創造神が行く幻想の世界   作:しぐれ水天丸

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そろそろ話が動きます。最近は東方要素も希薄でしたがそろそろ東方要素も入ってきますよー!(前回の東方要素:PART.51)


PART.59 依頼

前回の話から約数年後。理都とその従者もこの世界に慣れ、現在は創武殿から倉府市のとある高級住宅街に移り住んでいる。

 

「しかしまた最近は平和になったなぁ...。」

 

「いい事じゃないですか。平和な事は。」

 

「まぁな。でも理都もそろそろ移住させる頃だろうし、平和ボケしすぎてもいけないからな...。適度な刺激は大事だよ?」

 

最近の武志達の娯楽といえば、ゲームやショッピングだったり、訓練と称して逃○中等の様々なイベントをやったりしている。

 

「だったら暫くは理都様の行先探しですかね...?向こうの妖怪たちもそろそろ忘れている頃でしょうし。」

 

「まぁこの事については理都次第だからね。また本人と話して決めることさ。」

 

そんなことを話していると、部屋の中にひとつの扉ができる。そこから1人の神様が出てくる。

 

「...久しぶりだな。創造神様。」

 

「武志でいい。それにしてもいきなりだな隠岐奈。何かあったのか?」

 

「...え、ちょっと待ってください。この方は誰ですか?そしていきなり執務室に入ってくるとは非常識ですか?」

 

ラダヴィーニャが驚いているため、武志は説明を入れる。

 

「あぁ、彼女は摩多羅隠岐奈。摩多羅神と呼ばれる神様で私の旧友さ。」

 

「そうだ。私は武志の言う通り摩多羅隠岐奈。後戸の神であり、障碍の神であり、能楽の神であり、宿神であり、星神であり武志の古い友人でもある。」

 

割と長い自己紹介だったが、そんな事は気にせず話を続ける。

 

「しかし隠岐奈がここに来るなんて珍しいな。何かあったのか?」

 

「あぁ。お前は八雲紫を知っているか?」

 

八雲紫。武志とは1度会ったことがあるが、武志の記憶にはあんまり残ってない。武志は割と人の名前を覚える方だが、それでも分からない事はきっと名前の残らない程平凡な存在だったのだろう。

 

「名前は聞いた事あるが知らないな。」

 

「そうか。八雲紫は幻想百鬼夜行の現在のリーダーで、過去には月に行ったり、前総大将と一緒に都にもよく行っていた奴で私の友人なんだが、」

 

そこまで聞いてやっと思い出す。

 

「あぁ思い出した。あの金髪で理都の事をお師匠様とかいうあの胡散臭くて無謀な事が大好きな奴だな?」

 

それを聞いて隠岐奈は苦笑いしつつ、

 

「まぁお前と紫の間に何があったのかは聞かないがおそらく合ってるな。しかし前総大将の洩矢理都ってどこかで聞いた事あるなと思ったらお前の兄弟だったのか...。」

 

「そうだ。私も1度月面戦争関係でお呼ばれしたが、あそこまで無謀な奴は初めて見たし...まぁ理都も同じだけど、それにかなり慕っているように見えたな。」

 

「あぁ...、紫は理都の事をかなり信頼していたからな。葬儀の時も1番悲しんでいたのは彼女だったな...。まぁお前の兄弟だったら今頃生き返っているだろうけど...。」

 

「勿論だ。何ならこの世界にいるぞ?呼ぼうか?」

 

理都は現在中心地西川の方へ買い物に行っているため、呼ぼうと思えば呼べるため聞いてみる。

 

「いや、いい。私は紫ほど総大将に思い入れもないからな。......あと、総大将が復活した事は黙っておいた方がいいだろう。」

 

「その理由は?まぁ大方想像は着くけど。」

 

「総大将は自分の身分を妖怪と偽っていた...。それが"実は神様で復活してました〜"とか言ってみろ...。総大将と組織の関係は大きく変わるどころか永遠に合わさる事のない大きな亀裂が入ってしまう...。それに神様が身分を明かして地上で生きるのは大変な事だと知っているだろう?総大将...いや理都の生活を守りたければこの事は言わない方がいい...。」

 

確かに武志自身も過去に修行人や旅人として潜入していた事があるため、身分を隠す事の重要性はよく分かっている。

 

「確かにそうだな。」

 

長話が過ぎたが、そろそろ本題に入ろうとする。

 

「それで?わざわざここに直接来たと言うことは当然何か重要な事があるんだろう?」

 

「察しがいいな。その通りだ。」

 

遂に隠岐奈が本題に入る。その前にラダヴィーニャの方を見て怪訝な顔をする。

 

「すまないラダヴィーニャ、1回席を外してくれ。」

 

「分かりました。外で待っておきますね?」

 

ラダヴィーニャが部屋の外へ出ていく。

 

「さて、これでいいだろう?」

 

「あぁ。今回お前に手伝って欲しいのは"人間と妖怪が共存する世界"の創造だ。」

 

「ほう、因みに発案者は?」

 

「八雲紫だ。これは紫の夢らしい。」

 

武志は心の中で頭を抱える。また彼奴かと...。

 

「それで?その人間と妖怪を共存させる為に何をすればいいんだ?」

 

「その点は問題ない。幻想百鬼夜行はその夢に賛同した妖怪達の集まりだし、人間達の方も手頃な里を見つけたからそこにいる人達に協力してもらう。」

 

なんか物騒な事が聞こえた気がするが、とりあえず人妖については問題なさそうだろう。

 

「じゃあ何だ?冥界や地獄との連携をしろと?」

 

「その点も大丈夫だ。紫の友人には冥界の管理人がいるし、地獄の方も新人の閻魔を就任させるみたいだ。」

 

「じゃあ私は一体何をやればいいんだ?」

 

「お前にやって欲しいことは2つ。1つはこの大和の土地を少し分けて欲しいという事。もう1つはその土地と他の土地を完全に区別する結界の創造を任せたい。」

 

「そうかそうか...。答えはNoだ。」

 

隠岐奈は少し驚いた様な顔をするが、気にせず続ける。

 

「第一、大和の土地を使うのではなく新しい世界を創造してそこに住み着くというのは駄目なのか?結界の件はいいとして、それに紫本人からも聞かないと私は何も言えないな。」

 

「そうか。だったら少し待て。」パンパン

 

隠岐奈は手を二回叩く。すると不思議なスキマが出てくる。

 

「久しぶりね。お師匠様のお兄様。」

 

「武志でいい。それよりもまさか直接出てくるとはな。八雲紫。」

 

そのスキマからは八雲紫が出てくる。

 

「しかし私はお師匠様のお兄様を連れてこいと言ったのにかなり遅かったわね?隠岐奈。」

 

「あぁ。すまない。位置の特定が困難だったのと、話が弾んだからな。」

 

「お前が八雲紫か。久しぶりだな?」

 

「月面戦争の時以来ですわね。」

 

「それで?お前は人間と妖怪が共存する世界を創りたいと?」

 

「えぇ。その様子だと隠岐奈から色々聞いていると思うけど、私は人妖が共存する世界を創り、そこで平和に過ごしたいのよ。貴方は隠岐奈から結界制作の天才と聞いているわ。だからその世界を外の世界と区別する結界を作って欲しいのよ...。」

 

「なるほどな...。」

 

武志は考える。とりあえずこの世界には死んでいるはずの理都がいるため、顔を合わせないようにするということもこめてとある提案をする。

 

「とりあえずその世界の予定地を見せてくれないか?隠岐奈の話とお前の言い草的にここ大和の世界に作るんだろ?」

 

「流石はお師匠様のお兄様だけはありますね。その通りですわ。このスキマを通ってくれたらすぐですわ。」

 

「分かった。」

 

武志はそのスキマを通る。その向こうにはのどかな人間の里が見える山の上に来ていた。

 

「ここは【妖怪の山】と呼ばれている場所ですわ。私たち幻想百鬼夜行の本部があるのもここですわ。」

 

とりあえず諏訪洩矢郷から離れたため、武志はずっと聞きたがっていた質問をぶつける。

 

「そうか。とりあえず3つ位聞きたいことがある。1つはその世界とやらに名前はないのか?」

 

「名前ならありますわ。【幻想郷】という人と妖怪、更には神様や妖精までもが住む幻想的な世界になる予定ですわ。」

 

とりあえず1回ごとに長々しい名前で呼ぶ必要が無くなった。武志は次の質問をぶつける。

 

「2つ目はその幻想郷を創りたいと思った理由を聞かせて欲しい。」

 

「理由ねぇ...。私やお師匠様の友人が人間だからかしらね。それ以下でも、それ以上でもありませんわ。」

 

「そうか...。」

 

「それで?貴方はこの計画に賛同してくれるのかしら?これは貴方の弟さんの夢でもあるのよ?」

 

そういえば前に理都から聞いたな。その時私は賛成でも反対でもないといったっけ。でも理由を聞いて考えはほぼ固まったかな。そう考えながら最後の質問をぶつける。

 

「そして最後の質問だ...。私も自分の世界を持っているから分かるが、ここ大和の土地にその様な世界を創るには神々の許可がいるんだぞ?新しい空間にその世界を創るならまだしも、大和の土地に創るには大変だぞ?」

 

「その点なら問題ないわ。あなたも知っていると思うけど隠岐奈はそこそこ高位な神様だし、創造神様にも顔が利くらしいからきっと許可を取り付けてくれるでしょう。それに先程も言いましたけど貴方には強力な結界を創ってもらう予定だから分別という点でも問題ないわ♪」

 

隠岐奈が後ろで苦笑いしているが、それを聞いて考えはほぼ固まった。

 

「そうか。残念だが協力する事はできないな。」

 

「...っ!貴方!」

 

紫がこっちを睨んでくるが、隠岐奈がそれを宥める。

 

「まぁ私は生前の理都からもその話を聞いているし、もちろん悪い事ではないと思う。」

 

「だったらなぜ...。賢い貴方なら分かるでしょう?」

 

「だがな...私もその創造神様に会ったことがある。」

 

「待って!なら尚更どうして!」

 

「その創造神様が言ったからだよ..."勝手に大和の土地を使う不届き者は私が世界ごとそいつの存在をかき消す。だからって許可を取りに来ても絶対に許可しないけどね。"と。隠岐奈なら分かるだろ?創造神様はよくこの土地を散歩してるからな。その時に聞いたさ。私みたいに別の空間に作ってはいけないのか?」

 

勿論自身が創造神の為、この話は半分くらい嘘だが、神としての持論を述べる。

 

「それはダメよ...。私もこの大和の土地が好きだし、その方が人間たちや妖怪達にとっても都合がいいのよ。」

 

「そうか...だったら1ついい方法がある。」

 

「私が創造神様に許可をとる。恐らく拒否されるだろうがそこは1つ秘策があるから大丈夫だろう。」

 

それを聞いて紫の顔が喜びに変わる。

 

「ただし、私と戦って勝ったらの話だ。ほかの妖怪達を読んでくれても構わない。まぁ、要は強くなければ世界を作る資格は無いということだな。」

 

「...。分かったわ。隠岐奈、美晴と颯を呼んできて。」

 

紫がそう言うと隠岐奈は無言で扉を作り、その中に入っていく。

 

数分した後、先程美晴と颯と呼ばれた2人がやってくる。

 

「隠岐奈に呼ばれてくれば...何だお前?」

 

「隠岐奈殿、これは一体なんと申すか?」

 

「あぁ、幻想郷の件でな、今から目の前の奴と戦う事になったから協力してくれ。」

 

すると鬼と海賊を足して2で割った風貌をしている方が目を輝かせる。

 

「あぁ、そういう事か!おい!そこのお前!名をなんという!」

 

「私は洩矢武志だ。もしかしたら隠岐奈から聞いているかもしれんが、私を倒せば幻想郷を作って貰えるように掛け合ってみよう。」

 

「そうか。私は叢雲颯(むらくも はやて)。天魔だ。この山の天狗の頭領として活動している。」

 

「私の名前は金平鹿美晴(こんへいか みはる)。この山の鬼をまとめている者だ!」

 

簡単な自己紹介を終わらせた後、紫が口を開く。

 

「さて...、役者も揃ったことですしそろそろはじめましょうか...。」

 

「あぁ。お前達の夢に対する熱意を見せて貰おうか。4対1でかかってこい!」

 

「あんまり1対多数の対決はお師匠様のポリシーに反するから避けたいのだけれどねぇ...。いいわ。皆、手加減なしで攻撃するのよ。」

 

「御意。」

 

「もちろんさぁ!」

 

こうして幻想郷の創造を賭けた4vs1の戦いが始まるのであった...。




「こんにちは。水矢と、」

「ユレイドスです!」

「いや、過去に戦闘パートはいくつかありましたが、こんな勝敗のわかりやすい戦闘回ありますか?勝敗がわかり易すぎてもう八百長状態ですよ?」

「いや知らん。俺に聞くな。そもそもまだ勝敗なんて分からないよ?」

「むぅ...。ところであの二人に元ネタとかってあるんですか?」

「あるよ。まずは叢雲颯。天魔だね。」

「...え、終わりですか?」

「終わりだよ?」

「短いですね...。で、もう1人の方は?」

「金平鹿美晴は、金平鹿という鬼の海賊が元だね。」

「あぁだから衣装が海賊風。」

「そうそう。元々は海で仲間と共に暴れ回っていたらしいけど、妖怪の山の鬼をまとめるために天魔にスカウトされた過去があるよ。」

「...それはよく認めたね?」

「なんでも、周辺の海はすべて自分のものになり、向かってくる人間も弱く暇してたところに、とても強い人間が表れてフルボッコにされ覇権を失い、それらから逃げるように向かったんだとか。実際、向かった直後は酒呑童子こと萃香を、星熊童子こと勇儀を速攻でフルボッコにしたとか。」

「え、それかなり強くないですか?」

「そうだよ。そして美晴の教えもあり、鬼は現在の社会があり、天狗社会とも仲良くしているみたいらしい。まぁ理都と紫と隠岐奈という新たなトップは来たけどね。」

「そんな過去があったんですね...。」

「そうそう。次回は戦闘回!それでは皆さんさようなら〜!」
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