『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝 作:ドラゴンネスト
現在、京矢達は冒険者ギルドにある応接室に通されていた。
出された如何にも高級そうなお茶と茶菓子をバリボリ、ゴクゴクと遠慮なく貪りながら待つこと五分。
部屋の扉を蹴破らん勢いで開け放ち飛び込んできたのは、京矢達にウィル救出の依頼をしたイルワ・チャングだ。
「ウィル! 無事かい!? 怪我はないかい!?」
以前の落ち着いた雰囲気などかなぐり捨てて、視界にウィルを収めると挨拶もなく安否を確認するイルワ。それだけ心配だったのだろう。
「イルワさん……すみません。私が無理を言ったせいで、色々迷惑を……」
「……何を言うんだ……私の方こそ、危険な依頼を紹介してしまった……本当によく無事で……ウィルに何かあったらグレイルやサリアに合わせる顔がなくなるところだよ……二人も随分心配していた。早く顔を見せて安心させてあげるといい。君の無事は既に連絡してある。数日前からフューレンに来ているんだ」
「父上とママが……わかりました。直ぐに会いに行きます」
イルワは、ウィルに両親が滞在している場所を伝えると会いに行くよう促す。ウィルは、イルワに改めて捜索に骨を折ってもらったことを感謝し、ついで、京矢達に改めて挨拶に行くと約束して部屋を出て行った。
京矢とハジメとしては、これっきりで良かったのだが、きちんと礼をしないと気が済まないらしい。
(父親は父上って呼ぶのに、母親はママなんだな……)
改めてウィルがマザコンなんだと思う京矢で有った。
ウィルが出て行った後、改めてイルワとハジメが向き合う。イルワは、穏やかな表情で微笑むと、深々とハジメに頭を下げた。
「ハジメ君、京矢君、今回は本当にありがとう。まさか、本当にウィルを生きて連れ戻してくれるとは思わなかった。感謝してもしきれないよ」
「まぁ、生き残っていたのはウィルの運が良かったからだろ」
「ああ、現に傷はともかく、命どころか五体満足だったんだからな」
実際の幸運は京矢がこの依頼を引き受けた事自体が幸運だ。最悪死んでいても素性は可能だし。
「ふふ、そうかな? 確かに、それもあるだろうが……何万もの魔物の群れから守りきってくれたのは事実だろう? 神の鎧を纏った女神の剣様方?」
にこやかに笑いながら、ハジメと京矢が大群との戦闘前にした演説の内容から文字った二つ名を呼ぶイルワ。
思わず目が点になる京矢に、頬が引き攣るハジメ。どうやら、ギルド支部長には、二人の移動手段より早い情報伝達方法があるようだ。
「流石、ギルドの支部長。耳が早いな」
「ギルドの幹部専用だけどね。長距離連絡用のアーティファクトがあるんだ。私の部下が君達に付いていたんだよ。といっても、あのとんでもない移動型アーティファクトのせいで常に後手に回っていたようだけど……彼の泣き言なんて初めて聞いたよ。諜報では随一の腕を持っているのだけどね」
「……知らなかったけど、ホントに大変だったな、その人」
そう言って苦笑いするイルワ。
最初から監視員がついていたらしい。ギルド支部長としては当然の措置なので、京矢もハジメも特に怒りを抱くこともない。むしろ、支部長の直属でありながら、常に置いていかれたその部下の焦りを思うと、中々同情してしまう。
「それにしても、大変だったね。まさか、北の山脈地帯の異変が大惨事の予兆だったとは……二重の意味で君達に依頼して本当によかった。数万の大群を殲滅した力にも興味はあるのだけど……聞かせてくれるかい? 一体、何があったのか」
「ああ、構わねぇよ。だが、その前にユエとシアのステータスプレートを頼むよ……ティオは『うむ、二人が貰うなら妾の分も頼めるかの』……ということだ」
「エンタープライズとベルファストのもな」
「ふむ、確かに、プレートを見たほうが信憑性も高まるか……わかったよ」
そう言って、イルワは、職員を呼んで真新しいステータスプレートを五枚持ってこさせる。
幸いにもエンタープライズとベルファストは種族は書かれていないが、天職はエンタープライズが『空母』で、ベルファストが『軽巡洋艦』と『メイド』なのには納得そのものだった。其々に共通して種族固有スキルの『艦装展開』がある。
ステータスも召喚されたチート集団ですら少人数では相手にならないレベルのステータスだ。勇者が限界突破を使っても及ばないレベルである。
……それでも、今回遭遇した仮面ライダー相手には不安は出るだろう。
イルワも口をあんぐりと開けて言葉も出ない様子だ。
無理もない。ユエとティオは既に滅んだとされる種族固有のスキルである〝血力変換〟と〝竜化〟を持っている上に、ステータスが特異に過ぎる。シアは種族の常識を完全に無視している。驚くなという方がどうかしている。
トドメとばかりにやたらと多い戦闘以外のベルファストのスキル。本人曰く、メイドの嗜みなのだと言うが、イルワのメイド観をぶっ壊してしまうほどのハイスペック振りである。
「いやはや……なにかあるとは思っていましたが、これほどとは……」
冷や汗を流しながら、何時もの微笑みが引き攣っているイルワに、ハジメはお構いなしに事の顛末を、アナザーシンの事だけを隠して語って聞かせた。
普通に聞いただけなら、そんな馬鹿なと一笑に付しそうな内容でも、先にステータスプレートで裏付けるような数値や技能を見てしまっているので信じざるを得ない。イルワは、すべての話を聞き終えると、一気に十歳くらい年をとったような疲れた表情でソファーに深く座り直した。
「……道理でキャサリン先生の目に留まるわけだ。君達が異世界人だということは予想していたが……実際は、遥か斜め上をいったね……」
「で? 支部長さん、あんたはどうするんだ? 危険分子だと教会にでも突き出すか?」
イルワは、京矢の質問に非難するような眼差しを向けると居住まいを正した。
「冗談がキツいよ。出来るわけないだろう? 君達を敵に回すようなこと、個人的にもギルド幹部としても有り得ない選択肢だよ……大体、見くびらないで欲しい。君達は私の恩人なんだ。そのことを私が忘れることは生涯ないよ」
「ああ、支部長さん、試して悪かった」
京矢は、肩を竦めて、試して悪かったと謝意を示した。
「私としては、約束通り可能な限り君達の後ろ盾になろうと思う。ギルド幹部としても、個人としてもね。まぁ、あれだけの力を見せたんだ。当分は、上の方も議論が紛糾して君達に下手なことはしないと思うよ。一応、後ろ盾になりやすいように、君達の冒険者ランクを全員〝金〟にしておく。普通は、〝金〟を付けるには色々面倒な手続きがいるのだけど……事後承諾でも何とかなるよ。キャサリン先生と僕の推薦、それに〝女神の剣〟という名声があるからね」
イルワの大盤振る舞いにより、他にもフューレンにいる間はギルド直営の宿のVIPルームを使わせてくれたり、イルワの家紋入り手紙を用意してくれたりした。
何でも、今回のお礼もあるが、それ以上に、彼等とは友好関係を作っておきたいということらしい。ぶっちゃけた話だが、隠しても意味がないだろうと開き直っているようだ。
その後、イルワと別れ、ハジメ達はフューレンの中央区にあるギルド直営の宿のVIPルームでくつろいだ。途中、ウィルの両親であるグレイル・グレタ伯爵とサリア・グレタ夫人がウィルを伴って挨拶に来た。かつて、王宮で見た貴族とは異なり随分と筋の通った人のようだ。ウィルの人の良さというものが納得できる両親だった。
ハジメの普段からは考えられない丁寧な態度に驚いて、悪い物でも食べたのか、何かの病気かと騒いだシアとティオが宿の窓から突き落とされる様にウィルの両親が慌てたり、自力で這い上がってきた二人に更に驚いたりしたが、それはそれ。
グレイル伯爵は、しきりに礼をしたいと家への招待や金品の支払いを提案したが、ハジメも京矢も固辞するので、困ったことがあればどんなことでも力になると言い残し去っていった。
その際にウィルがベルファストとの別れに名残惜しそうにしていたが、それはそれ。
広いリビングの他に個室が四部屋付いた部屋は、その全てに天蓋付きのベッドが備え付けられており、テラスからは観光区の方を一望できる。
ハジメは、リビングの超大型ソファーにゴロンと寝転びながら、京矢は深く腰を下ろしながら、共にリラックスした様子で深く息を吐いた。
ユエが、寝転んだハジメの頭を持ち上げて何時ものように膝枕をする。シアは、足元に腰掛けた。ティオは、キョロキョロと物珍しげに部屋を見渡している。エンタープライズは息を吐いて椅子に座り、ベルファストはお茶を入れてくれている。
「取り敢えず今日はもう休もう。明日は消費した食料とかの買い出しとかしなきゃな」
「だな。他にも必要な物資の補給はしておこうぜ」
大規模な商業都市なのだから、必要な物や必要になりそうな物は今の内に多めに仕入れておこうと言う事だ。
京矢もハジメの言葉に同意して次の出発まで休息と補給に充てる事を決める。
「……買い物は私達がしておく。シアを連れて行ってあげて?」
「京矢様も、私達がしておくので、エンタープライズ様を連れて行ってあげて下さい」
そう言ってシアとエンタープライズ以外の女性陣が買い物を引き受けてくれたので、ハジメと京矢はデートという事になったのだが、極普通に二人の世界を作り始めたハジメとユエに呆れた視線を向ける京矢だった。
そんな彼等を無視しつつ、ダイの剣を取り出し剣聖の技能を使い、その使い手である勇者ダイの技を読み取るが、
「……コイツは、オレには無理だな」
アバン流刀殺法の空の技と完全版のアバンストラッシュは会得可能だが、魔法剣は擬似再現程度、それ以上の技であるアバンストラッシュXやギガブレイクにギガストラッシュ等とても再現は出来ない。
勇者(笑)とは違う本物の勇者の力の鱗片に敬意を払いつつ、改めてダイの剣を魔剣目録の中に納めるのだった。
ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?
-
倒したのを頑張って修復キングジョー
-
京矢からのレンタル、ヨクリューオー
-
グランドライナー
-
ダイボウケン