ポケモンの世界に転生したけど、なぁにこれぇ   作:パルモン

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御三家は最終的に手持ちいない率高いだろ?そりゃ最初の頃の面影がないもんな。でもな不思議のダンジョンだと話は別になる

 俺、ミシロタウンのユウキ!御歳16歳のでぇベテランだぁ!

 昨日は下り坂転がり落ちて服汚れたからコトキタウンのポケモンセンターで洗濯したっぞ!寝巻きでポケセン内を徘徊しつつ、自販機で食べ物と飲み物を買ったぞ!でもな、ここだけの話。泥まみれになったのは服だけじゃなくて財布もなんだ!オラ、金ないぞ!

 

 

 

 ホウエン地方編

 第2話『今日から俺は、ポケモンです』

 

 

 

「ではお気をつけて!」

 

 そうは言われても今の俺にあるのはイーブイへの愛だけだ。

 やだ、ロマンチック。

 

「さて、イーブイ君。俺らは今小銭しかないぞ。あのケチ女め、なぁにがお札なのかわからない泥を持ってこられても困りますぅだ!チクショォォオ!この時代のお札弱過ぎだろぉ!前は間違って洗濯しても乾燥させれば使えたぞ!!」

 

「イブゥ……」

 

 残金672円。

 

 

 

 俺は、モンスターボールを……買わなかった。

 

 結局カイオーガは姿を眩まし、嵐は去って俺とイーブイは何もない森の中に取り残された。なんとかコトキタウンに帰り着き泥だらけのままポケセンに入り今に至る。ちなみに汚れた床はバリヤードと俺でキレイに掃除した。

 

 家までは近い。だが、俺の余計なプライドが一時帰宅を拒絶する。だってあまりにもカッコ悪いじゃないか。あんなに勢いよく飛び出したというのに次の日の朝に普通に帰ってくるとかとんだ笑い話だ。

 

「どうしたもんか……」

 

 考え込んでいると、ポケモントレーナーと見られる人がポケモンセンターの看護師、ジョーイさんと話している声が聞こえた。

 

「ポケモンフードと、定食ください」

 

「わかりました」

 

 なんだよ、こんな時に限って嫌味のように飯頼むなよ。

 しばらくしてジョーイさんが頼まれたポケモンフードと定食を運んできた。

 

「どうぞ!」

 

「ありがとうございます」

 

 トレーナーは受け取るとそのまま席に戻っていく。

 

「ん?あいつ今金を払わんかったぞ!?」

 

 まさかと思いジョーイさんのもとに駆ける。ジョーイは走ってきた俺を驚いたように見たが、すぐにいつもの落ち着いた様子に戻る。

 

「あの、どうしましたか?あなたのポケモンを休ませますか?」

 

「いや、あの、ここって飯代前払いですか?後払いですか?」

 

 俺の質問にジョーイさんはクスクスと笑い、それを申し訳なさそうに取り繕う。

 

「いいえ、トレーナーさん。ここではトレーナーとポケモンのお食事は無料で提供しています。ポケモンセンターはトレーナーとポケモンのための施設ですから」

 

 女神。まさに女神だ。俺は今、女神に遭遇した。

 

 これだけ感激することが果たしてこれからあるだろうか?無料で飯が食える?なんですかここは?天国ですか?

 

 その後俺とイーブイは飯を済ましこれからの計画を立てることにした。

 

「なぁイーブイ。これからについてだが、まずは仲間を増やしたいと思う今日この頃なんだ。でもな、金がない」

 

「ブイ」

 

「だから、これからはイーブイのレベル上げをしようと思う今日この頃なんだ」

 

「……ブイ」

 

 ん?なんだ?イーブイの元気がないな。

 

「レベル上げに……行こうか?」

 

「ブィィ……」

 

 イーブイは戦闘に自信がなかった。なにせ、自分が捨てられた原因が能力の低さからだ。レベル上げなんてできるわけがない。

 

「さぁて、まずは野生のポケモンからだ!」

 

 いきなりトレーナーとの勝負は流石に無理だろう。だからそこら辺にいる野生のポケモンを倒して経験値を稼ごう。

 

 勢いそのまま、渋々肩に乗ったイーブイの頭を撫でてポケモンセンターのドアを出た時だった。

 

『ピギィ!』

 

「え?」

 

 何かがひび割れたような音が聞こえた。

 

 次の瞬間、目の前の景色が割れた——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ぇ!……ってば!……起きてよ!」

 

 誰かが呼んでいる……

 

「んぁ……?」

 

 空間が割れた瞬間、世界は暗転。体の感覚もない無の状態。だったような気がする。

 

「よかったぁ!気がついたんだね!」

 

「ここは……」

 

 俺の視界には晴天と呼ぶに相応しい青々とした空が広がっている。そして脳の覚醒と共に思考がフル回転する。

 

「気絶してたのか……?だとすると空間が割れたあれは、気絶する寸前の幻影……足でも滑らせたのか?」

 

「えーと……大丈夫?じゃないか」

 

「ん?ああ、悪い。ちょっと現状把握……ッブォォォ!イーブイ!」

 

「えっ!?ちょっ!え?」

 

 俺の視界に飛び込んで来たのは至近距離のイーブイだった。こちらを心配そうに見るイーブイの破壊力は抜群だ!なんか知らんけど今ものすごい親近感を感じる!

 

「いやぁ!ごめんごめん!まさかイーブイが出迎えてくれるなんて夢にも思ってなかったからさぁ!」

 

 その可愛いイーブイの顔を撫でようとして俺は硬直した。

 

 俺の腕じゃない。

 

 黒い毛に覆われたその手を見て思考が停止した。だが、その手は自分の意思通りに動く。偶然同じ動きをしているのではない。これは紛れもなく自分の腕だ。

 

 そしてもう一つ、イーブイが喋った。

 

「いま……喋った?喋ったよね?え?これもしかしてテレパシー?ヤベェ、イーブイと会話できるとか俺もう死んでもいい……」

 

「待って待って!死んだらだめだって!ていうか、しっかりしてよ!ユウキ!」

 

「頬を膨らませて怒るイーブイ、あぁ、尊い……」

 

「はぁ……ユウキ、わかる?僕だよ、君が最初に選んだパートナーのイーブイだよ?」

 

 ん?待てよ……この感じ……まさかとは思うが……

 

 俺はデジャヴを感じ周りを見渡す。どうやらここは森の中の少し開けたところのようだ。なるほど、だいたい予想はついた。

 

 さぁ、改めて自分の体をチェックしようじゃないか。

 

 近くにある水たまりに近寄りそこに映る自分の姿を確認する。

 

 俺は……ブラッキーになっていた。

 

「ポ、ポケモンになってるぅうっ!?」

 

 お決まりのセリフは言っておきたかったため、とりあえず叫んでおいた。

 

「お、落ち着いて!」

 

 俺の反応に心配してくれるイーブイ。もう最高かよ。

 

「大丈夫だイーブイ。なんでポケモンになったかはわからんけど、こうしてイーブイと同じポケモンになって会話ができるなんて夢みたいだよ。最もこれは夢じゃないけども」

 

 さて、これはもしかして不思議のダンジョンの主人公になってしまったということか?ポケモンの世界に転生して、トレーナーとしての物語じゃなくて、本命はこっちだったってことだろうか。

 

 そうなるとそろそろバタフリーのイベントが発生してもいいはずだが?

 

「…………」

 

(何も起きない……?待てよ……そうか、あれはゲームのストーリーだ。いわゆる作り話(フィクション)でこれは現実だ。あのままのストーリーだったら俺はチートだし、全部知ってたら面白くないしな。何しろこれは冒険、探検ものだ。まだ見ぬ財宝、秘境を求めて世界を旅する。ふっ、面白くなってきたな!)

 

「……ユウキ、なんかニヤニヤしてるけど何考えてるの?」

 

「ふっ、イーブイ。どうやら俺たちはホウエン地方とは別の場所に飛ばされたみたいだな。そして、まずはここから脱出しなければならない!」

 

 ここはすでに不思議のダンジョンの中と言っていいだろう。ストーリーこと違うがこの場所は最初に主人公が倒れていた森の中と同じと考えていいはずだ。

 

「待って……これって、もしかして不思議のダンジョン!?」

 

「え?し、知ってんの?イーブイ」

 

 衝撃の事実、つまりどういうことだ?

 

「ご、ごめん、僕まだユウキに言ってなかったんだけど、ていうか、ニンゲンの時のユウキに話しても僕たちの言葉は伝わらないからどうしようもなかったんだけど」

 

 なんかちょっとモヤモヤするな。

 

「僕は、ポケモンだけが住む場所に元々居たんだ。けど、まだ見ぬ世界を見てみたくて、決死の思いで海に出たんだ。それから1ヶ月くらい島々を渡ってホウエン地方に辿り着いた。そして、あるトレーナーに拾ってもらったんだけど、『こたいち』が低いとかで捨てられちゃったんだ」

 

 そうか……どおりでホウエン地方では見かけないイーブイが博士のところにいたわけだ。そして、この場所出身ということはアレも知っているはず。

 

「それで、1つお願いがあるんだ」

 

(きた)

 

「僕、元々救助隊をやろうと思ってたんだ。ここに戻って来た理由はわからないけど、何かの導きかもしれない。だから、ユウキ、僕と救助隊をしない?あ、救助隊っていうのは……」

 

「よし!やろう!」

 

 ユウキは即答だった。やる以外の選択肢はないし、この場所にやってきたらそれをする以外の目的もない。むしろこれこそ本当のポケモンライフというものだろう。

 

「え!?いいの!」

 

 イーブイは目をキラキラと輝かせて喜んでいるようだ。

 ああ、可愛い。

 

 ここまでの流れはだいたい検討がついていた。とはいえ、イーブイがポケダン出身とは思っていなかったが。

 

「よし、じゃあまずはこの森を脱出しよう」

 

「うん!」

 

 ここはおそらく『小さな森』だと思う。そして不思議なダンジョンということは、階段を降りたり上がったりしていくことになるだろう。そしてダンジョンを突破することでダンジョンの外に出られるはずだ。

 

 ユウキとイーブイはダンジョンから脱出するべく奥へと進んだ。

 

 

『小さな森』 B1

 

「さて、イーブイ。ダンジョンにやってきたのはいいけど、俺はポケモン初心者。技とかってどうやってだしたらいい?」

 

 ポケモンになったのはいいが、何もできないんじゃ意味がない。とりあえずここはイーブイを参考に進むのがいいだろう。

 

「技を出すコツ?うーん、改めて言われると難しいな。今ユウキが覚えている技はなんとかく感覚で分かると思うんだ。後は体の中から力を出す感じかな?ごめん、説明するとなると難しいや」

 

「いや、ありがとうイーブイ。体の中にある力を解放する感じだな。よし試してみるか」

 

 適当に壁に向かって使えそうな技を出してみる。

 

「いくぞ!あくのはどう!」

 

 全身に力を入れてそれを放出するイメージをする。

 すると、体から黒い波動が溢れ出しそれが衝撃波となって放出された。

 

「おお!意外と簡単に出せたぞ!」

 

「やるじゃん!ユウキ!」

 

 他にも技を試してみた結果、俺が今使える技は、

 

『あくのはどう』

『つきのひかり』

『イカサマ』

『シャドーボール』

 

「欲しい技揃ってんな!」

 

 遠距離技、物理技、特殊技、補助技……うん、文句ない構成だ。しかし、あくタイプとゴーストタイプだけだと少し不安要素があるな。俺はあくタイプのブラッキーだ。かくとうタイプか、むしタイプに対応できる技が欲しいところだが、あいにくブラッキーにその技の習得は難しいか……。イーブイもノーマルタイプだからかくとうタイプが弱点だ。

 

「ひこうタイプの技が欲しいところだな」

 

「僕とユウキだと難しそうだね……」

 

「まぁ、そこはなんとかなるとは思うんだけどね。ダメージを与えられたら大丈夫だろ」

 

 話が長くなってしまったが、ダンジョンを進むとしよう。

 

 10分後……

 

「うん、めちゃ簡単だったな」

 

「ユウキがほとんど倒しちゃったけどね。僕なんてまだたいあたりぐらいしか攻撃技がないからね」

 

「何言ってんだよ!イーブイのてだすけのおかげで俺の技の威力が上がったからスムーズに攻略できたのさ。やっぱ相棒はお前しかいないよイーブイ!」

 

「え?そう?……なんか照れるなぁ」

 

 可愛いなお前。

 

 —————————————————

 

 小さな森はやはり簡単に攻略ができた。と言っても俺のレベルが20もあるという特典付きという結果だが。

 

 俺たちは小さな森を突破して、イーブイの案内でとある場所まで来ている。

 

「ここがそうなんだけど……」

 

 イーブイの案内でやってきた場所は例によって基地がある所だった。わかっていたとはいえ、実際に訪れてみると子供の頃のようなワクワク感が溢れ出してくる。

 

「おぉ!いいね!」

 

「でしょ?きっと気にいると思ったんだ!これからここを僕らの基地にして探検隊をやっていこう!」

 

 ここまでの流れは把握している。さて、これからどうするかは自分次第ってやつだな。

 

「なら、このチームの名前を決めよう。そうだなぁ、ポケダンズなんてどうだ?」

 

 うん、まぁ、テンプレ通りなんだねどね。

 

「うん!いいと思う!よし、これからポケダンズとして活動開始だ!」

 

「おう!」

 

 こうして……ユウキとイーブイの探検隊としての活動が始まったのでした。

 

 

 

 ……次の朝。

 

 

 

「ん……あれ、なんかやけに地面が硬い……」

 

「ちょっとお兄さん大丈夫ですか?」

 

「えっ……?あー俺は全然大丈……は?」

 

 目が覚めるとそこはポケモンセンターの前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




夢オチ⭐︎
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