運命の眷属   作:正直者ライアー

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計画開始

 波乱の怪物祭も終わり、今日から普通にダンジョン探索に明け暮れる日々、と思いきや今日も今日とても装備を身に纏わず、私服で皆でギルドに向かっていた。

 

「ハール君!みんなで今日はどうしたの?」

 

ギルドに入ると直ぐに自分の存在に気づいたのはピンク色の髪の女性。ハールのアドバイザーのミィシャ・フロットだ。

 

「前に行っていただろう。近いうちにオラリオで買える土地を探してもらいにくると。それだよ」

 

「ああ。それね。もう幾らか見繕っておいたわ。ソファに座って話そ。皆さんこちらに」

 

ミィシャはハールとその主神たちをソファに案内した。

 ソファに座るとお茶と書類が出された。どのくらいの値段の範囲かは予め言っていたから後は広さと位置と値段を考えながらその中から選ぶだけである。

 

「取り敢えず選択肢を3つ程に減らしましょう。そうしたら実際に場所を見に行って最終的に決定ということで」

 

ミィシャがそういうと、四人で顔を見合わせて頷いた。

 

 

 

 

 

 それから三時間程の厳密な審議の末、四つの土地が選ばれた。

 一つ目はオラリオの北側。北側といえば服飾品の店が多くあるかわりに酒場などはあまりなく、それ故に少し静かなイメージがある。問題といえばロキファミリアの本拠、黄昏の館があることだがそれくらいは大したことではない。そう考えていると目的地に着いた。

 

「ここだよ。広さはいいんじゃない?値段も広さの割に安いし」

 

ハールはミィシャのと話しつつ土地を見回す。ロキファミリアの本拠程ではないけど割と豪邸が立ちそうな土地。

 

「広さは良いし雰囲気も良いけど、少しダンジョンと離れているかなぁっていうか周りなんもない!!」

 

他の住宅街と隔絶された土地。土地に木でも植えて囲って仕舞えばもう住宅街とは別だ。

 

「そうかい?僕はこの感じ好きだけどな。住宅街と隔絶された感じ、あの家みたいじゃないか」

 

「まぁそうだけど、、、」

 

「取り敢えずまだ三つ見なければいけない所もあることですし行きましょうか」

 

 二つ目の土地はオラリオの西側にある土地だ。西側は北側と反対で酒場や宿屋で賑わっている。夜になってもあんまり静かにはならないイメージだ。ハール達の宿屋や豊饒の女主人もここにある。そして先程と同様ハール達は目の前の土地を見回した。

 

「広さは先程よりも有りませんがその分値段が格安だね。いろんなお店とも近いし便利じゃない?」

 

「確かにそうだけど少し他の家と近すぎじゃないかしら。これじゃあ本拠じゃなくてもう家だわ」

 

「同感だよ。ここまで近いと夜がうるさそうだ」

 

「賑やかなのは良いことじゃん!」

 

「それじゃあ次行きましょうか」

 

 三つ目はオラリオの南東と南の間に有った。南側には繁華街があり西側よりも夜がうるさい。そのかわりに昼間が静かではあるが。大劇場や賭博場が有名だ。そして南東は迷宮街の異名をもつダイダロス通りや歓楽街がある。

 

「ちょっと待って。今歓楽街って言った?」

 

ヴェルがミィシャの説明を止めた。

 

「はい。言いましたが、、、」

 

「却下」

 

「却下ね」

 

「却下だね」

 

「ええー。選択肢に入れた意味ありました!?」

 

「そうだぞ。ミィシャの言う通りだ。割と広めで良い土地じゃないか」

 

「けど却下」

 

「当然却下ね」

 

「却下だね!!」

 

 謎のハプニング(?)により直ぐに移動となり、ハール達は最後の土地へと着いた。

 最後の土地はオラリオの東側に有った。東側は催しのための観光客や旅人用の区画だ。そのため屋台も多いし闘技場などの建物もある。

 

「土地は広いな。けど値段が安い。何か理由があるのか?」

 

「実はここ所謂事故物件なんですよ」

 

「事故物件?」

 

四人が反応してミィシャを見る。

 

「はい。前、この土地に有った家が家事になってしまって、、」

 

「その家の人は?」

 

ウルドがそうきいた。ミィシャは声のトーンを下げて言う。

 

「残念ながら、、、」

 

「でもそのくらいいいんじゃないか?」

 

「正気?」

 

ヴェルダンディがそう言った。やはり怖いものは怖いらしい。ハールとミィシャは土地をよく見ていたあれこれ話していたが女神陣は怖がっていてみることはなかった。

 全ての土地を見終えた五人はギルドに戻ってきていた。

 

「それで土地は決まりましたか?」

 

「ああ。決まったよ」

 

「一番最初の土地にするわ」

 

「同感」

 

「私もー!!」

 

満場一致で最初の土地に決定した。そして土地を購入する手続きも順調に進み、ギルドを出るともう夜になっていた。この宿に帰るのもあと少しだ。ハールは新しくできるノルンファミリアの本拠を楽しみにしながら目を閉じた。

 

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