――扶桑は結局、外圧に屈する形で軍隊が振り回された事になる。翔鶴~大鳳の三隻をジェット対応化すると言っても、サイズは所詮、第二次世界大戦型空母に過ぎないため、日本が望むようなサイズの艦上機の大規模搭載は不可能である。扶桑は緊急で地球連邦海軍が放出した海上空母『プロメテウス級』を複数隻で購入。それに地球連邦軍から購入した兵器を搭載する事で空母問題の当座の解決を図った。当時の基準では超大型なため、日本に嘲笑の対象とされたが、扶桑は地下にドックを造る事でエクセリオン級宇宙戦艦各種に至るまでの整備を可能にし、衛星軌道にはヱルトリウム級用の整備ドックも整備されつつあるため、実のところは既に整備問題は解決されている。21世紀基準の第一線機はそれらに搭載されており、カールスラントに見せつけるかのように、F-4EJ改の艦上機仕様、はたまたF-14D改と言った『史実にはない』仕様の戦闘機が配備されていた――
――基地――
「あの、加藤閣下。これは我が国への嫌味でしょうか」
「文句はモルヒネデブ元帥にいいなさい。あのデブ元帥がシュワルベの設計ライセンス料をケチらければ、日本がアメリカにライセンスを卸してもらい、うちに与える事はなかったわ」
「しかし、こちらがP.1101で地上試験中のモノをコンピュータで実用段階に達した時代のもので結果を見せるなんて」
「日本の意向なのだから、我々がどうこういう権利はないわ。カールスラント……ドイツの技術は米国で花開いたのだし、日本はB-29に異常に恐怖を抱いていて、それを完全に封殺出来る戦闘機を持たせたがっているのよ。それが後世のジェット戦闘機なのよ」
ウルスラ・ハルトマンは日本がB-29への復讐心を持っている事、ジェット戦闘機で以て封殺する事を是としている事に不満を見せる。だが、ドイツも日本も最後は物量に屈したという戦訓から、日本は弾道ミサイル防衛用装備を重爆迎撃に転用した。これにより、B-29お得意の高高度爆撃は意味をなさなくなった。また、本土防空部隊にジェット戦闘機が急激に配備されるにつれ、レシプロ大型爆撃機の存在意義は殆どなくなった事も、レシプロ大型爆撃機の陳腐化を促進させた。だが、扶桑がウィッチ母機への転用も見越して期待していた『ジェット大型爆撃機』の配備に日本の財務省が消極的な事から、生産と配備が遅延。既にラインが動いていた富嶽と連山はしばしの間、生産が継続されるのである。
「軍縮で予算を減らされたからと、ここで愚痴られても困るわ。我々も雲龍型の他用途転用で一線空母は不足しているのよ。超大型空母が数隻ある程度では、戦局に影響は与えられないのよ」
23世紀以降のスーパーキャリアを数隻投入したところで、当初予定されていような空母の数による機動戦術は取れなくなったため、戦術自由度は低くなったと愚痴り返す武子。防衛省もブリタニアが史実以上の大艦巨砲主義で、イラストリアス級航空母艦の建造数は少なく、インプラカブル級航空母艦は存在していない、マジェスティック級航空母艦(ひいては原型のコロッサス級航空母艦)は建造計画自体がないなどの空母機動部隊の小規模ぶりに目を疑う事態となり、オーディシャス級航空母艦やジブラルタル級航空母艦を緊急で建造させるなどの混乱に見舞われた。その過程でイギリスが旧式化を理由に、予備艦のダイヤモンド級戦艦(ブリタニアが自前で作っていた金剛型戦艦)の半数が空母への改装が決定されるなどのパニックが起きたが、ブリタニアの財政難で、それら空母の整備は遅延する事が確実視されたため、扶桑は未改装の雲龍型の一部を輸送艦名目で実戦に供する羽目に陥るなど、作戦に遂行に支障が生じている。
「艦上機の更新も完全には終わってないし、ジェットパイロットは多くが義勇兵なのよ?戦艦の近代化と整理で余った乗員の配置もだけど、生え抜きパイロットの育成は最重要課題なの。こちらのほうが愚痴りたいくらいなのよ?」
「…申し訳ありません」
ウルスラ・ハルトマンはこうした愚痴を最近は頻繁にこぼし、武子を閉口させていた。当時、カールスラントはドイツ主導の軍縮に振り回されているからだが、扶桑とて、日本側が史実のい号作戦、ろ号作戦の失敗による練度低下とあ号作戦での空母機動部隊の無力化、その後の特攻を大義名分にして、空母艦上機の搭乗員の教育目的以外での転属を禁止するという条項が制定された事、既に既存の熟練パイロットの大半が空軍に引き抜かれた事でパイロット練度のリセットが起こり、一から育成し直しという海軍航空の形骸化も重なり、義勇兵や教官級パイロットを動員しなければ、パイロットの定数確保が困難という状況なのだ。空軍部隊の乗艦が行われたのは、空母機動部隊の作戦遂行能力が海軍単独では確保できなかった窮状への対応の一環なのだ。
「日本側があれこれと条項を設けたものだから、山本五十六閣下は私達に技術面でのチートを許したのよ?そこは理解なさい」
「ハッ…」
「あなたの姉上なら、愚痴るくらいなら未来技術を学んで超えてみせたらどうなのさ!と言うわよ?」
「ハッ、重ね重ね申し訳ありません…」
「気持ちはわかるのだけど、はけ口を他者への愚痴にするのは良くないわね。何か趣味を持ちなさいな」
ウルスラは技術士官に転向したため、姉たちが技術でチートをするのを快く思っていない。だが、状況はそうでもしないと、すぐに均衡を破られるほどの物量差がある。特に陸上戦力はノルマンディー上陸作戦をも凌駕するほどの兵力数であり、対する連合軍は同作戦でのドイツ軍の動員数に毛が生えた程度であり、しかもその内の数的主力はブリタニア陸軍という有様である。それを数十万の地球連邦宇宙軍と空軍、空間騎兵隊が補う形であり、Gフォースは政治的理由で最前線配置であるなど、数的不利は否めない。しかも、ティターンズは素でスーパープリキュアをも超える超人らを温存しているのだ。
「ああ、Mr.東郷。首尾は…。そう。ご苦労さまです」
武子はゴルゴ13からの通信に応じる。ティターンズの前線駐屯地の一つをまるごと爆破した事が本人から報告されたのだ。
「今のは?」
「Mr.Nの友人のMr.Gよ。彼は日本の依頼で動いているのよ」
のび太は重要人物な上、表向きは戦闘と無関係な業務で来ているため、秘匿のために公の場では『Mr.N』と呼ばれるようになっていた。そして、ゴルゴ13の存在をそれとなく示唆する際に『Mr.G』という形で言い表される事も増えていた。
「彼とNが裏で奮闘してくれているからこそ、敵も目立った動きを取れないでいるのよ。敵は史実のD-デイの倍の兵力を陽動に、二隻のラ級戦艦の建造を進めているわ。フリードリヒ・デア・グロッセとリバティ。オーバーテクノロジーで作った超戦艦。それは戦局を動かし得る存在よ。彼らには、その建造の妨害も担当してもらってるのよ。完成してしまうと、恐るべき存在になるから」
武子も警戒心を顕にするラ級の二大戦艦。米独戦艦の究極と言える戦艦であり、ラ號やヤマトに対抗しえる存在。真に恐るべきところは既存の戦艦の改装で生まれ変わらせられる点であり、動力を変えればいいという恐ろしさである。
「ラ級?」
「日本連邦のラ號と同等の性能と機能を持つ海底軍艦の総称よ。ナチス・ドイツの遺産とフランクリン・ルーズベルトの遺産が敵の手にある」
ナチス・ドイツ最後の遺産『フリードリヒ・デア・グロッセ』。ナチス・ドイツがティルピッツをデコイに45年の終戦まで建造していた海底軍艦であり、かつての大洋艦隊旗艦の名を継承する第一次世界大戦までのドイツ海軍の系譜を受け継ぐ最後の戦艦である。ドイツの持てる全てを注ぎ込んで生まれ、ラ級の正式な一号艦と言える経緯と、50cm砲を持つ最強クラスのラ級である。ラ號は日本海軍も起死回生とドイツへの抑止力の必要から、実用化されて間もない51cm砲が求められたが、まほろばに持っていかれてしまったため、暫定的に信濃用の砲を流用する計画に変更されたところで終戦となった。後に竣工する扶桑製の『豊葦原』(轟天)はこの時の『ラ號・初期計画プラン』の採用であり、艦首の形状に変更がある以外はラ號に準ずる。
「我々も海底軍艦の量産計画はあるけれど、戦艦を量産なんていったら、財務が首を縦に振らないでしょう。だから表向きは『ウィッチ支援用大型ガンシップ機の研究』として、予算を計上させたわ」
「いいんですか?」
「宇宙戦艦の建造なんて、21世紀の人間が信じると思う?だからこその秘匿なのよ。日本側には計画が止められない段階で通達の予定よ」
「チートすぎやしませんか?」
「敵だって、並の英霊よりも強い拳法家を抱えてるのよ?おまけにティターンズの幹部は少なくとも、南斗五聖拳や北斗琉拳の使い手らしいのよ?それに比べれば…」
「並の英霊を返り討ちにできると?」
「スーパープリキュアが毎回、血反吐を吐くレベルに追い詰められる点で察しなさい。あれと対等に戦えるのは聖闘士になってるか、流派東方不敗の使い手だけよ」
黒江たちがチートと言われる所以は繰り返しの転生で北斗神拳伝承者と対等に戦える水準の腕っぷしを手に入れている点でもあり、素で当時のスーパープリキュアを更に超える次元の実力である。特に黒江は転生の度に限界を超えるために求道的な修行を繰り返すため、現在では、格闘技も赤松に次ぐレベルにまでレベルアップしている。
「綾香なんて、限界を極める度に、もっと上の次元の実力者に叩きのめされることが多かったからと言って、修行を繰り返した挙げ句に黄金聖闘士でも指折りの実力に至ったのよね」
黒江はこの時点でチートも良いところな実力に至っているが、赤松は更にそれを超える。赤松は素でスーパープリキュアが五人がかりでも苦もなく返り討ちに出来ると豪語し、ナインセンシズに到達済みの超チートである。Gウィッチも全員がナインセンシズを極めているわけではないが、黒江は過去の経験に由来する努力で成し得たため、素養だけでナインセンシズに到達した赤松に比べると『努力の人』である。
「それで、異世界でそれを奮うと?」
「別に中学生や高校生のヤンキーみたいに、やたらとイキってるわけでもないし、世界征服のために私利私欲で振るってるわけじゃないのだから、私は大目に見ることにしたわ。若い頃の贖罪も兼ねてると言われればそうだけど」
武子は覚醒前の自分の善意が結果的に世界各国のウィッチの高慢を生み出す遠因となったと悔やんでおり、黒江たちの行為を大目に見ることにし、自分もそれに肖ることにした。
「あの子達は単に、売られた喧嘩を買ってるわけなのよ。あなたの姉上もね。言動が自信満々で、見かけが若々しいから、いつもそれでトラブルになるのよ、若い頃からそうだったのよね」
黒江たちは記憶の封印が解除された後は自信満々の態度を取るのが通常であり、その自信満々さが色々なトラブルを呼び込むのもお約束で、立花響との一件もその自信満々さが事の発端である。黒江は帰還後に『演じても、どこかで破綻するから、好きに振る舞っただけだ。己の意志ひとつで破壊や守護、維持も思うがままってんなら、左腕をとっくに使ってたわ、阿呆が』と吐露している。黒江の左腕はエヌマ・エリシュを宿しており、マジンガーZEROに対抗できる切り札と公言しているが、シンフォギア世界では使用していない。風鳴翼は黒江が左腕を戦いで使わなかった事をこの戦で指摘したが、黒江は『世界ごと消しちまうよ』といい、エヌマ・エリシュの存在を示唆している。
「綾香は腕っぷしでは大先輩には及ばないけれど、二振りの剣を両腕に宿した。だから、あの世界で邪神エリスを倒せた。肉体にされた子の魂を救えなかったとしても、それはエリスが食らった表れなのよ。あの子に説明するのは骨が折れたけれど、まさか、沖田総司の因子があるとはね」
「どうなさるのです?」
「沖田総司に新しい肉体を与えるのが理想だけど、あの子と同化してる可能性も高いし、二重人格のような状態にするのがベターなやり方かもしれないわ」
「やろうと思えば意識の統合も出来るけど、そもそもの霊格が違うと、強い方に呑まれちまうのが厄介だしな」
「圭子」
「アルトリアやのぞみを見てみろ。まさにそれだしな」
「で、その二人は?」
「ああ、休憩室で話し込んでたぜ。アルトリアのヤツ、どこかでイスカンダルとあったらしーぞ?小耳に挟んだんだが」
「アレキサンドロス大王に?英霊の座って万能ね」
圭子は武子の執務室に行く途中でのぞみとアルトリアの会話を小耳に挟んだ。どこからかというと、『それが戦局が混迷を極めるにつれ、かつての円卓の騎士やカエサル、アレクサンドロス大王、私はイスカンダルという名を名乗った彼とどこかの世界で会ったことがありますが…。彼らのような英傑が今一度求められた。我々は生前、もしくは転生前の時点で何かを成した経歴がある。それが大神『Z神』(ゼウス)に認められ、転生を果たした。はるか以前、イスカンダル、あなた方のいう『アレキサンダー』に言われたことがあります。私は臣下を“救う”ばかりで、“導く”ことをしなかったと。『王の欲』のカタチを示すこともなく、道を失った臣下を捨て置き、ただ独りで澄まし顔のまま、小綺麗な理想とやらを想い焦がれていただけと。身につまされましたよ。自分の臣下であった者たちの末路は知っていますからね。彼の器に圧倒されましたよ』からであり、アルトリアがアレキサンドロス(イスカンダル)に断言された事を気にしていることを圭子も知ったわけである。
「奴さん、アレキサンドロス大王にそう言われた事があって、それもあって、王位に完全に興味を無くしたと見える。征服王にそう言われちゃ、形なしだろうからな」
「確かに」
――『彼から見れば、私も単なる小娘です。それも、聖剣や騎士王の幻想に踊らされ、自分の臣下もまとめ上げられなかった『時代によって、騎士の王にされた小娘』です。だからこそ、私はハインリーケの立場を継いだのですよ』――
圭子はアルトリアがのぞみに言った言葉をそのまま武子に伝えた。アルトリアはイスカンダルに言われた言葉をきっかけにし、更にハインリーケへの転生で決定的に王位への興味は捨てている。ハインリーケの人格はこの時はまだ生きており、ハインリーケの実家が王位継承権持ちの貴族の家柄であったので、どのみち、『騎士』であることには縛られているのだが、生来の騎士気質から、そこは気にしていないアルトリアの気質には納得する。
「多分、王位と関係のない一介の女性騎士ならば、アルトリア王にもそれなりの生き様もあったのでしょうけど、彼女は王位を継ぐべき立場にあった。考えようによっては不幸ですよ、閣下」
「それが彼女の生きた伝説なのよ、ウルスラ。転生した以上はそれにあまり縛られる事はないわ。アストルフォを御覧なさい。フリーダムすぎて、ストップかけたいくらいなのよ?」
「あの野郎、理性がぶっ飛ぶからって、最近はキュアミューズの変身解いてねぇんだぞ?あざとイエローとはよく言ったもんだ」
アストルフォはキュアミューズの姿になってもマイペースであり、生前の調辺アコとしてよりもフリーダムな振る舞いで、仲間たちを振り回しているが、曲がりなりにも英霊であるので、アコとしてよりも大人びた態度を見せ、落ち着いた口調でシャルル・ド・ゴールを叱責したりするなどの態度も取っている。
「周りが承知で迷惑にならなきゃ、いくらでもあざとくて構わんがな、あたしは。のぞみはキレると、錦の口調になるから、アイツの場合は多分、人格が混ざりあったんだろうよ」
「ああ、りんからも驚いたって報告が入ってるわ。完全には生前と同一ではないわね」
「はーちゃんもそうだが、環境が変わると、いくらでも変わるからな」
「閣下が言うと、妙に説得力あります」
「るせぇよ」
圭子は猫を十匹くらい被れば、転生前の温厚なものになるが、当人曰く『周りに求められてる人物像に縛られてただけだ』との事で、現在のガンクレイジーな態度が素になり、完全に入れ替わっている。閣下と呼ばれる階級に戦果で登り詰めたわけだが、ウォーモンガーの称号は圭子にこそふさわしいと言える。
「やれやれだぜ。のび太とつるんでるのに、なんでケチをつけられんだ?誰とつるもうが、勝手だろ?」
「のび太は普通に寿命迎えるけれど、私達はもう、死ねない体だからじゃない?私たちも元々は人間なのだから、個人の自由でしょうに」
「のび太はしずかと一緒に逝きたいってのに、それを止める権利はあたしらにはねぇ。のび太は転生して、あたしらを見守ってくれるが、それもアイツの自由だろ?養豚場の豚みたいに見てるってのはどーいう目ン玉してやがる?」
「のび太は単に、やりきった後であれば、なんでもやるよって取引して、私達を見守る事になっただけなのにね。それを養豚場だの、笑う男だの、超自然の存在に呑まれるだけだの…。何かの見過ぎか読みすぎよ」
「あたしらが次世代にバトンを渡さないってのが気に入らないんだろうが、主人公交代しないで、全てやり終えるバトル漫画はいくらでもあるだろうに」
「牛、豚、鶏、それぞれ感謝して慰霊されてたりするのよ?商品としてだけの感覚ならそんな事しないわよ。叔父が畜産農家だから、よくわかるわ」
「あたしもだ。北海道の屯田兵の出なんだぞ?ウチは。ぶち抜いてやりてぇよ。生殺与奪を握るのはイキる上では必須って書いてるの、ぜってー高校か中学のガキだぜ。よくまぁ、飽きもしないもんだ」
「八十年代の珍走団まがいのこと書き連ねてる上、誤字脱字も多いわ。スマホで見てる子供のやることね」
「のぞみがキレてたぞ、それ。自分たちの想いを否定するのかって。それに、あいつはのび太んとこに嫁に入るからな」
「のぞみに気にするなと言っておいて。あの子、最古参としてのプレッシャーでカチコチだし、自分の恋人の義理の親に罵詈雑言を向けられてるのにキレそうだし」
「シャーリー曰く、レントン・サーストンの要素があるそうな」
「どこに?」
「カットバックドロップターン」
「…」
のぞみの新たな特技はサーフィンである。生前のエアギターに加えての特技だが、現役時代に部活追い出され・出禁女王だったため、りんからまったく信用ゼロである。最近は美遊・エーデルフェルトやイリヤとも絡んでいるため、エイラがジェラシーである。最も、シャーリー(北条響)もルッキーニがクロエ・フォン・アインツベルンになって、手が離れた事に寂しさを感じているため、のぞみの面倒はまんざらでもない。シャーリー自身もサーフィンが得意になっていたため、アネモネ要素も僅かにあると言えよう。
「説明するのに時間かかるから、後でな。シャーリーもアネモネ要素があるのわかってよ、それでのぞみと同室にしたんだとさ、綾香のヤツ」
「その関係ね、美遊が出入りし始めて、それにイリヤがくっついてきて、エイラが喚くの」
「間違いねぇ」
「なんか、コメントできません…」
「ああ、お前に説明しようとは思ってねぇさ」
なんともコミカルさが漂うが、それがありのままである。Gウィッチは神造兵器などではなく、思いの強さで転生を繰り返し、その果てに不死になっただけの『ヒト』なのだ…。生前に何かを成した事で阿頼耶識に達し、その行いで神に愛され、世界を守護するために戦う宿命を背負う覚悟を選び、それ相応の力を持つ以外は『ヒト』そのもの。笑い、怒り、泣きもする。それが彼女達『Gウィッチ』なのだ…。