ナルトの世界に転生したと思ったら、なぜか生まれたのは水の国でした。   作:八匙鴉

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「ッゲホ……! ……うう……死ぬかと思った」

 

 

 

 棟の最上部から、ろくに受け身もとれないまま水面に叩き付けられて暫く気を失っていたせいで、どこまで流されたのか気づけば知らない川縁に打ち上げられていた。

 

 

 

「服、おもた……」

 

 

 

 体も高所から水に叩き付けられたせいか至るところが痛みを訴えているし。

 

 濡れた服は絞っても絞っても水が出て足下に大量の水溜まりを作っていく。

 

 

 

「……このままじゃ先に風邪をひいていまいそう」

 

 

 

 全身びしょ濡れのせいか、水から上がった体は容赦なく冷えた。それにこの国の気候はお世辞にも安定した穏やかな気温とは言えないのだ。濡れたままでは体調を崩すだろう。

 

 それにさっきの戦闘のせいで心身ともに非常に疲れきっていた。早く服を乾かして体も温めたいが、今からいちいち焚き火をたいて木の枝を立てて服を干して……という面倒な手間を踏む気にはどうしてもなれない。

 

 

 

「……仕方ないか。うん、仕方ない」

 

 

 

 結局悩みはしたものの誘惑に勝てなかった私は、心の中で言い訳すると風遁を使って自分の周りに風の渦を巻いて服の中の水分を全て飛ばした。

 

 次いで火遁で周囲を暖め乾燥させて服を乾かすと、なんと『お手軽忍術の簡易乾燥機』の完成だ。

 

 

 

「ふぅ、さっぱりした。……ってこんなことやってるから周りから変な目で見られるんだろうな……私」

 

 

 

 そう茶化してみたが、すぐに落ち込む私である。

 

 

 

「お姉ちゃん、だれ?」

 

「……?」

 

 

 

 一人項垂れる私のすぐ近くで声がした。

 

 誰もいないと思っていた場所だが、振り向くとそこには十才くらいの姿の幼い女の子が一人、木の幹からこちらを不思議そうに覗いていた。

 

 それに思わずギクリと体が固まる。

 

 

 

「お姉ちゃん、知らない人だね。水浴びしてたの?」

 

「服のまま全身濡れ鼠になるのを水浴びと言うならそうなんだろうね……」

 

「??」

 

 

 

 あ、だめだ皮肉が伝わって無いっぽい。純粋な瞳で見られ、たじろぐ。……というか今の現場見られてたのか。

 

 ちょっとまずったかもしれないと焦る私の所に、その少女は可愛らしくもトテテ……と走り寄って来て、おもむろに私の服の裾を掴んできた。

 

 

 

「……服、濡れてないよ?」

 

「……いま乾かしたからね」

 

 

 

 皮肉は伝わって無かったが、意味は理解してたようだ。

 

 どうやら直接触って確かめようとしたらしい。

 

 

 

「さっきの?」

 

「やっぱり見られてましたか」

 

「お姉ちゃんは忍者さんなの?」

 

「忍者……ではないかな……」

 

 

 

 歯切れ悪くなってしまったが仕方ないと思う。

 

 じゃあ何だと聞かれてもそれはそれで困るのだが、実際私は忍者ではないのでそれ以外答えようがない。

 

 しかし少女の関心はそこじゃないのか、それ以上その事を突いてくることはなかった。

 

 その事をこれ幸いと私は話をずらすことに。

 

 

 

「ところで貴女はここが何処だかわかる? 近くに住んでる子かな?」

 

「お姉ちゃんは迷子だったの?」

 

「う……っ迷子!? ……い、いや、迷子……でしょうね。……確かに、この状況じゃそうとしか言えないかもしれないけど……」

 

 

 

 この歳にもなってそれは非常に嫌な響きに聞こえる。だけど母のもとに帰るにも、今の現在地が分からなければ方向が決められないのも事実だ。

 

 ……少女の素直な物言いには内心酷くショックを受けたし、心なしかギシギシと体が錆び付いてるような気もするけど再度気を引き締めて。

 

 

 

「そ、それで? 貴女はここが何処だかわかる?」

 

「うん、分かるよ! ここにはね、私のお家があるの!」

 

 

 

 私が同じ質問を繰り返すと少女は元気よく返事をしてくれた。

 

 

 

「お家? ……かなり流されたつもりでいたけど、里からそう離れていなかったのかな……」

 

「お姉ちゃん、おうち来る?」

 

「……そうだね。行けば大人の人にも会えそうだし、そこで話を聞きましょうかね。案内してくれる?」

 

 

 

 そう答えると少女はやたら嬉しそうに「こっちだよ!」と腕を引っ張った。

 

 

 

 ……

 

 ……

 

 

 

「ここが貴女の家のある場所……?」

 

 

 

 時間にして10分と満たない距離に少女の案内する場所にはついたが、その事に正直私は困惑していた。

 

 

 

「そうだよ。一番奥にあるのが私とお母さんとお父さんが暮らしてるお家」

 

「…………」

 

 

 

 少女はそう言うが、指差されたのは野晒しの土の上、申し訳程度に作られたテントのような……家? だ。

 

 いやあれはテントだろう、間違いなく。

 

 杭で固定した雨風を凌ぐだけの道具だ。建物ですらない。

 

 

 

「こ、ここは……村、なのかな? いや、周りにも同じようなテントが幾つもあるのを見るに村ですらないのかな。……集落……いや、難民キャンプ……?」

 

 

 

 どうしよう、どんどん不安な気持ちになってくるぞ。

 

 これは流石に想定していなかった。

 

 思わず足が止まってしまった私を見て、不思議そうに少女が見上げてきた。

 

 

 

「お姉ちゃんどうしたの?」

 

「あ……いえ……なんでも」

 

「チヨ!」

 

「あ、お母さ──」

 

 

 

 さすがに善意で連れてきてもらっておいて、状況に突っ込めるような豪胆な性格はしていない。

 

 だけど、『なんでも無いよ』と答えるつもりだった声は、途中で被せられた別の声に遮られて最後まで発音出来なかった。

 

 そしてその声に反応したのは私ではなく、すぐ隣で一緒に歩いていた少女の方で。一瞬彼女が「お母さん」と発音しかけていたが、それもまた最後まで言いきれなかった。

 

 その母親がチヨと呼んだ少女に飛び付き、私の手から少女をかっさらうと直ぐ様跳ねるように距離を取ったからだ。

 

 その様、ものの数秒間の出来事である。

 

 これには私も唖然とするしかない。

 

 

 

「お母さん?」

 

「あんた一体誰だい!? うちの娘をどうする気!」

 

 

 

 さっきから状況が目まぐるしい。

 

 こちらを睨む女性はまるで毛を逆立てて威嚇する猫のようで、どうも私はチヨちゃんと呼ばれた少女の母親から警戒されてしまったようだった。

 

 ……まあね、それはこの集落の様子を見るに充分察せれた事態ですよ。

 

 驚くこともないので私はすぐに表情を改めた。

 

 こういう相手に警戒心を解かせるような笑顔を見せること、現代では確か『営業スマイル』と呼んでいたな。

 

 

 

「驚かせてすみません。私の名は『風神シキ』と言います。仕事の関係で霧がくれの里に来たのですが、情けないことにうっかり足を滑らして川に落ちてしまいまして。そのまま流されてこの近くに打ち上げられたんです。そこでそのお嬢さんと出合いまして、丁度良いと道を尋ねるために、彼女にここまで案内してもらったんですよ」

 

 

 

 まあ素直に本当のことをあげることは無いだろうと適当に理由をでっち上げる。

 

 母親はしばらく不審そうに私を上から下まで見ていたが、判断しかねたのだろう。結局自分の娘に真偽を尋ねることにしたようだった。

 

 

 

「……本当なの? チヨ」

 

「うん! あのねあのねお母さん、お姉ちゃんすごいの。火と風が凄いんだよ? 服が濡れてないの。濡れたのに、濡れてないんだよ!」

 

「え……?」

 

「あはは……」

 

 

 

 少女よ、それでは要領を全く得ないぞ? 

 

 しかしまあ、それだけ興奮しているのがひしひしと伝わるのだけれども。

 

 とにかく彼女は先程見た光景をお母さんに報告したくて仕方がないようだった。

 

 

 

「……なんだかよく分からないけれど、とりあえず娘が変な目にあっていないことだけは分かったわ」

 

「それは良かったです」

 

 

 

 とりあえず警戒が解けたのは、こちらとしてもありがたい。

 

 

 

「どうしたんだ。何の騒ぎだ?」

 

 

 

 ちなみにその後、結局三人で騒ぎ過ぎたせいか不審に思って表に出てきた旦那さんが、私を見てさっきの奥さんのように取り乱し、再び同じ問答になったのは面倒なので触れないでおく。

 

 

 

 ……

 

 ……

 

 

 

「や~、さっきはすいませんお嬢さん。え~……と、シキさん……でしたっけ? 家内共々ご迷惑を……」

 

「いえ、怪しませてしまったのはこちらですから気にしないで下さい」

 

 

 

 とりあえず何とか誤解も解けたあと、私は御詫びにとテントに入れてもらい、中で水を出された。

 

 奥さんにはお茶も出せずにご免なさいねと謝られたが、この生活の様子を見ておいて、お茶が出されないからとそれに文句を言うような無神経な人がいたなら私は殴っている。

 

 一息つく私を見ながら彼達は自分達の名が『シゲ』さんと『ヤエ』さんだと教えてくれた。

 

 

 

「……あの、失礼を承知で伺いますけど、お二人の……というか、ここの村……いや、集落……ですか? ……はどうしてこんな辺鄙なところで生活を? お世辞にもまともな生活を送ってるとは言えないようですが……」

 

 

 

 少し気になって、欠けてボロボロになった湯呑みを指で弄りながら問うてみる。

 

 夫婦は最初お互いの顔を見合わせていたが、やがて困ったようにこちらに視線を戻した。

 

 

 

「──シキさんの言われた通りです。私共は見ての通り、ここに家を構えているわけじゃありません。もともとはこことは別の場所で米作りを主体に暮らしておりました。ですがある日、戦禍を逃れた国の忍たちが現れて、突然『お国の為』だとかなんとか言って、村にあった貯蓄や食べ物を根こそぎ持っていってしまったのです。……それだけならまだ良かったのですが、何を思ったのか彼らは私たちの村に火をつけてまわって……」

 

 

 

 チヨちゃんのお父さん……シゲさんが言うには、戦時下後期、彼らの村の近くで霧隠れと敵国との戦闘が行われていたらしい。

 

 しかし戦況はこちらの分が悪く、やむなく忍達は前線を放棄。撤退した。

 

 

 

「が、話はそれだけで終わらなかった……と」

 

「はい。私共もお国の為に戦ってくれている彼らへ食料を分けることは異論ありませんでした。幸いに昨年は豊作で、備蓄も十分にありましたし」

 

「──なるほど」

 

 

 

 それで先はなんとなく読めた。

 

 多分その部隊の指揮官は、彼らの村の豊かさを見て馬鹿な想像に行き着いたのだ。

 

 敵が進軍してきた後、この村を見つけたなら、彼等は必ずここで補給しに来るだろうと。

 

 

 

 敵の補給線を断つ、というのは戦略の定石ではあるが。

 

 それで自国の村を焼き滅ぼそうなどと、愚の骨頂だ。

 

 なればその部隊の忍達が余程の馬鹿だったのか、もしくはこの国の忍が人道を思いやるという心を持たない、最早屑たちばかりの集まりなのか……。

 

 

 

「村を焼かれた私たちは、里に助けを求めようと長い道のりを歩きました。……しかし彼等はたどり着いた私達を受け入れて下さらず。里の周りで立ち往生すると途端に居座られても迷惑だと門前払いを受け、仕方なく道中に見つけたこの場所で私たちは……」

 

 

 

 中々悲惨な状況だな。

 

 

 

「……ちなみに食料の確保は出来ているのですか? 里に援助を求めていたのなら、底を尽きててもおかしくないと思いますが」

 

 

 

 村を追われてからどれくらい経っているのかは分からないが、このままここで足を止めていても良い未来が絶対に来ないことだけは分かる。

 

 はっきり言うなら、『みな漏れ無く、餓死』だ。

 

 私の質問に彼は「……一人だけ」と小さく呟いてき

 

 た。

 

 

 

「私たちの事を見てくれている人がいるのです。その人が月に一度、食糧と水、衣服などを提供してくれて……」

 

「生活品の提供……?」

 

 

 

 席を立ち、一度入り口から外の姿を見回す。

 

 小規模、とはいえそれなりの人口がありそうな村を、たった一人で支援する。

 

 果たして可能だろうか、それは。

 

 

 

「(敵に操られた水影は、まずあり得ないとしてだよ。……なら彼の政治に良くない感情を持ってる人間の援助、ということになるんだけど……)」

 

「お姉ちゃんどうしたの? ……あ! もしかしてこれから遊ぶの!?」

 

「こ、こらチヨ。止めなさいっ」

 

 

 

 外を見つめる私をどう思ったのか、腕を引っ張って外に連れ出そうとするチヨちゃん。

 

 それを慌てて勇めようと母親のヤエさんが立ち上がる。

 

 私はそれを何とは無し見つめて──そして本当に何となく、一つ思いつきを口にしていた。

 

 

 

「──分かりました。なら私も一つ手伝います。いくらその『足長おじさん』らしき人がどんなに好い人だろうと、今の生活がこのまま続けられるかは分からないし、そもそもそれ以上の向上も無い」

 

「え? 足長おじさん……? い、いやお嬢さん、いったい何を」

 

「面白いものを見せます。着いてきてください」

 

 

 

 そう言って私はさっさとテントから外に出る。

 

 そんな私の腕に飛びついてきて、楽しそうに着いて来ようとするのはチヨちゃんだった。

 

 だから一度小さな少女に目を向けて、それから後ろに視線を向けると、それまで状況を飲み込めず呆然とした様子の夫婦が、突然我に返ったように動きだした。

 

 まあ、自分たちの娘が行こうとしてるのに、親の彼彼女たちが行かないわけにもいかないだろう。

 

 こうして私たちは私の思うまま、野営地を後にするのだった。

 

 

 

 ……

 

 ……

 

 

 

 そうしてキャンプから離れてしばらく歩いた私たちは、やがて木々の生い茂った森を見つけてから立ち止まった。

 

 野営地からはそれなりに離れたこの場所なら良いかも知れない。ここなら自然の多さも良い感じに役に立ってくれそうだと思う。

 

 

 

「とりあえず、ここら辺で良いかな」

 

「あの……シキさん? こんな場所で何を……」

 

 

 

 不安そうながらも黙ってついてきた夫婦が、周りを見回しながら問う。

 

 

 

 その言葉に私は肩ごしに彼らを振り返ったが、しかし計画してやるわけでないこの思いつきを二人に口で説明するのは難しいことに気が付いた。

 

 だからとりあえず、彼らに警戒心だけ持たせないようににっこりと微笑んでおく。

 

 

 

「大丈夫。説明が手間なので省きますが、けっして悪いことじゃ無いとだけ断言しておきます」

 

 

 

 そしてチヨちゃんに離れるよう注意してから、私は自分の両手を合わせて景気良く音を鳴らした。

 

 

 

 さてまずは、まばらに生える木々の間を縫うように、土遁を駆使して石造りの簡素な家を建てていくことにしよう。

 

 玄関先や窓口部分には軒を作って雨避けを。庭先の道は平らに均して石の煉瓦で敷き詰めた路を並べる。

 

 近くには小さな池も作って軽く景観を整え、位置的に邪魔な木は伐採して皮を剥ぎ、細かく切って材料に。街道を沿える柵へと造り変えた。

 

 ついでに街灯用の松明も用意して、夜でも安心して歩けるようにしていれば良いだろう。

 

 

 

 家は土遁が基板なので見かけは石造りとなり非常に重たい印象だが、かわりにちょっとやそっとのことじゃ崩れないような頑丈設計だ。

 

 それにこれなら火でなんて燃やせないでしょう? 

 

 やり過ぎ? 命がかかってるんだから当然の補償だと思う。

 

 途中チラリと二人の方を振り返り様子を確認したら、夫婦は目の前の出来事が信じられないと言うように、目を見開き口を開けて呆然とした顔を作っていた。

 

 まあ驚いて当然だ。

 

 私もここまで大掛かりに忍術を使ったことは今までも無かった気が……いや、そうでもないか? 

 

 石ではないけど、家の補修や補強はやったし。穴も掘った。村を広げるために土地の整地もしたし。結構手を加えているな。

 

 

 

 そんな事を考えながら、周囲から粘土質の土だけ寄せ集め、それを変形させて皿ゆ椀を型どり、即席の釜を作って中で高温の炎で焼き上げた。

 

 火入れの方法が分からないので途中間違えて割れないように皿や器はチャクラを込めて何とか対処して。

 

 ついでに食事に必須の箸やスプーンは、木材を作るときに余った木の枝の部分を利用して作製しておいた。これで当面、食器類に困ることは無いだろう。

 

 あとはこれを出来上がった石家に一軒づつ、それぞれ運び入れて完了か。

 

 私は一つ息をついて笑みを浮かべると、終始静かだった夫婦を見る。

 

 

 

「シゲさん、ヤエさん、終わりましたよ」

 

 

 

 気持ち気軽に始めたが、結果結構な大規模工事になったことを彼らはいったいどう反応するか。

 

 見やった先のヤエさんは驚きの余り終始言葉も無いようで呆然としたまま顔のまま固まっていたが、かわりに何とか復活したらしいシゲさんの方が、まるで絞り出したような震えた声で言葉を発した。

 

 

 

「……こ……これはなんですか? 忍術? ……いや、こんな忍術聞いたことが……」

 

「あ~……説明すると面倒なので詳しいことは省きますけど、一応これも忍術……というか、チャクラの性質変化を利用した応用で……」

 

 

 

 これは言い出すと説明にキリがないことなので正直省きたいのが山々だ。

 

 そもそもこの世界で行使される一般的な忍術というのは、術者が扱う精神的エネルギーに大まかな方向性と威力を持たせたものを具現化させた力だとシキは捉えている。

 

 元々可視化されない不完全な力を、並々ならぬ努力と鍛練で初めてエネルギー物質として外に放出させるのだから、それはそれは大規模な威力となって当たり前だ。だが当然、力が大きくなれば成る程比例してエネルギーの消費は激しくなるのが道理。結果術者はエネルギー切れ──この世界で言うならチャクラ切れを起こして倒れるのだろう。

 

 そして術者はこれを防ぐために、きちんとしたチャクラコントロールを学ぶのが基本だ。

 

 仮にこれが上手くできていない場合、術は不発。或いは暴走といった形で現れる。

 

 だがまあ大抵の場合は脳が筋力にリミッターをかけるように、過剰な力には自然と制限をかけるので、そこまでに至ることの方が稀で、単にコントロール不足と周りに称されて仕舞いだ。

 

 

 

「ですが、これは流石にあり得ないような事でしょう……!? 家が地面から生えただけじゃなく道や明かりまで出来て……。その上これは……っ」

 

「これが私の得意分野なんです。私は忍者ではないので戦いはからっきしですが、代わりにこういうことは得意で。──こほん、兎に角ですよ。どうです? テントや野晒しの中で生活をするより、ちゃんとした屋根のある中で過ごした方が健全的だと思いませんか? ここにはチヨちゃんみたいに、小さい子達も多いみたいですし」

 

「あんな大規模な忍術を行使して、チャクラを切らすことも暴走もさせないなんて……」

 

「お父さん、お姉ちゃんすごいね! たくさんのお家、一瞬で作っちゃったよ!」

 

「あ……ああ、本当にすごい。すごいよ……」

 

「…………」

 

 

 

 目の前の光景に今だ現実を取り戻せない様子の二人がポカンと口を開けたまま立ち尽くしている。

 

 これはしばらく戻ってこれないだろうか。なんなら早く家の中に家具を運び込んで欲しいのだが。

 

 とはいえこの状況を作り出したのは自分だ。

 

 仕方なくその後しばらく私は微動だにしない夫婦の傍ら。

 

 ただただボケッと、また同じく暇をもて余してくずりだした娘のチヨちゃんと共に手遊びをしながら彼らの復活を待つことにしたのだった。

 

 




この度、ご感想の意見に対し、読者様には色々ご考察頂いていること大変驚いています。
なにぶん作者本人に原作の知識が殆ど備わってないため、所々史実と解離が生じています。
しかしそこは作者自身原作通りに進めようと思って書いている訳ではなく、あくまで原作とは別物だと考えて頂けると幸いです。
とはいえ原作とかけ離れすぎた物語も中身分かりにくいものとなりそうで、そこは要所要所、調べた限りの知識を取り込んでいたりもします。
原作好きの方には混乱させてしまうと思いますが、ご了承頂けると幸いです。
今後、意見感想で頂いた正しい原作知識などは出来る限り勉強させて頂きますので、よければお付きあい頂ければと思います。

改めて、ご意見ご感想ありがとうございましたm(__)m
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