『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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さて、京矢の光輝をネタにした冗談でハジメが笑いそうになって枝から落ちそうになったと言うトラブルは有ったものの、無事に避難は成功していた。

 

「で、あの天之川ラプトルとかの天之川モンスター達は変異種か何かに寄生されてるって見て良さそうだな」

 

「……っ!?」

 

天之川モンスターと言う所で再び爆笑しそうになったハジメだった。

 

「どっちも頭に花が咲いてるって事で」

 

「っ!?」

 

京矢の言葉にハジメはその光景を想像したのだろう、更に爆笑しそうになる。

 

「ってか、寄生されてるって見て良さそうだぜ、アイツら」

 

彼らの眼下では頭に花が生えたラプトル擬き改め天之川ラプトルとラプトル擬きが殺し合いを始めていたのだが、明らかに数で勝る天之川ラプトル達がラプトル擬き達に一方的に虐殺されていた。

 

「あの花が咲いた天之川モンスター達の方がスペックが低過ぎる。アルビノとかの通常よりも劣化した個体にしてはそいつらが数で勝るのは変な話だしな」

 

異世界での経験者兼過去4回の死闘の経験(うち2回は地球の危機(ガチ))は伊達では無い。二種のラプトル擬きの動きや能力の違いから京矢はそう推測を述べていた。

 

「さっき頭の花を落とした時の反応や、花が無い方が能力が上がることとから考えて間違いは無いと思うぜ、南雲」

 

「……同感だ」

 

「多分、あの花の親玉が何処かにいる筈だ。そいつが他のモンスターを操るアンテナがあの花なんだろうな」

 

そう推測すると京矢は気配を殺したまま何処からかナイフ(城での訓練の際にコッソリと四次元ポケットに入れて投擲用として頂いたもの)を取り出して後方にいるトリケラトプス擬きに見える天之川モンスターの花を狙って投げつける。

 

ブレイドの腕力と京矢の技術で投げられたナイフは正確に頭の花を切り飛ばした。

すると一瞬意識を失った天之川トリケラトプスはトリケラトプス擬にもどった様子で辺りをキョロキョロとすると怒りに染まった憤怒の形相で後ろから他の天之川モンスターを襲い始める。

 

「これで証明できたか?」

 

「異常個体が特殊環境での繁殖って線は薄いかもな」

 

「…かも。ハジメ、気付かれた」

 

「ちっ」

 

「二人とも、なるべく頭の花を狙え、そいつがオレ達の殿(しんがり)になってくれる」

 

「ああ」

 

「……ん」

 

京矢のアドバイスに従い、天之川ティラノや天之川トリケラの花を落として正気に戻すと上手く周りの天之川モンスターを襲ってくれていた。

 

「勝手にヘイト集めてんだ。利用しない手はないだろう?」

 

まるで此方の位置が分かっているように動く的な動きに辟易しながらも、上手く同士討ちにして逃げる時間を稼いでいる為に余裕がある。

 

此方の進路を潰すように現れる敵はユエの広範囲殲滅魔法『凍獄』で一気に氷結させ、水晶の花が咲いた様な綺麗な光景を作り出していく。

 

「広範囲殲滅は出来ない訳じゃねえが、連発できないんだよな」

 

「それはお互い様だ」

 

京矢の手持ちの武器の中には広範囲殲滅用の攻撃が出来るものはそう多くない上に威力とチャージ時間と範囲が大きすぎるのだ。

 

「序でにブレイドもギャレンも強敵と一対一前提だからな。強力な技も基本単体攻撃用だぜ、覚えておいた方が良い」

 

「ああ、覚えとく」

 

使うと返って不利になる場合もあると言う京矢からの忠告を心に留めてハジメ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く恐竜擬き達と天之川モンスター達から逃げ回っていると途中で見つけた縦割りの洞窟に敵を撒くために逃げ込んだ一同。

大人が二人並べば窮屈と感じる洞窟。当然ながら大型のティラノ擬き系は入って来れず、ラプトルタイプも一体ずつしか入ってこれない狭さだ。

 

「剣掌!」

 

殿を務めた京矢がブレイラウザーを振るい放つ衝撃波によって後ろに吹き飛ばされて後方の仲間を巻き込んで派手に倒れて行くラプトルタイプ。立ち上がろうとするたびにハジメが頭を吹き飛ばす。

 

そして、頭を吹き飛ばされた個体とそれの転倒に巻き込まれて動けない個体によって動きが止まってる間にハジメが錬成して洞窟を塞ぐ。

 

「「ふぅ」」

 

これで一応は安心できる。念の為に京矢は変身したまま、ハジメはユエを胸に抱きしめていつでも攻撃できる体制で休憩する。

 

「流石にオレ達は飯食って一休みって訳には行かねえな、この状況だと」

 

「そうだな」

 

「♪」

 

嬉しそうにハジメを見上げながら彼の首筋にカプッと噛み付いてチューと嬉しそうに血を吸っているユエを眺めながら二人はそんな会話を交わす。

 

「鳳凰寺、お前の方は余裕そうだな」

 

「仮にも戦闘用の強化スーツだぜ、これは」

 

ユエを抱えて全力で走ったハジメが疲れているのに対してブレイドに変身している京矢は息一つ上がっていない。

 

「ふぅ……ユエ、鳳凰寺、気付いてるか?」

 

「ん。逃げる方向によって敵の密度が違う」

 

「つまり、天之川モンスターにとって、近づいてほしくない場所が此処って事だな」

 

「そうだ」

 

この洞窟の方向に向かう度に百を超える群れが現れて妨害して来る。この洞窟のある方向に敵にとって近づいて欲しくない場所があると言う事だろう。

 

「で、南雲、お前の見立てだと此処に花の親玉がいるんだろ?」

 

「そう言う事だ。此処に花のあるモンスターの親玉がいるはずだ」

 

「そいつを倒せば楽になる」

 

「多分な。……油断だけはするなよ」

 

「ん」

 

「精々気合を入れるとするか。天之川モンスターの親玉のキング天之川(仮名)だからな」

 

「っ!?」

 

京矢のキング天之川と言う言葉に、何処ぞの龍の探索のスライムが集まる様に合体する複数の光輝が集まる姿を想像してしまい、その言葉にまた笑いそうになってしまうハジメだった。

 

休憩を終え、今度は先頭を京矢が行く。錬成で入り口を閉じた為薄暗い洞窟内ではライダーシステムの補助を受けた京矢の方が良いと判断してのことだ。

それでも三人は慎重に洞窟内を進む。奈落の一フロアの支配者が相手なのだから、油断していては一瞬で殺される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く道なりに進むとやがて大きな広間に出た。大型の魔物が潜むのにはちょうど良い広さだ。広間の奥には縦穴が続いている事から、そこが目的の下の階層への階段である可能性が高い。

 

敵の気配はないが気配察知のスキルをすり抜ける敵はこの洞窟には当たり前の様にいる。

 

広間の奥には大きな物が生まれた様子の花があるが敵の姿はない。だが、油断はできない。

 

(ん? 花?)

 

ふと京矢はそんな考えが浮かび足を止める。このフロアに来てから花には妙に縁があるのだ。

そんなフロアにある花など楽なものであるはずがない。

 

丁度三人がフロアの中央に来た時と京矢の思考がそこに至ったのはほぼ同時だった。

警戒する暇もなく全方向から無数の緑色のピンポン玉の様なものが全方向から飛んで来た。

 

「旋っ!」

 

剣を地面に突き刺し自分たちの周辺に剣掌・旋の竜巻を起こす事で緑色のピンポン球を弾く。序でにハジメとユエの二人と背中合わせになりピンポン球を迎撃する。

 

 

『FIRE』

 

 

ギャレンのカードを使い炎を纏ったブレイラウザーの斬撃でピンポン球を焼き尽くす京矢。その炎は刃の軌道に有ったピンポン球を掠っただけで燃やして行く。

京矢と同様に二人も迎撃して行くが数の多さにハジメが地面に手をついて壁を錬成して防ぐ。

大した力のないそれは壁にぶつかって潰れて行く。

 

(これで上から来る奴だけを注意すれば良い)

 

ユエも手数と速さに優れた風系の魔法で迎撃していて、京矢も火力による広範囲の殲滅を優先しているので大丈夫だろう。

 

「ユエ、鳳凰寺、恐らく本体からの攻撃だ。何処にいるか分かるか?」

 

「悪い、オレの方は推測程度しか出来てない。相手は植物だろうから多分地面の下だ」

 

先ずは京矢からの声が飛んで来た。推測程度とはいえ当たってるだろうと思う。

だが、ユエからの返事は返って来ない。

 

「ユエ?」

 

ユエからの返事が返って来ないことを訝しみユエの名を呼ぶが返事は返って来ない。

 

「……にげて……ハジメ!」

 

京矢はユエの警告を聞いてハジメの肩を掴んで急いでその場から跳び退く。

 

いつの間にか向けられていたユエの手に収束していた風が刃となって先ほどまでハジメが場所を通過して後ろにあった壁を両断していた。

 

「危ねえっ」

 

「ユエ!?」

 

まさかの攻撃に戸惑うがユエの頭の上にある物を見て納得した。彼女の頭の上にも花が咲いていたからだ。それも、彼女のためにあつらえた様な真っ赤な薔薇が。

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