狩人は自分の名は無く、狩人と呼ばれていたと答え、目が覚めたら空にいてここに落ちたと説明した。
それはポカンとした顔でそれを気き、一拍置いたのち
「嘘では……ないようだ」
と応えた。
そしてそれは自己紹介を始めた。
「私の名前はヘラ。今はここで農家の真似事をしながら余生をすごしている神だ」
狩人は神とはなんだと聞いた。
「神とは人の上に立つ存在であり、人知を超えた尊い存在だ。頭でも打ったか?」
とヘラは答えた。
狩人は記憶が混濁しており、ここがどこで今が何年の何月かもわからないと言った。
「とりあえず今が何年かは覚えていないけど季節は春だ。とりあえず私の家に来なさい、聞きたいことがある。加えそこでお前が知りたいことも教えてやろう。」
とヘラは返し、来た方向へと歩き始めた。
狩人はそれについて行った。
その道
「狩人、お前が狩る標的としていたのは何だ?お前からは濃密な死と血の匂いがする。」
と聞いてきた。
狩人は狩の標的は獣であり、それを狩り尽くすことが使命だったと答えた。
ヘラは立ち止まり、こちらを振り返り聞いてきた。
「その獣に人は含まれるのか?」
狩人は肯定した。しかし、血に飢え理性を失い獣の様に殺戮に酔いしれるそれは人なのか?と狩人は返した。
ヘラはその回答を受け止め、確かにそれは人の分類ではないと答えた。
そして尋ねた。
「そして、だったとはどういう意味だ?」
と。
狩人は少し逡巡し、話した。
ヤーナムの狩り、目を覚ました時から始まった終わりのない廻る悪夢、そして狩人としての葬送の使命、それから逃げ出したことを。
ヘラはその全てを聞いた、その荒唐無稽な話を。
そしてヘラは目元を緩め、
「お前は使命から逃げ出したのではない、全うしたのだ。誇るが良い、お前は確かにその悪夢の輪廻を断ち切ったのだ。このヘラがお前の人生を認めよう。」
と狩人に言った。
狩人は被っていた狩人帽子を取り、マスクを下げ一言
ありがとうと言った。
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さて、話も終えて狩人はヘラの家に着いた。
ヘラが家のドアに近づくと、濃密で懐かしく、しかし血生臭くなく澄んだ殺気を狩人は受けた。
そのままドアは空き、中から1人の痩せ細った老人がでてきた。
「お帰りなさいませヘラ様。ところでその見るからに不審者の男は?」
と臨戦態勢の状態で。
ヘラは
「客人だ、さっき降ってきた。話すことがあるから剣を納めて通してやれ。」
と言い、家の中に入っていった。
その老人は先程の雰囲気は何処へやらと剣を納め、にこやかに
「それはそれは失礼致しました、どうぞお通りください。」
といい、中へと老人らしからぬ芯の通った歩みで家へと戻っていった。
ヘラの家はこじんまりとしたログハウスで、中の壁には所狭しと剣が飾られていた。
「それは私に剣を捧げ、戦い続けた戦士の誉ある信念の証だ。」
確かにヘラの言う通りここにある全ての剣が業物であり、その一つ一つは全てが歴戦の風格を持っていた。
「座れ、この世界について話をしてやる。」
狩人はヘラから様々なことを教わった。この世界、神の役割、そして冒険者の存在とオラリオという街について。
狩人は神がその血を用い、人を冒険者とすることに興味が湧いた。
そして老人に貴公も冒険者なのか?
と尋ねた。
「その通り、私はヘラファミリア所属の冒険者です。」
老人はそう言った。
「彼は元ヘラファミリア団長のヘラクレス、彼の功績を称えバカ息子の名前を与えたオラリオ元最強の誇り高き戦士だ。」
ヘラは我が子を自慢するかのように紹介し、ヘラクレスは今はもうよぼよぼの爺ですがね。とまんざらでも無い様子だった。
そして一息ついたあと、ヘラは姿勢を直し提案があると言った。
「お前のその力、オラリオに巣食う力に呑まれた獣の処理に使う気はないか?」
オラリオのダンジョンには、冒険者を殺して日銭を稼ぎ、その殺戮を楽しむ者が一定数存在する。ヘラはそれを処理する係として派遣したい様だ。
狩人は理由を聞いた。
オラリオから追放され、隠居しているヘラがそこまでオラリオを気にする理由を。
「今度、夫の孫がオラリオに行くのでな、老婆心ながら不安因子は排除したいのだよ。」
そして始まるお婆婆の孫自慢。
白く清らかな魂を持ち、愛くるしいのに正義感が強く可愛らしい等々。
狩人は了承した。
オラリオにも興味があったのと加え、獣を葬送するのは狩人としての領分だと考えたからである。
「ならば明日、行商人が来るからそいつに乗せてもらうと良い。後オラリオに着いたらロキという小娘を頼ると良い。これを見せれば悪くはならないはずだ。」
と言い、一筆したためたられた紙を用意し、寄越してきた。
次回、狩人オラリオ入り。戦闘させます(確固たる意思)
オリジナルファミリアも考えましたが、なんだかんだ闇派閥と縁があるロキにします。
ソード オラトリアと時系列合わせて行きたい