『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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黙り込んで顔を俯かせるユエとシアに、ミレディが非常に軽い感じで話しかける。

 

「あれぇ? あれぇ? テンション低いよぉ~? もっと驚いてもいいんだよぉ~? あっ、それとも驚きすぎても言葉が出ないとか? だったら、ドッキリ大成功ぉ~だね☆」

 

ちっこいミレディ・ゴーレムは、巨体版と異なり人間らしいデザインだ。

華奢なボディに乳白色の長いローブを身に纏い、白い仮面を付けている。ニコちゃんマークなところが微妙に腹立たしい。

そんなミニ・ミレディは、語尾にキラッ! と星が瞬かせながら、京矢達の眼前までやってくる。未だ、ユエとシアの表情は俯き、垂れ下がった髪に隠れてわからない。もっとも、先の展開は読めるので、ハジメは一歩距離をとった。

 

「離れてようぜ」

 

「ああ」

 

ふと、そんな事を話かけてきた京矢の視線を追ってみると#マークを貼り付けているエンタープライズとベルファストの姿があった。

 

ユエ達がぼそりと呟くように質問する。

 

「……さっきのは?」

 

「ん~? さっき? あぁ、もしかして消えちゃったと思った? ないな~い! そんなことあるわけないよぉ~!」

 

「でも、光が昇って消えていきましたよね?」

 

「ふふふ、中々よかったでしょう? あの〝演出〟! やだ、ミレディちゃん役者の才能まであるなんて! 恐ろしい子!」

 

「つまり、すべて演技だったと?」

 

「そうだよ! ミレディちゃん、やっぱり天才!」

 

「…………」

 

「どうしたのかな? 何で黙ってるの?」

 

テンション上がりまくりのミニ・ミレディ。比例してウザさまでうなぎ上りだ。

そんなミニ・ミレディを前にして、ユエは手を前に突き出し、シアはドリュッケンを構え、エンタープライズは弓を構えて、ベルファストは艦装を展開する。

流石に、あれ? やりすぎた? と動きを止めるミニ・ミレディ。

 

ゆらゆら揺れながら迫ってくるユエとシア、エンタープライズと妙に良い笑顔のベルファストに、ミニ・ミレディは頭をカクカクと動かし言葉に迷う素振りを見せると意を決したように言った。

 

「テヘ、ペロ☆」

 

「……死ね」

 

「死んで下さい」

 

「死ね」

 

「死んでいただけますか?」

 

「ま、待って! ちょっと待って! このボディは貧弱なのぉ! これ壊れたら本気でマズイからぁ! 落ち着いてぇ! 謝るからぁ!」

 

しばらくの間、ドタバタ、ドカンバキッ、いやぁーなど悲鳴やら破壊音や爆発音が聞こえていたが、京矢とハジメは一切を無視して、部屋の観察に努めた。

部屋自体は全てが白く、中央の床に刻まれた魔法陣以外には何もなかった。唯一、壁の一部に扉らしきものがあり、おそらくそこがミニ・ミレディの住処になっているのだろうと二人は推測する。

 

京矢とハジメは、おもむろに魔法陣に歩み寄ると勝手に調べ始めた。

それを見たミニ・ミレディが慌てて二人のもとへやって来る。後ろからは、無表情の吸血姫とウサミミとメイド長とエンタープライズがドドドドッと音を立てながら迫って来ている。

 

「君達ぃ~勝手にいじっちゃダメよぉ。ていうか、お仲間でしょ! 無視してないで止めようよぉ!」

 

そんな文句を言いながらミニ・ミレディはハジメという京矢の背後に回り、四人の悪鬼に対する盾にしようとする。

 

「……ハジメどいて、そいつ殺せない」

 

「退いて下さい。ハジメさん。そいつは殺ります。今、ここで」

 

「まさか、そのネタをこのタイミングで聞くとは思わなかった。」

 

「京矢様退いていただけますか? それは今直ぐ掃除致しませんと、この世から」

 

「それは沈めなければならない」

 

「いや、二人とも落ち着けって」

 

「っていうかいい加減遊んでないでやる事やるぞ」

 

ハジメは若干呆れた表情でユエとシアに軽い注意をして、京矢は結構本気でミレディを抹殺しようとしているエンタープライズとベルファストを止めている。

背後のミニ・ミレディが「そうだ、そうだ、真面目にやれぇ!」とか言ってはやし立てたのでハジメは顔面を義手でアイアンクローしている。ニコちゃんマークが微妙に歪み悲痛な表情になっているが気にしない。

そのまま力を入れていきミニ・ミレディの頭部からメキメキという音が響きだした。

 

京矢も京矢でミレディを袋叩きにするのは文句は無いが今は優先すべき事があるのだ。

そう決意して魔剣目録の中から適当にヤバめの魔剣を取り出す。

 

「このまま愉快なデザインになりたくなきゃ、さっさとお前の神代魔法をよこせ」

 

「おら、三枚に下ろされたくなきゃ、さっさと神代魔法出せ」

 

「あのぉ~、言動が完全に悪役だと気づいてッ『メキメキメキ』了解であります! 直ぐに渡すであります! だからストープ! これ以上は、ホントに壊れちゃう! って、なにその剣、見ただけで三枚おろしじゃ済まない雰囲気しか無いんだけど!?」

 

ジタバタともがくミニ・ミレディに取り敢えず溜飲を下げたのかユエとシアにエンタープライズとベルファストも落ち着きを取り戻し、これ以上ふざけると本気で壊されかねないと理解したのかミニ・ミレディもようやく魔法陣を起動させ始めた。

序でに京矢の取り出した魔剣には色んな意味で怯えていた。

 

 魔法陣の中に入るハジメ達。今回は、試練をクリアしたことをミレディ本人が知っているので、オルクス大迷宮の時のような記憶を探るプロセスは無く、直接脳に神代魔法の知識や使用方法が刻まれていく。ハジメとユエは経験済みなので無反応だったが、シアは初めての経験にビクンッと体を跳ねさせた。

 

ものの数秒で刻み込みは終了し、あっさりと京矢達はミレディ・ライセンの神代魔法を手に入れる。

 

「これは……やっぱり重力操作の魔法か」

 

「そうだよ~ん。ミレディちゃんの魔法は重力魔法。上手く使ってね…って言いたいところだけど、君とウサギちゃんとメイドちゃんと銀髪ちゃんは適性ないねぇ~もうびっくりするレベルでないね!」

 

「やかましいわ。それくらい想定済みだ。寧ろ、魔法には興味ないって顔をしてる鳳凰寺に適性有るのが驚きだ!」

 

「手持ちの剣に重力を操る剣は有るけどな。剣限定だけど」

 

主に重力剣とかテン・コマンドメンツのグラビティ・コアとか。

魔法適性については予想外だったが、足跡の使い捨てアーティファクトの制作のように便利そうだと思う。

 

(剣の重さを上手く切り替えれば便利かな、これは?)

 

ミニ・ミレディの言う通り、ハジメとシアは重力魔法の知識等を刻まれてもまともに使える気がしなかった。ユエが、生成魔法をきちんと使えないのと同じく、適性がないのだろう。

寧ろ、剣士でありながら生成魔法にも重力魔法にも有る程度使えるだけとはいえ適性がある京矢の方が異常なのだ。

 

「まぁ、ウサギちゃんは体重の増減くらいなら使えるんじゃないかな。君は……生成魔法使えるんだから、それで何とかしなよ。金髪ちゃんは適性ばっちりだね。修練すれば十全に使いこなせるようになるよ。それから……」

 

そう言ってミニ・ミレディは京矢へと視線を向ける。

 

「……自由に重力を操れるアーティファクトの剣持ってるのは良いとして、剣士なのに適正有るのか疑問なんだよね」

 

グラビティ・コアの重力を重力魔法で中和して振り上げる練習をしている京矢に、珍しく呆れた顔を向けるミニ・ミレディ。

 

「そっちの銀髪ちゃんとメイドちゃんには驚きを通り越して信じられないレベルに無いね」

 

それもある意味想定内だ。二人はこの世界の人間ではない以前に擬人化された艦船。魔法を会得できない可能性が高かったのだ。

 

そんなミニ・ミレディの幾分真面目な解説にハジメは肩を竦め、ユエは頷き、シアは打ちひしがれ、京矢は成る程と頷くとグラビティ・コアを扱いやすくなったと思い、エンタープライズとベルファストは気にした様子はない。

 

だが、シアはせっかくの神代魔法を適性なしと断じられ、使えたとしても体重を増減出来るだけ。ガッカリ感が凄まじい。

また、重くするなど論外だが、軽くできるのも問題だ。油断すると体型がやばい事になりそうである。むしろデメリットを背負ったんじゃ……とシアは意気消沈した。

 

落ち込むシアを尻目に、ハジメは更に要求を突きつける。遠慮、容赦は一切ない。

 

「おい、ミレディ。さっさと攻略の証を渡せ。それから、お前が持っている便利そうなアーティファクト類と感応石みたいな珍しい鉱物類も全部よこせ」

 

「……君、セリフが完全に強盗と同じだからね? 自覚ある?」

 

歪んだニコちゃんマークの仮面が、どことなくジト目をしている気がするが、ハジメは気にしない。

ミニ・ミレディは、ごそごそと懐を探ると一つの指輪を取り出し、それをハジメに向かって放り投げた。パシッと音をさせて受け取るハジメ。ライセンの指輪は、上下の楕円を一本の杭が貫いているデザインだ。

 

ミニ・ミレディは、更に虚空に大量の鉱石類を出現させる。おそらく〝宝物庫〟を持っているのだろう。

そこから保管していた鉱石類を取り出したようだ。やけに素直に取り出したところを見ると、元々渡す気だったのかもしれない。何故か、ミレディはハジメが狂った神連中と戦うことを確信しているようであるし、このくらいの協力は惜しまないつもりだったのだろう。

 

ハジメ達が戦利品を漁ってる間に京矢はミレディの前に簡易に作った爆弾がわりのアーティファクトとルーン・セイブに変化させたテン・コマンドメンツを取り出す。

 

「なあ、オレからも一ついいか?」

 

「何かな〜? 迷宮攻略のご褒美にミレディさん、なんでも教えてあげるよ」

 

「まあ、先ずは……」

 

そう言って目の前でルーン・セイブの力を見せてから、改めてミレディへと問う。

ルーン・セイブの力には流石のミレディも驚きは隠せない。

 

「物理的には何も切れないで、魔力みたいな物は切る……ううん、封印してるみたいだね。物凄いアーティファクトだと思うけど、それがどうかしたの?」

 

「ああ。神代魔法を会得する魔法陣、それをこいつで切った場合の影響を制作者の一人であるあんたから聞きたい」

 

錬成師のハジメ以外は到達しても意味のないオスカーの迷宮では放置したが、元々他の迷宮の神代魔法は自分たちが会得したあとには魔法陣を封印する予定だった。(最後に攻略すべき推奨レベルの迷宮ならば他の神代魔法を封印すればオスカーの迷宮は攻略不能と判断したと言う事もある)

だが、不安があった。後年に於いて必要になる時と別行動をした際に自分達全員が会得できない可能性だ。

 

此処で製作者の意見が聞けるのは有り難い。

 

「ん〜。多分、封印だからね、何年かすればとけるんじゃ無いかな? 無理矢理にでも再起動させる事も難しいけど出来ない事は無いと思うよ」

 

「成る程。悪霊擬きに利用されない為に封印しても」

 

「君達の話を聞く限り封印するのも良い考えしれないね」

 

機能を停止した簡易アーティファクトを手の中で玩びながらミニ・ミレディはそう答える。

 

神代魔法の大半を独占するという計画の不安な点もなんとかなるなら実行しても問題はないだろう。

 

出された鉱物類を自分の〝宝物庫〟に仕舞ったハジメは冷めた目を京矢との会話を終えたミニ・ミレディに向ける。

 

「おい、それ〝宝物庫〟だろう? だったら、それごと渡せよ。どうせ中にアーティファクト入ってんだろうが」

 

「あ、あのねぇ~。これ以上渡すものはないよ。〝宝物庫〟も他のアーティファクトも迷宮の修繕とか維持管理とかに必要なものなんだから」

 

「知るか。寄越せ」

 

「あっ、こらダメだったら!」

 

本当に根こそぎ奪っていこうとするハジメに焦った様子で後退るミニ・ミレディ。

彼女が所有しているアーティファクト類は全て迷宮のために必要なものばかりだ。むしろ、それ以外には役に立たないものばかりなので、ハジメが持っていても仕方がない。

その辺りのことを掻い摘んで説明するが、ハジメは「ほぅほぅ、よくわかった。じゃあ寄越せ」と容赦なく引渡しを要求する。どこからどう見ても、唯の強盗だった。

 

こいつをなんとかしてという視線を京矢に向けるが、京矢は京矢でハジメを止める気はないらしい。

赤城(アズールレーン)はどちらのヒロインに

  • 京矢
  • ハジメ
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