そして体調を崩して投稿が遅くなってしまった...
さて、そんな話は置いといて、本編へどうぞ。
昨日、夕餉の席で話して分かったことだが、この命蓮寺は住職の聖白蓮が、弟の命蓮から名を取って付けた寺で、その聖は、人間と妖怪は皆平等という精神の元、妖怪たちを保護しているらしい。これはそんなある日のお話だ。
「聖さん、どこかお出かけですか?」
聖が笠を被り、草履をはいていたので尋ねる。
「あぁ、武志さんですか。そうです。今からここから離れた海に向かいます。戻ってくるのがしばらく後になりそうなので暫く寺の事をお願いします。」
「海か...なぜそんなところに?」
「その海にはあらゆる船を沈める舟幽霊がいると聞きます。今日はその舟幽霊を救いに行こうかと。」
「なるほどな...」
武志はふとあることを思いつく。
「だったら、私もつれていってくれないかな。」
そう言った理由はただ一つ。聖がどのようにして妖怪を仲間にしているのかが知りたかったからだ。
「武志さんもですか...?勿論いいですよ。」
「分かった。なら行こうか。」
こうして二人はとても離れた海まで移動する。到着するころには大雨が降ってきたのだった。
「ここがその舟幽霊が出ると噂の漁村なんですが...」
「あぁ、とても閑散としているな。おそらく舟幽霊に沈められて漁が出来ないからだろう。」
こういう漁村は、村の生計を漁業で賄っているため、その漁業が出来なくなると収入がなくなるため、村全体にも大打撃なのだ。
「とりあえずまずは話を聞いてみましょう。」
と、偶然いた村民に話しかける。
「すみません。この辺に舟幽霊が出ると聞いてやってきたのですけど、何か知っていることはありませんか?」
するとその村民はかすれた小声でこういう。
「あんた陰陽師の方かね...あれは恐ろしい存在じゃ...。あいつはワシらの大事な船を沈め漁をできなくした...。しかもやっつけに来た陰陽師も壊滅。もうワシらにもどうすることもできずただ死を待つのみじゃよ...。」
「そうですか。では私が何とかしましょう。」
「やめときな...。あれはあんたら二人が戦って勝てるような奴ではない。死にたくなければすぐに帰るんだな...。」
「そうですか...。ご忠告ありがとうございました。」
そうして二人はその村民を後にする。
「どうしますか聖さん。村人たちも活気がないばかりか完全に自棄になってますよ。」
「諦めるのはまだ早いです。とりあえず舟を探しましょう。そして直接教えを説くのです。」
「分かった。」
二人は船を探した。船は案外すぐに見つかった。そして出航する。
「とりあえず沖まで出ましょう。あらゆる船を沈めると聞いたのでおそらくこの船も沈めてくるでしょう。その時に説法しますよ。」
「了解。」
武志は暫く舟をこいで、沖合2kmぐらいに差し掛かろうとした時の事だった。
「...む。聖、もう少し来たら沈めてくると思うぞ。」
「分かりました。武志さんも気を付けてください。」
「わかっt」
武志が言い終わる前に海が大荒れとなり、大きな波が武志たちを飲み込む。
「くっ!」ブクブク....
「大丈夫ですか武志さん!」
「私は大丈夫だ!それより自分の心配をしろ!来るぞ!」
するとすかさず第二波が来る。第一波よりも強い波が武志たちを更に飲み込む。
「シシシ...!二名様ご案内~。」
「そうはいくかな。」
「なっ!?」
武志はその舟幽霊の肩を後ろから掴んで言う。
「とりあえず痛い目見ろ!」
と言ってそれを投げ飛ばす。
「アイタッ!」 ザパーン!
「武志さん!戦ってはダメです!私が教えを説くので貴方は後ろで下がっていなさい。」
と聖が言ってきたのでおとなしく後ろに下がる。その時の聖はとても光り輝いているように見えた。
「あぁもう!ひどいなぁ!」
「申し訳ございません、私の連れが粗相をしてしまって。」
「全く!お前らは何で沈まないんだよ!喰らえ!【転覆 撃沈アンカー】!」
と、宣言すると、特大アンカーが聖に向かって放たれる。
「聖!」
何という事でしょう。聖はそのアンカーを避けることなく受け止めましたよ。
「何!?」
「貴方はこの船を探していたのでしょう?」
そういうと、聖の光り輝いていたオーラが一つの光の船となった。
「その船は!」
「そう。貴方はこの船を探していたのでしょう?だから違う船は全て転覆させてきた。違いますか?」
「その船は...!あぁ、懐かしい...!」
「私達を乗せてきた船は、不慮の水難事故で沈んでしまいました。私の法力で新しい船を創りましたが、これは特殊な船で操れる者が居ません」
そう言いながら聖はその光の船ごとその舟幽霊に近づく。
「この舟を操るのは貴方です」
「...がと...」
「ありがとう。私はこれでこの呪われた海を捨てることができる...。」
「いいのです。迷える妖怪を救うのが私の使命ですから。」
そういうと、二人は和解する。哀れな舟幽霊が仲間になった瞬間だった。
「もういいか?」
「あぁ、武志さんですか。もういいですよ。」
「とりあえず色々聞きたいことはあったが...、とりあえず教えを説いたみたいだな。」
「えぇ。この子は不慮の水難事故で船と共に命を落とし、その船に再び出会うために違う船をすべて沈めたらしいのです。」
「それは怖いな...。」
「とりあえず、もう暗いですしもどりましょうか。その前に、名前だけいいですか?」
そういうと、セーラー服を着た舟幽霊はこう答える。
「私の名前はムラサ。あとは無いわ...。ねぇ、新しい名前を付けてほしいの。あの呪われた海から脱出できた印として残しておきたいのよ。」
「そうですか。でしたら、これからは村紗水蜜と名乗りなさい。あと、私は聖白蓮と申します。」
「私は洩矢武志だ。」
「ありがとう...皆さん...。」
ムラサは泣きながらお礼をするのだった。
「さて、もう暗いですし戻りましょうか。さぁ、私たちの寺へ向かいますよ。」
こうして武志と聖の外出は幕を閉じたのだった...。
そして雨はもう止んで、空には満月が浮かんでいた。
「どうも。水矢と、」
「ユレイドスです!」
「ムラサ戦でしたね!やっぱりあの尼さん色々な意味で強いですね!」
「まぁね。あの方は原作でも力業で戦っているからね。あのくらい造作もないんでしょう。」
「しかしあの力は一体...?」
「それは分からないね。」
「そうですか...。」
『それでは皆さんさようなら~!』