...どこかのスカーレットさんなら操りそうですね。
【武志Side】
日も傾き、夕暮れになり始めたころ、陰陽師達は寺に向かってきた。見た感じ150名近くはいるだろうか。大勢で来ることは予想していたがこれは予想以上だ。武装した農民や貴族も混ざっているのだろうか。武志はそれを遠目で眺めていた。
「こちら武志、陰陽師の大軍がそちらに向かっている。準備をするように。」
そう武志特製の通信機を通して喋る。命蓮寺にもう片方が置いてあるため、遠い所からでも連絡が取れるという話だ。
「分かりました。合図が出たら攻撃をしていいですよ。ただし、殺さないようにはしてくださいね?」
「分かった。」
今回は殺害禁止のようだ。まぁ、今までが異常だったのかもしれないが、仕方のないことだろう。神にとって戦いとは死ぬか殺すか。そんな世界だからだ。今回は特別な神力弾を使って狙撃しようと思う。これなら頭に命中しても死ぬことは無いだろう。たぶん。
そんなことを思っていると、陰陽師達がばらけ始める。成程。これが先ほどナズーリンが言っていた隊列か。確かに、寺が完全に包囲されている。暫くすると、おそらく帝だろうか。厳重に警備されたいかにも高位の身分の人が現れる。ここからは交渉に入るだろうから、それを遠目で見守ろうか。
【聖Side】
「窓から多数の灯が見える。あぁ、遂に陰陽師達が来られたのですね。ここですべて話して、どんな結末が待ち受けようとも私は受け入れます。」
すると不意に扉が開く。そこには厳重に警備された男が立っていた。
「帝様、遂に来られたのですね。」
「あぁ。お前と最後の話がしたくてな。」
「そうですか。どうぞお座りください。」
「そうか。おい、ここを二人だけにしてお前らは誰も入らないように警備させろ。」
護衛達は寺の周りに警備しに行くと、二人は座り、話を始める。
「白蓮殿、我としても貴方が妖怪を匿っていたという話は信じがたいのだが、その件はどうなんだ?」
「そうですね。私が妖怪を匿っていたのは事実です。私は人妖関係なく、平等に接しているので。」
「平等か...そうか。それが事実なら今この場にその妖怪たちを呼ぶことはできるか?」
「えぇ。呼びましょうか?」
「頼む。」
聖は扉を開けると、一輪の名前を呼ぶ。一輪は縁側の下に隠れていたため見つかってはいなかった。
「読んだ?聖。」
「えぇ。少し来てほしいのですが。」
「分かったよ。」
聖は一輪を連れて帝の元へ戻る。
「連れてきました。」
「まさか本当にいるとはな...」
帝もこれには苦笑いする。
「しかしなぁ、貴方のようなお人をこんなことで失いたくはないのだよ。白蓮殿、今ここにいる妖怪とその周辺にいる妖怪をすべて退治するか、それを拒否するか選んでいただきたい。無論、妖怪を退治するならあなたのこの一連の件は無かったことにしよう。」
聖は即答でこう答える。
「私は妖怪たちを守ります。たとえ私の命が失われようとも私はこの子たちが元気に生きていればそれでよろしいのです。貴方が私を妖怪の仲間として討伐したいならば、私は精一杯抵抗しましょう。」
「そうか...残念だがそれは拒否として受け取っていいのだな?」
聖は静かに頷く。
「仕方ない...総員、白蓮殿を捕えろ!」
その掛け声と共に周辺にいた陰陽師達が聖を捕えようと動き出す。さながら大乱闘のようだ。
「すまないな。これも世の中の為なんだ...。」
帝はそう言い残し、急いで後ろに下がっていくのだった。
「皆、出てきなさい!」
聖の掛け声で隠れていた皆が戦闘態勢になる。一輪は雲山を召喚して陰陽師をタコ殴りにし、聖も自身を強化して戦い、星も宝塔の力を借りて陰陽師達を無力化し、ナズーリンも二本のロッドで対抗する。
「皆、ある程度倒したら星蓮船へ向かいなさい!」
『
【武志Side】
陰陽師達の動きが変わったと思ったら帝と思われる男性が逃げるように出てきた。恐らく戦闘態勢だろう。武志はスコープ付きMR-24を構えると、引き金を引く。帝と思われる男性の足に直撃し、その男性は派手に転んで動かなくなる。サイレンサーを付けているため発砲音も聞こえてないだろう。そして、次々に陰陽師達の手足を狙って狙撃する。彼らは暫く立つことができないだろうが、命があるだけまだいいと思う。
「ハハハ。楽しいねぇ。」
そうして暫く狙撃していたが、交戦している下っ端と思われる陰陽師は三分の一くらいに減った気がする。聖が星蓮船に逃げようとするが、強めの陰陽師二人にてこずっているようだ。仕方がないので髭の凄い奴の頭に照準を合わせる。そして引き金を引こうとしたときだった。
「さらば髭やr」ガサガサガサッ!
なんと物凄い振動が来て木から派手に落ちる。
「イタタタ...何があった...?」
「全く...まさか遠距離の狙撃がいるとはね...ってえ?」
「そうか陰陽師の一員か...。なら残念だが死んでもらお...え?」
お互いの目が合い二人はびっくりする。それもそのはず、
「何でこんなところで武志兄さんが狙撃しているんだよ~!」
「何で理都お前がいるんだよ!」
そう。理都だったからだ。まさかの再開である。
「いや理都よ、何で陰陽師に混じってドンパチしているんだい?」
「いや、元々別れてから俺は弟子をつけ、妖怪の山と呼ばれるところで鬼と天狗と河童を中心とした百鬼夜行を結成したんだけど、人間たちの生態を学ぶついでに陰陽師に入って妖怪を勧誘していたんだよね。」
「成程な。という事は今回も...?」
「いや今回は別さ。今回は聖白蓮を討伐する予定ったんだけど、殺さずに封印しようかなと考えているんだよね。彼女らはこの先必要になってくる存在だから。」
「この先とは?」
「あ~、人間と妖怪と神が共存して暮らせる世界を創りたいんだよね。百鬼夜行はそれに賛成する奴らの集まりさ。」
「成程な。」
「で、兄さんは何をしていたんだい?」
「私は元々この隣の山で修業していたがある日を境に聖白蓮のもとで修業している身さ。彼女もお前と同じ人間と妖怪が共存する世界になってほしいと願っていたね。」
「そうか...。やっぱりか。だったら兄さんもその夢に参加しないかい?兄さんなら大丈夫だと思うけど。」
「なら後でそれについてゆっくり聞こうかな。ところでお前は陰陽師側だけど聖を殺す気はないんだろ?」
「あぁ。何なら他の奴らも同じことを考えている。それ程にあの方は素晴らしいお方だったからな。」
「そうか。だが私たちの作戦を邪魔する奴を野放しにするわけにはいかない。そうだろ?」
「あぁ。たとえ兄さんでも危険人物を擁護する奴は容赦しないよ。倒された陰陽師の仇だ!覚悟しろ!」
こうして二人の戦いが始まるのだった...。
「こんにちは。水矢と、」
「ユレイドスです!」
「いや~、乱戦となってますねぇ~。」
「ですね!陰陽師の大軍がごちゃごちゃしているところに聖側が派手に戦って、更に遠距離からの狙撃と来ている。まさに大乱闘ですよ!そしていきなり武志対理都の戦いですね~」
「そうだね。やっぱり理都には感づかれたようだね。」
「因みにですが二人が戦ったらどうなるのですか?」
「二人は大体強さは互角だからね~。まぁ武志がアイテムを駆使して戦う。既存キャラでいうなら正邪やアリスみたいな戦い方だからね。対して理都は理で自身を強化して戦う。既存キャラなら白蓮みたいな戦い方するからね。一概にどっちが強いとか言えないからね。」
「そうなんですか~。参考になりました。」
『それでは皆さんさようなら~!』