『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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それを見て、京矢からの「任せる」と言う言葉を聞いてハジメは前に出る。

錬成で、地面を盛り上げながら即席の演説台を作成する。人々の不安を和らげようと思ったわけではなく、単純にパニックになってフレンドリーファイアなんてされたら堪ったものではないからだ。

 

突然、壁の外で土台の上に登り、迫り来る魔物に背を向けて自分達を睥睨する白髪眼帯の少年に困惑したような視線が集まる。

 

ハジメは、全員の視線が自分に集まったことを確認すると、すぅと息を吸い天まで届けと言わんばかりに声を張り上げた。

 

「聞け! ウルの町の勇敢なる者達よ! 私達の勝利は既に確定している!」

 

いきなり何を言い出すのだと、隣り合う者同士で顔を見合わせる住人達。ハジメは、彼等の混乱を尻目に言葉を続ける。

 

「なぜなら、私達には女神が付いているからだ! そう、皆も知っている〝豊穣の女神〟愛子様だ!」

 

その言葉に、皆が口々に愛子様? 豊穣の女神様? とざわつき始めた。護衛騎士達を従えて後方で人々の誘導を手伝っていた愛子がギョッとしたようにハジメを見た。

 

「我らの傍に愛子様がいる限り、敗北はありえない! 愛子様こそ! 我ら人類の味方にして〝豊穣〟と〝勝利〟をもたらす、天が遣わした現人神である!」

 

笑みを浮かべつつ京矢も演説台の上に上がり、魔剣目録の中から取り出してておいた一振りの聖剣を掲げる。

 

「聞け! 創造は破壊と遂にある! 破壊は常に創造の前にある物! そして、豊穣の女神たる愛子様も破壊の権能を持っている! 常に破壊の力を振るう事を悲しまれていた愛子様より、守る為に遣わされた力を今ここに振るおう!」

 

「我等は、愛子様の剣にして盾、彼女の皆を守りたいという思いに応えやって来た! 見よ! これが、愛子様により教え導かれた私の力である!」

 

ハジメはそう言うと、虚空にシュラーゲンを取り出し、銃身からアンカーを地面に打ち込んで固定した。そして膝立ちになって構えると、町の人々が注目する中、些か先行しているプテラノドンモドキの魔物に照準を合わせ……引き金を引いた。

 

紅いスパークを放っていたシュラーゲンから、極大の閃光が撃ち手の殺意と共に一瞬で空を駆け抜け、数キロ離れたプテラノドンモドキの一体を木っ端微塵に撃ち砕き、余波だけで周囲の数体の翼を粉砕して地へと堕とした。

 

ハジメは、そのまま第二射三射と発砲を続け、空の魔物を駆逐していく。そして、わざと狙いを外して、慌てたように後方に下がろうとしている比較的巨大なプテラノドンモドキを、その上に乗っている黒ローブごと余波で吹き飛ばした。黒ローブは宙に吹き飛ばされて、ジタバタしながら落ちていった。

 

そこでハジメは京矢にバトンを渡す。

 

「その目に焼き付けよ! これこそが女神によりこの地に齎された、星の聖剣が一振りの輝きである!」

 

光り輝く聖剣を掲げ、静かに剣身一体を発動させ、聖剣ガラティーンの本来の持ち主であるガウェインの幻影と並ぶ。

 

「邪悪なる魔物を焼き尽くせし日輪の刃、その一太刀を心に刻め!」

 

自身の魔力の代わりに気を代用に使い、宝具を開放する。

 

「この剣は太陽の映し身。もう一振りの星の聖剣! あらゆる不浄を清める焔(ほむら)の陽炎!」

 

京矢は真上にガラティーンを投げる。回転するそれはもう一つの太陽を幻視させる輝きを放つ。

回転しながら落ちて来た聖剣を受け止め、

 

転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)!!!」

 

横なぎに振り抜かれた剣閃は剣から伸びる炎と共に前方に向かって弧を描き、描かれた弧は円となって焔の刻印を地面に刻む。その刻印から灼熱の炎が噴き上がり、地上の魔物の群れを焼き尽くす。

 

それでも横なぎに放った故か、先陣の群れを焼き尽くしたに止まってしまった。

まあ、下手に広範囲殲滅をしてしまうと、黒ローブの男まで焼き尽くしかねないし、寧ろ先陣になっていた足の速い魔物を優先的に始末できたので問題ないだろう。

 

そして、天と地の魔物を駆逐したハジメと京矢は、

 

「「愛子様、万歳!」」

 

最後の締めに愛子を讃える言葉を張り上げた。すると、次の瞬間……

 

「「「「「「愛子様、万歳! 愛子様、万歳! 愛子様、万歳! 愛子様、万歳!」」」」」」

 

「「「「「「女神様、万歳! 女神様、万歳! 女神様、万歳! 女神様、万歳!」」」」」」

 

ウルの町に、今までの様な二つ名としてではない、本当の女神が誕生した。

どうやら、ハジメのシュラーゲンと言う理解不能な武器の力の後に、分かりやすい聖剣の力を見せつけられて、すがる存在も現れた事で不安や恐怖も吹き飛んだようで、町の人々は皆一様に、希望に目を輝かせ愛子を女神として讃える雄叫びを上げた。……その中で真っ先に愛子を称えているのがデビッドなのは敢えて触れない。

遠くで、愛子が顔を真っ赤にしてぷるぷると震えている。その瞳は真っ直ぐに京矢とハジメに向けられており、小さな口が「ど・う・い・う・こ・と・で・す・か!」と動いている。

そんな愛子に対して、ニッコリと笑顔でサムズアップする京矢とハジメ。京矢所有のクウガのDVDのお陰で割とお気に入りな仕草になっている。

 

「さて、鳳凰寺、みんなの笑顔を守る為に頑張るとするか」

 

「そうだな、南雲」

 

そして、仕上げとばかりに互いにバックルを取り出して装着する2人。

 

2人が装着するのは、予めエースのラウズカードを装填しておいたプレイバックルとギャレンバックル。

 

バックルを身につけた京矢は高らかと腕を振り上げ、人々にそれを宣言する。

 

「そして、愛子様の導きにて現れた神の鎧の威容を見よ!」

 

その宣言と共に、

 

「「変身!」」

 

 

『turn up』

 

 

人々の注目を浴びながら出現するオリハルコンエレメントを2人が潜ると、2人の姿をブレイドとギャレンへと変える。

 

流石に仮面ライダーへの魔物の群れに飛び込んだ後の変身でも良かったのだが、魔物と間違われて後ろから攻撃されたく無いので、こうして目の前で変身をしてみせた。

 

一瞬、その光景に言葉を失う町の住人達。クラスメイト達も同様だ。そして、その中でも男子生徒達は思った。「特撮ヒーローだとぉ!?」と。

 

いや、恐らくは光輝位しかそれに憧れない男は居ないだろう。

そんな誰もが一度は憧れた特撮ヒーローが、目の前に本当に現れた光景に言葉を失う男子生徒達。

彼らは言葉を失いながらも、目を輝かせてその姿を見ている。テレビの中でしか見られない光景が目の前の現実に存在している。しかも、自分のクラスメイトがそれに変身しているのだ。驚かない訳が無い。

 

そして、小石が落ちる音が響くと、それを引き金に腹の底から響く様な絶叫にも似た歓声と共に再び「愛子様、万歳!」との叫び声が上がった。

光に包まれてあんな鎧が現れるのは神の御技に違いないと確信する。……実際には全然違うが。

 

変身などという光景を見せつけられ唖然としているクラスメイトと愛子を放置して、しれっとして再び魔物の大群に向き直った。2人が、ここまで愛子を前面に押し出したのは、もちろん理由がある。

 

一つは、この先、彼等の活躍(大暴れ)により教会や国が動いたとき、彼等が彼等に害をなそうとすれば、愛子は確実に教会や国とぶつかるだろうが、その時、〝豊穣の女神〟の発言権は強い方がいいというものだ。

 

町の危急を愛子様(・・・)の力で乗り切ったとなれば、市井の人々は勝手に噂を広め、〝豊穣の女神〟の名はますます人々の心を掴むはずだ。

その時は、単に国にとって有用な人材というだけでなく、人々自身が支持する女神として、国や教会も下手な手出しはしにくくなり、より強い発言権を得ることになるだろう。

それに失敗したら問答無用に物理手段での王国をひっくり返すだろうが。

 

二つ目は単純に、大きな力を見せても人々に恐怖や敵意を持たれにくくするためだ。一個人が振るう力であっても、それが自分達の支持する女神様のもたらしたものと思えば、不思議と恐怖は安心に、敵意は好意に変わるものである。教会などから追われるようになっても、協力的な人がいる……といいなというものだ。

 

三つ目としては単純に、自分を矢面に立たせたのだから〝南雲ハジメと鳳凰寺京矢の先生〟なら諸共に矢面に立って見せろという意思表示である。

 

京矢に限定すれば4つ目として、この世界におけるエヒトへの信仰を薄れさせる為の行動。神を倒す上で重要なのは神の座から引き下ろす事。場合によってはエヒトを殺す必要が有るのならば、神の高みから引き摺り下ろすのは重要だ。その為の第一歩は信仰する人間を減らす事。

エヒト信仰から豊穣の女神信仰に変われば有り難い。更に場合によってはキシリュウジンジェットも使って戦神信仰を作っても良いが。

 

そして、もっとも一番の理由は、単に町の住民にパニックになって下手なことをされたくなかっただけなので、咄嗟に思いついた程度の手である。

後で、愛子に色々言われそうだが、愛子自身にもメリットはあるし、彼女自身の選択の結果でもあるので大目に見てもらうか……事が終わればドサクサに紛れてトンズラすればいい。

 

更に然程価値のないとは言えガチャ産アイテムを撒いた京矢のミスのフォローに繋がると言うのも後に加わってくるが、当の本人も知らない今は関係ない。

 

どうも、似た様な物が有るだけに、迷宮で見つけたとでも言って誤魔化せそうな本人にとって重要視しない物は、トータスでは管理が杜撰になる事がある京矢にハジメが頭を悩ませる事になるのだが、それはそれ。

後日、改めてミスをどうするべきかと悩みつつ、内心、引き当てた時に樹海のハウリア族にでも護身用に渡しとけば良かったと思う2人がいたりする。

 

京矢とハジメは、背後から町の人々の魔物の咆哮にも負けない愛子コールと、愛子自身の突き刺さるような視線と、「何だよ、あいつ結構分かっているじゃないか」と笑みを浮かべている護衛騎士達の視線をヒシヒシと感じながら、ブレイラウザーとギャレンラウザーを構えて、前に進み出る。

 

ハジメの右にはいつも通りユエが、左にはハジメが貸与えたオルカンを担ぐシアが、更にその隣には、魔晶石の指輪をうっとり見つめるティオが並び立ち、京矢の右にはエンタープライズが、左にはベルファストが並び立つ。

地平線には、プテラノドンモドキが落とされたことや、先陣の群れを焼き払われた事などまるで関係ないと言う様に、一心不乱に突っ込んでくる魔物達が視界を埋め尽くしている。

 

京矢とハジメは、視線を大群に戻すと笑みを浮かべながら、何の気負いもなく呟いた。

 

「よっしゃぁ! 行くぜぇ!」

 

京矢の号令と共に戦端は切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何だよ、これは……何なんだよ、これは!!)

 

ウルの町を襲う数万規模の魔物の大群の遥か後方で、即席の塹壕を堀り、出来る限りの結界を張って必死に身を縮めている少年、清水幸利は、目の前の惨状に体を震わせながら言葉を失った様に口をパクパクさせていた。

ありえない光景、信じたくない現実に、内心で言葉にもなっていない悪態を繰り返す。

 

そう、魔物の大群をけし掛けたのは紛れもなく、行方不明になっていた愛子の生徒、清水幸利だった。とある男との偶然の末に交わした契約により、ウルの町を愛子達ごと壊滅させようと企んだのだ。

しかし、容易に捻り潰せると思っていた町や人は、全く予想しなかった凄絶な迎撃により未だ無傷であり、それどころか現在進行形で幸利にとっての地獄絵図、町の人間にとっては神話の後継の一ページ、地球出身者にとってはヒーローショーが生み出されていた。

 

真っ先に魔物の群れに飛び込んだブレイドとギャレンに変身した京矢とハジメは当たるを幸いに魔物の群れを蹂躙していく。

視認すら許さない音速の動きで駆け抜けるブレイドはすれ違いざまに次々と魔物を切り裂いていき、ギャレンは拳を振るい2~3体の魔物を殴り飛ばし、指揮官の様に指示を出している動きの鈍い魔物の頭を撃ち抜いていく。

 

更に光に包まれた様に金色の翼を広げた姿、ジャックフォームに変身すると、

 

『スラッシュ』『サンダー』

『ライトニングスラッシュ』

 

ブレイドが雷光を纏った刃で滑空しながら次々へと魔物達を切り裂き、

 

 

『バレット』『ファイヤー』『ラピッド』

『バーニングショット』

 

 

ギャレンがプテラノドンモドキが全滅した事で完全に奪われた制空権を利用して上空から火炎の弾丸を連射する。

火炎の弾丸は敵の手が届かない上空から一方的に大地を鳴動させ雄叫びを上げながら突進する魔物達の種族、強さに関係なく、僅かな抵抗も許さずに一瞬で唯の肉塊に変えた。

 

金色の翼を携えた2人のヒーローはそこに難攻不落の城壁でもある様に魔物達を一切寄せ付けず、瞬く間に屍山血河を築き上げた。

 

(……何だよ、アイツら……なんで俺と同じ力を持ってるんだよ!?)

 

幸利は心の中でそう絶叫する。自分と同じヒーローの力を持っている奴が二人も自分の敵になって立ち塞がっていると言う事実が受け入れないのだろう。

 

ならば、自分が二人と戦ってその隙に魔物に町を蹂躙させると言う考えさえも浮かばない。

目の前の敵の力に圧倒され、アナザーシンへと変身することさえ思いつかないのだった。

ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?

  • 倒したのを頑張って修復キングジョー
  • 京矢からのレンタル、ヨクリューオー
  • グランドライナー
  • ダイボウケン
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