ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百六十話「ダイ・アナザー・デイ前の状況 5」

――ダイ・アナザー・デイが長期化する伏線は作戦前、日本政府が防衛作戦である事にこだわり、政府間協議でごねた事、攻勢に出たところで、リベリオン本土に攻め込めるほどの力は連合軍にはないことから、互いの認識に大きなズレがあった。更に言えば、防波堤になるはずのヴェネツィアが敵側についた(ダイ・アナザー・デイ後に再建のため、中立を宣言したが)事も誤算であった。更に、ロマーニャのタラント軍港が史実通りに打撃を被ったため、ロマーニャの海軍力が宛にできなくなったため、扶桑軍は艦艇の供出数を多くせざるを得なくなった。その際に脚光を浴びたのが、播磨型戦艦であった。折しも旧式戦艦のいくつかは退役し、実に数千人の人員が余ることになっていたし、紀伊を失い、打ちひしがれる扶桑国民への慰めになる事、大和型をあらゆる面で上回りつつも、量産が容易。そのため、退役が相次いで内定している旧式戦艦に代わり、扶桑の海防の担い手とするべく、発注数を増加する。空母の近代化による数的減少に合わせる形となった。巡洋艦以下の近代化は遅れ気味だが、空母の護衛に必要な近代武装は一通り、『超甲巡』に積まれた。第二次世界大戦中の日本型駆逐艦は21世紀基準でのフリゲート艦程度の艦容しかなく、近代武装を施す余裕が色々な意味で無いため、場つなぎで『超秋月型』を開発継続することになった。護衛艦型が量産可能になるまでの場つなぎは必要だからだ。憲法改正は結局、日本側寄りにするにしても、『扶桑特有の事情がある』ので、全てを同じにするわけにはいかないという主張が認められたが、左派による分断工作もあり、結局はクーデターを誘発してしまう。Y委員会はそれを逆に利用し、『陸軍極右勢力による国家転覆計画』をでっち上げることを極秘裏に実行する。これは不満勢力であった『東條英機の一派』を軍から一掃するための工作だが、東條英機個人は無欲の勤皇家かつ、ウィッチたちには慈父であった。史実の美点が『器量の小さい悪しき側面』より目立っていたため、彼が国外追放になる際には、多くの幹部ウィッチがお供していった。その事も、ダイ・アナザー・デイでのサボタージュの理由に使われた。扶桑の軍ウィッチの人員ピラミッドが長年にわたって、『事変世代に幹部級の供給を依存する』という歪な構成になってしまう決定的な理由は1940年代の混乱にあったと言える――

 

 

 

 

 

 

――近代兵器の増産で割を食う形であるウィッチ装備。これに反発する者は多かったが、若手や古参の幹部級は『今の装備では、敵と戦えない』事を理解していた。携行弾数の少なさと発砲時の反動の関係で、現場の嫌われ者であった『大口径機関砲』に注目が集まり、地球連邦軍の尽力で補給網が整備されたためもあって、1945年夏時点では『発足間もない』64F以外にも、要撃専門部隊、艦上部隊、対地掃射部隊などが『20ミリ機関砲(長砲身型)』に切り替えを始めた。とはいえ、イスパノ・スイザ HS.404と(扶桑のカールスラント信仰もあって)MG 151/20、更には国産の九九式二〇ミリ砲、『ホ5』二〇ミリ砲が入り交じる状況になってしまった。さらなる次世代の『MG 213』リボルバーカノンはレシプロストライカーでは『持って飛ぶ事が難しい』問題がのしかかり、結局は在来型の二〇ミリ砲が主として『ウィッチの生命線』となった。そのための携行弾数の増加策があちらこちらで試みられていたわけだ――

 

 

 

 

 

――発足当初の64Fは統合戦闘航空団から多くの機材や器材を引き継いで使用していたが、任務の重大性が増し、人員の少なからずが再教育、ないしは司令部の護衛隊へ再度引き抜かれ、隊を離れることになったため、その穴埋めでプリキュア達を充てがうことは、ごく自然な流れであった。元から軍籍があるプリキュアは幹部としての働きがすぐ期待されたが、諸事情ですぐにはできない者も生じていたため、ダイ・アナザー・デイ開始前の時点では、(必然的に)のぞみとシャーリーがリーダー格として扱われた――

 

「大先輩。あたし、リーダーって柄じゃないんですけど…」

 

「立場上、そうしてもらう以外にないぞ。これは統合参謀本部の決定でもあるのだ」

 

赤松がのぞみを説得する。立場上、辞退は許されない。プリキュアとしての戦歴、現役時代のカリスマ性などを総合的に判断しての決定だと。

 

「引退した身なら、現役時代から何かかしら変わった点があると思うが?」

 

「無茶言わないでくださいよ。プリキュアの力は、そう簡単にパワーアップしませんよ」

 

「いいから、やってみろ」

 

「えぇっ!?し、しょうがないなぁ~……」

 

と、試しに気合を込めてみたところ……。

 

「あ、あれ……。変身できてる?」

 

「近年のプリキュアに見られている『気合での変身』だ。シャーリーから話は聞いていたが、お前でもやれるようだな」

 

「え、いつの子だろう?」

 

「キュアフローラとかいったな」

 

「はるかちゃんかぁ……。久しぶりに名前聞いたな」

 

春野はるか。プリンセスプリキュアのキュアフローラである。彼女は変身能力を精神的理由で一度失い、能力を取り戻す際に『アイテム無し』で変身している。それは他のプリキュアにも話が伝わっていたのだ。

 

「後で、お嬢のところに顔を出せ。格闘技のスキルは変身とは関係ないから、錦の実家に伝わっていた『拳法』(草薙流古武術)をその姿でもモノにしておけ。役に立つやもしれん」

 

「智子先輩、格闘できるんですか?」

 

「奴も、一通りはできるぞ?」

 

「えぇーーーー!!?そんなのありですかぁ!?」

 

「皆には、ボウズ(黒江)が帰ってきたら、公にすることが一つある。チートと言われそうなことだがな」

 

「なんですか?」

 

「その時になったら言うが、日本の漫画そのままの力だよ。バトル系の。だから、プリキュアと聞いても、儂らは驚かないのだ」

 

プリキュアといえど、通常時の戦闘レベルは常識の範疇であるので、ダイ・アナザー・デイでは度々の苦戦を余儀なくされる。常識を半分超えているような者たちと渡り合うには、『常識のネジを数本は外す』必要があるのだ。

 

「仮面ライダーを知ってるからだと?」

 

「似たようなものだがな。仮面ライダー達はある時期からコールドスリープについていた。だが、22世紀も終わる頃、新たな暗黒組織が台頭し、彼らはそれに対抗できる力として覚醒めさせられた。それ以後は再び地球を守っている。お前たちにも、『その時』がやってきたというべきかもしれん」

 

赤松はプリキュアの転生をそう表現する。

 

「つまり……、この星の危機を、時も次元も超えて……救えと?」

 

「それがお前らに求められた役目だ。現役時代のような逃げ道は、今の立場では存在しえない。それは分かってるな?」

 

「……はい」

 

赤松は大人扱いという立場上、『逃げること』は許されないと、のぞみへ釘を刺す。ウィッチは軍に入隊した後は『成人扱いで遇される』通念がある。軍人という立場上、敗北は許されど、『逃げ腰』は許されないと。

 

「負けることは仕方ない。だが、戦いもせずに諦めるよりも、戦って傷つくほうがマシという事でもある」

 

「昔、なぎささん……キュアブラックが、ある時に『プリキュアって言ったって、ただの中学生だよ!?自分でどうすることもできない時には……誰だって、そうなるに決まってるじゃない!』って言った事があると聞いたことがあります。その時のなぎささんと立場が違うってことは分かってるつもりです」

 

のぞみは伝え聞いただけだが、そのことに現役時代は同意していた。だが、現在の立場はその時とはまったく異なる。ウィッチは軍に入隊すれば『成人』と扱われる。その負の面が戦争で表面化しているため、自分は率先して戦うことが求められることは理解している。

 

「難儀だが、仮面ライダー達は『自分の知る者』がいなくなった時代で覚醒めても、それなりの生き方を見つけ、戦っている。お前たちも自分なりの存在意義を見つけていけ」

 

赤松はこの時、のぞみの行く末を案じたのか、そのように言い含める。のぞみたちがかつて守り、築いたものの痕跡が『現実として存在しない』世界が今後の活動フィールドだが、自分達が戦うことで『虚構が現実になる』事は教師生活の経験で理解している。心の内に『その時代の出来事で生まれてしまった脆さ』が巣食ってしまっていることは『本人も自覚がない』。のぞみはこの後のデザリアム戦役で『心の闇』が表面化した事に苦しむことになるが、それを乗り越え、真に覚醒を遂げる。中島小鷹が鷹揚な性格で、妹が事実上の別人になっても『変わらずに接した』事はのぞみには救いであった。それが『エターニティドリーム』形態への開眼の道を開くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

――キュアフェリーチェ/花海ことははダイ・アナザー・デイには途中参加となった。彼女は戦いに備え、新早乙女研究所の事故をきっかけに隠遁生活を送っていた流竜馬のもとに預けられ、特訓を課されていたからだ。以前のような『大地母神の化身』では無くなったため、魔力に頼らない方法を探っているのと、現役時代の受け身主体のファイトスタイルでは、自分を上回る格闘術を有する相手には通じない。それを痛感していたため、タイムマシンも駆使する形で流竜馬の道場に預けられ、特訓を重ねていた。そのため、顔見せの際に変身を解いていれば、流竜馬が父の流一岩から相続し、営む空手道場の道着姿になっていた。調も仕事柄、ダイ・アナザー・デイに備えて道場に通っており、ファイトスタイルを大きく変えている。――

 

 

――23世紀 竜馬の営む道場――

 

「竜馬さん、ネイサーの隼人さんから手紙が」

 

「……あいつらしいぜ。號たちの司令官に収まったと聞いたが、血が騒いだか」

 

「どうするんですか?」

 

「ブライ大帝の百鬼帝国はまだ存在してるからな。ガキ共には荷が重い。弁慶も『戻った』ようだ。隼人の話に乗ってやるとする。武蔵も草葉の陰で、そう望んでるだろうからな」

 

ことはに、竜馬はそう答えた。現役復帰の意志が固まったと。ブライ大帝を倒し、百鬼帝国が倒れたとしても、『プロフェッサー・ランドウの軍勢がそれに取って代わる事を『夢』という形で垣間見、夢枕に亡き戦友『巴武蔵』が立ち、竜馬に再起を促した。『弁慶は戻る事を選んだ』事を告げつつ。竜馬はそれもあって、一度は降りたゲッターに乗り込む事を決めたのだ。また、一文字號とは既に面識がある事が窺える。

 

「フフフ。リョウらしいわい」

 

「げ、敷島のジジイ!?いつの間に来やがった!?」

 

「つれないのぉ。ハヤトから手土産を預かっとるというのに」

 

「手土産だと?ろくなもんじゃないだろ」

 

「論より証拠。外にきてみぃ」

 

いつの間にか現れた敷島博士。マッドサイエンティストの見本のような人物であるため、ある程度近しい関係になると『ジジイ』と呼ばれる。きちんと博士と呼ばれることは極めて少ない。後には、のぞみさえも『ジジイ』呼ばわりすることになるので、相当である。だが、その開発力は本物で、早乙女研究所壊滅後は神隼人と橘博士(橘翔の実父)の師のような位置づけに収まっている。その彼が見せたのは……。

 

「以前、お前さんが早乙女に見せた『好みの武装』をてんこ盛りしたゲッター』の試案、覚えとるじゃろ?」

 

「あ、ああ。まさか、このゲッター1は」

 

「博物館に飾った旧ゲッター1の予備パーツを組み上げたのを素体に、ゲッタードラゴンと同程度にまで戦闘力を強化したものじゃ。お前さん好みにセッティングする際に、変形合体機構はオミットしたが、その分、機体を戦闘向きにできたわい」

 

道着の庭に陣取った『黒いゲッターロボ』。それこそ、流竜馬が研究所を離れる前、早乙女博士に『一人乗りでも充分に真価を発揮できる機体』というアイデアを出し、早乙女博士も製作に乗り気だったもの。早乙女の死後に敷島博士が引き継いで、ネイサーで完成に至らしめたもの。ゲッター1を戦闘特化に改造し、ゲッタードラゴンと同程度にまで能力を高めた『ブラックゲッター』。

 

「ネイサーに来い。ハヤトとベンケイが首を長くして、お前さんを待っとるぞ」

 

「……ったく、相変わらず、食えねぇジジィだ。ジジイは何で帰んだ?」

 

「ミチルから『レディコマンド』を借りているわい」

 

「やれやれ。ハヤトの仕込みか?」

 

「まぁまぁ。行きましょう、竜馬さん」

 

「そうだな。それが俺の宿命かもしれん」

 

 

 

僅かに嬉しそうな表情を見せ、竜馬はブラックゲッターへ乗り込む。ことはも、敷島博士の乗ってきたレディコマンドの操縦席に座り、共にネイサー基地へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――この頃、弁慶が羽化させた『真ゲッタードラゴン』の調査と調整がネイサー基地で開始されつつも、『ネオゲッターでは持久力不足が足枷になる』と判断した隼人は『真ゲッターロボ』の回収と再調整を行い、ゲッターロボ軍団の始まりといえる『量産型ゲッターロボG』の製作、ドラゴン系統だが、操縦性を中心にマイルドにした『ゲッターロボD2』の開発を進めていた。ゲッターロボD2が量産型の本命だが、性能を落としている制式機の他に、機能検証用に『ゲッターロボ本来の暴力性』を維持する試作機が別に存在する。ドラゴンの量産は軍事的には正しいが、エースパイロットでない限り、その真価を発揮できない。その懸念から『上位機種に乗れる者の発掘と育成』も兼ねたD2が新規に開発されたという。その上位機種については、ゲッターロボ斬のチームが育成中、弁慶の帰還で真ゲッタードラゴンが加わり、『真ゲッターロボでも歯が立たない強敵』への備えとして調整が続けられることになった。マジンガーはグレートの量産頓挫の代替機の開発に切り替わったが、ゲッターロボは新規量産機の開発が行われている。イチナナ式という『廉価版マジンガー』のスペック値が(マジンカイザーの魔モードの感知を防ぐためだが)さほど良くないため、軍はゲッターD2のほうを期待している。とはいえ、ゲッターロボD2も機能検証機が、ことはや調の協力で実用試験段階に入ったばかり。ダイ・アナザー・デイに間に合うかは微妙である。その保険的意味合いも、ブラックゲッターにはあった――

 

 

 

 

 

 

――プリキュアへの覚醒後、シャーリーは前世で搭乗していた機動兵器『ナイトメアフレーム』の製作をのび太に依頼。のび太はドラえもんにそれを伝え、資材を用意。シャーリー自身も協力する形で組み上げたのが『紅蓮聖天八極式』の小改良機である。動力源はサクラダイトが(当然ながら)存在しないので、M・Y式熱核融合炉で代用されたが、基本機能は再現されている。装甲も新世代のガンダリウムε合金を採用しているため、下手なMSより頑丈。同合金の初期の採用例となった。なお、聖天八極式なのは『ゲリラ運用可能なコンセプトで設計された紅蓮』としての最終型だからだ。(その次世代機である紅蓮特式になると、コンセプトが変化し、ゲリラ戦向きでは無くなるためだが、比較のためか、同機種も後に製作された)その時の予算枠で追加制作されたのが、ナイトメアフレームとは別ラインの機動兵器である『強化型レイズナー』だ。なお、ナイトメアフレームは他の人型兵器が存在する中では『小回りの良さ』などが売りだが、元々は宇宙進出も果たしていない世界の兵器であるので、一部は手直しが必要であった。また、シャーリーは将来的に『コードギアスの世界』のどれかに行けた場合、介入して『ルルーシュが実権を握る前の時間軸のブリタニアの体制を打倒したい』と述べており、そのために最高クラスのナイトメアフレームである『紅蓮聖天八極式』が必要だったのも事実だ。ただし、コードギアス世界の歴史は史実と異なる歴史を辿り、アメリカが存在しない世界なので、アメリカとフランスが史実で培った民主共和制が史実ほど成熟していない。更に、日本も史実と異なる歴史を辿っており、史実日本のような穏便な体制とは思えなかったのも事実だ。マジンカイザーや真ゲッターロボに比肩する力で『軍事力を打倒した後、緩やかなスピードで、新しい世界体制を自分達で構築させる』とした。内から変える事は時間がかかる上、戦乱が続き、当人が死ねば、全ては御破算である(史実の宇宙世紀の地球連邦がアムロの行方不明後は腐敗が極限に達し、数十年かけて、国家が緩やかな死を迎えたように)。そのため、ブリタニアの首都であるワシントン、もしくはニューヨーク相当の都市を制圧し、ルルーシュの両親の思惑も打ち砕いた上で、ブリタニアの市民革命を誘発させる。それがシャーリーが心に抱く『プラン』だった。――

 

 

 

 

――実際、都合よくブリタニアの体制が変わったとしても、人々の意識はすぐには変わらない。(史実の超合集国体制下でも、旧ブリタニア軍人らはそれまで使われていた用語を慣習的に用いていた)それは次元世界の歴史が証明している。史実の大日本帝国が太平洋戦争の敗戦で解体されても、元は武士、あるいは公家の末裔の『華族』の意識は数十年経ってもさほど変わらなかったように。フランスの身分制度が公には解体されても、その末裔達の少なからずが貴族としての儀礼を受ける権利を当然と思うように――

 

 

「シャーリーさん、どうしたいの?」

 

「その時になったら、改めて考えるさ。たとえ、ルルーシュやスザクの当初の計画が順調にいったとしても、当人が老衰か、事故、戦死とかで死ねば、御破算になる公算が強い。軍事力を公の面前で打倒して、ルルーシュの両親の思惑もぶっ壊した上で、ブリタニアの体制を壊す。それには、最低でも紅蓮聖天八極式以降の機体が必要だ。まぁ、やらなくて済めば、それに越した事はねぇよ。あたしの前世……『紅月カレン』としての悔恨からの願望の一つだからな、所詮は」

 

キュアメロディの状態だが、紅月カレンとしての前世で抱いていた悔恨からの願望を、のび太との電話越しに口にするシャーリー。彼女は前世と同様に祖国を取り戻すことを悲願とする立場に身を置くが、日本連邦への帰化も考えていないわけではない。そこもシャーリーの複雑な心境の表れであった。

 

「でもさ、今のガサツな性格でプリキュアやれんの?」

 

「なめんなよ。あたしだってな、一時はガチのヒロインだったんだぞ。見てやがれよ~!」

 

と、憤慨するシャーリー。とはいえ、色々な都合もあり、プリキュアとしての現役時代の振る舞いをするのは無理であったので、結果的に『性格面の変化がもっとも大きいプリキュア』として知られていく。こうして、『スイートプリキュア』はデザリアム戦役までには全員が揃うが、『全員が現役時代の性格をしていない最初のチーム』の称号を得るのだった。

 

「そういえば、敵はどういう兵器を用意するんだろうな」

 

「彼らが用意できる範囲の量産兵器は、史実の朝鮮戦争期までのものだろうね。航空機で言うなら、こっちが試作機を持ち出せたもの以外の飛行機。戦車は史実通りにシャーマンの群れ」

 

「連合軍はどうすんだ?既存の兵器じゃ、シャーマンにも対抗し難いぞ」

 

「カールスラントはあてにならないと考えていい。ガランド閣下が予め、連合軍に残留する予定の部隊にいいのを与えたり、扶桑が買い取る予定だけど、戦中のドイツの砲弾は独自規格だから、財務が目くじらを立てるだろう」

 

「どうにかできねぇのか」

 

「史実のイージーエイト仕様に自由リベリオンのラインを切り替えさせて、主砲も76ミリに切り替えさせたけど、焼け石に水さ。パーシングが遅かれ早かれ、出てくる」

 

「パーシングをこっちも量産させろよ」

 

「いや、パーシングは足回りが弱いんだ。山あいの地形も戦場に想定されるからね。M46仕様で生産を目指させる。ブリタニアが試作中のセンチュリオンも、最終型仕様で配備させるように急がせてるけど、途中からになるよ」

 

のび太は成人後は日本連邦の名家の当主であるため、連合軍の軍備管理のアドバイザー的役目も委託されている。子供時代にプラモ好きの少年であった頃の名残りである。この頃、連合軍は『質で量を超える』しか生き残る道がなくなったため、M4中戦車などからの更新に躍起になっていた。カールスラント軍は自信作であるⅤ号戦車『パンター』系列を連合軍の標準戦車にしようと目論んだが、カールスラントの政変と軍縮に伴う規制で断念。連合軍は次善の策でM4中戦車の改善を急いだが、それは焼け石に水と揶揄されているため、根本的に次世代のセンチュリオンと『パットンシリーズ』が切望された。扶桑はこの時から、機甲兵器の多くを同戦車群で更新してゆくが、国産閥が強く抵抗したのと、戦線で重戦車を求める声が強いため、『コンカラー』が使用される見通しである。

 

「コンカラーの足回りを強化して、戦線で使うことになりそうだよ」

 

「なに、イギリスが一時のパニックで作ったとか言う、あの?」

 

「仕方ないよ、敵も『戦車駆逐車が実際には逆に足手まといになった』のは知ってるからね。遅かれ早かれ、パーシング系の重戦車は出してくる。そうすれば、既存のティーガーじゃ返り討ちだよ」

 

「しかたねーな。扶桑陸軍は?」

 

「カトとホリのうち、ホリは生産枠に残せた。試製十糎対戦車自走砲『カト』はオープントップだから、ホリのほうを優先させた。派遣予定の戦車師団が先行型を装備してるけど、制式型に更新させるって。数は確保できないから、松代大本営に秘匿されてる『メーサー殺獣光線車』や『メーサータンク』を出させるように手配中。超兵器頼りさ。それで、僕の子孫のラインで、地球連邦軍に『ジークフリート』を出させた」

 

「ジークフリート?」

 

「元はエゥーゴがアクシズとの最終決戦用に開発プランを練って、後に地球連邦軍が生産させた『ダブルゼータガンダム』ベースの城塞攻略用大型MS。元々、ダブルゼータガンダムは城塞攻略を視野に入れてたから、30m級の大型MSになる予定だったんだってさ」

 

「初耳だぞ」

 

「連邦の高度な軍事機密だからさ。ほら、サイコガンダムってあったろ?あれの代替も兼ねてるって話」

 

サイコガンダムは基礎設計そのものはグリプス戦役の勃発前な上、非人道的にパイロットを使い捨てる機体であるので、ティターンズ崩壊時に処分されたり、ネオ・ジオンに横流しされた。その代替も兼ねて、城塞攻略用重MSが生まれた。ただし、MSとしては頑丈だが、スーパーロボットほどではない。そこも微妙なバランスである。基本ベースと外観がダブルゼータガンダムなのは、設計時における最新最強のガンダムタイプがダブルゼータガンダムであったからだ。

 

「公な製造数は数十機(30機)くらいだけど、ネオ・ジオンの地上侵攻に備えて、防衛用にそこからかなり増備されてたみたいでね。クイン・マンサの量産を恐れてたみたいだ。ギアナ高地の秘密格納庫に40機もあったから、近代化改修して、駆り出させる。君たちんとこにも数機は回せる」

 

「カール自走臼砲やグスタフ列車砲があるが?」

 

「あれは駄目だ。運用に手間がかかりすぎだよ。おまけに、ドーラはどちらかが輸送中に鹵獲されたよ」

 

「マジかよ!!」

 

「うん。それと、僕の友人からバスターランチャーの提供を受けたから、改良して、生産ラインを整えしだい、そっちに送る」

 

 

「はーちゃんの特訓も、直に終わる。今は竜馬さんとこに預けてあるから、彼といっしょに来ると思う」

 

「あの人んとこに預けたんかい!?」

 

「はーちゃん、あの出来事以来、力を求めててね。竜馬さんに懇願したんだ」

 

「あの人、研究所の事故があってからは、実家の道場を継いでたよな?」

 

「うん」

 

「うへぇ……」

 

流竜馬がゲッターロボを降りた事は、この時期には周知の事実である。だが、宿命がそれを許さず、彼は戦いに舞い戻る。また、ことはが『力への渇望』を懐き、いつの間にか、竜馬の営む道場の門戸を叩いたことが、のび太の口から語られる。みらいやリコが聞いたら、目を回す案件だ。とはいえ、現役時代に敵に遅れを取らないわけではなかったし、仮面ライダー四号の冷酷非情さに怖気づいたことを深く恥じ、後悔している。それらが複合してのものである事は聞いている。シャーリーはその事を『生き恥』と考え、空手、合気道などの『格闘術』の修行に明け暮れることはを想像し、複雑な気持ちになるのであった。

 

 

 

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