街の剣程度にしといてやれよ」
「どっちにしても、錬成魔法を使ってもこんな槍は、今のオレじゃ作れないな」
何気に勇者(笑)をネタに笑いながら何かに使えるだろうとそれは四次元ポケットの中にしまい込む。内心、後で研究させてもらおうと思うハジメであった。
「欲しけりゃやるぞ」
「いや、オレも研究させてもらえればそれで良い」
槍は使わないからと簡単に渡す京矢だが、別にハジメとしても研究させてもらえれば良いのだ。
渡してもいいヤツが居れば渡すかと思いながら気を取り直して新たなカプセルを二つ手に取る。
『フレイムソード(ファイナルファンタジー)』
『アイスブランド(ファイナルファンタジー)』
トータスに於いては強力なアーティファクトだが京矢にとっては単なる安い武器だ。格上の剣は魔剣目録の中に大量にある。
なお、ゲーム中では普通に店売りの武器だ。
「いや、これって聖剣に匹敵しねえか?」
「中盤の店売りの剣だぜ」
「これも、今度調べさせて貰っていいか?」
「良いぜ。剣だけど安物だしな」
別に魔剣目録の中身があれば必要はないので、ここに捨てていってもいいが一応しまっておく。
勇者(笑)の聖剣、中盤の店で売られている剣と同レベルと認定された瞬間だった。
こうして京矢の魔剣目録の中身と比較すると王国の宝物庫がガラクタ置き場に見えてくるハジメだった。
(そうなるとあいつらってガラクタを好き好んで振り回してるのか?)
異世界召喚されたクラスメイトが古い鍋や棍棒で武装して居る姿が脳裏に浮かび爆笑しそうになるハジメだった。
さて、次のカプセルを開けるとベルトと果物の着いた錠前が三つ。
「おっ、おい、これって、まさか!?」
「ああ、間違いねえ!」
京矢とハジメの顔に歓喜と緊張が混ざる。何気にハジメも研究の傍京矢のガチャ産DVDで仮面ライダーシリーズは全部視聴済みなのだ。
『戦極ドライバー』
『オレンジ、イチゴ、パインのロックシードセット』
「鎧武のベルトとロックシードだぜ!?」
「うおおおおおおお! 主役ライダーだぞ、神様になった人だぞ!」
二人の男がベルトと錠前の前で歓喜の踊りを踊る様はシュールな物だった。
さて、二人が正気に戻るまで十数分が過ぎた時、二人は新たなカプセルを開ける。
中から出て来たのは一振りの剣。
『聖剣イグザシオン(慎重勇者)』
「聖剣らしいけど、聞いたことないな」
「天之川の奴みたいにビームが出るのか?」
「魔剣みたいな回復不能のダメージと、バフの解除と高速移動スキルだな。あと、なんか呪われそうだぜ、この聖剣」
「うわー、これ魔剣と間違えてるんじゃねえか?」
「サソードヤイバーとサソードゼクターが有れば高速移動なんて簡単にできるからな、手に入れてないけど」
哀れ聖剣。二人の中では仮面ライダーの武器の方が上の扱いであった。
呪われそうだが、一応それなりに強力な聖剣と言うことで魔剣目録に収め、次のガチャの戦利品へと視線を向ける。
……ここまで意図的に見て居なかったとも言えなくもない。
三人の着物姿の女性達だ。
『天城(アズールレーン)』
『赤城(アズールレーン)』
『加賀(アズールレーン)』
恐らくはエンタープライズとベルファストの関係者だらう彼女達を眺めながらどうすべきかと思うが意を決して天城から呼び出していく二人だった。
まあ、その後瀕死で呼び出された天城の蘇生で大騒ぎになったり、後から呼び出された赤城と加賀が天城に出会って感極まった事。
その後二人が赤城から妙に崇拝されるようになった事。
準備を終えたエンタープライズとベルファストが来た事で一悶着が起きた事を除けば何事も無く準備は終わった。
…………訂正、事しか無かった。
そんな一悶着の後、樹海の境界でハウリア族の隠れ里で京矢達の隠れ家の防衛を任せた重桜の艦船組とカム達の見送りを受けた京矢、エンタープライズ、ベルファスト、ハジメ、ユエ、シアは魔力駆動二輪に乗り込んで平原を疾走していた。
その際に赤城が悔しそうな目をエンタープライズ達に向けて天城にたしなめられて居たがそれはそれ。
位置取りは、ハジメ側はユエ、ハジメ、シアの順番で、京矢側は京矢の後ろにエンタープライズが、サイドカー側にベルファストが載っている。
肩越しにシアがハジメへと質問する。
「ハジメさん。そう言えば聞いていませんでしたが目的地は何処ですか?」
「あ? 言ってなかったか?」
「聞いてませんよ!」
「……私は知っている」
「オレも知ってるぜ」
「私も知っている」
「私も知っていました」
得意気なユエだけでなく隣を走っていた京矢達の言葉に、むっと唸り抗議の声を上げるシア。
「わ、私だって仲間なんですから、そういうことは教えて下さいよ! コミュニケーションは大事ですよ!」
「悪かったって。次の目的地はライセン大峡谷だ」
「ライセン大峡谷?」
ハジメの告げた目的地に疑問の表情を浮かべるシア。
現在、確認されている七大迷宮は、【ハルツィナ樹海】を除けば、【グリューエン大砂漠の大火山】と【シュネー雪原の氷雪洞窟】である。
確実を期すなら、次の目的地はそのどちらかにするべきでは? と思ったのだ。その疑問を察したのかハジメが意図を話す。
「一応、ライセンも七大迷宮があると言われているからな。シュネー雪原は魔人国の領土だから面倒な事になりそうだし、取り敢えず大火山を目指すのがベターなんだが、どうせ西大陸に行くなら東西に伸びるライセンを通りながら行けば、途中で迷宮が見つかるかもしれないだろ?」
「そうだな。魔人国の方は行けないこともないけど、大火山とライセンを早めに押さえておいた方が良さそうだからな」
「つ、ついででライセン大峡谷を渡るのですか……」
京矢とハジメの返答に思わず、頬が引き攣るシア。
ライセン大峡谷は地獄にして処刑場というのが一般的な認識であり、つい最近、一族が全滅しかけた場所でもあるため、そんな場所を唯の街道と一緒くたに考えている事に内心動揺する。
ハジメは、密着しているせいかシアの動揺が手に取るようにわかり、呆れた表情をした。
「お前なぁ、少しは自分の力を自覚しろよ。今のお前なら谷底の魔物もその辺の魔物も変わらねぇよ。ライセンは、放出された魔力を分解する場所だぞ? 身体強化に特化したお前なら何の影響も受けずに十全に動けるんだ。むしろ独壇場だろうが」
「……師として情けない」
「うぅ~、面目ないですぅ」
ユエにも呆れた視線を向けられ目を泳がせるシア。話題を逸らそうとする。
「で、では、ライセン大峡谷に行くとして、今日は野営ですか? それともこのまま、近場の村か町に行きますか?」
「出来れば、鳳凰寺に頼り切りな調味料関係を揃えたいし、今後のためにも素材を換金しておきたいから町がいいな。前に見た地図通りなら、この方角に町があったと思うんだよ」
「序でに色々と情報も集めときたいからな」
ベルファストのおかげで味も栄養も満足な食事を取れているが、そろそろ調味料を仕入れなければ底を尽きる。
それに今後、町で買い物なり宿泊なりするなら金銭が必要になる。素材だけなら腐る程持っているので換金してお金に替えておきたかった。
それにもう一つ、ライセン大峡谷に入る前に落ち着いた場所で、やっておきたいこともあったのだ。
「はぁ~そうですか……よかったです」
ハジメの言葉に、何故か安堵の表情を見せるシア。ハジメが訝しそうに「どうした?」と聞き返す。
「いやぁ~、ハジメさん達のことだから、ライセン大峡谷でも魔物の肉をバリボリ食べて満足しちゃうんじゃないかと思ってまして……ユエさんはハジメさんの血があれば問題ありませんし……どうやって私用の食料を調達してもらえるように説得するか考えていたんですよぉ~、杞憂でよかったです。ハジメさんもまともな料理食べるんですね!」
「当然です。その様な食事はさせる訳には行きません」
「目を離したらエンタープライズはレーションばっかり食べそうだからな」
「あっ、あれは効率が……」
「……お前、俺を何だと思ってるんだ……」
「ベルファストさん達と違って、プレデターという名の新種の魔物?」
「OK、お前、町に着くまで車体に括りつけて引きずってやる」
「ちょ、やめぇ、どっから出したんですかっ、その首輪! ホントやめてぇ~そんなの付けないでぇ~、ユエさん見てないで助けてぇ!」
「……自業自得」
ある意味、非常に仲の良い様子で騒ぎながら草原を進む一同。
数時間ほど走り、そろそろ日が暮れるという頃、前方に町が見えてきた。
ハジメと京矢の頬が綻ぶ、奈落から出て空を見上げた時のような、〝戻ってきた〟という気持ちが湧き出したからだ。
懐のユエもどこかワクワクした様子。きっと、ハジメと同じ気持ちなのだろう。
ベルファストとエンタープライズも始めてみるこの世界の町に頬を緩ませる。
「あのぉ~、いい雰囲気のところ申し訳ないですが、この首輪、取ってくれませんか? 何故か、自分では外せないのですが……あの、聞いてます? ハジメさん? ユエさん? 京矢さん? エンタープライズさん? ベルファストさん? ちょっと、無視しないで下さいよぉ~、泣きますよ! それは、もう鬱陶しいくらい泣きますよぉ!」
ユエの悲鳴をBGMにハジメとユエは微笑みあった。
「首輪の何が問題なのでしょうか?」
「……ベルファスト、変な誤解されない様にチョーカーを外しといてくれ。こっちの世界には奴隷制度があるんだ」
「かしこまりました」
アンケートは今回で終了とさせていただきます!
結果はブレイドとギャレンの王道的なBOARDダブルライダーが圧勝でした。
ウルの街の防衛戦では魔物の群れ相手にダブルライダーに活躍してもらいます!
みなさん、投票ありがとうございました!
赤城(アズールレーン)はどちらのヒロインに
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京矢
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ハジメ