ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回のつづきです。


第三百六十一話「ダイ・アナザー・デイ前の状況 6」

――2000年代。のび太が思春期に突入し、高校生であった時期、野比家は立ち退きをし、マンションへ引っ越した。マンションはG機関が予め買い取っており、秘密格納庫もそのまま移築した。その時期にことはは学生生活をやり直すことになった。変身していない場合、その言動は外見より幼いのと、天真爛漫な振る舞いもあり、男子に人気がやたらとあった――

 

「今年もバレンタイン、こんなにもらっちゃった」

 

「君はモテるねぇ。ボクなんて、大きくなってもダメダメさ」

 

のび太は青年らしい顔立ちになってきたが、高校生時代はまだモテ期にはなりきっていない。そのため、バレンタインデーのチョコレートは義理チョコも満足にもらってない。ことはのほうはモテモテの一言だ。

 

「そうかなぁ?」

 

「君は男子の心を揺さぶる物があるからね。自覚がないだけで」

 

ことはは変身していない場合、外見不相応に幼い言動となる。十数年後には緩まるが、この頃は現役時代の名残りが強かったため、さほど変化のない幼い言動であった。ススキヶ原周辺の中高生は学ランとセーラー服の古風な制服であるので、当時に高校三年生であったのび太は学ラン、中三であったことはは中学のセーラー服姿。成績面はのび太は六年余りの努力が実り、そこそこになっていた。ことはは高校入試は推薦入試。普段の成績は良好。高校への入学は決まったようなものであった。

 

「去年の綾香さんのカミングアウトで、日本連邦の是非が問われ始めるだろうね。扶桑の膨大な人的資源と市場を好きに使って、経済を復活させていくか、このまま緩やかに衰退していくか」

 

「若者達は前者を選ぶのかな」

 

日本はバブル崩壊後、経済的に敗戦したも同然の状態が2020年代まで続き、普通に行けば、疫病による打撃でとどめを刺される未来が待っている。それを打破しようとする声が勝り、2016年以降に日本連邦が動き出す。ロシアの野望は学園都市が結果的に打ち砕くが、中国は統合戦争の時代まで牙を研ぎ続け、ロシアとの立場が逆転するに至る。軍事的な揉め事を、扶桑の膨大な軍事力で以て解決できる事は政治的にも都合がよかったからだ。

 

「日本の人たちは、歴史上の人の同位体をどう思うんだろうね」

 

「いうなれば、限りなくその人に近い『別人』だからね。綾香さんにしても、日本軍のトップエースの同位体だ。それで身の振り方を考えて、釣りは控えるようになったそうだよ。まぁ、死ねなくなったから…と笑ってたけどね」

 

黒江は本来の趣味であった釣りを控え、その代わりにカーレースやモトクロスレースなどに傾倒し、未来世界ではバンキッシュにも出場経験を持つ。死ねない身になったものの、同位体の死因は意識したらしい。

 

「なるほど。そういえば、のぞみさんはなんで、あの世界に転生したんだろう…?」

 

「彼女に心残りがあったのと、仮面ライダーがいたなら…って感じで、彼女らを求める声がどこかにあった。プリキュアは本来、時代が変われば、変身者は変わる。だが、みんなは彼女たちの存在を願った。その兼ね合いだろうね」

 

 

存在の不滅を願われたがために、二度目の生を得たプリキュア達。本来、プリキュアは時代ごとの代替わりが前提のシステムだったが、人々が記憶するのは『彼女たち』であったがために、次元世界全体の危機に際し、蘇らせたのだろう。

 

「何年か前(2000年代前半)に流行った映画にあったような一時的な現象じゃなくて、本当に転生した。経緯が経緯だから、死ねなくなっただろうし、肉体年齢も素体の現時点の年齢のまま。ある一定の年代になったら、どこかで隠遁生活だろうね」

 

のび太は黒江たちの行く末を案じていた。更に、統合戦争で次元の狭間に消えたドラえもんズとの再会のために転生を選んでいる。ドラミが23世紀の野比家で、体の各部品を定期的に替えながら、兄たちの帰りを待っている話を聞いたためもあり、転生する腹積もりになり、契約を運命の三女神と交わしていたりする。のび太は歴代の野比家嫡男のなかでもっとも優しい。故に、死ねなくなった者達の身の振り方を案じ、一族に援助を命じておくのである。

 

 

「どこかで聞いたような」

 

「タイムふろしきを流したのは、彼女達の気を楽にさせるためさ。若返ることが当たり前になれば、彼女達が隠遁生活に入る年齢も遅くなる。平均寿命の90代頃までは普通の暮らしはできるだろうね」

 

実際にその後、大戦世代は戸籍上の年齢が90代を超えた頃になろうと、動乱に駆り出されていく。仕方ないが、その後の世代に継承されなかった固有スキルを持つからである。ウィッチ界隈で『大戦経験者』という肩書は相当な権威として社会に定着していくが、その流れは既に始まっていた。

 

「それと、僕も高校を出たら、免許を取るよ。おふくろと親父も年を取ってくるし、大おじさんの遺産は大学生にならないと、名義変更できないからね」

 

当時、のび太は運転免許証の取得を目指していた。折しも、大叔父『のび四郎』の遺産を相続した頃で、ミニクーパーを保有するようになった(この頃は名義変更はしていない)からだ。両親が老齢にさしかかってくるのを自覚している故か、両親の老後の事を考え出したらしい。

 

「そういえば、調は?」

 

「仕事が多いから、おふくろと親父の世話を最近は頼めなくてね。例の作戦が近いそうで」

 

「時間軸、めちゃくちゃだね」

 

「僕らにとって、時間軸は関係ないからね。大人の僕が君を呼ぶには、あと10年以上はある」

 

学ラン姿ののび太。受験を控えている身なので、この時期は特に、学校以外では部屋にこもっている。学業優秀のことはと対照的だが、志望校が高望み気味なので、仕方なかった。

 

「2010年代になれば、日本連邦が具体化するけど、なんで長引いたんだろう?」

 

「ああ、あと数年で革新政党が政権取るんだってさ。その時の総理が鳩山一郎翁のお孫さんで、色々と話がこじれるらしい」

 

大人のび太から聞かされたらしい話によれば、2000年代末、日本連邦の実現の交渉が暗礁に乗り上げたのは、革新政権が扶桑軍出身の自衛官の統幕入りを禁ずる内規を作らせたり、扶桑の軍事組織の廃止と自衛隊優位の統合案、扶桑内務省の分割案など、交渉をわざと混乱させたからだという。革新政権は2011年の大震災でレームダック状態になって、翌年に倒れる。だが、扶桑軍人の褒賞制度の是非で左派や財務当局がごねたため、結局は2016年まで発足はずれ込む。組織の実働は扶桑での1945年夏になり、軍事面の統合のシンボルとして創設されたのがGフォース。自衛隊と64Fの統合部隊であり、扶桑にとっては統合戦闘航空団の代替組織である。

 

「それで、司令部直属にしたの、64Fを」

 

「日本の政治屋が戦力の逐次投入で人的被害を被るのを忌避したから、教導部隊を兼ねられる精鋭部隊を置きたがった。転生者の行き場にする腹積もりだったから、源田大佐は」

 

64Fは書類上は事変当時の同部隊の復活という形だが、内実は第343海軍航空隊の基本組織を継承したため、64Fの皮を被った343空と言える。源田実の配下であったり、彼の政治力を後ろ盾にしているからだ。志賀の離脱は『坂本の顔に泥を塗った』ので、坂本の出戻りの要因と、後世では非難されている。坂本の推薦で343空の飛行長に選ばれたからだ。これは志賀が『海軍航空隊の伝統の保持に躍起になった』からで、坂本が出戻るしかなかった。そのため、坂本の名誉のため、人事書類と記録の改竄が組織的に行われた。

 

「坂本少佐、昨日、電話で愚痴ってたけど…?」

 

「出戻りになったからね。志賀少佐が査問にかけられて、顔に泥を塗られたも同然の有様になったんで、それが穏便な解決と見られたんだって」

 

「それで」

 

「それと、綾香さんたちの一件で、少なからずの責任を問われたからね。上官が二度の査問になったんだ。道義上、補佐能力を疑われちゃうさ」

 

ミーナとのバランス取りの都合上、坂本にも処分が下された事がわかる。ダイ・アナザー・デイ直前の段階では、書類上の501の指揮官代行はルーデル、実際の代行は赤松(当時は特務中尉。64F発足しばらくした後に統合予定)で、いくらなんでも、ハルトマンやマルセイユを書類上でも指揮官に収めるわけにもいかなかったのがわかる。そして、黒江の帰還を待って、七勇士の准将昇進の内示の予定だという。

 

「綾香さん、どこに飛ばされたんだろう?作戦が近いんだよね?」

 

「フェイトちゃんが沙織さんから直々に調査を命じられているよ。直に座標の特定ができそうだって」

 

「何週間か、かかってない?大丈夫なの?」

 

「遺跡の残留エネルギーや小宇宙の残り香を辿って、光太郎さんも調べてくれてるからね。どうも、地球系の世界に飛ばされたらしい」

 

そこまではつかんだという連絡が昨日、南光太郎からあり、ひとまずは安堵したのび太。プリキュアの覚醒など、色々な事がありすぎて、一言では説明できなくなっているからだ。

 

「なにしてるんだろう?綾香さん」

 

心配することはだが、当の黒江はというと。マリア・カデンツァヴナ・イヴを抱き込み、一芝居打つ形で、お互いに手合わせをしていた。調の元々の立場を考え、取り繕う必要があるとマリアが助言したからだ。

 

「一芝居、か。まぁ、お前にも立場ってのはあるのはわかる。協力してやる。ただし、こいつになりきれと言うのは遠慮するぞ」

 

「それでいいわ。日本政府のプロパガンダと、あなたの偽装工作で、テロリストグループの一員としての月読調は「この世に存在しないことになった』から」

 

戦いながらも、話をするという高等テクニックで、今後の事を相談しあう二人。シンフォギア世界でのある日の事だ。

 

「俺は、バイトするのに必要な偽装をしただけだ。まさか、知り合いのガキが見てるアニメの世界だとは思わなかったがな」

 

マリアの突き出す槍の穂先を軽く受け流し、ダブルトマホークで攻撃する黒江。加減はしているが、奮うだけで風圧が起こるため、マリアは攻撃への対応に遅れが生ずる。

 

「どこまで見てたの?」

 

「ガキ共に付き合って、なんとなく見てただけだからなー。ルナアタックの話をつまみ食いしただけだ。きちんと見てれば、未来にくっついていったぜ」

 

黒江がM粒子をばらまき、衛星通信、無線通信などの妨害をしつつ、二課(当時)の装者たちが来ても取り繕えるように、加減はあれど、きちんとバトルを展開する二人。マリアの高い練度(適合率は低いが、戦闘訓練度は高いため)の賜物か、黒江と渡り合うだけのポテンシャルを見せている。

 

「さーて。人の枠内最高の技だ」

 

黒江はトマホークを連結させ、背部ブースターをシンフォギアの機能と自分の能力を併用して形成。一気に高高度まで上がる。

 

『チェェェェェストォ!!』

 

示現流の奥義『雲耀の太刀』。それを見せた。元の調が絶対にしない『鬼気迫る気迫』。斧を一気呵成に振り下ろさんとする姿。思わず、足がすくむマリア。

 

 

 

 

――太刀はアームドギアの柄と穂先を断ち切り、衝撃波だけで、地面が大きく陥没する。マリアは発生した衝撃波だけで大きく吹き飛ばされ近くの無人のビルを貫通してしまう。その映像は二課もキャッチに成功し、装者たちが急いで向かう。それからややあって、ウェル博士が送り込んだと思われる、大量のノイズが襲来する――

 

「あの眼鏡の若造が送り込んだか。狙いは俺か……いいだろう。この技は拓馬のヤツの技だったな?借りるぞ」

 

黒江は背部のブースターをゲッターアークと同型のウイングに組み換え、展開。電気エネルギーをアーク放電のレベルに高め、ゲッター線も加える。

 

「この世界の物理法則なんざ関係ねぇ。吹き飛べ!!」

 

黒江はエネルギーを臨界まで高め、一気に解き放つ。その技の名は。

 

『サンダァァァ・ボンッバァァァ!!』

 

解き放たれた雷がノイズを蹴散らす。通常の物理法則が適応されないはずのノイズも、『シンフォギア世界の摂理に捕らわれない存在』の攻撃にはたまらず、撃ち漏らしなく、消え失せる。

 

「ん、来たか」

 

ウイングに残留エネルギーが奔る状態で振り返ったため、すさまじい威圧感が醸し出されている。背部のゲッターウイング(ゲッターアーク型)も演出に一役買う。

 

「お前たちか」

 

「ノイズを倒したのはお前か?」

 

「そうだ。まぁ、こっちの戦闘は司令部で観測してたんだろう?」

 

そこで、残留エネルギーが雷を引き起こし、雷鳴が轟く。二課の装者達は、雷を背にするコントラストもあり、目の前の装者に何かを感じ取り、次の行動を取れない。

 

「おい!なんで、アイツと戦ってたんだ!?」

 

「アイツの狙いがわかったからさ。世界を揺るがすってのは看過できん。それで一戦交えたのさ」

 

「それじゃ、私たちと」

 

「ああ。未来から話は聞いた。お前たちと争うつもりはない。だが、まだやることが残ってるから、それが終わったら、協力する。あいつらの狙いが正確には分からんからな」

 

「狙い…だと?」

 

「そうだ。しばらくは未来を介して連絡を取るから、そのつもりでいろ」

 

そこで、マリアがガングニールの穂先から高出力ビームを放射する。黒江はそれを右の掌で遮り、ビームを弾く。

 

「まだ、戦う意思があるようだな。その意気やよし」

 

黒江は手筈通りに、マリアが逃げやすいように『ど派手な技』をわざと放つ。目眩ましも兼ねるからだ。

 

『はぁぁ……!」

 

「な、なんだ……奴の掌の中に……銀河……だとッ!?」

 

翼が思わず、狼狽え気味にそう言った瞬間、装者達は銀河の爆発を幻視した。

 

『ギャラクシアンエクスプロージョン・フォール!!』

 

ギャラクシアンエクスプロージョンとサンダーフォールの合せ技を放つ。そのため、大爆発と雷がスクリーンとなり、マリアを逃がす。とはいえ、見かけがど派手であるため、一同は開いた口が塞がらない。キノコ雲が発生するレベルの爆発を歌を歌う事なく引き起こしたからだ。そして。

 

「い、今の……」

 

「シンフォギアを纏ってたから、たぶん生きてると思う。広島型原爆や長崎型原爆くらいの爆発エネルギーに耐えられるとはな」

 

シンフォギアの許容エネルギーはかなりのもので、通常時でも常温核融合爆発に耐えるため、広島型原爆や長崎型原爆程度のエネルギーに充分に耐えられる。だが、ギアに負担がかかるため、マリアのギアは解除される。仕方ないが、マリアはこの時期、薬品で適合率を上げているので、ギアの装着時間はけして長くはない。原爆級のエネルギーを受ければ、解除は免れないのだ。

 

「参ったわね。あの人……あれで手加減してるって?なんかのたちの悪い冗談でしょ……?」

 

ほうほうの体で帰還するマリア。爆発と雷を隠れ蓑にその場から去る。M粒子で電波干渉をし、二課のエージェントの持つ電子機器を機能不全にした上で。黒江から渡された『M粒子散布装置』は、23世紀でありふれた軍需品で、戦後はアナハイム・エレクトロニクスが製造するもの。21世紀で知れ渡っている原理の電気機器は微量のM粒子でも誤作動し、ネットワーク機器はタダの箱になる。超小型核融合炉の稼働に伴う副産物で、原理的にはマイクロサイズの反応炉の稼働で生ずるM粒子をばらまくというもの。つまり、ミクロサイズの核融合炉が入っているというものなので、ドラえもん時代の名残りの技術を応用したのでは?と憶測がなされている。見かけは発煙筒に近い。

 

「ミクロサイズの核融合炉なんて、どういう代物なのよ。まぁ、原子力技術者が聞いたら、泡吹くでしょうね」

 

シンフォギア世界では、2000年代に旧来の原子力からレーザー核融合に切り替わり始めたが、それでも20世紀中とさして変わらない規模の施設が必要である。マリアはウクライナ出身。父母や祖父母はチェルノブイリ原子力事故で故郷を追われ、自分と妹も紛争で孤児になったので、原子力へいい思いはない。だが、技術には罪はないのは理解している。

 

「核融合さえも可愛いような超エネルギーがこの世にある……。異端技術でない現代科学で制御できる……」

 

また、この世界で発見され、マリアが母の生前に、祖母の形見と聞かされ、現在も持つ『地球外由来の鉱石』の正体が『異世界の超生物の残した貴重なもの』と教えられ、謎が深まった。

 

「おばあさまの遺したあの鉱石……異世界の超生物が何かの加減で落としたもの……『フォールドクォーツ』」

 

なぜ、それを祖母が持っていたのか。マリアは分からない。両親は自分が物心が完全に付く前に紛争で亡くなってしまい、帰るべき場所も無くなった。帝政ロシア時代の大爆発でもたらされたのだろうか?と、黒江は言っていた。

 

「先史文明がその超生物を捕獲して、宇宙を渡る技術に使っていたのなら……」

 

有史以前の古代文明がノイズで滅ぼしあう以前、宇宙まで進出していたのなら、超生物の捕獲もできたはず。マリアはフォールドクォーツが『バジュラがいないはずの世界にあった』のか?その謎に挑む。そして、それは古代文明の足跡を辿ることでもあった。そして、黒江のいう『フォールドクォーツ』が次元を超えて、歌を届ける効果があるのなら……と、希望を見出す。そして、黒江から聞かされた『異世界の歌姫達』が羨ましく思えてくる。

 

「リン・ミンメイ……」

 

ふと、その名を口に出す。真に歌で戦争を終わらせ、宇宙時代の地球の文化的拠り所とされた『アイドル』。彼女の残した足跡を追い、それが高じて、理論を確立させた博士もいるという。ミステリアスな生涯(黒江は地球連邦の機密に触れられる立場にあるため、メガロード01の顛末を知っている)も伝説に華を添えている。マリアは黒江からリン・ミンメイの存在を聞かされた事で、歌の力に希望を見出していく。黒江がもたらしたのは、混乱ばかりでなく、希望も確かにもたらした。歌の力は相互理解をする礎にもなれるという。そして、歌の力はあのゲッターエンペラーをも宥めるための最終手段ともなる。そして、先の時間軸で、フレイア・ヴィオンの遺す歌もまた、彼女の同位体であるウマ娘が歌い継ぐことになる…。その名もアグネスデジタル…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――シンフォギア世界に何故か存在したフォールドクォーツ。それが伝えた歌の中には、未来世界ではまだ歌われていなかったはずの『ワルキューレ』、『FireBomber』の楽曲も含まれていた。そして、ウマ娘世界にも、それは存在していた――

 

「どうしたの、タイシン」

 

「いや、なんでもない。歌が聞こえた気がしただけ」

 

ある日、ナリタタイシンやトウカイテイオーが学園で拾った鉱石。二人は不思議な感じがしたそれをお守りにし、それぞれの再起を願掛けした。

 

「あれ?タイシンも、それ持ってんの?」

 

「あんたも持ってたんだ」

 

テイオーはタイシンとほぼ年が同じ。背丈は意外なことにテイオーのほうが大きい。テイオーは、一年先輩にあたるが、タメ口なタイシン。

 

「なんか不思議な感じがしてさ……。」

 

「うん、ボクも…。なんだろうね、これ」

 

「ゴルシがつくったり、タキオンさんの廃棄物でもなさそうだし…」

 

二人はその時から会話をするようになり、次第に気心が知れた関係になっていく。それを不思議がったナリタブライアンが調査を開始するが、それがゴルシに見つかるわけだ。そして。

 

「その、教えてよ。あのゲームの攻略。あんた、ワガハイちゃんってプレイヤーでしょ?」

 

「え、タイシン、あのゲームしてんの?」

 

ふとしたきっかけで人間関係は始まる。タイシンとテイオーは、お互いにゲーマーであったことで縁ができた。二人はほぼ同い年だが、テイオーのほうが実績は上で、ルドルフの愛弟子。タイシンはそんなテイオーの人となりを知る事で、強度のツンデレである自分を見つめ直し始める。そして。そんな二人を更にライバル視するのが、エアシャカールである。その日の夕方、スピカのトレーナーとタイシンのトレーナーが同じ大学の先輩後輩である関係で交流会が開かれたのだが。

 

「この特徴的な文章……、ねー、タイシン。これって、エアシャカールじゃない?」

 

「変に理屈っぽいくせに、荒っぽい性格だから、二冠止まりなのよね、あいつ。文章でもわかりやすっ」

 

とあるオンラインゲームでのセッションで、特徴的で、やけに理屈っぽい物言いのプレイヤーを見つけた二人。タイシンは何気に辛辣な評価をするが、実力はあるが、変に理屈っぽい側面があるエアシャカールの本質を表していた。

 

「そのくせ、ファインモーションに好かれてるよね」

 

「モノ好きだよね、ファイン。ガサツな奴が好きなのかな…」

 

と、ファインモーションにエアシャカールが好かれている事が不思議な二人。何気にひどい言いようだが、エアシャカールはタキオンと違った意味でインテリだが、性格がガサツすぎるため、どうにも成績が伸び悩んでいるのに悩んでいた。ファインモーションに癒やしを求めている節があると感づいたのは、この時の個人チャットで、テイオーが『ファインをかまってあげなよ?』とからかったら、顔を真赤にする勢いで打ち込んだと思われる長文メッセージを返してきたからである。そして、テイオーとタイシンはその時の試合で、エアシャカールに目の敵にされたが、連携プレーで返り討ちにしてみせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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