創造神が行く幻想の世界   作:しぐれ水天丸

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飛鳥の都はまだまだ続く...


PART.31 常世神伝説の幕開け

太子様こと豊聡耳神子とその従者たちが眠りについてから数年間が経ち、武志は河勝からとある話を聞くのだった...。

 

「久しぶりだな。」

 

「おう河勝か。久しぶりだな。ところで、話ってなんだ?」

 

「あぁ、お前はいつも単刀直入に話してくるな。」

 

そう言われるが、早めに話して損はない。武志は無駄話があまり好きではないだけである。

 

「まあいい、話したいことだが、駿河国に新たな神を祀る宗教が出来たってのは知っているか?」

 

「知らないな...なんという神を祀っているんだ?」

 

「確かその神の名前は...常世神(とこよのがみ)だ。神体は蝶の幼虫だったはずだ。お前はこの神について心当たりはないか?」

 

武志が創造神というのは河勝もとい隠岐奈も知っているため、おそらくこの神についての情報を聞きに来たんだろう。

 

「いやそう呼ばれている神に心当たりはないし、幼虫の神というのも分からんな。おそらく信仰を広めるためにつけた俗称だろう。」

 

「そうか...それでなんだが、その宗教が少し危険でな、一緒に遠征してその宗教を滅したいのだが、手伝ってくれぬか?」

 

と、協力を申し出られる。

 

「分かった、協力しよう。その代わりだが、その宗教について教えてくれないか?」

 

「あぁ、その宗教なんだが、教祖は大生部多(おおうべのおお)でな、地方の祈祷師だ。」

 

「ふむ。」

 

「祀っている神は先ほども言ったように常世神。そして何が危険かというと、大生部は『それを祀れば貧しい者は富み、老いた人は若返る』と人々に吹聴して、村人から財産を巻き上げ、経済を停滞させているらしい。しかもその村人は虫を台座に安置し、踊り狂って富が来るのを待っているらしい。」

 

「とんだ詐欺宗教だな。」

 

「とまあ、その宗教についてはこんな物だな。遠征は一週間後から行く。遅れるなよ。」

 

「分かった。またな河勝。」

 

 

と言って二人は分かれる。そして一週間後、遠征の時がやってくる。

 

 

「おお河勝、久しぶりだな。」

 

「あぁ、武志か。それじゃあ向かうぞ。」

 

因みにだが、武志は普通の馬に乗っている。本来なら黒駒でひとっ飛びしたいが、黒駒は太子様がなくなった後、一週間ぐらい絶食してなくなっている。

 

 

~こうして馬を走らせること数時間後~

 

 

「着いたぞ。ここが駿河の国か。」

 

「あぁ、明らかに邪悪な気が漂っているな。これも大生部多と常世神のせいか。」

 

「そうだろうな。行くぞ。」

 

と、二人は駿河の町の中心部に向かって馬を走らせる。

 

「しかしここまでくると酷いなぁ。」

 

そう。町民のほぼ全てが往来で馳走を振る舞い、狂ったように踊っているのだ。

 

「私も話には聞いていたがまさかここまでとは...急ぐぞ。」

 

「そうだな。」

 

武志と河勝はさらに急いで馬を走らせる。そして中心部にある大生部多の屋敷の裏にたどり着く。

 

「とりあえずここに馬を停めて、裏からこっそりと進入するぞ。」

 

「待て、その前にこれを持っておくといい。」

 

武志は古代都市で使っていた型の通信機と、変装用のペスト医師の衣装を出す。

 

「これなら顔バレもしないし、帰り際に血がついて目立つこともない。それに屋敷の中はどうなっているか分からない。通信機を持っておいて損はないだろう。あ、通信機というのはこれだ。遠く離れていても会話ができるものだ。」

 

と、軽く通信機の説明を交えながら、変装用の衣装と通信機を渡す。

 

「あ、あぁ。そうだな。ところで、見たことない衣装だな。これはなんだ?」

 

「あぁ、古代の都市にいた特別な医者が身に着けていた衣装さ。」

 

「古代の都市...まさかな。でも創造神なら知っていても可笑しくないか。」

 

「ん?なにか言ったか?」

 

「いや。何も言っていない。それより早く向かわないか?」

 

「そうだな。行くぞ。」

 

 

と、二人は衣装と通信機を身に着け、塀を超えて屋敷に潜入するのだった...。

 

 

「ふむ。外から見てもそうだが、割と広いな。」

 

「そりゃそうだろう。彼奴は民から巻き上げた富で屋敷を大きくしているからな。」

 

「本当にひどい話だ...っと、前に二人いるな。どうするか?」

 

「奴らは大生部多の部下だろう。奴らの生死は問わない。」

 

「分かった。」

 

そういって武志はチェルベッロの板から唐夜叉丸を二本とも出し、素早く斬りかかる。

 

「大生部多様が布教している宗教は本当に面白n」ザシュ!

 

「そうだ...っておいどうし」ムグウ!

 

一人は声を上げる間もなく首が胴体とおさらばし、もう一人も抑え込む。

 

「俺の質問に答えろ...大生部多と常世神は何処にいる?」

 

「知らん!誰がお前なんかに教えるか...!」

 

「教えないならいい。そこの奴と同じようになるだけだからな。」

 

「くぅ...分かった!教えるから放せ!」

 

そう言うので拘束を緩める。

 

「あの方はこの屋敷の一番奥にいる。常世神は知らんがいるとしたら同じ部屋だろう。どうだ?言ったぞ!」

 

「分かった。ありがとう。あと人の話はよく聞くことだな。」

 

「え?どういう」ザシュ!

 

と、もう一人の首も斬り落とす。

 

「お前もかなり惨いことするな。」

 

「嘘はついてないだろう?それに奴は洗脳をされている様子はなかった。敵には厳しく、味方には優しくが私の戦闘の、人付き合いのモットーだ。」

 

実際、言ったから命を保証するとは一言も言っていない。それに戦場や侵入でそんな甘いことをしていたら逆にやられてしまう。

 

「ところで、さっきのは聞いていたか?」

 

「あぁ。勿論聞いていた。どうする?このまま向かうか、他の奴も無力化してから向かうか?」

 

「後者で行こう。常世神と戦っているときに邪魔が入ってほしくないし、勅令とはいえ、こんなことをしているところが広まってほしくないからな。」

 

「分かった。ではここから別行動でいいか?」

 

「いいだろう。それじゃあまた一時間後にここで落ち合うぞ。」

 

「それでいいだろう。ではいくぞ。」

 

と、二人別れての探索が始まる。武志は、出会う奴は全て殺し、女性などは拘束させて気絶にとどめた。こうして、二人共大きな騒ぎになることもなく、一時間経過した。

 

「どうだ?何かあったか?」

 

「おそらく大生部多がいるだろう部屋の扉があった。そこに向かうぞ。」

 

「了解。」

 

二人はその場所まで移動する。

 

「ここだ。」

 

そこには明らかに異質な雰囲気がする扉があった。

 

「これはいるだろうな...。」

 

「いよいよ元凶とご対面か。」

 

と言って、チェルベッロの板からカタストロフィーを取り出すと、扉に振り下ろして派手に扉を破壊して突入するのだった...。




「こんにちは。水矢と、」

「ユレイドスです!」

「常世神ですか~」

「ん?ユレイドスは知っているのか?」

「えぇ、確か芋虫の神でしたよね。神界にいるときはそんな強そうとか邪神なイメージはなかったですけど、今はどうでしょうね...」

「そうか~、なんか神の世界はよく分からんな。」

「それは貴方が知ろうとしないからですよ。」

「ごもっともだ。」

『それでは皆さんさようなら~!』
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