黎エタニティー
◇
いつからだろうか。
あの日から今までの記憶があまりない。
母といた記憶すらもう覚えていない。だがいたということは分かる。
肉体に刻み込まれた戦闘経験が今までもこれからも僕を助けてくれる。
全ての記憶を失っても僕は今までと同じでいられるだろうか。
◇
黎のルシフェルから放たれた斬撃が士道達を襲う。
士道「みんな避けろーー!」
間一髪全員避けることは出来たが…。
ルシフェルの斬撃が当たった場所はまるで何かに削り取られたかのように綺麗に無くなっていた。
黎「<ザドキエル・リオン>…」
黎が纏っていたザドキエル・リオンは黎から離れ巨大な兎になった。
それに乗り向かって来た。
<ザドキエル・リオン>が黎から離れると黎の霊装が見えてきた。
さっきの黄金の忍者の霊装ではなく銀色でフードを被っていた。
それは死神を思わせるかのような姿だった。
美九「あ、あれってやっぱり四糸乃ちゃんの天使ですよねー?」
耶倶矢「うん…でも、リオンって」
夕弦「危機。黎を戦闘不能にさせることができないかも知れません」
六喰「ならば、こうするまでじゃ!」
六喰はミカエルを使いさっきと同じように黎の後ろに孔を作り出したが。
黎「無駄だよ」
黎はザドキエル・リオンを乗り捨てその孔に入り六喰の目の前に出て来た。
ザドキエル・リオンはそのまま夕弦と耶倶矢と美九のほうに虚空を蹴りながら走っていった。
六喰「わかっておる。だがこの距離なら」
折紙「アーティリフ!!」
メタトロンから放たれた砲撃が黎と孔の先にいたザドキエル・リオンに直撃したが。
黎「いやー今のは驚いたよー。次は僕の番だ<ザドキエル・リオン>…シリヨン」
天使も黎も無傷だった。
折紙の攻撃は回避されたうえにザドキエル・リオンが兎の形から氷の大粒になり目の前にいた耶倶矢と夕弦を襲う。
耶倶矢「なんのこれしき!」
夕弦「返却。お返しします」
2人の暴風で自分達に向かってきた氷の粒を風に乗せて黎に返した。
帰ってきた氷の粒が黎に纏わりつき鎧を形成させた。
黎「<ルシフェル>━━エル・リベリオン!!」
六喰「く…この距離では…」
黎はルシフェルを短く持ち近戦に切り替えて六喰との距離を詰めていく。
もう…むくに出来ることは、せめて可能性を…。
六喰は隣にいた折紙にミカエルの先端を刺し回した後突き飛ばした。
黎は六喰の胸をルシフェルで切り裂いた。そうすると六喰の霊装は溶け元々着ていた服に戻った。
十香「六喰!」
落ちていく六喰を担ぎ士道の元に連れていった。
六喰「後は任せるぞ十香。それとあの天使には気おつけるのじゃ」
十香「うむ!ゆっくり休んでいてくれ」
俺にはあの天使の能力が大体予想がついてきた。
あれは力そのものを奪う天使だ。
◇
その頃フラクシナスの艦長室では通信の復帰に勤しんでいた。
琴里「マリア、モニター復帰した?」
マリア「すいません琴里。モニターへの表示はあと2分位はかかります。それと六喰が黎にやられました」
琴里「わかったわ。解析班、原因はわかった?」
令音「あぁ、いつも通りDEMさ。でも妙だと思わないかい?」
琴里「妙?」
令音「彼らが通信妨害なんて言うまどろっこしいことはしないはず」
琴里「わかって………は!神無月後の指揮は頼むわ」
神無月「はい!司令どこえー!」
琴里は何も言わず艦長室から飛び出して行った。
琴里「やばいやばいやばいやばい!早くしないと…」
もし、私の予想が当たれば今戦えない3人を失うことになるかも知れない。
無我夢中で走っているといつの間にか自分を霊装を纏っている事に気がついた。
あれなんで私霊装を…。
真那「あれ、琴里さん?どうしたんでやがります?てか何で霊装?」
彼女は士道の実妹である崇宮真那、前はDEMに所属していたが今はラタトスクの一員である。
琴里「丁度良かった。戦闘準備をして外に来て!」
真那「え、どういう…」
琴里「早くしなさい!!」
真那「は、はい!」
◇
六喰が戦えなくなりますます戦況が不利になっていく。
十香達も完全な霊装を纏っていても黎には歯が立たない。
もし、この状況でミカエルまで奪われているのであればもう勝てないかもしれない。
黎「あと6人か…。もう少し楽し頑張ってよー」
折紙「<サタン>…シェメッシュ」
木の影から黒色の羽が幾つも飛び出し黎の周りを囲んだ。
黎「あれ?さっきのと色が…ってうわ!?」
羽は回転しながら光弾を放ち出した。
黎は逃げ場が無く光弾をそのまま全て受けた。
攻撃が止むと纏っていたザドキエル・リオンもボロボロになっていた。
黎「これじゃあこっちが分が悪いね。光線ならこっちは…<ミカエル・リオン>…」
囁くとザドキエル・リオンが消え黄金の鍵が現れた。
士道「今度はミカエルかよ」
美九「今度は六喰さんの…」
黎「ラータイブ…セグヴァ…」
目の前に孔を作り孔を全ての羽にも作り刺した。
全ての羽は消滅し、囲んでいた羽が無くなり自由になった。
耶倶矢・夕弦「<ラファエル>エル・カナフ!!」
黎「あ、やばいかも…」
放たれた矢が黎に向かっていく。
黎「でも……<ミカエル・リオン>ラータイブ…」
虚空に孔を開け矢を吸い込ませた。
耶倶矢「ゆ、夕弦…私達って弱いのかなー?」
夕弦「焦燥。そんなこと……ないはずです…」
もう2人のメンタルはもうズタズタである。
それもそのはずウリエルでスピードで圧倒された上に2人の暴風も利用され、トドメに最大の攻撃であるエル・カナフすら簡単に無力化されたのだから。
耶倶矢に関してはもう泣く寸前である。
士道「あの2人もう精神面で負けたな…」
士道は苦笑いしながら2人を見ていた。
黎「2人とも……弱い」
黎はさらに追い討ちをかけた。
耶倶矢「ゆ、夕弦ぅぅう、うぇぇぇぇぇぇぇぇん」
ついに心を折った。
耶倶矢は夕弦に泣き付き夕弦はそれをなだめ始めた。
美九「耶倶矢さぁぁん泣き付くなら私の胸に!」
こんな状況でもぶれない美九にもう嫌気が指してきた。
黎「なんだろう。僕、あれ(美九)には絶対に関わりたくない。というか近寄りたくもないし、てか来ないで」
士道の元に森の奥の方から折紙がきたが…。
折紙「大丈夫だった?五河くん」
士道「あ、あぁって、折紙お前この世界の折紙か?」
士道が見たのは黒の霊装を身に纏った折紙だった。
折紙「うん。多分、六喰さんが私を呼び出したの」
前、六喰を封印したその日にみんなについて全て話していた。なお去年の文化祭のこと以外を、だから反転した折紙と十香がどれほど強いか多少は知っていた。
だから力を奪われる直前に折紙の意識を閉じ、この世界の折紙
の意識を引き出したのだ。
折紙「気づいたら木下にいました」
六喰「済まぬな。突き飛ばして」
折紙「大丈夫ですよ」
士道「折紙、頼む。黎は全員でかかっても倒せないかも知れない。だから力を貸してくれ」
折紙「最初からそのつもりです。行ってきます」
士道「油断するなよ」
折紙「うん」
そう言うと折紙は黎と十香達の方へ向かって飛んでいった。
五河くんの言う通り黎さんの強さは異常。サタンを一瞬で全部処理するぐらいの力、魔王と同等の力か…。
十香「折紙…。その姿は…」
美九「今度は折紙さぁぁんとってもとってもセクシーですぅぅぅ!!」
美九は息を荒らげながら折紙にじりじり寄っていく。
折紙「結構恥ずかしいからあまり見ないでください」
黎「あれ(美九)誰か黙らせてくれないかな~」
美九「可愛い物を愛でるのは女の子の嗜みですよぉ?」
黎「え、そうなの?」
質問したが全員が首をブンブン横に振った。
黎「休憩も終わったしやろうか。なんか姿が変わってる人もいるけど…」
あ、僕もか…。
夕弦「了承。分かりました。耶倶矢そろそろ泣き止んでください」
耶倶矢は未だに夕弦の胸の中で泣いていた。
黎「事実って残酷だな~」
耶倶矢「夕弦ぅぅぅー!あいつが虐めてくるぅぅぅ」
黎「小学生か!あーもう!あの2人抜いてやろうか!<ハニエル・リオン>!」
黎が叫ぶと手の中に黒い箒を形成した。
黎「カリドスクーペ……<ザフキエル>…」
ハニエル・リオンは形をザフキエルに変えた。
士道「なに!?何であいつが…」
銃口を自分の頭に向けた。
黎「あ、彼女とは何回か会ってるからねー。ヘットヘットヘットヘットヘットヘットヘットヘットヘット。これくらいかな」
自分でやって気づいた。これ相当気持ち悪い。
士道達の前には10人の黎が現れた。
狂三より厄介な精霊が…10人しかもウリエルを使ってた時の戦い方を見た限り天使無しでも十分に強い…。
自分でやって気づいた。これ相当気持ち悪い。
士道達の前には10人の黎が現れた。
狂三より厄介な精霊が…10人しかもウリエルを使ってた時の戦い方を見た限り天使無しでも十分に強い…。
美九「いやぁぁぁん可愛い女の子がいっぱいですぅぅぅ」
黎「よーしあれをやっちゃって!」
分身体が全員本体の方に向き一斉に「嫌だ。気持ち悪い。近寄りたくない。襲うどころか襲われて拘束して持ち帰りされそう(性犯罪者みたいなのに)」と口を揃えて言った。
俺の聞き間違いか知らないが誰か性犯罪者て言ったような…。
黎「だよねーー。じゃあ、アレフ…」
背後に出来た白と黒の時計からもやの様なものが銃へ入っていく。
今度は銃口を分身体全員に向け打ち始めた。
次の瞬間黎達は十香達の目の前に出現し、襲い出した。
折紙「<サタン>ーシュメッシュ」
異次元の穴が生まれその中から無数の羽が現れ、光弾をうち初め3秒経たないうちに全員の胸に穴が空けられた。
折紙「<サタン>ーカドゥール」
折紙は黎に対し接近戦のほうが有利だと考えたのか。わざわざ自分から近付きに行った。
折紙「もう、やめませんか。こんなことに意味はありませんよ」
黎「僕もそう思ってるさ。でも僕は、五河士道にチャンスをあげたまでだ。僕を気絶か殺すまで戦い続けるこのゲームというチャンスを」
折紙「何にそこまでこだわるんですか!」
黎「この世界の子どもたちを守るために」
折紙「そんなことをしたってあなたに何の得もありません。だからやめましょ?」
黎「る…さい…」
折紙「え?」
黎「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさぁぁぁぁぁぁい!!君に何がわかる!」
折紙「落ちつい…」
黎「エノクゥゥゥゥゥゥ!」
黎の身体に光が纏わりついていき黄金の霊装を形成していった。
黎「気が変わった。殺す気でいく。<ウリエル>ラスト・ジャッジメント!」
黎の周りに数え切れない程の光の弓兵が現れた。
黎「ギルティ!」
その言葉を言うと同時に光の矢が放たれ始めた。
十香「美九!シドーを守れーー!」
一本一本が高速で動いている為
ガブリエルで防ぐ前に地面に矢が落ちていく。
夕弦・耶倶矢「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ダメじゃん!
耶倶矢達も暴風でどうにか仕様とするが全て貫けていく。
矢は森の木々を破壊していき隠れる場所を無くしていった。
黎には一つだけ弓から放たれたものでない光弾が地上に落ちていくが見えた。
その光線の先には士道が立ち尽くしていた。
十香「シドー!そこから離れろ!」
士道「この状況で…」
今士道の中には天使の力が無い。だからあれをに当たれば確実に死ぬ自分だけなら助かるがここに六喰と七罪を置いていくわけには…。
黎「ちっ…………まあいい<イザヤ>…」
弓兵達も消え黄金色の霊装から銀色の霊装へと姿を変えた。
黎「<ミカエル・リオン>…」
士道の目の前には大きな孔が出現し光弾はそれに呑まれていった。
黎「誰だい?僕のゲームを邪魔するのは……ロボット?」
視線を上に向けると大量のバンダースナッチが浮いていた。
士道「こんな時にバンダースナッチかよ!」
黎「残っている人達にお知らせでーす。ゲームは一時中断します。繰り返しお伝えしまーす。ゲームは一時中断しまーす」
黎はこんな状況でもふざけている。確かにあれだけ俺達を圧倒する実力があれば、慢心もするかもしれない。
美九「空気読んでもらいたいですね。折角新しい女の子に会えておしゃべりしていたというのに」
耶倶矢「我らの実力を見せてやろうぞ」
夕弦「応答。やっちゃいます」
黎「さっきまで小学生みたいに泣いていた人が開き直ってる」
耶倶矢「るっさいわ!」
黎「あ、聞こえてた」
あの子と10mくらい距離あるんだけどなー。
ん?なんか人が2人いる。もう一人は精霊?
バンダースナッチ達の前には黒いユニットを纏った真那と琴里がいた。
琴里「<カマエル>ーメギド!」
カマエルが変形し大砲に変わった。
琴里「消え失せなさい…」
カマエルから放たれる砲撃に黎は呆然としていた。
黎「凄いなーあれ」
後で貰うか。
琴里「く……」
メギドは破壊力こそ精霊の中でトップに位置するがその攻撃力の分、反動も大きく使用後一気に膨大な力に飲み込まれてしまい、破壊衝動が抑えきれなくなる。
真那「琴里さんこれ以上は…」
琴里「えぇ、わかってるけど士道に伝えないと…」
十香「琴里、大丈夫か?」
琴里「えぇ、でも…」
耶倶矢「後は我らに任せろ!」
美九「やっちゃいますよぉぉ」
バンダースナッチはメギドで半分以上は消えたが残っているバンダースナッチは約2000体。
◇
折紙「黎さん、一緒に戦いましょう。それと後であなたに何があったのか教えてください」
黎「仕方ない…まあ減るもんでも無いし、いいか」
折紙は黎に手を握り十香達の元に連れていった。
十香「黎、協力してくれるのか?」
黎「一時休戦ってことで」
十香「心強い」
バンダースナッチのうち数体の手の中から数枚の紙がひらひらと飛んで来る。
すると全ての紙が少女の形へと変わっていった。
ニベルコルA「あのおばさん(エレン)私達をなんだと思ってるんだろう」
ニベルコルB「そうだよねー。とりあえず精霊を戦っておけとかあの年増女ほんとに私達対して酷いよねー」
何処にでもいそうな女子高生のような会話をしているニベルコル達の話を聞き琴里は、は!と思い出したかのように十香達に伝えようとしたことを話し出した。
琴里「これは、推測だけど今回のあいつら(DEM)の狙いは黎の捕縛じゃない。戦えなくなった七罪と六喰と四糸乃よ」
黎「どうして僕らがここにいることがわかったんだい?」
琴里「向こう側には魔王を持ったやつがいるからよ」
黎「そう。じゃあ、いこうか。<ザドキエル・リオン>…」
そう静かに唱えると大きな水色の兎が現れた。
琴里「あなたそれ…」
黎「説明…以下略」
この女説明をめんどくさがりやがった。
琴里「十香、私、美九は七罪と六喰と四糸乃を守るわよ」
十香「うむ。ここは頼むぞ耶倶矢、夕弦、折紙、そして…黎」
黎は深いため息をつき八舞姉妹を睨み付けた。
黎「君たち、2人戦力になるの?」
夕弦「提案。マスター折紙、耶倶矢、先にもう一人の敵を排除しましょう」
耶倶矢「その話乗った。あれだけ我ら八舞を愚弄した罪その身で…」
黎「あ、はいそうですか」
耶倶矢「最後まで言わせろゴラァ!」
黎「耳元でうるさいよ。全く」
夕弦「激怒。プンスカです」
折紙「黎さん、それ以上の挑発は…」
真那「私だけ蚊帳の外ですか」
ニベルコルF「ねぇ、私達のこと忘れてない?」
黎「あ、興味無さすぎて、忘れてた」
ニベルコル達「ふざけないで!」
約2000体のバンダースナッチ数体のニベルコルが襲いかかってきた。
◇
士道の元に向かった3人は士道に
例の話を伝えたが。
士道「すまない。琴里、四糸乃の居場所を知ってるのは黎だけなんだ」
琴里「なんですって!?もう黎に聞いている暇はないわ手分けしてさがしましょ」
???「その必要はありません」
上に視界を向けると銀色のリアライザーを纏った20代前半の女性が浮いていた。
士道「エレン・メイザース…」
エレン「久しぶりですね。五河士道」
琴里「どうゆうことよ」
エレン「ハーミットはこちら側で回収させてもらいました。そちらで寝てる2人も渡してもらいましょうか」
士道「ふざけるな!四糸乃を返せ!」
エレン「まぁ、いいでしょう今回の目的は達成したので。あとこれは返します」
エレンがこちらにチリチリにされた布と綿を投げてきた。その中には眼帯だけがはっきり残っていた。
士道「…!!よし……の…ん」
十香「貴様ぁぁぁぁ!」
琴里「十香!」
エレン「プリンセス。あなたに要はありません」
アルテミシア「貰うね…。君の命」
エレンに気を取られて周りの警戒を怠っていたため士道の背後にアルテミシアがいた事に気づけなかった。
不味いこのままだと殺される…。
黎「どいて!」
瞬きをした次の瞬間、誰よりも1番遠くにいたはずの黎が俺を突き飛ばした。
黎「う…!」
俺を庇い黎の左胸をアルテミシアの刃が貫通した。
士道「黎!!」
アルテミシア「何処から現れたの?」
黎「う、う…る……さ…い」
刃からぽたぽたと黎の血が地面に落ちていく。
アルテミシア「そう」
アルテミシアは刃を上に振り上げ黎の肩を切断した。
黎「がはぁ!」
黎は倒れ芝生をどんどん紅く紅く染めていく。
琴里「やめなさい!」
アルテミシア「エレン、そろそろ帰るよ」
エレン「わかってます。ではまた」
2人は十香を無視し飛び去っていった。
十香「待て!」
士道「しっかりしろ黎!」
黎「あ…まり……ゆ…す……るな…流……血が…酷く……な……る」
切られた部分からは肋骨と肺の断面が見えてしまっている
あぁ、なんで僕はこいつを庇ったんだろう。
家族でも、恋人でも、友人でもないこいつを……。
そうか、結局僕も相当なお人好しだったってことか……。
まぁ、殺人鬼としてはマシな死に方なのかな。
やばいな、目の前が霞んできたそれに音もこもって聞こえ始めた。
痛みが感じられなくなってきた上に頭がぼーとする。
こんな感覚だったのかな………黎。
END