ナルトの世界に転生したと思ったら、なぜか生まれたのは水の国でした。   作:八匙鴉

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コメント感想ありがとうございます。
ふと思い付いた内容の投稿なので、今後どうなるか分からないですが、
ゆっくり考えて書いていけたら良いです\(__)




 「ところで村長さんは今から森に?」

 

 そう一目見れば分かる出で立ちの村長を見やって私は問いかけた。

 

 村で長を務めている人――とは言っても、彼の年齢はまだまだ若い。幼い二人の子供のお父さんでもある。

 そんな彼もやっぱり貧しさから身体は痩せ気味であるけど、背は高く、体つき自体は筋肉質でがっしりとしてる人で。

 そして快活な笑い顔がとても似合う、私が想像する村の男と言うような言葉が似合う人物だった。

 

 「おう! もうすぐ冬ですからな。先に火種となる薪を集めておかにゃあいけませんで」

 「でしたら、後でまた私の家の裏に持ってきてくれたら、加工して炭にしておきますよ?」

 「本当ですかい!? いやぁ去年もそれで快適に過ごせましたからなぁ。釜戸で重宝しますし助かります。しかし…私らに忍の事は良く分かりませんのですが、大丈夫なんですか?」

 「…? 何がです?」

 

 そう言葉の意味が分からなくて思わず首をひねった私に。

 

 「忍っちゅうのは【チャクラ】ってのを使って術を使うんでしょう? あなたは見ればいつも何かしら術を使ってるようだし。今も道を綺麗にするために術を使ってるじゃないですかい。そんなに頻繁に使用して疲れたりしないのかと…」

 

 「すごく助かりはするんですがね。」と、そう困惑した表情で彼が言う。

 そんな村長の姿に私は少し嬉しくなった。

 

 正直言うと私にチャクラの使いすぎによる疲れというものは今のところ無い。

 運用に関して簡単にコツを掴めた。というのもあるんだろうけど、多分それが無くてもこの体には《この世界の常識と言うもの》が当てはまらないような気がするのだ。

 詳しい理屈は分からないけど、【感覚】でそう感じるから恐らくこの考えで合っているのだろう。

 【私=転生者】という人間に【この世界=ナルト】の常識は該当されない。――――要はチート性能。

 

 しかしだ。

 

 もし私の記憶が合っているなら、今私の住むこの国は四代目水影が治める水の国だろう。

 水影やぐらは先人の意思を尊重する人で、この国はそれを引き継いで、まだ"鎖国されて他所との交流を閉ざしたままの国"だったはず。

 

 国民思想的には、他国との接触を極度に嫌う性分で【霧隠れの里】に至っては同族で殺しあいをさせてまで、強い忍を作ることに力を注ぐおぞましい国とあったようだけど。

 

 そんな国の中にある村だ。

 いくらここが辺境にあって都市部から離れていても、全く影響を受けて無いわけじゃない。

 仲間意識が低く、他人を蹴落として自分が生き残る。

 そんな価値観をもって生きる人間は少なからず居て。

 

 なのにそんな中で目の前の村長は私を慕い、そして尊重しようとしてくれている。

 そんな彼は恐らく、とても貴重で私にとっては幸運な存在以外の何物でもなく……。

 

 だからふと思う。

 …もしこれが彼やこの村の人達じゃなく、他所から来た人間だったら?

 

 私はこの世界に無い知識と、本来あり得ないような力を使う…しかも忍者ですらない人間だ。

 何も知らない人が見れば私は恐ろしい化け物のように見えるだろうし、もし私のこの能力が他人にバレれば、多分私の力は見る人が見れば喉から手が出るほど欲しい力だろう。軍事転用すれば…なんて考える人はごまんといるはず。

 

 そうなれば私は、戦争を勝ち残る呈の良い兵器のように道具として国に使われる可能性さえあるだろう。

 

 たった6歳の子供なのにだ。

  

 ………それはうん、かなり怖い。

 

 「心配してくれてありがとう。でもこれは私が自分の為にやってることでもあるから、大丈夫だよ」

 「そうですかい。過労で倒れたりされなければ、私も気にはしないんですけれどね……。ほんに無茶だけはしないで下さいよ? その恩恵に預かってる私らに言えるこっちゃ無いかもしれませんが」

 「ええ、わかってます。無茶はしませんし、出来ない事にまで手を出すつもりはないですよ。ただ私も最初は自分の生活が良くなるならって、それだけでしたし。今はただ私のしたことが皆の役にたつのが嬉しいだけですから」

 

 だから無理はしない。そう言った私の言葉にニッコリ笑ってくれた村長を森に見送って、私は再び道の整備に入るために気を引き締め直した。

 

 「とりあえず少し時間ロスしたし、チャクラ量増やしたら早く片付くかな…?」

 

 私がこのナルトの世界に生まれた意味は分からないし、まるでどこぞの小説のような体験だけど。それでも生まれた以上は長生きしたいし死にたくはないと思うのだ。

 だから私はこの場所で生き残る術を探す。私にとって今は只それだけ。

 

 ――ちなみにその後、チャクラ量を間違えて竜巻のような風が村に吹き荒れ、家に帰った後お母さんにしこたま怒られたのはまた余談のはなしである。

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