機動戦士ガンダム・ギンガ   作:ノザ鬼

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苛立ち

 

 パイロットスーツの男がギンガへ、

『スーッ…。』

 近付ける体と伸ばした右手が音を出す。

 

 髪の毛を掴む、

『グッ!』

 右手が音を出し、

『グィ!』

 項垂れた頭を起こす。

 

 自分の顔の前に、

「何様のつもりだ!」

 ギンガの顔を、

「小僧!」

 引っ張り上げた。

 

 ギンガの両手が、

「な…。」

 髪の毛を掴んだ手を、

「何を…。」

 掴み返すのは自然な反応。

 

 

 パイロットスーツの男が左へ首を巡らせ、

『ちらり…。』

 見る先に座る艦長。

 

 送られた視線の問いかけに、

『コクリ…。』

 無言で答え、頷く艦長。

 

 左の口元が、

『にやり。』

 許可を得たと笑う。

 

 

 眼前に、

「いいか! 小僧!」

 ギンガの顔を寄せ、

「人が死んだのはな…。戦争だからだよ!」

 睨むパイロットスーツの男の顔は鬼気迫る。

 

 髪を掴まれたままでも、

「そんな屁理屈…。」

 左右に首を振り否定するギンガ。

 

 

 苛立ち。

 

 眉間に寄せた皺(しわ)が、

「だったらよ!」

 何よりも、

「これを見ろよ!」

 感情を表し、

「お前が戦わなかったら…。」

 掴んだ髪の毛ごと頭の向きを変え、

「この娘(こ)は生きてここには居なかっただろうが!」

 レイカの方へ突出す。

 

 レイカの僅かに後ろに下がった顔に張り付いた、

「んっ!?」

 見開かれた目に半開きの口は驚きであった。

 

 予期しない出来事で見詰め合った二人。

 

 レイカの頬が、

『ぽっ!』

 音を出し桜色に染まった。

 

 そして次は…。

 

 お決まりの、

「…。」

 下を向く仕草。

 

 

 髪の毛を掴んで固定される顔を、

「それは…。」

 無理矢理にパイロットスーツの男へ、

「そうかもしれないけど…。」

 動かし向けるギンガ。

 

 腕に入る力が、

『グイ!』

 音を出し、

「失ったものを数えるな!」

 ギンガの顔を、

「救えたものを数えろ!」

 目の前に引き寄せる。

 

 引っ張られる髪が、

「そ、そんな事できない…。」

 苦痛だとギンガの顔を歪ませる。

 

 更に加えられた力が、

「いいか!」

 ギンガの顔を上に向け、

「出来るか、出来ないかを聞いているんじゃない!」

 浴びせかけるように、

「やれと言っているんだよ!」

 言葉を放つパイロットスーツの男。

 

 苦痛から、

「それなら…。」

 怒りへ、

「あなたが戦えば良いじゃないか!」

 ギンガの表情が移行する。

 

 引きつる左側の目と口元が、

「あぁ!?」

 腹立たしさのサインだと、

「出来たら…。」

 雄弁に語り、

「やってるよ!」

 言葉は吐き捨てるパイロットスーツの男。

 

 その意味が、

『ぽかーん』

 解らないと口が音を出し、

「?」

 頭からお約束の文字を出す。

 

 噛み締めた、

『ギリギリ』

 口元が、

「あのモビルスーツを動かせたのは…。」

 悔しさを、

「お前が初めてなんだよ!」

 磨り潰す。

 

 意味の理解が、

「えっ!?」

 驚きとなり声に出る。

 

 左手が、

「だからな…。」

 ギンガの前に掲げられ、

「動かせたお前が…。」

 握りられ、

「人類を守るんだよ!」

 振り下ろされると共に開放される。

 

 その圧と、

「!?」

 重さに、

「!?」

 押されるギンガ。

 

 食いしばる目が、

「俺らのモビルスーツで何処まで戦えるか…。」

 苛立つと言い、

「だがな…。」

 開いた目が、

「あのモビルスーツなら十二分に戦える!」

 冷静に状況を語る。

 

 いつの間にか、掴まれた髪の毛が開放されている事にも気が付かないギンガ。

 

 

 

 

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