東方冬月下   作:Jonathan07

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俺が幻想入りしたら、という前提で書いたものです。
ほぼ妄想に近いし、原作である東方とも矛盾点があったりするかもしれませんが、その時は指摘して下さるとありがたいです。


〜幻想入り〜

目を覚ませばそこは森であった。俺には何が何だか分からないでいた。さっきまで俺の部屋の、俺のベッドで、部活や家の事、学校などで疲れ切って寝ていたはずなのだが。

室内とは異なる外気ーーー土や木々ーーーの匂いが立ち込めていた。夢だと思い込むにはあまりにも現実味を帯びていた。

一つ、一つだけ変わらないところと言えば「時間」だろうか。空、恐らく都会の排気ガスなどが干渉していなかったであろう暗い闇夜空には満点の星空が広がっていた。

俺は今迄見たこともない星の放つ輝きに、ほんの少しの間だけ魅入っていた。その夜は満月だった。夜空の星たちに紛れて、一つだけ大きく、美しく君臨する月が放つ光は、或いは昼間太陽の放つそれよりも幾分か明るく感じられたかもしれない。

俺は、まるで物語の中にこそ存在するかのような夜空に魅入っていたことに気付いて、思考を今現在、自身の置かれている状況へと戻した。

 

四方見回してもおよそ木々、おまけに人の気配は全く無く、更にここは日本のどの辺りなのかすら把握できずにいた。

そしてやけに寒い。冬である事を考えれば当然なのだが、エアコンの効いた暖かい部屋で、布団を被る事を前提とした薄い寝衣しか着ていなかったので余計に寒い。このまま外にこうしていれば、凍死するのも時間の問題と言えた。

寒さを紛らわすためと、ここが何処であるかを把握するための糸口を少しでも掴むために俺は歩き始めた。

歩き始めてしばらくして、俺は立ち止まった。森の出口が見つかったからだ。しかし眼前に広がるのは広大な湖であり、俺はほとほと困り果てていた。

 

俺がどうしていいかも分からずに凍えていると、突然、目の前が闇に包まれた。

本当に突然であった。何の前触れもなく目の前が何も見えないほどの闇に包まれたのだ。

と、俺が突然の非常な出来事に混乱していると、これまた突然、背後から声が聞こえてきた。

「あなたは、食べてもいい人類?」

声だけで判断するならば、どうやら十代ほどの少女であったが、抑揚のない、冷たい声だった。俺は恐らく俺に問いかけている少女に対してすら、闇と、少女の異常なまでに無機質な声から来る恐怖心で答えることもできなかった。それに加えて少女の言う「食べる」という言葉がどうにも気になった。

兎にも角にも、闇への恐怖と合わせて、俺には少女の発する言葉がとても恐ろしいものの様に思えた。そしてしばらくは色々な考えが頭を回っていた。「食べられるというのは、直接的な意味だろうか」、「こんな何処かもわからない場所で死ぬのか」、「一度家に帰りたいな…」などと考えていると、そのうち恐怖で体が情けない程震えているのが自分でも分かった。声も出せずに震えているとそのうち、また、少女が同じような声でもう一度言葉を発した。

「あら、怖くて言葉も発せないの?情けないわね、まあいいわ、腹に入ってしまえばどうでもいいことだし」

そう言って少女は俺の腕に、粗雑に手をかけた。俺を更に脅す目的か、必要以上に力が入っていた気がする。

少女の吐息が耳でも聞こえる程に、恐らく少女の顔との距離が近くなり、俺は既にこれから襲いくるであろう苦しみを予測し、死ぬ覚悟はできていた。

が、突然、何も見えない闇の向こうから空気を裂くような、ひょう、という音が聞こえて、ずぶり、と生々しい音が聞こえると同時に、後ろにいた少女は耳を劈くような悲鳴をあげた、そして。

「ぐっ…あなたは紅魔館の…?なんであなたが邪魔をするのは分からないけれど、怪我をしてまでこの人間を喰うリスクもないから、あげるわ、どうせお宅の吸血鬼の腹に収まるのだろうから同じ事とは思うけれどね!」

と、半ば捨てゼリフのような言葉を吐いてその場を後にした様だった。

そして、少女が去ったと同時に闇は払われ、視界が戻ってきた。

 

目の前には一人の女性がいた。月の女神が降りて来たかという程に美しく凛とした雰囲気で、銀色のふわりとした髪を持ち、極めつけにはメイド服という姿だった。俺は礼を言おうと口を開いた。

「あなたが助けて下さったんですか?ありがとうござ…」

そこまで言ったところで、眼前の女性は素早く俺の懐に潜り、鳩尾を的確に強く突いた。

「がッ………!!」

言葉にならない声を発して、視界はぼやけていったが、そのうち意識も失ったようだった。




ルーミアと、咲夜が登場しました。
なんか色々と、言葉の使い方とか間違ってたりするかもしれません笑
この後はまあ予想はつくと思いますが紅魔館編です。
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