武志が諏訪大国から帰還して少し経ったある日のころ、千古からこんな相談を受ける。
「ねぇ武志~。天界の再開発をしてくれないかしら?」
「いきなりだな...で、なんで再開発しなければいけないんだ?土地ならまだ少し残っているだろう?」
「まぁ土地が少ししかないってのもあるけど...一番は天人が増えてきて神と住む場所を分けたいのよ。」
と、聞かれるが、天人について分からないので尋ねる。
「天人とは?」
「ここ天界に憧れて、厳しい修行をして、その末ここまで来た人間の事よ。」
と、言われる。正直、人間たちの執念には驚いた。
「今はまだ少ないからいいのだけれど、この先増えることを考えると、やっぱり住む場所は分けたいのよ。神としての威厳もあるし。」
だったらいい方法がある。それを実行するために千古に確認を取る。
「成程ね...ならいい方法がある。
「何かしら?」
「今の天界の上、そして高天ヶ原より下に新たな世界を創る。そこを神界として神達が住まう楽園としよう。勿論、今より豪華な建物を建てよう。そして、その間は今まで通り自由に行き来できるようにしよう。」
「素晴らしいわね♪なら貴方に一任するわ♪」
「分かった。」
と言い、武志は工事予定地に向かう。
「ここだな。早速工事を始めるか。」
と言い、早速チェルベッロの板を取り出しあらかじめ書いておいた設計図を映す。
「始めるか。」
そう呟くと、周囲に設計図と同じ形をした、青味がかった半透明でグリッド(マス)のある図形を召喚し、その図形は一瞬で実体化する。そう。これは武志がただ出すだけではつまらないという理由で作成した演出である。
「やっぱり演出があった方がかっこいいなぁ...ってそうじゃないな。細かいところを作るか。」
と、言って、街灯や道を作っていく。街灯は和風な感じだがどこか現代的な見た目で、道は石煉瓦で舗装されている。これらは全てかつての古代都市で仕入れたものである。
「完成...っと。さて、千古とか呼んで案内するか。」
と武志は千古や理都、三貴神を呼んでくるのであった。
~~~10分後~~~
「さて、新しく神々が住まうところ、【神界】の街並みが出来上がったから案内しよう。と言いたいのだが須佐之男は?」
「彼なら下界の方に出張していますね。」
そうなのか。それは初耳だった。まぁいないのは仕方ないから続行するが。
「そんな事よりとても楽しみね♪」
「そうだな。」
皆素直に楽しみに喜んでくれて助かる。こちらも案内に熱が入る。
「まぁこんなところで立ち話するのもアレだ。案内するよ。」
一行は天界方面の入り口から入り、上に登っていく。そして雲を抜けるとそこには和風な感じだがどこか近未来的な世界が顔を表すのだった。
武志「やっぱり神として威厳のある世界にしたいと思ったのと、下界にある神社やかつての都市みたいな感じにしたんだよな。」
「流石ねぇ...。」
これには千古も驚きを隠せないようだ。
「流石お父様はセンスがありますね♪」
「とても洒落た世界ですね。」
「流石だな~」
この三人も素直に感心してくれて嬉しい。頑張って考えた甲斐があったものだ。
「それで、このメインストリートを抜けると、環状になっている道があるのさ。」
「確かにここからでは分かりにくいけど輪状になっているわね。」
「この輪を十字に貫くようにメインストリートがあるんだけど、この真ん中の建物が神界での私たちの家だな。ここから高天ヶ原の家に行けるぜ。」
と、扉の先に入りながら言うが、真ん中の建物は高天ヶ原の家よりもはるかに豪華で、和風のビルみたいな感じがする。そして真ん中には高天ヶ原へと続く光の柱が立っている。
「ここに俺らは住めるのか...」
「流石ねぇ~♪まぁ高天ヶ原からは出ないだろうけど。」
「これを須佐之男が見たらなんて言いますかね...」
「すご~い!とても豪華だ~!」
皆驚いているようで何よりだ。
「まぁとりあえず神界はこんな感じになっているから、これからはここに神達を住まわせるよ。」
「そうね♪早速神達を呼んでくるわ♪」
こうして新たな神界と呼ばれるところが出来、そこには神達が住まう事となった。神達の反応も良く、皆喜んで住み始めたという...。
「どうも。いか天と、」
「ユレイドスです!」
「いや~、神界は前に比べて住みやすくなりましたね!」
「やっぱり住みやすいんだ。うらやましいね。」
「まぁ武志様が設計したってだけでテンションも上がりますよ。更に見た目もさることながら、利便性も高いんですよ!」
「因みにだけど、神界は畜生界を参考にしているよ。霊長園は神界の千古達の家になるのかな?」
「ちくしょうかい...?れいちょうえん...?」
「ああ、ごめんごめん。こっちの話だ。」
「は、はぁ。ならいいんですけどね。」
「それでは皆さんさようなら~!」