神獄塔 メアリスケルター ザ・ロイヤル   作:Million01

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久しぶりに手を付けました。
ただ、考えていた内容半分ぐらい忘れてしまったので許してください。


Time of rebellion.

急変する赤ずきんに、そしてその場に倒れ込むナイトメア。

 

何が起こったんだ?

 

だが、そんなことを考えてる暇もなく赤ずきんが次の獲物を見定めたかのようにこちらに近づいてくる。

 

「───きゃははは!」

 

赤ずきんが跳躍し、右腕と左腕を交差するように腕を振り下ろしてきた。

 

「───っ!」

 

最初の一発目はなんとか避ける。だが、その行動を予測したかのように赤ずきんの蹴りが入る。

 

「ぐぅっ!」

 

その反動で自分の体が転がり込む。くっ……赤ずきんをどうにかしなければ……

 

「───ペルソナ!」

 

アルセーヌが腕を振り払い。黒い波動を飛ばし赤ずきんを吹き飛ばす。

 

「───きひっ!キャハハハハハァ!」

 

だけど、赤ずきんにあまり効果はないようにも見える。すぐにこちらに反撃してくる。

 

「っ!」

 

流石にこれ以上はまずい。いつまでも時間をかけているといつナイトメアが復活するか分からないし、自分もそろそろ体の言うことがきかなくなってきた。

 

「───ペルソナ!」

 

最後の一撃で赤ずきんの動きを止めるしかない。手加減はできない。この一撃に込める。

 

「───やれ!」

 

いつも以上に声を荒げたかもしれない。だが、そんな事はどうでもよかった。

アルセーヌが赤ずきんに急接近して思い切り腕を振り下ろす。

 

まるで刃のように鋭いくなった腕が赤ずきんを襲う。

 

「───っ!?」

 

一瞬、赤ずきんが顔を歪ませる。だけど、その顔はすぐに消え力が抜けたかのように顔が緩む。

それだけじゃない。体全体の力がなくなったようにフラッ、と体が揺れた。更にはピンク色の炎が一瞬、赤ずきんの体を覆ったようにも見えるといつもの赤ずきんの姿に戻った。

 

今だ、と自分は思った。手加減はできなかったが生きていると願いたいが今は確認してる場合でもない。とりあえず自分は倒れ込む赤ずきんの体を抱きとめそのまま走り込む。

 

走る。走る。走る。

 

「ハァ……ハァ、ハァ……」

 

元街道沿いエリアをなんとか抜ける。いつの間にか服装が戻っていたけどそんな事は今気にしている暇はない。

自分は赤ずきんの息を確認するように口元に耳を傾ける。

 

「…………」

 

寝息にも近い呼吸音が耳に聞こえる。どうやらまだ息はあるらしい。

だが、早めに黎明に戻った方がいいだろう。何より先程赤ずきんがあの状態となったから尚更だ。

とりあえず黎明に戻ろう。

流石に体力の限界だ。赤ずきんの腕を自分の肩に乗せてとりあえずは黎明へ向かった。

元街道沿いエリアから出ればメルヒェンがいないというのは幸いだろう。もし、遭遇すれば……あまり考えたくはない。

 

そういえば黎明の研究者を襲ってきたメルヒェンは何だったのだろうか。やめよう……変な事は考えたくもない。それにそろそろ意識も朦朧としてきた。その証拠に景色が歪んで見える風の音も自分の足跡も聞こえなく、な……

 

 

 

 

 

「いやはや、なんとか窮地を覆せたのは見事です」

 

またあの牢屋だ。そして鉄格子の先にはいつもいる長い鼻の老人と金髪の少女。

 

「死んだのか?」

 

「いえ、貴方はあの強敵達との連戦の傷で意識を失っただけ。まだ、生きています」

 

「まだ?」

 

「はい。貴方がいる世界はあまりにも過酷です。いつ死んでしまってもおかしくありません。それは明日かもしれませんし近い未来なのかもしれません」

 

「…………」

 

少女の言葉に自分は押し黙る。

 

「私達は直接、手助けすることはできません。ですが、間接的に手を貸す事はできます」

 

「どういう意味だ?」

 

「貴方のいる世界に直接干渉はできませんが、貴方になら色々と手を貸すことはできるのです」

 

そう言って少女が自分の近くまで来ると謎の液体が入った小瓶を三つ渡してきた。

 

「……?」

 

とりあえず渡されたので受け取ったがこれは何なのだろう。

 

「これは彼女達の暴走を収める液体です」

 

まるで自分の考えを見透かされたかのように少女は答えた。

 

「ただ、見ての通り三つしか御座いませんので使いどころにはご注意を」

 

スッ、て瞼を閉じる少女に自分は改めて手渡された小瓶を見つめた。

 

「おや、そろそろお時間の様です。名残り惜しいですがここまでにしましょう」

 

老人が何かに気付き、そう言い放つ。その言葉の意味をすぐに理解した。視界がグニャリ、と歪み意識が遠のいていくのだ。

 

「───それでは、ご武運を」

 

 

 

 

 

 

ハッ、と目を覚ます。そこは知ってるような知らないような白い天井。

ここは、と呟いて辺りを見渡した。自分はベッドにおり白いカーテンで匿われている。

確か自分は、と意識を失う前の事を思い出す。

 

そうだ、自分は赤ずきんを連れて黎明に戻るところだったはずだ。

ならば、ここは?

自分はベッドから起き上がってカーテンを開いた。

 

「あ」

 

隣のベッドにいたしょうじょとめがあった。青く長い髪の女性。白衣を来た少女と目があった。

 

「…………」

 

…………。

 

お互い黙ったまま。気まずいな、と思いその場で一礼をして部屋の周囲を見渡す。

ここは……前に自分が目覚めた医療室だ。では黎明に戻って来たというのか、誰かが見つけてくれたのだろうか。赤ずきんの姿が見えない。

 

「あっ、あのっ!」

 

周囲の状況を見ていたら少女が声をかけてきた。彼女の方へと振り返って首を傾げた。

 

「こっ、この間はその……助けていただきあっありがとうございますっ!!」

 

"この間"……?一体何のことを言っているのだろうか……。いや、待て。この娘をどこかで見たような……。

 

 

 

『貴方、危ないですわよっ!!』

 

 

 

前にナイトメアに襲われたところをこちらを庇うように押し倒してきた少女の顔が頭に浮かぶ。

そうだ。この娘だ。

 

「あっあの…」

 

こちらの様子を伺うように少女が口を開く。

感謝される理由がない、と少女に言った。

 

「え?」

 

そもそも先に助けられたのはこちらの方だ、と彼女に伝える。そうだ、感謝される理由が自分にはないのだ。

 

「そうでしたのですね……」

 

彼女がそう呟く。自分には彼女の言葉の意味がわからない。

こんな事をしている場合ではない。赤ずきんを見てこなければ。

もういいか?と彼女に尋ねる。

 

「え、えっと……最後に一つだけよろしいでしょうか?」

 

……?

 

「あの、貴方のお名前は……」

 

名前を聞かれ自分は彼女に名を告げた。

 

「ジョーカー、さん。あっあの!わたくしの名前はシンデレラですわ!」

 

よろしく、と彼女に挨拶をする。そこで医療室の扉が開かれた。

 

「ジョーカー、起きてたの!?」

 

救護班の視子だ。驚いたようにこちらに近づいてくる。

 

「身体は大丈夫なの?」

 

少し痛みがあるが身体を動かすには問題ない、と彼女に伝えた。

それよりも視子に赤ずきんの事を聞いた。

 

「……。そのことで博士が聞きたいことがあるそうよ。だけど、その前に一応、検査はするわ」

 

そう言って視子がこちらの身体を調べ始めた。

 

 

 

検査を一通り終え、博士の研究室に訪ねた。

 

「来たかね」

 

自分は博士に話しかける。赤ずきんの事を聞いた。

 

「赤ずきんには一応、安静にしてもらっている」

 

さて、と博士がこちらを見据える。

 

「赤ずきんからナイトメアと遭遇したことまでは話は聞いている。ただ、その後の事を彼女はあまり覚えていなくてね…」

 

赤ずきんはあのことを覚えていない、と言うことか。自分は博士にあの時のことを話した。

 

「ふむ、例のもう一つの覚醒か……。聞いた鍵理運良く彼女を気絶させてナイトメアから逃げたということか……」

 

何かぶつぶつと呟いている博士。自分は博士に赤ずきんの怪我の容態を聞いた。

 

「ふむ、もうすぐ良くなるそうだ。ジョーカーくんも災難だったね。今日はもう休むといい」

 

赤ずきんの容態を聞いて自分は安心して、自室へ戻った。

 

 

 

 

目が覚めてから2日が経つ。

自室の扉が叩かれた。

 

なんだ?と扉を少し開いて相手の顔を伺う。

 

「あ、ジョーカー……」

 

赤ずきんだ。少し戸惑った顔をしながらこちらの顔色を伺ってくる。

 

「傷はもういいのか?」

 

「え、あっ、うん。そういうジョーカーは?ジョーカーも凄い傷だったって聞いたけど」

 

見てのとおりだ、と少し体を動かして安心させるように見せる。

 

「そう、よかった……。この間はごめんね。あんな危ない目に合わせて」

 

気にするな。危ないのは承知の上でついてきたのだから、と彼女にそう言った。

 

「ほんとに大丈夫?ほんとに?」

 

ものすごく心配したような顔でこちらの顔を見上げてくる。

 

「問題ない」

 

そして心配性だな、と笑ってみせる。

 

「そっ、そういうわけではないけど……あ、そういえば博士が呼んでたよ」

 

「博士が?」

 

「うん。みんなに話があるみたい」

 

わかった、と言って用意をした赤ずきんと博士の部屋へと向かった。

 

「あ、赤ずきん。それにジョーカー」

 

向かう途中、おつうと人魚姫と合流した。

 

「二人とも、もう怪我はいいのかい?」

 

「う、うん。バッチリ!!」

 

赤ずきんが元気よく答え、自分は頷いて見せた。

 

「そうか、それはよかった。二人が怪我したと聞いたときは心配だったが、見た感じ問題なさそうだ」

 

そう言っておつうが微笑む。

 

「…………」

 

片方の人魚姫は黙ったままだった。なんだろうか、少し不機嫌そうにも見えるが……。

 

「では、博士のところに向かおう」

 

そう言っておつうが先頭を歩く。次に自分、その後ろにあかと人魚姫という順番だった。

 

「お姉ちゃん、ホントに大丈夫?」

 

「ホントに大丈夫だよー」

 

後ろで姉妹の会話が聞こえてくる。どうやら赤ずきんを心配していたようだ。

 

「君もホントに大丈夫かい?」

 

おつうもこちらを見て聞いてきた。

 

「二人が意識不明で運ばれてきた時は姫がものすごく心配していたんだ」

 

「おつうちゃん!それは言わないでっていったのに!」

 

「ごめんごめん」

 

二人が楽しそうに会話するのを見て赤ずきんは安心している。

 

 

 

 

博士の研究室へと到着する。

 

「揃ったようだね」

 

そこにいるのは視子、ハル、ジャック、アリス、かぐや、そして今入ってきた自分たちだ。

なんの集まりだろうか?

 

「さて、話を始めようじゃないか」

 

そう言って口を開く。

 

「まずは一つ。彼……ジャックくんのことだ。彼の血を検査したところどうやら彼の血は血式少女の"穢れ"を浄化できると思われる」

 

「"穢れ"……?」

 

「簡単に言えばストレスと言ったほうが良いだろう」

 

つまりメンタルケアみたいなものか、と自身で解釈する。

 

「そしてアリスくんと赤ずきんの例の覚醒、ジェノサイド化とは別の……そうだね、呼称を"ブラッドスケルター化"とでも呼ぶとしよう」

 

恐らく、ナイトメアを倒したときの赤ずきんの状態のことだろう。

 

「ブラッドスケルター化は仮説だが、血式少女の"穢れ"によって引き起こされるものだろうと私は思っている」

 

気になる単語も聞こえたが"ジェノサイド化"。ブラッドスケルター化とは別のがあるらしい。

 

「そしてジャックくんの血はそのブラッドスケルター化を鎮めることができる。この間、おつうくんと人魚姫、アリスくんと同行させた際に起こったことだ」

 

なるほど、仮説は立証済みということか。ブラッドスケルター化を鎮めることができるということは頼もしい。

 

「そして彼、ジョーカーくんは血式少女と同じようにメルヒェンと戦う力を有している」

 

あまり、驚いていない様子のみんな。

 

「名を"ペルソナ"というらしい。こちらは私の方では今のところ何もわかっていないというのが現状だ」

 

心を鎧う存在"ペルソナ"。あれが何なのか自分にもわからない。ただ、あれは確かに自分の力であるのはわかる。

 

「今のところそれしかわからない……という意味では他の血式少女のようにブラッドスケルター化する様子はないと思っている」

 

さて、と博士が言葉を紡いだ。

 

「ここからが本題だ。ジェイルの攻略を本格的に始めようと思う」

 

「攻略?」

 

「ああ。戦力も充分とは言えないが様にはなってきた。そこでそろそろ本格的に行動に移そうと思っている」

 

本格的と言われても未だにここのことはよくわかっていない自分は何も言えない。

 

「具体的にはどうすればいいんですか?」

 

「まずは元街道沿いエリアにてジェイルの『核』を見つけて破壊することだ」

 

「『核』……?」

 

「『核』はジェイルの各エリアに一つずつ存在する。そしてその『核』はメルヒェン達に力を供給している。これはあくまで仮説だが……」

 

「仮説……?」

 

「ああ、今まで『核』を捜索をしていたが一度も見つかったことがないのだ」

 

仮説がないのに探す必要がある、というのはおかしな話だ。

 

「わかっている。あるかどうかもわからないのに探すというのは実に無理がある、と言いたいのだろう。だが、わかってくれ今はこの仮説に賭けるしかないのだ」

 

わかってほしいという声色で語る博士。

 

「もちろん血眼で探せというわけではない。ある程度探して無理だったら別の方法を模索しようと思う」

 

そこらへんは一応、考えてはあるらしい。

 

「戦える者が赤ずきん、人魚姫、おつうくん、アリスくん、かぐや、ジョーカーの6人。二つのグループに別れようと思う」

 

つまりは三人づつに分けるということ。

 

「そしてそれに加えて片方のグループにジャックくんを入れようと思う」

 

確かにジャックは血式少女乃戦いに必要だ。

 

「そしてジャックくんのいないグループにはジョーカーくんを投入する」

 

「自分が?」

 

「ああ。今のところジョーカーくんはブラッドスケルター化のような暴走はない。暴走のしない可能性が高い二人は各グループに一人ずついたほうがいいだろう」

 

なるほど。確かに暴走の可能性が少ない自分とジャックが固まってしまえば、血式少女だけのグループでブラッドスケルター化が起きれば最悪その三人が危険な状態となるということだ。

血式少女達には悪いが自分の場合は最悪気絶させる方法でいくしかないが。

 

「アリスくんにはジャックくんといてもらうことになる。ブラッドスケルター化の危険もあるからね」

 

さて、構成を考えようかと博士が考えだす。

 

「ではまずジャックくんのところはアリスくん、人魚姫、おつうくんの四人。もう片方はジョーカーくん、赤ずきん、かぐや姫のグループこれでいいだろうか?」

 

どうやら赤ずきんと人魚姫は治療を行えることから別れたらしい。

そして自分とおつうはどうやらオールラウンダーらしく別れることにした。そしておつうの希望で人魚姫と行動したいらしくこのグループ分けとなった。

 

「コンゴトモヨロシク」

 

とりあえず共に戦う仲間の赤ずきんとかぐや姫に挨拶をしておく。

 

「また一緒だね、ジョーカー!」

 

「…………」

 

ニカッ、と笑う赤ずきんに興味なさそうに目を逸らすかぐや姫。

赤ずきんの方は前に一緒に行動してたから良かったがどうやらかぐや姫の方は少し大変そうだ。

 

「では目的は『核』の発見及び破壊。ただし、危険だと判断したら即時に退散することいいね?」

 

その言葉に全員が頷く。

 

「ジャック、行く前にちょっとウチのところにツラ貸せ」

 

静かに話を聞いていたハルがジャックに話しかけた。

 

「そうね。最後に製造士さんにメアリガンの調整をしてもらいなさい」

 

そしてそこで解散となる。

 

 

 

 

「じゃあ、準備ができたらこの場所に集合ね!」

 

赤ずきんの言葉と共に全員が一度解散する。部屋に戻ったり、ハルのところへと言ったりと。

 

自分は一度部屋に戻って置くとしよう。一応、忘れ物がないか確認しておく。

 

……?

 

そこで机の上に置かれている物に気が付いた。謎の液体が入っている小瓶が三つ。

 

これは確か……。

 

 

『これは彼女達の暴走を収める液体です』

 

 

確か夢の中で青いドレスの少女に渡された小瓶と似ている。

彼女達……つまりは血式少女のブラッドスケルター化を収めるための小瓶。

本当に収められるかどうかは怪しい。試したこともないし、そもそも夢で渡されたというだけであって同じものかもどうかもわからない。

だが、偶然というだけで片付けられるものでもない。 一応、持っていこう。

そして集合場所へと向かう。

 

着いたところ、ジャックだけがいない。確かメアリガンの調整うんぬんと言っていた

。少し時間がかかっているのだろう。

 

そして少ししてからジャックがやってきた。

 

「ご、ごめん!遅くなっちゃって!!」

 

 

ジャックが申し訳なさそうに謝る。

 

「気にするな」

 

自分も下から二番目だからフォローを入れておいた。

 

「調整は終わったのかい?」

 

「うん。なんとかね。ただ、試したことがないから使ってみないとわからないけど……」

 

とりあえず、大丈夫と言うことだろう。

 

「じゃあ、しゅっぱーつ!!」

 

赤ずきんがそう言って叫びながら元街道沿いエリアに向かった。

これからが人類の叛逆となるだろう……。

 

 

 

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