『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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6/18に設定に敵側の設定を一部追加しました。


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さて、入り口の遊園地の謳い文句の様な看板とは裏腹に、ライセンの大迷宮は想像以上に厄介な場所だった。

 

まず、魔法がまともに使えない。谷底より遥かに強力な分解作用が働いているためだ。

魔法特化のユエにとっては相当負担のかかる場所である。何せ、上級以上の魔法は使用できず、中級以下でも射程が極端に短い。五メートルも効果を出せれば御の字という状況だ。

何とか、瞬間的に魔力を高めれば実戦でも使えるレベルではあるが、今までのように強力な魔法で一撃とは行かなくなった。

 

また、魔晶石シリーズに蓄えた魔力の減りも馬鹿にできないので、考えて使わなければならない。それだけ消費が激しいのだ。

魔法に関しては天才的なユエだからこそ中級魔法が放てるのであって、大抵の者は役立たずになってしまうだろう。

 

ハジメにとっても多大な影響が出ている。

〝空力〟や〝風爪〟といった体の外部に魔力を形成・放出するタイプの固有魔法は全て使用不可となっており、頼みの〝纏雷〟もその出力が大幅に下がってしまっている。ドンナー・シュラークは、その威力が半分以下に落ちているし、シュラーゲンも通常のドンナー・シュラークの最大威力レベルしかない。

 

よって、この大迷宮では身体強化が何より重要になってくる。

京矢達の中では、まさにシア以外には根本的に魔力に頼らない京矢とエンタープライズ、ベルファストの独壇場となる領域なのだ。

 

気を扱う京矢にとっては魔力を分解されたところで何の影響もない。平然と剣から竜巻を起こしたり、気刃を飛ばしたりしている。

 

エンタープライズとベルファストは艦装による物だ。京矢と同じく最初から何一つこの迷宮の影響を受けていない。

 

更にライダーシステムは根本的に科学技術の割合が高いので問題なく使え、ブレイドのラウズカードの力にも影響は与えていない。

恐らくだが、ガイソーグの鎧やリュウソウルも使えるだろうし、広い空間に出ればキシリュウジンも余裕で戦える事だろう。

 

「飽くまで、この世界の魔力、若しくは術式だけが妨害されるって事なんだろうぜ」

 

京矢はそう推測している。だからこそ、気をエネルギー源とする京矢の力や、異質な力であるリュウソウルやラウズカードの力には影響は及ぼされない、そう京矢は推測している。

逆にウィザードの様な魔力を使うタイプはユエと同じく力を制限されるだろうが京矢の手持ちのライダーシステムは全て科学サイド寄りだ。

 

「キツいんだったら、バルカンかギャレンに変身しとくか?」

 

「いや、なるべく切り札は後に残しときたいからな」

 

この迷宮で余裕に戦えるのが4人もいるのだから、態々切り札を使う必要もない。そう考えてハジメはライダーシステムの使用を控えていた。

 

そして、意図的に意識から外していた、頼もしきウサミミはというと……

 

「殺ルDeathよぉ……絶対、住処を見つけてめちゃくちゃに荒らして殺ルDeathよぉ」

 

大槌ドリュッケンを担ぎ、据わった目で獲物を探すように周囲を見渡していた。

明らかにキレている。

それはもう深く深~くキレている。言葉のイントネーションも所々おかしいことになっている。その理由は、ミレディ・ライセンの意地の悪さを考えれば容易に想像つくだろう。

 

シアの気持ちはよく分かるので、何とも言えない一同。

凄まじく興奮している人が傍にいると、逆に冷静になれるということがある。彼等の現在の心理状態はまさにそんな感じだ。

現在、それなりに歩みを進めてきた京矢達だが、ここに至るまでに実に様々なトラップや例のウザイ言葉の彫刻に遭遇してきた。

シアがマジギレしてなければ、歴戦の勇士である京矢やエンタープライズ、ベルファストはともかく、ハジメとユエがキレていただろう。そりゃもう、迷宮をパンチングゴングのパワーで叩き壊して進む程度には。

下手な挑発には乗らない様に気を付けている京矢がハジメまで暴走しない様に、彼の気が紛れる様に会話を交わしてもいる。

 

遂に、「フヒヒ」と奇怪な笑い声を発するようになったシアを横目に、ハジメはここに至るまでの悪質極まりない道程を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シアが、最初のウザイ石板を破壊し尽くしたあと、京矢達は道なりに通路を進み、とある広大な空間に出た。

 

そこは階段や通路、奥へと続く入り口が不規則にゴチャゴチャと繋がり合っており、例えるならばレゴブロックを無造作に組み合わせてできた様な場所だった。

一階から伸びた階段が三階の通路につながっているかと思えば、その三階の通路は緩やかなスロープになって一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先が、何もない唯の壁だったり、本当にめちゃくちゃだった。

 

「こりゃまた、ある意味迷宮らしいと言えばらしい場所だな」

 

「……ん、迷いそう」

 

「見てるだけで方向感覚無くしそうだな」

 

「ふん、流石は腹の奥底まで腐ったヤツの迷宮ですぅ。このめちゃくちゃ具合がヤツの心を表しているんですよぉ!」

 

「……気持ちは分かるから、そろそろ落ち着けよ」

 

「確かに。シア様の仰る事も一理あるかもしれませんね」

 

「まあ、この混沌具合を見ればな……」

 

未だ怒り心頭のシア。それに呆れ半分同情半分の視線を向けつつ、ハジメは「さて、どう進んだものか」と思案する。

 

「どうするよ、南雲?」

 

「ん~、まぁ、そうだな。取り敢えずマーキングとマッピングしながら進むしかないか」

 

「おう。……そんな基本を通用させてくれれば良いけどな……」

 

京矢の言葉に頷くハジメ。

だが、内心では京矢はミレディが簡単に基本的なダンジョン攻略をやらしてくれるとは思っていなかった。

現代の地球のゲームでさえ毎回構造が変わる迷宮はある。性格が歪んでいるのか、悪意を全開にして煮詰めた結果なのかは定かでは無いが、迷宮の構造が変わる程度の事はしてくれるだろう。

 

なお、ハジメのいう〝マーキング〟とは、ハジメの〝追跡〟の固有魔法のことだ。

この固有魔法は、自分の触れた場所に魔力で〝マーキング〟することで、その痕跡を追う事ができるというもので、生物に〝マーキング〟した場合、ハジメにはその生物の移動した痕跡が見えるのである。

今回の場合は、壁などに〝マーキング〟することで通った場所の目印にする。

〝マーキング〟は可視化することもできるのでハジメ以外にもわかる。魔力を直接添付しているので、分解作用も及ばず効果があるようだ。

 

ハジメが早速、入り口に近い位置にある右脇の通路にマーキングしている間に周囲の様子を窺っているが、記憶しているだけで正気が無くなりそうな混沌とした風景なので早々にそれを諦めた。

 

通路は幅二メートル程で、レンガ造りの建築物のように無数のブロックが組み合わさって出来ていた。

やはり壁そのものが薄ら発光しているので視界には困らない。緑光石とは異なる鉱物のようで薄青い光を放っている。

 

ハジメが試しに〝鉱物系鑑定〟を使ってみると、〝リン鉱石〟と出た。

どうやら空気と触れることで発光する性質をもっているようだ。最初の部屋は、おそらく何かの処置をすることで最初は発光しないようにしてあったのだろう。

イメージとしてはラピュ○に出てくる飛○石の洞窟を思い浮かべればいいだろう。石の声が聞けるおじいさんがいた、あの場所である。もっとも、リン鉱石は空気に触れても発光を止めることはないようだが。

 

「光る石か。使い方次第で便利な照明になりそうだな。天空の城は似た様なの持ってるしな」

 

「っ!? え? 何? お前、持ってるのかよ、天空の城!?」

 

何気なく呟かれた京矢の言葉に反応するハジメだった。

トータス以前のガチャで何気に天空に浮かぶ城は持っていたりするのだ。

 

京矢の言葉に反応して歩いていると注意が散漫になっていたのか、ガコンッという音を響かせてハジメの足が床のブロックの一つを踏み抜いた。

そのブロックだけハジメの体重により沈んでいる。京矢達が思わず「えっ?」と一斉にその足元を見た。

 

「南雲、これはお約束の展開だよな?」

 

「ああ、良くあるパターンだよな」

 

2人の言葉に応える様に『シャァアアア!!』と言う刃が滑るような音を響かせながら、左右の壁のブロックとブロックの隙間から高速回転・振動する円形でノコギリ状の巨大な刃が飛び出してきた。

右の壁からは首の高さで、左の壁からは腰の高さで前方から薙ぐように迫ってくる。

 

「回避!」

 

「ダメだ、間に合わねえ!」

 

ハジメの叫びに京矢が答え、素早く魔剣目録の中から新たな剣を取り出す。

 

「破壊し尽くせ! 破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)!!!」

 

魔剣目録の中から取り出した剣を振り回して壁や床ごと自分達に迫る刃を、壁ごと、床ごと破壊する。

 

(あの愉快犯みたいな性格の奴だ。罠はこれで終わりじゃねえ!)

 

ミレディの性格を想定して次の行動を先読みすると破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)を手放し、斬鉄剣を抜く。

 

「指揮官、上だ!」

 

「剣掌!」

 

エンタープライズの警告が響くと同時に京矢が気刃を放った直後、京矢達がいた場所に頭上からギロチンの如く無数の刃が射出されるが、京矢の放った気刃に撃ち落とされて床に落ちる。

 

冷や汗を流して、京矢の一連の行動と足先数センチに落とされた刃を見つめるハジメ。ユエとシアも硬直している。

 

「……完全な物理トラップか。魔眼石じゃあ、感知できないわけだ」

 

「ああ、しかも確実に命を取りに来るな。油断した所に来ると思ってたから対処出来たが、油断したら終わりだな」

 

ハジメがまんまとトラップに掛かった理由は、魔法のトラップに集中していたからだ。

今までの迷宮のトラップと言えばほとんどが魔法を利用したものだった。そして、魔法のトラップなら、ハジメの魔眼は尽く看破できる。

それ故に、魔眼に反応しなければ大丈夫という先入観を持ってしまっていたのだ。要は、己の力を過信したということである。

 

京矢が相手の性格から追撃の一つも用意していると予想していたので対処出来たが、油断していたら最初の罠を回避した所に追撃の罠が飛んできて終わりだっただろう。

 

「しかし、鳳凰寺。罠ごと破壊するか?」

 

「罠の解除の一番楽な方法は破壊する事だろ? 人の土地だ、遠慮する必要もねえからな」

 

破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)を魔剣目録の中に戻しつつ軽く笑いを浮かべてハジメの言葉に応える。

 

サラリと罠の解除の道具に使った剣も勇者(笑)の聖剣よりも上級な聖剣なのがハジメにとって京矢の規格外振りを物語っている。

 

「ですが、京矢様。今後は回避を推奨します」

 

「ああ。相応な力の聖剣、魔剣の類じゃなきゃ上手くいかなかっただろうな」

 

魔力の篭らない物理トラップ相手ならばと判断しての選択だったが、今後は上手くいくとは限らない。ベルファストの進言を聞き入れて回避する事を選択する。

 

先ほどのトラップは唯の人間を殺すには明らかにオーバーキルというべき威力が込められていた。

並みの防具では、歯牙にもかけずに両断されていただろう。ハジメのように奈落の鉱物を用いた武器防具や、京矢の様にライダーシステムか超常的な力を持った武具でも持っていなければ回避以外に生存の道はない。

 

付け加えるならば、動き易さを優先した軽装の京矢では変身していなければ撃ち漏らしては致命傷になる危険もある。

 

「でもまぁ、あれくらいなら問題ないか」

 

「でも、ベルファストに心配をかけたくないから慎重に行こうぜ」

 

どんな危険な罠があるか分からないのだからと会話を交わす京矢とハジメ。

どれだけ威力があっても、唯の物理トラップではハジメは殺しきれないだろう。そして、ユエには〝自動再生〟がある。トラップにかかっても死にはしない。

変身していれば京矢にしてみても無傷で切り抜ける自信はある。

となると……必然的にヤバイのはエンタープライズとベルファストとシアであるが、エンタープライズとベルファストに付いても罠の動きに気付く程度の実戦経験はある。

つまり、一番危険のはシアだ。そのことに気がついているのかいないのか分からないが、シアのストレスが天元突破するであろうことだけは確かだった。

 

「あれ? ハジメさん、京矢さん、何でそんな哀れんだ目で私を……」

 

「強く生きろよ、シア……」

 

「生きてりゃ良いことは必ずあるさ。希望を捨てるなよ」

 

「え、ええ? なんですか、いきなり。何か凄く嫌な予感がするんですけど……」

 

赤城(アズールレーン)はどちらのヒロインに

  • 京矢
  • ハジメ
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