『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝 作:ドラゴンネスト
「ゲフッ!」
「ガハァ!」
ゼロダークネスに再び殴り飛ばされる永山と龍太郎の二人。拳士と重格闘家と言う天職の二人の土俵で戦っていながら、ゼロダークネスには彼等の攻撃など擦り傷を付けるどころか、触れることすら許されていない圧倒的な力の差を見せ付けられている。
技能の重ねがけで最大の防御力を得た永山がゼロダークネスの攻撃を受け止め、その隙に龍太郎に攻撃させようと捨て身の行動に出るも、鋼鉄の盾を超える防御力を得た永山をゼロダークネスは一撃で吹き飛ばし、今までの戦いで得ていた筈の彼の自信を粉々に砕いていく。
離れようとすれば額から放たれる光線で狙われ、二人は技量も力も上のゼロダークネス相手に近接戦を強要されている。
「それそれそれー」
一方で、ムサシ魂に変身したダークゴーストと戦う光輝に至っては、京矢やメルドどころか、のんびりとした口調で喋る少女に剣で負けている現実に動揺が生まれ、振るう剣も荒くなり、そんな剣がタダでさえ剣技で上回るムサシ魂に通用する訳もない。
「ぶっ!」
そんな中、突然割り込んできた風魔の裏拳が光輝の顔面に叩きつけられる。
「何時まで遊んでいる」
「えへへー、ごめんねー」
「やれ」
オーブダークネスに風魔が指示を出すとオーブダークネスはダークネスカリバーを地面に突き刺し、両手を十字に組んで恵理と鈴へ向けて紫色の光線を放つ。
その様子を見た恵里が、表情に焦りを浮かべた。魔法を放ったばかりで対応する余裕がないからだ。だが、その焦りは、腕の中の親友がいつも通りの元気な声で吹き飛ばした。
「にゃめんな! 守護の光は重なりて 意志ある限り蘇る〝天絶〟!」
刹那、鈴達の前に十枚の光のシールドが重なるように出現した。
そのシールドは全て、斜め四十五度に設置されており、シールドの出現と同時に、オーブダークネスから放たれた紫の光線はシールドを粉砕しながらも上方へと逸らされていった。
「おおー、お見事ー」
見事にオーブダークネスの光線を防いで見せた鈴に、ダークゴーストは拍手をしながら称賛する。
「ちくしょう! 何なんだってんだよ!」
「何なんだよ、こいつら!?」
叩き付けられる圧倒的な力の差に最早恐怖しか湧かない。
人間族の勇者として異世界に召喚された自分達が、特撮ヒーローに蹂躪されるなどと言う、特撮番組の悪役にでもなったかの様な、悪夢の様な現実に悪態しか出て来ない。
他の生徒達が錯乱する中、これ以上は好きにはさせないとばかりに雫が、残像すら見えない超高速の世界に入る。
風が破裂するようなヴォッ! という音を一瞬響かせて姿が消えたかと思えば、次の瞬間には混乱していた者達に向かおうとしていた仮面ライダー達の一人の亡の真後ろに現れて、これまたいつの間にか納刀していた剣を抜刀術の要領で抜き放った。
〝無拍子〟による予備動作のない移動と斬撃。姿すら見えないのは単純な移動速度というより、急激な緩急のついた動きに認識が追いつかないからだ。
さらに、剣術の派生技能により斬撃速度と抜刀速度が重ねて上昇する。鞘走りを利用した素の剣速と合わせれば、普通の生物には認識すら叶わない神速の一閃となる。だが、敵は普通の生物ではなく仮面ライダー。
好き勝手やってくれたお返しとばかりに放たれたそれは八重樫流奥義が一〝断空〟。
空間すら断つという名に相応しく、銀色の剣線のみが虚空に走ったかと思えば、次の瞬間には、一瞥もせずに四人の仮面ライダー達は彼女の攻撃範囲から逃れていた。
(どう言うこと?)
今までの戦いで自分に対してだけは、意図的に攻撃をされていない事を疑問に思う雫。此処まで露骨にやられれば嫌でも理解してしまう。
心を折る為に、最悪死んでも構わないと言う態度で攻撃されている他の者達と違って、明らかに自分だけは万が一でも死んでは困ると言った様子。されているのは、かすり傷一つ付いても困るとでも言ったレベルの丁重すぎる手加減だ。
(こいつらの狙いは、私?)
スピードファイターである雫が防御に秀でた永山が血反吐を吐いて吹き飛ばされる一撃を受けたら、それだけで無事では済まないだろう。
疲弊はあるが異常なほどに自分だけがかすり傷一つなく無傷なのはそうとしか考えられない。
推測に確証はなく、彼等の語るバールクスと言う名前にも聞き覚えがない。だからこそ、それらは雫の推測に過ぎない。
確かめたければ、手の中にある剣を自分の首に突き付けて、動くなと叫べばすぐに分かるだろう。
人質は生きてなければ意味が無い。推測が正しければ、敵が人質として確保したいと思っているのならば、最悪自分の命を盾にすればクラスメイト達を救う事はできるだろう。……上手くいけば、自分が人質になる事を交換条件にすれば光輝達を見逃してもらえる可能性だってある。
それを確かめる為にも速度で翻弄し、他のクラスメイトを狙おうとした四人の仮面ライダー達の射線に入ろうとすれば、露骨なまでに攻撃をしようとしない。
そこから推測して敵の言う人質が自分であるのはほぼ間違い無いだろう。……逆に言えば、何の交渉もなく自分が捕まって仕舞えば、間違い無く皆殺しにされる。
雫が一人で滅亡迅雷の四人のライダー達を引き付けている中、風魔は他の生徒達に再度降伏を促す。
「どうする? 今からでも、そこの阿呆の首でも切り落とせば、降伏を認めてやるが?」
「ふざけるな! 俺達は脅しには屈しない! 俺達は絶対に負けはしない! それを証明してやる! お前達こそ、降伏して罪を償え!」
「笑える冗談だな」
「行くぞ〝限界突破〟!」
まあ、降伏条件が自分の死なのだから自分から降伏したりなしないだろう。風魔自身もさっさと降伏してくれれば楽だと言うだけで提案したに過ぎない。
光輝は全身に神々しい光を纏う。
〝限界突破〟は、一時的に魔力を消費しながら基礎ステータスの三倍の力を得る技能である。
ただし、文字通り限界を突破しているので、長時間の使用も常時使用もできないし、使用したあとは、使用時間に比例して弱体化してしまう。酷い倦怠感と本来の力の半分程度しか発揮できなくなるのだ。なので、ここぞという時の切り札として使用する時と場合を考えなければならない。
光輝は、圧倒的な強さと、ヒーローの様な姿の敵と戦っている状況に士気が下がり押し切られると判断し、〝限界突破〟を使用して一気にリーダー格の風魔を倒そうと考えた。
「刃の如き意志よ 光に宿りて敵を切り……ブッ!」
光輝は聖剣に光の刃を付加させて下段より一気に切り裂こうとするも、顔面を風魔に蹴り飛ばされ、詠唱を無理矢理中断させられる。
「長々と詠唱させるバカがいるか」
「くそ!」
スピードファイターのくせにパワーも自分を上回る風魔から距離を取ろうとするが、振り払えない。〝限界突破〟を使った上で〝縮地〟使っても、純粋な身体能力だけで風魔は光輝に肉薄しているのだ。
しかも、相手にはまだ余裕がある素振りさえ見せている。
「私もいるよー」
風魔だけではない。パーカーの色と形が変わっているダークゴーストが、今度はハンマー様な武器で殴りかかってくる。風魔と戦っている隙にムサシ魂からベンケイ魂にフォームチェンジしたのだ。
完全に、ベンケイ魂のダークゴーストと風魔に遊ばれている光輝。
身に纏った聖なる鎧の力を信じないわけでは無いが、あんな物に当たったら無事では済まないと言う考えがあるのだろう。
「ガッ!」
ダークゴーストの動きに気を取られていた光輝の腹部に忍者刀が突き刺さる。ヒット&ウェイを守り、風魔が素早く忍者刀ごと後ろに下がる事で、突き刺さっていた刀が抜け、鮮血が舞う。
その姿を見てトドメでも刺そうと言うのかダークゴーストと同時に光輝に襲い掛かろうとする風魔。
「光の恩寵よ、癒しと戒めをここに〝焦天〟! 〝封縛〟!」
光輝のピンチを見た香織が、すかさず、光系の回復魔法を行使した。〝焦天〟一人用の中級回復魔法だ。
更に同時発動により、光系の中級捕縛魔法〝封縛〟を行使する。
〝封縛〟は、対象を中心に光の檻を作り出して閉じ込める魔法だ。香織は、その魔法を光輝にかけた。光輝を中心に光の檻が瞬時に展開し、風魔とダークゴーストから守る。
同時に、ダークネス達に近づくなと言わんばかりに必死に魔法を放っていた相手をしていた後衛組の何人かが、光輝と戦っている風魔達に向かって攻撃魔法を放った。
自身へと迫る魔法を一瞥しながら風魔は、忍者刀を持ったまま両手で印を組む。
「
風魔が印を組むと彼の背後に風魔に似た戦闘員『忍者プレイヤー』達が現れる。
現れた忍者プレイヤー達は、自ら本体である風魔を守る為に攻撃魔法に突っ込んでいき、次々と青い粒子となって消えていく中、生き残った忍者プレイヤー達が後衛に襲い掛かる。
飛び込んできた忍者プレイヤー達によって後衛側で悲鳴が上がる中、風魔を睨みつける光輝が体勢を立て直す時間は稼げたようで、聖剣を構え直すと、治癒されながら唱えていた詠唱を完成させ反撃に出た。
「〝天翔剣四翼〟!」
振るわれた聖剣から曲線を描く光の斬撃が四つ風魔に飛翔する。狙われた風魔は、〝限界突破〟により強化された光輝の十八番を光の手裏剣で打ち落とし、最後の一発を忍者刀で切り払う。
「で?」
得意技を簡単に防がれ、嘲笑う様に告げられた事に唖然とする光輝。
「あぁああああ!!」
「鈴ちゃん!」
「鈴!」
忍者プレイヤー達の投げた光の手裏剣が鈴の腹と左腿、右腕に突き刺さり、苦悶の声を上げる。
その苦悶の声を聞いて香織と恵里が、思わず悲鳴じみた声で鈴の名を呼ぶ。
「ひぃ!?」
恐怖心から逃亡しようとした生徒の一人の魔法が逃げ道を塞いでいた兵士の頭に直撃し、兜の一部が砕けると、そこには苦悶の表情を浮かべる檜山の顔があった。
「ひ、檜山……?」
別の兵士が同じ様に兜の壊れた部分を剥がすとそこにも檜山の顔が現れる。それに合わせて次々と兜を外していく兵士達の顔は何れも檜山だった。
苦悶の表情を浮かべたゾンビの様な顔をした檜山の大群。最早、理解が追いつかない様子だ。
「ガフッ!」
目の前の状況に戸惑っていた生徒の一人の腹に、忍者プレイヤーの小太刀が刺さる。
それを機に次々と生徒の体に忍者プレイヤー達の忍者刀が突き立てられていく。忍者プレイヤー達が離れると全身から血を流しながら生徒の体が力なく倒れる。
「光輝! 撤退するわよ! 退路を切り開いて!」
「なっ!? 此処までされて、逃げろっていうのか!」
しかし、仲間を傷つけられた事に激しい怒りを抱く光輝は、キッと雫を睨みつけて反論した。光輝から放たれるプレッシャーが雫にも降り注ぐが、雫は柳に風と受け流し、険しい表情のまま光輝を説得する。
限界突破もそろそろ限界と言う言葉や、雫が唇の端から血を流していることに気がついき、茹だった頭がスッと冷えるのを感じた。
雫も悔しいのだ。思わず、唇を噛み切ってしまう程に。大事な仲間をやられて、出来ることなら今すぐ敵をぶっ飛ばしてやりたいのだ。……そして、何より、傷を負う事なく丁重に手加減されている事が悔しいのだ。
そうはさせまいと兵士達が動き出そうとするが、先程の魔族の女が連れていたら魔物達が起き上がり、兵士達に襲いかかってきた。
「ネクロマンシーか?」
「あなた達に光輝君の邪魔はさせない!」
そんなことを叫びながら、撤退の為の詠唱を始めた光輝の邪魔をさせまいと、手をタクトのように振るって死体の魔物達に包囲させたのは恵里だった。
「流石に此れは限界を超えているな? 惚れた男のために、と言うなら妬けるな」
降霊術を苦手として実戦では使っていなかった恵里が、苦手なんて今、克服する! 限界なんて超えてやる! とでも言うように強い眼差しで小馬鹿にするように拍手をしている風魔達を睨むと、実戦で初めて使うとは思えないほど巧みにキメラ達を操り、倒すというより、時間を稼ぐように立ち回った。
光輝の聖剣に集まる輝きがなければ、限界になった者は自殺行為に走っていたかもしれない。
恵理の操るキメラ達が時間を稼ぐ中、メンバーが、今か今かと待っていたその時は……遂に訪れた。
「行くぞ! 〝天落流雨〟! 〝収束〟!」
まるでそれを待っていた様に、滅が、迅が、雷が、亡が、オーブダークネスが、エックスダークネスが、ジードダークネスが各々の必殺技を放ち魔物達の死体を、再利用出来ないように跡形も残さず消滅させる。
キメラ達が全滅させられた事で限界が来たのか、遂に恵理が倒れる中、
「〝天爪流雨〟!」
直後、突き出された聖剣から無数の流星が砲撃のごとく撃ち放たれる。
光輝の狙いは〝天爪流雨〟の副次効果、閃光による視覚へのダメージだ。
「今だ! 撤退するぞ!」
近くにいた鈴と香織が倒れた恵理に肩を貸し、光輝の声に従い全員が一斉にその場を逃げ出す。
「チッ」
風魔達は殿にたったのが、人質としての価値から傷付けることのできない雫がいた為に、迂闊に攻撃ができず撤退を見逃すしか無かった。
バールクスへの人質としての価値は、光輝を含む彼女以外の勇者パーティ全員の命よりも重要だ。
後に残されたのは忍者プレイヤーに襲撃され、自力で動く事の出来ない生徒2〜3人。全身に忍者刀を突き立てられて血塗れで虫の息の生徒が一人。
こんな状況でも光輝の取り巻きをやっていた女生徒を含み男女数人だ。
「追え!」
そんな彼らを放置して風魔達は忍者プレイヤー達と兵士達を先頭に光輝達の追撃に移る。
ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?
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倒したのを頑張って修復キングジョー
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グランドライナー
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ダイボウケン