『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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「本当に良いんだな?」

 

「ああ、やれるもんならやってみな」

 

互いに同系列のバックルを持って対峙する京矢とハジメ。互いの目は真剣そのものだ。

 

「「変身!」」

 

 

『turn up』

 

 

 

京矢がスペードとカブトムシを模した紋章を、ハジメがクワガタとダイアを模した紋章を潜り抜けると二人は姿を変える。

『仮面ライダーブレイド』と『仮面ライダーギャレン』へと。

 

 

「うおおおおおおああ! スゲー! マジで変身出来た!」

 

京矢が出した姿見の鏡の前でポーズを決めるギャレンに(ハジメ)。この世界にも元の世界にも仮面ライダーは無いのだが、ガチの変身ヒーローになれたと言うのはテンションを大いにあげていた。

 

「おい、本当にこれ貰っていいのかよ!?」

 

「メインウエポンが銃なんだぜ、オレよりお前のが使えるだろうから遠慮するなよ」

 

嬉しそうにギャレンバックルを受け取るハジメ。奈落の洗礼を受けても本当の変身ヒーローになれるのは嬉しいのだ。

なお、そんな仲良く話している二人に不満そうな顔をしているユエさんが居たとか。

 

 

 

 

 

 

さて、バールクスに変身していた京矢との再会やハジメに渡されたギャレンバックルの初変身を試していて時間は取られたが次の階層へと(やっと)向かった京矢を仲間に加えた一同。

 

「なんか、シュールな絵だな……頭に花の生えた恐竜って」

 

次の階層に向かうための階段を探している最中、ティラノサウルスを思わせる巨大な爬虫類の魔物が三人の目の前を闊歩して居た。だが、その頭に一輪の可憐な花を挿しているのだから迫力も台無しだ。

 

鋭い牙と溢れる殺気がその強大さを物語っているが、頭の上ではフリフリと一輪の花が揺れている。

 

 

 

『RX!』

 

 

 

京矢が無言のままにRXのライドウォッチを押すとそこから漏れ出した何かに怯えて即座に逃げ出して行ったが……。

 

「……そりゃ、普通は逃げ出したくなるぞ、それ」

 

「……ん、怖い」

 

「流石、超世紀王(仮面ライダーBLACK RX)

 

少なくともRXより強い魔物などこの迷宮には居ないのではないだろうかと内心思ってしまう京矢だった。

当然の事だが。

 

最初から平成最後の仮面ライダーの劇場版のラスボスの力で一方的に奈落の魔物を一方的に蹂躙できる京矢に全属性の魔法をノータイムで操るユエにこの世界には無い銃を使い熟練度が増してきたらハジメ。

最悪の場合は本能だけで動いてる魔物はRXライドウォッチを起動させる事で漏れ出した力に怯えて逃げ出していく。

 

「で、最初から変身したままで良いのか?」

 

「安全対策はしとくべきだろ? これでも絡め手には弱いんだしな、オレ達」

 

ユエが回復や結界の魔法が得意では無い為回復手段が神水に限定されると言う自分達の弱点を自覚した上でそう発言する京矢。

仮面ライダーブレイドに変身したままなのはその為だ。なお、使い慣れてない強力な力は軽々しく使わない方が良いと考えてハジメはギャレンのバックルを京矢に預けている。

 

なお、一度はハジメつながりでカリスを渡そうかと悩んだのは京矢だけの秘密だ。まあ、リムが刃になっている弓と言う特殊な武器は使い辛いだろうから辞めておいたのは正解だったかもしれないが。

 

手元にゾルダが有れば一番良かったが、残念ながら龍騎系ライダーの力は手元には無いのだ。

今後のガチャで手に入れたらハジメに渡したいところだが、契約モンスターの食事が問題になる可能性もある。(トータスでは魔物をマグナギガの餌にすれば問題ないだろうが)

 

「まっ、命を大事にして、適度にガンガン行こうぜ」

 

木々が鬱蒼としている森林を先頭に立って京矢が歩いて行く。ライダーシステムの防御力と接近戦特化の天職である為に前衛として自然と行動して居た。

 

数で不利になるのならばRXのライドウォッチで敵を恐慌状態にすれば良い。先程も200体近い頭に花を挿したラプトル擬きの群れに遭遇した時もそうして対応した。

強大なドラゴンも葬る強大な魔法を使えても、簡単な魔法で一撃で始末できるゴブリンの群れには意味は為さない事もある。数の暴力は厄介なのだ。

 

そんな訳で恐怖に襲われて逃げ出す群れを後ろから撃つ簡単な作業で終わった。

 

「なんか、オレさっきから何もしてない気がする……」

 

「……ハジメ、ファイト……」

 

大抵はユエの魔法で葬れ、それを避けた場合も京矢によって真っ二つにされて出番がない。だが、落ち込む前にリアル特撮ヒーローの活躍を見れて最初は興奮して居たのはハジメだけの秘密だ。

……脱出したら貰ったバックルの使い方を絶対練習しようと誓うハジメだった。

 

「そういや、知ってるか? 恐竜ってのは鳥の先祖って説もあるらしいぜ」

 

「これは完璧爬虫類だけどな……」

 

京矢の豆知識を聞きつつ少し落ち込み気味なハジメであった。

 

ふとそんな事を話していると先程倒したラプトル擬きの頭から落ちた花を手に取る。

 

(そう言う系列の魔物って事か? その割には異質すぎるだろ魔物と花が。……そうじゃ無かったら、この花は)

 

冬虫夏草と言う高級食材のキノコを思い出すと妙にこの花と重なってしまうのだ。

 

(寄生植物)

 

ブレイドのライダーシステムが何処まで防げるかは分からないが厄介な物に変わりはない。そう考えれば頭に花を挿しているのも納得出来る。そんな推測を考えて手の中にある花を握り潰す。

 

新たなラプトル擬きの群れに遭遇すると今度は正面から迎え撃つ構えを取る。

 

先制としてハジメのドンナーの弾丸が先頭の数体の頭を撃ち抜くが群の勢いは変わらない。

 

「ちっ」

 

仲間の死を意に介さずに動くラプトルの群れに舌打ちして三人は左右に分かれて回避する。

 

「旋!」

 

『thunder』

 

ブレイラウザーにサンダーディアーのカードを読み込ませて得意の剣掌・旋と複合させた即席の雷撃の竜巻にラプトル擬き達を飲み込ませる。

流石にこれには驚異と思ったのだろう、一瞬だが動きは止まる。

 

「それにしても、流行ってるのか?」

 

「……可愛い……」

 

「シュールなだけだろ」

 

花をゆらゆらさせながら殺気を向けてくる態度の落差が激しすぎる。

 

「そんな流行が出るほど知能が高けりゃ有難いんだけどな」

 

赤い複眼の仮面から視線をハジメへと向け一瞬のアイコンタクト。木々を足場に飛び回りながらラプトル擬きの花を切り落とす。京矢の考えを理解したハジメも気になっていたのだろう、何体かのラプトル擬きの花だけを撃ち抜いていく。

 

京矢とハジメに花を落とされたラプトル擬き達は一瞬痙攣したかと思うと地面を転がり木にぶつかり地面に倒れた。

 

「ラスト!」

 

ブレイラウザーの一閃が最後のラプトル擬きを斬り倒し、地面に転がった者以外の処理を終える。

ユエもトコトコとハジメの側によっているので京矢も安全に観察できる場所までラプトル擬きから離れる。

 

ユエは花とラプトル擬きを交互に見ながら、

 

「……死んだ?」

 

「いや、生きてるぽいけど……」

 

「花を落とされて気絶したって感じだったな」

 

暫く観察していると再度の痙攣と共に起き上がったラプトル擬き達は起き上がり周囲を見回すして、花を見つけると親の仇と言わんばかりに一斉に踏みにじった。

 

「え~、何その反応、どう言う事だ?」

 

「……イタズラされた?」

 

「いや、そんな背中に張り紙貼り付けて騒ぐ小学生じゃないんだから」

 

「いや、あの花って……何かから着けられたアンテナみたいな物じゃないのか?」

 

京矢が己の推測を告げる。

 

「寄生植物の一種かと思ったけど、花が落ちた瞬間ああなった以上はそれは無さそうだしな」

 

頭に根を張っているのならばまだ寄生された状態は続いている筈だ。それが無いのならばそう考えるのが自然だ。

 

ラプトル擬き達は一通り踏みつけて満足したのか、如何にも「ふぅ~、いい仕事したぜ!」と言わんばかりに天を仰ぎ「キュルルル~!」と鳴き声を上げた。そして、ふと気がついたように京矢達の方へ顔を向けビクッとする。

 

哀れラプトル擬き達は用が済んだとばかりにハジメに頭を撃ち抜かれるのだった。

 

「今気付いたのかよ、どんだけ夢中だったんだよ」

 

「……やっぱり、イジメ?」

 

「でなきゃ、相当な恨みを持ってたって事だな。っ!?」

 

そんな会話をしていた時何かの気配を感じる。明らかに此方へと近づいている気配の数々。

 

「おい、二人とも、早くここから離れた方がいい」

 

京矢の言葉に『気配察知』を発動して確認すると馬鹿みたいな数が走ってきている。

 

「なんでお前はオレより先に気付けるんだよ?」

 

「潜った修羅場の数って奴だ」

 

「そう言われると納得するしか無いな。ユエ、急いで逃げるぞ!」

 

「どうしたの?」

 

「かなりの数の敵が迫ってきてる! チッ、包囲されてるだろうし、上に逃げるぞ」

 

「分かった!」

 

京矢の声に答えて、しゃがみ込むとユエはその背中に抱き着く。既に京矢は上に逃げて安全の確認をしてくれていた。

 

「急げ、時間はねえ!」

 

「ああ!」

 

上から見た光景に焦った京矢の言葉に従って急いで『空力』を使って木の上に逃げる。

 

「なんでどいつも頭に花つけてんだよ!?」

 

「……ん、お花畑」

 

「嫌な花畑だな、あれは」

 

目の前の光景に嫌な顔をしながら爆弾でも無いかと四次元ポケットの中身を漁ろうと思った時、

 

「なあ、南雲」

 

「どうした?」

 

「ご都合主義正義馬鹿の頭の中と今の光景って同じだな」

 

「……」

 

突然何を言ってるのかと思いつつ無言で続きを促すが、

 

「どっちも嫌なお花畑」

 

「…………っ!?」

 

次に飛び出してきた京矢の言葉に爆笑しそうになってしまったハジメだった。

 

「って、南雲、悪い!」

 

笑いを堪えたせいで枝の上から落ちそうになるハジメの腕を掴んで落ちるのを防ぐ京矢。

 

またも笑いのネタにされた光輝は王宮でクシャミをするのだった。

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