『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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京矢達が宿に戻ると、ハジメもちょうど作業を終えた所だった様だ。

 

 

「お疲れさん、何か、町中が騒がしそうだったが、何かあったか?」

 

どうやら、先の騒動を感知していたようである。

 

「……問題ない」

 

「あ~、うん、そうですね。問題ないですよ」

 

色々とあったのだが何も無かったと流す二人。お前は何か知ってるかと言う視線を京矢に向けてくるが、京矢も「さあな」とはぐらかす。

 

そんな彼らにハジメは少し訝しそうな表情をするも、まぁいいかと肩を竦めた。

 

「必要なものは全部揃ったか?」

 

「……ん、大丈夫」

 

「こっちもだ」

 

「ですね。食料も沢山揃えましたから大丈夫です。にしても宝物庫ってホント便利ですよね~」

 

ハジメは、買い物にあたってユエに〝宝物庫〟を預けていた。その指輪を羨ましそうに見やるシアに、ハジメは苦笑いする。

説明が面倒なので京矢の四次元ポケットも宝物庫の一種と言う事にしているが、その内時間が取れたら改めて説明するべきかと思っている。

 

今のハジメの技量では、未だ〝宝物庫〟は作成出来なかった。便利であることは確かなので、作れるようになったらユエとシアにも作ってやるつもりだ。

京矢も予備の四次元ポケット、正式には四次元ランプと四次元ハットを持っているがカウボーイハットとランプと言ったデザインのために管理が面倒だと思い渡して居ないが。

ランプは兎も角カウボーイハットはこの世界では目立つだろうし。何よりどれもハジメの宝物庫よりも利便性は低いのだ。

 

「いや、無制限に入れられるのは凄いだろ?」

 

「取り出すのは手間だろ?」

 

無制限に入れられる四次元ポケットか、利便性が高いが物量が制限される宝物庫か? 似た道具を待つだけに相手の利点が羨ましいものがある。

 

なお、魔剣目録に議論が行ってないのは剣限定と言う所だろう。

 

「さて、シア。こいつはお前にだ」

 

そう言ってハジメはシアに直径四十センチ長さ五十センチ程の円柱状の物体を渡した。

銀色をした円柱には側面に取っ手のようなものが取り付けられている。

 

ハジメが差し出すそれを反射的に受け取ったシアは、あまりの重さに思わずたたらを踏みそうになり慌てて身体強化の出力を上げた。

 

「な、なんですか、これ? 物凄く重いんですけど……」

 

「そりゃあな、お前用の新しい大槌だからな。重いほうがいいだろう」

 

「へっ、これが……ですか?」

 

シアの疑問はもっともだ。円柱部分は、槌に見えなくもないが、それにしては取っ手が短すぎる。何ともアンバランスだ。

 

「ああ、その状態は待機状態だ。取り敢えず魔力流してみろ」

 

「えっと、こうですか? ッ!?」

 

 言われた通り、槌モドキに魔力を流すと、カシュン! カシュン! という機械音を響かせながら取っ手が伸長し、槌として振るうのに丁度いい長さになった。

 

この大槌型アーティファクト:ドリュッケン(ハジメ命名)は、幾つかのギミックを搭載したシア用の武器だ。

京矢の持つ鎧の魔剣と魔槍を参考に魔力を特定の場所に流すことで変形したり内蔵の武器が作動したりする。

 

ハジメの済ませておきたいこととは、この武器の作成だったのだ。

午前中、ユエ達が買い物に行っている間に、改めてシア用の武器を作っていたのである。

 

「京矢の魔剣みたいなものを作りたかったんだが、今の俺にはこれくらいが限界だ。腕が上がれば随時改良していくつもりだ。これから何があるか分からないからな。ユエのシゴキを受けたとは言え、たったの十日。まだまだ、危なっかしい。その武器はお前の力を最大限生かせるように考えて作ったんだ。使いこなしてくれよ? 仲間になった以上勝手に死んだらぶっ殺すからな?」

 

「ハジメさん……ふふ、言ってることめちゃくちゃですよぉ~。大丈夫です。まだまだ、強くなって、どこまでも付いて行きますからね!」

 

シアは嬉しそうにドリュッケンを胸に抱く。あまりに嬉しそうなので、ちょっと不機嫌だったユエも仕方ないという様に肩を竦めた。ハジメは苦笑いだ。

自分がした事とは言え、大槌のプレゼントに大喜びする美少女という図は中々にシュールだったからだ。

京矢も完全に苦笑いをしていた。

 

はしゃぐシアを連れながら、宿のチェックアウトを済ませる。

未だ、宿の女の子が京矢達を見ると頬を染めるが無視だ。

 

宿から外に出ると太陽は天頂近くに登り燦々と暖かな光を降らせている。

それを眺めながら京矢は笑みを浮かべる。旅立ちには良い日だ、と。すっとベルファストの差し出してきた鎧の魔剣を背負い、腰の斬鉄剣に触れる。

振り返ると、エンタープライズとベルファストが京矢を見つめている。

 

隣に立つハジメと拳をぶつけ合い彼女達に頷くと、スっと前に歩みを進めた。彼女達も追従する。

 

旅の再開の時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死屍累々。

 

そんな言葉がピッタリな光景がライセン大峡谷の谷底に広がっていた。ある魔物はひしゃげた頭部を地面にめり込ませ、またある魔物は頭部を粉砕されて横たわり、全身を蜂の巣にされたり、綺麗に首を刎ねられていたり、更には全身を炭化させた魔物など、死に方は様々だが一様に一撃で絶命しているようだ。

 

当然、この世の地獄、処刑場と人々に恐れられるこの場所で、こんなことが出来るのは……

 

「一撃必殺ですぅ!」

 

「……邪魔」

 

「うぜぇ」

 

「散れ」

 

「どけ」

 

「邪魔です」

 

京矢、ハジメ、エンタープライズ、ベルファスト、ユエ、シアの六人である。

京矢達はブルックの町を出た後(女性陣のファンらしき人々の見送り付き)、魔力駆動二輪を走らせて、かつて通った【ライセン大峡谷】の入口にたどり着いた。

 

その際に帝国の連中が建てたらしきキシリュウジンの絵と情報を求む。と言う立て看板に対して京矢が引き立った表情を浮かべた事を除いては何事もなかった。

(なお、鎧の巨人の目撃情報だけでもかなりの高額の報酬が払われる様子だ)

 

そして現在は、そこから更に進み、野営もしつつ、【オルクス大迷宮】の転移陣が隠されている洞窟も通り過ぎて、更に二日ほど進んだあたりだ。

 

【ライセン大峡谷】では、相変わらず懲りもしない魔物達がこぞって襲ってくる。

 

 

シアの大槌が、その絶大な膂力をもって振るわれ文字通り一撃必殺となって魔物を叩き潰す。

攻撃を受けた魔物は自身の耐久力を遥かに超えた衝撃に為す術なく潰され絶命する。餅つきウサギも真っ青な破壊力である。

 

ユエは、至近距離まで迫った魔物を、魔力に物を言わせて強引に発動した魔法で屠っていく。

ユエ自身の魔力が膨大であることもあるが、魔晶石シリーズに蓄えられた魔力が莫大であることから、まるで弾切れのない爆撃だ。谷底の魔力分解作用のせいで発動時間・飛距離共に短くとも、超高温の炎がノータイムで発動するので魔物達は一体の例外もなく炭化して絶命する。

 

ハジメは、言うまでもない。魔力駆動二輪を走らせながらドンナーで頭部を狙い撃ちにしていく。

魔力駆動二輪を走らせながら〝纏雷〟をも発動させ続けるのは相当魔力を消費する行為なのだが、やはり魔力切れを起こす様子はない。

 

京矢は元より魔力では無く気によって身体能力を高めるのが基本的な戦闘スタイルだ。

近づく者は斬鉄剣により切り捨て、離れてる者は飛ぶ斬撃である剣掌によって切り裂かれていく。離れても近づいても切り捨てる京矢は魔物達にとって死神の如き姿を見せつけている。

 

エンタープライズの艦載機によって空中にいる魔物は撃ち落とされていく。

遠近共に優れた弓術もあるが、その悉くは近づく前に絶命させて行く。

 

最後にベルファストだが、他の五人の撃ち漏らしを掃討する立ち位置にいる。攻撃を逃れたモノを確実に仕留めて行く。

 

谷底に跋扈する地獄の猛獣達が完全に雑魚扱いだった。大迷宮を示す何かがないかを探索しながら片手間で皆殺しにして行く。

彼らの手によって道中には魔物の死体が溢れかえっていた。

 

「はぁ~、ライセンの何処かにあるってだけじゃあ、やっぱ大雑把過ぎるよなぁ」

 

「変に見つかっても面倒だろうから、しっかり隠してあるんだろうけどな」

 

そもそも、解放者達のことを考えるとオルクスの大迷宮の様に多くの者達に探索されているのが間違っているのかもしれない。

そして、大迷宮を制覇した者がエヒト側である可能性も考慮して詳しい位置までは残しておかなかったのだろう。

洞窟などがあれば調べようと、注意深く観察はしているのだが、それらしき場所は一向に見つからない。

理解しているが、ついつい愚痴をこぼしてしまうハジメと京矢だ。

 

「まぁ、大火山に行くついでなんですし、見つかれば儲けものくらいでいいじゃないですか。大火山の迷宮を攻略すれば手がかりも見つかるかもしれませんし」

 

「まぁ、そうなんだけどな……」

 

「ですが、方向が真逆と言う可能性も有りますよ」

 

「確かに。火山のついでに見つからない為にって、場所を選んでるかも知れないか」

 

「その可能性もあるか……」

 

「ん……でも魔物が鬱陶しい」

 

「あ~、ユエさんには好ましくない場所ですものね~」

 

「オレ達には縁の無い悩みだからな……」

 

そんな風に愚痴をこぼし、魔物の多さに辟易しつつも、更に走り続けること三日。その日も収穫なく日が暮れて、谷底から見上げる空に上弦の月が美しく輝く頃、ハジメ達はその日の野営の準備をしていた。

野営テントを取り出し、夕食の準備をする。町で揃えた食材と調味料と共に、調理器具も取り出す。この野営テントと調理器具、実は全てハジメ謹製のアーティファクトだったりする。

 

野営テントは、生成魔法により創り出した〝暖房石〟と〝冷房石〟が取り付けられており、常に快適な温度を保ってくれる。

また、冷房石を利用して〝冷蔵庫〟や〝冷凍庫〟も完備されている。さらに、金属製の骨組みには〝気配遮断〟が付加された〝気断石〟を組み込んであるので敵に見つかりにくい。

 

調理器具には、流し込む魔力量に比例して熱量を調整できる火要らずのフライパンや鍋、魔力を流し込むことで〝風爪〟が付与された切れ味鋭い包丁などがある。スチームクリーナーモドキなんかもある。

どれも旅の食事を豊かにしてくれるハジメの愛し子達だ。しかも、魔力の直接操作が出来ないと扱えないという、ある意味防犯性もある。

 

〝神代魔法超便利〟

 

調理器具型アーティファクトや冷暖房完備式野営テントを作った時のハジメの言葉だ。

まさに無駄に洗練された無駄のない無駄な技術力である。

 

ちなみに、その日の夕食はクルルー鳥のトマト煮である。

クルルー鳥とは、空飛ぶ鶏のことだ。肉の質や味はまんま鶏である。この世界でもポピュラーな鳥肉だ。一口サイズに切られ、先に小麦粉をまぶしてソテーしたものを各種野菜と一緒にトマトスープで煮込んだ料理だ。肉にはバターの風味と肉汁をたっぷり閉じ込められたまま、スっと鼻を通るようなトマトの酸味が染み込んでおり、口に入れた瞬間、それらの風味が口いっぱいに広がる。肉はホロホロと口の中で崩れていき、トマトスープがしっかり染み込んだジャガイモ(モドキ)はホクホクで、ニンジン(モドキ)やタマネギ(モドキ)は自然な甘味を舌に伝える。旨みが溶け出したスープにつけて柔くしたパンも実に美味しい。

 

調理器具は魔力操作ができないベルファスト用に魔力を蓄えるバッテリー式にした物も作ってある。

 

大満足の夕食を終えて、その余韻に浸りながら、いつも通り食後の雑談をする京矢達。

テントの中にいれば、それなりに気断石が活躍し魔物が寄ってこないので比較的ゆっくりできる。たまに寄ってくる魔物は、テントに取り付けられた窓からハジメが手だけを突き出し発砲して処理するか、エンタープライズが艦載機を使って始末する。

そして、就寝時間が来れば、三人ずつで見張りを交代しながら朝を迎えるのだ。

 

その日も、そろそろ就寝時間だと寝る準備に入るハジメとユエとシア。

最初の見張りは京矢達だ。テントの中にはふかふかの布団があるので、野営にもかかわらず快適な睡眠が取れる。と、布団に入る前にシアがテントの外へと出ていった時に自体は大きく動いた。

 

「ハ、ハジメさ~ん! ユエさ~ん! 京矢さ〜ん! エンタープライズさ〜ん! ベルファストさ〜ん! 大変ですぅ! こっちに来てくださぁ~い!」

 

と、シアが、魔物を呼び寄せる可能性も忘れたかのように大声を上げた。

 

赤城(アズールレーン)はどちらのヒロインに

  • 京矢
  • ハジメ
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