仮面ライダージオウ STRIKE WORLD   作:いちごDF

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最終回です


2018:最高最善の魔王

常磐ソウゴ。普通の高校生だった彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。彼は2018年に仮面ライダージオウに変身し魔王への覇道を歩んでいた。

クォーツァーの妨害により一時は彼が生きた平成ごと消滅されかけたが世界を良くするための王の力、オーマジオウの力を継承し見事クォーツァーの野望を阻止した。

 

平成から令和に時代が変わり平和が保たれていたが、ルシフェルによって起こされた時空の歪みにより、ストライクワールドなる異世界がジオウの世界と融合され始めていた。

その世界で生まれたアナザーストライクを倒したが、それはルシフェルの力が蓄えられる罠でありルシフェルはジオウの世界のテクノロジーと6人の天使の力を使い『仮面ライダールアフィック』へと変身をする。

世界融合の原因であるストライクワールドのリセットを目論むルシフェルを止めるため、常磐ソウゴは『仮面ライダージオウオーマフォーム』へと姿を変えた。

 

おっと失礼、我が魔王の勇姿を未来永劫伝える為にこうして振り返っていたが、ここから先は皆さんにとってはまだ見ていない未来の出来事でしたね。


「まさかオーマジオウの力を持っていたとは予想外だよ...っ!」

 

若いジオウがオーマジオウの力を持っていたことはルアフィックにとって大誤算の事案。なぜなら彼女のジオウの知識は平成ライダー19人の力を継承した姿、グランドジオウまでだからである。

もっとも恐れていたオーマジオウの力が目の前にいるというこの状況に彼女は恐怖に支配されている。

 

ジオウは手を空に向けて突き出すと、世界リセットの影響によって紫に染まっていた空が純粋な白に戻る。ストライクワールドをリセットしようとした力の時を完全に消え去るまで戻したのだ。

あと一歩まで上り詰めたルシフェルの計画が一瞬にして崩れ去った。

 

「あともう少しだったのにっ!くそ!」

 

「言っただろ?お前には王になる資格はない。みんなが助け合い作ってきた世界を否定するお前に俺の世界もこの世界も犠牲にするわけにはいかない」

 

「うるさい!!!!!」

 

ジオウに対する恐怖心を抱えたまま怒りに任せて殴りかかるが、片手で受け止められてしまう。

その状態からジオウは衝撃波を放ちルアフィックは派手に吹き飛んだ。

自暴自棄になったルアフィックは無数の堕天使兵を召喚してジオウに突撃させるが、ジオウの元にたどり着く前に全て消滅した。

どうあがいても勝てないと分かっていても、諦めたくないルアフィックはジクウドライバーにセットしているライドウォッチのボタンを押し、今出せる最大限の技を発動する。

 

『ルアフィック!タイムブレーク!』

 

ルアフィックの体が虹色に輝き、この真っ白な世界が今にも世界が爆発しそうなほどに歪み始める。

ジオウは時を止めようと試みるが、あまりにも強大なエネルギーなため止めることがてきない。

ならばとジオウもD‘9スロットにセットしている『オーマジオウライドウォッチ』のライドオンスターターを押した後、ジクウドライバーのロックを解除して待機状態になる。

ジャンプするのと同時にジクウドライバーを一回転させると、ベルトから必殺技を放てる状態になった事を知らせる音声が流れる。

 

『キングタイムブレーク!』

 

背中にあるアポカリプス・オブ・キングダムの針が一回転し、ルアフィックに向かって右足に溜まった膨大な王の力を放つ。

向かってくるジオウの動きを止めようとルアフィックは全てのエネルギーを凝縮した光線を放つ。

そのまま二つの攻撃がが交わりジオウの勢いは止まってしまう。自暴自棄になり己の生命まで削った攻撃は最高最善の魔王の力に抗えるほどの威力。

今にも崩壊しそうな世界。このままの状態が続けばこの異空間とストライクワールド、そして自分の世界も壊してしまうと判断したジオウは所持しているオーマジオウのパワーの出力を上げ彼女の攻撃を押し返していく。

そしてそのまま勢いは止まらずジオウのキックをルアフィックは受ける。

 

「がぁぁぁぁあ!!!!」

 

悔しそうな声で叫ぶルシフェルと彼女の持っていた仮面ライダールアフィックの力は爆発と共に跡形もなく消滅した。

 

「よっと...あとはもう崩れるこの世界を元に戻すだけっと」

 

力と力がぶつかり起きた余波によって消滅しかけていたこの異空間をオーマジオウの力で時を戻し戦う前の何も無いまっさらな状態に戻った。

そのあとゲイツ達がいるストライクワールドの方に戻ると、体力を使い果たした3人がそこにいた。

変身を解除したソウゴは3人に感謝の言葉を述べ、ストライクワールドの歴史が元に戻るのを待っていた。

元凶を取り除き元のストライクワールドに戻るはずのだがいつまで経っても戻らない。瓦礫はそのまま落ちているし、外は壊滅状態のまま。ルシファーやビナー、ノアやソロモンたちも現れない。

一体どういうことなのか。ソウゴは何か分からないかウォズに問うと、ウォズはソウゴにこう問い返した。

 

「我が魔王、もしかしてオーマジオウの力を使っていないかい?」

 

ソウゴはルアフィックとの戦いの最中でオーマジオウライドウォッチを使いオーマフォームに変身したことを話した。

それを聞いたウォズがそれが原因ではないかとソウゴたちに言う。

 

「我が魔王、この世界にくる前に未来の我が魔王、オーマジオウに言われたこと覚えているかい?」

 

「えっと〜なんだっけ?」

 

「たしか自分が関与すると世界の侵食がより進むとか言っていたな」

 

ソウゴのかわりにゲイツが答えると、ソウゴもどういうことかわかったようだ。

 

「そう、オーマジオウは時の王者。時空が不安定な世界にこの力が現れると大きな影響を与える。だがら未来の我が魔王は声だけで我々にストライクワールドのことを伝えた」

 

「なるほど、お前たちがこの世界に来た経緯がだいたいわかった。やつ自身が手を出さず影響の小さいお前たちに任せたわけか」

 

「そう。だが我が魔王はオーマジオウの力を使ってしまった。それ故に彼女を倒してもオーマジオウの力の影響でまた別の異変が起きてしまったということみたいだ」

 

「ってことはもしかして俺たちの世界がもしかして...?」

 

「もし私たちの世界がなくなっていればそこにいる門矢士を除きこの場には誰もいないはず。私たちが存在しているということは少なからず大丈夫だということだね」

 

「不安ならさっさと戻ればいいだろ?ほら」

 

士は灰色のオーロラを出現させるとその中に入っていった。ソウゴたちもそれに続くように入っていく。

 

オーロラの先にはソウゴ達が出発した時間とほとんど変わっておらず、周辺を見渡すが何か崩れているということも無く、至って平和な状態だ。

 

「俺たちの世界は救えたけど...ストライクワールドの方は...」

 

両方の世界を救えず自分たちの世界のみ守った。とても悔しそうなソウゴ。

だがそんなソウゴだったが士の一言によって立ち直ることになる。

 

「おい魔王、どうやらあの世界は元に戻っているようだぞ」

 

「えっ!?」

 

「それは本当かい?門矢士」

 

「ああ。俺たちがいなくなった途端に羽の生えたやつらがわんさか溢れ出てきた。どうやら最後の異変とやらは俺たちのことだったわけか」

 

士の言う通り彼らがストライクワールドを離れた瞬間急激に世界が変化し始め、ビナーが四人の英雄をルシファーに紹介するところまで再生したのだ。再生するにあたって別世界の住人であるソウゴ達は邪魔になっていたらしい。

ソウゴは落ち込んでいた気持ちが一気に消え去り、ゲイツやウォズに「いえーい!」とハイタッチしていた。

 

「ふん...この世界でのやるべきことはもう終わっているみたいだな。俺はここらでまた別の世界に行くとするか...」

 

ジオウの世界とストライクワールドを脅かしていた堕天使ルシフェル。彼女の野望は最高最善の魔王とその仲間の仮面ライダーによって阻止された。

一度は混ざり合おうとしていた二つの世界はまた独自の時間を歩み始める。その先に待っているものは平和を脅かす脅威かもしれない。だが彼らがいるかぎり平和は保たれるであろう。

()()()()は素晴らしい世界を作り上げていく。たとえ彼がいなくても平和な世界になるように。


「やり遂げたようだな」

 

何もない荒野で一人王座に座る男は一連の騒動を見ていた。オーマジオウである自分の力を継承した彼が世界の異変を止められないとは思っていなかった。

期待通り仲間達と自分の世界を救い、さらにストライクワールドを救った若きの日の自分がいることが柄にも無く嬉しいようだ。

 

「これからも王としてい続けるが良い。若き日の私よ」

 

「私の知らない歴史を作り上げていくお前たちを楽しみだ」




ついに完成しました。初の完結作品です。最終回を失踪せず迎えられたのはお気に入りやコメントをしてくださった皆さんのおかげです。ありがとうございました!

次回作は「転生者狩り(課題)」の予定です。クォーツァーが転生して歴史をめちゃくちゃにする者を排除する話になっております。
そちらもぜひ読んでくださると嬉しいです。できればコメントやお気に入りも...

次回作の宣伝もしたところですし、ここで今作品、『仮面ライダージオウSTRIKE WORLD』を完結にしたいと思います。
また同じことを言いますが、今までの応援ありがとうございました!!

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