ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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第三百六十四話「ダイ・アナザー・デイ前の状況 7」

――扶桑は欧州の作戦に全力を費やした。だが、既存兵器だけでは困難であったため、当時に最新であった兵器も改良がされ、最終型相当にまで改良された。零戦や隼は最初で最後のご奉公となるため、本土配備分も駆り出されていった。当時は少数配備機であった雷電も、横須賀航空隊の具申を無視する形で生産が促進(小園大佐の要望で)され、ダイ・アナザー・デイを通し、活躍する。雷電は史実の最終型相当で増産された事、各種改良で史実の難点が解消された(21世紀水準のゴム素材が手に入ったため)事もあり、雷電は防空戦闘機として使用された。64Fも、赤松が持ち込んだ個体と、その予備機を使用。未来兵器配備までの場つなぎを担った。この時の決定が横須賀航空隊の悲劇の伏線となる。横須賀航空隊は後に、テスト部門と防空部門に分割され、そこから更にテスト部門は別組織になり、横須賀航空隊の歴史は絶たれることになる。同隊の生き残った人員の多くは民間軍事会社へ流れていき、1950年代の終りにはかなりの規模に達する。以後、民間軍事会社は軍を何らかの理由で去った軍人の受け皿と見做され、それなりの社会的地位を得る。同時期に陸軍の機甲科や砲兵科の軍人もかなりが左遷されたため、軍の前線将校の不足が顕著になり、64Fの万能性を奨励するに至る。超兵器頼りの行政が目立ち始めるのは、日本防衛省の粛清人事が理由である。――

 

 

 

 

 

 

――カールスラントの大混乱は、人的資源を政治力で削らされた扶桑にも多大な影響が出ており、中堅将校の不足(経験がある尉官以上)が顕著になり、多くを義勇兵、ないしは自衛隊の幹部自衛官に頼らざるを得ない状況となった。そのため、経験不足の新米士官か、経験豊富な古参か。極端に二極化してしまい、その間がいなくなったための混乱が続いた。更に、日本側が『実戦の空に出せるのは、飛行時間700時間以上の者』という規則を設けたことも、現場の混乱に拍車をかけた。ウィッチは現役期間中に『500時間も飛べれば良いほうである』だったからで、カールスラントのベテランでさえ、700時間を超える程度。ウィッチが時限付きの技能であるが故であった。この制限を超えるには『処置を受ける』必要がある(特異体質、もしくは転生者を除く)が、拒否反応を示す者も多い。しかし、扶桑はウィッチ覚醒の休眠期を迎えつつあった上、真の意味での戦争が現実味を帯びつつあったため、『新世代にバトンを渡したくとも、その新世代がいないために、仕方なく、現役を継続した』者も多くいた。坂本のように、すんなりと次世代に後を託せた例は『極め付きの幸運』であった――

 

 

 

 

 

 

 

――1940年代後半の扶桑ウィッチの派閥抗争は戦争が激しくなった時期と重なったため、ウィッチの社会的立場を悪化させる原因となった。軍閥の解体を日本側主導で推し進めた結果、『横のつながり』が無くなったため、部隊間の連携がなされないという『日本的な問題』も噴出。これはウィッチ兵科では顕著に表れ、64Fのダイ・アナザー・デイでの孤軍奮闘の一因となる。本来は『数十年かけて、ゆっくりと行えばいいはずの改革』を急激にやろうとした結果であった。ウィッチ兵科はこの混乱で『独立した兵科として置く』意義に疑義が呈され、解消へ向かう。個人に求められる教育水準が『兵器の異常な発達で、日本での高専卒以上に飛躍してしまった』ことも『小学校も普通に出ていない』例も普通にあるウィッチ達の立場を悪化させた――

 

 

 

 

 

 

――ウィッチ士官の年金制度上の階級を『尉官は少尉、佐官は大尉として一律的に扱う』ことの検討案が流出し、現場の人事に曲解されたことも混乱に拍車をかけた。実際に実階級の調整が連合軍全体で試みられ、混乱が起きていたため、ミーナの冷遇は『冷や水を浴びせられた』ような凶報であった。カールスラント軍の将校達は1945年夏以降、ドイツの介入やロシアの嫌がらせもあり、『過去の発言の釈明』に追われる、日本軍出身の義勇兵に白い目で見られるなど、散々な目に遭っていく。公には『ここでは撃墜数だけがものをいう。階級とか、他のくだらぬものはどうでもいい。地上では軍律があるが、空中では最多数撃墜のパイロットで、戦闘技術と経験に優れたものが指揮をとる。この規則には、私を含む全員が服従する。もし私より撃墜数の多い軍曹と一緒に飛べば、私は軍曹の指揮に従う』という内容で記録されている、フーベルタ・フォン・ボニンの過去の発言は叩かれ、本人が釈明に追われる羽目となった。平和な時代の軍隊のパイロットをどう見るのか?という問題があるからで、本人も『若気の至りの発言であって…』と釈明している。本人は捕虜収容所からの救出間もない時期に、過去の発言が問題化したことにうんざりしたのは言うまでもないが、過度な実力主義は政治問題になりかねないため、本人は『年長者に敬意を払らないわけではなく……』と釈明している。(前世が日独文化の継承者でもあったジオンの士官であったマリーダ・クルスだった都合上、アジア圏独自の文化を理解していた幸運もあり、上手く釈明はできたという)また、バルクホルンに相当に愚痴ったが、前世がジオンの強化人間であったことは後日、自衛隊員にいじられるネタにされたという。前世がジオンの強化人間(プルシリーズ)だった割に、連邦系の機体に乗ることは自衛官にツッコミを入れられることになるが、『プル姉さんだって、ZZガンダムに乗った事あるし、グリプス戦役以降のMSのインターフェースの規格は、連邦もジオンも同じなんだぞ』と返し、不満を口にしたとのこと。彼女はとある時空のマリーダ・クルスの転生であるため、未来世界のマリーダ・クルスは別にいるだろうことも感じている。バルクホルンには、こう述べている。

 

「私は確かにマリーダ・クルスの転生だが、未来世界には別のマリーダ・クルスがいるはずだ。未来世界には、フル・フロンタルやアンジェロ・ザウパーがいないから、どのような立ち位置かは分からんが」

 

…と。MSの訓練を短時間で終えられたのは、前世にジオンの強化人間であった事、バンシィに乗った経験があるので、ガンダムタイプに乗ることには躊躇はないことを説明した。

 

「プル姉さんには連絡を取った。ジオンの公式記録では死亡済みだから、驚いたが」

 

「ジオンの公式記録は見たが、どこまで本当なんだ?」

 

「グレミー・トトは反逆者だからな…。ただ、彼が死んだ後、姉妹はキャラ・スーンに皆殺しにされた。プルスリー姉さんが死んだ事で、統制が取れなくなったんだ。一瞬だったからな…」

 

フーベルタはマリーダ・クルスとしての記憶の覚醒により、一人の戦士として生きる道を見出したようだ。

 

「未来世界での同位体がバナージ・リンクスと出会うかの確証はない。出会わなければ、ティターンズの強化人間のような運命になるだけだが、それはそれで気分のいいものではないよ、トゥルーデ」

 

「確かにそれはそうだが、お前。前世が強化人間だからと、MSに乗るのか?」

 

「せっかく持つ技能だ。腐らすにはもったいないだろう?バンシィに乗った経験があるから、ガンダムタイプに拒否感はないぞ」

 

前世がガンダムタイプへの憎悪を予め刷り込まれていたのに対し、転生後は『運命を切り開く機体』として見ている。Gウィッチとして登録したため、恩恵は受けられる身だが、未来世界の状況が気になるため、ダイ・アナザー・デイ終了後はガランドの誘いに乗り、G機関のエージェントに転ずる気だと話す。

 

「まぁ、VFに乗ってもいいし、シャーリーのように、ナイトメアか、野比氏が作らせているSPTでもいい」

 

「お前はいいな。私など、車も止められてるんだぞ、エーリカに」

 

「何故だ?」

 

「前世の晩年期に事故ってな」

 

バルクホルンは前世の晩年期、甥っ子の自動車事故で車椅子生活になったため、今回はエーリカに止められたという(ただし、身分証明書代わりの免許証所持はいいとの事)。

 

「もともと、メカ音痴だろう、お前」

 

「失礼な。前世の経験で映像機器の操作くらいはできるぞ!」

 

「タブレットに四苦八苦しとるくせに」

 

「な、なぜそれを」

 

「ヨハンナに言われてな」

 

「あいつには敵わんな」

 

二人の52JG時代の戦友もこの時期には、64Fに集められていたため、二人は若手時代のようなやりとりをしあった。バルクホルンの人当たりが良くなった事もあり、カールスラント出身者は風通しの良い生活を送っており、この後、ロンメルの指令で、『52JGの旧隊長陣は64Fの戦列に加わるべし』という命令が下り、ロシアの嫌がらせで名誉毀損がされた52戦闘航空団の名誉回復のため、カールスラント勢は扶桑の精鋭部隊の隊員として戦っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

その頃、ミーナは公には『激務が祟って、錯乱した』という扱いで、基地の医務室にしばらくは隔離されていった。本人は人格の変容後に謝罪会見を開き、『どんな処分も甘んじて受ける』と表明することで『扶桑の世論の火消し』を図った。降格については、連合軍司令部で議論された末に『士官学校を出ているし、今回のこと以外に失点が無い以上は……』という事情もあり、中佐から大尉へ降格させ、授与予定の勲章は取り消しにし、部隊指揮権も停止された。最大で下士官までの懲罰的降格が検討され、不名誉除隊も検討すべきと主張した者もいた。だが、あまりに降格させるのも士気低下と司令部への叛意を煽りかねない(ガリア革命前夜の頃、上官殴打の罪で降格させられた将校が規則の改悪で元の階級に戻れず、革命後に将軍になったという例もあったため)同時期、501部隊そのものも、統合戦闘航空団という枠組みが『政治的すぎる』と判断され、政治主導で凍結されたため、統合戦闘航空団の人員は『一連の出来事の箝口令』も兼ねて、元隊員の少なからずが司令部へ引き抜かれた。その代替の64Fの人員がプリキュアたちになったのだ。作戦中に覚醒したペリーヌとシャーリー以外は扶桑国籍の者であったのは不満がられたが、元は異世界人以外は日本人である事が大半である。その事もあり、シャーリーはキュアメロディとしての顔を持ちつつ、活動する。紅月カレンとしての愚痴という形で、『コードギアス世界に介入したい』願望を何度か口にする。紅蓮をオーダーするのは、紅月カレンとしての前世への郷愁なのかと尋ねられたところ、『前世のやり残しへの落とし前だ』と答えている。そのため、自衛官からは『キュアメロディの皮を被った紅月カレン』とネタにされていく。実際、振る舞いはシャーリー本来の姿よりも、北条響であった頃よりもガサツで、口も相当に悪いのは事実だからだ。とはいえ、面倒見の良さは変わらないため、面倒見の良さこそが、シャーリーの性格の根幹であるのは確かだった――

 

 

 

 

 

――扶桑は結局、国際貢献どころでない戦争に突入したため、他戦線の部隊は第一線で時代遅れになった兵器が申し訳程度に充てがわれるだけになり、実効戦力としての力は無くなった。太平洋戦線こそが国家の命運を握るため、他戦線の部隊は『怪異の監視』程度しかこなせなくなった。それでよかったのである。扶桑の主力はダイ・アナザー・デイ後は太平洋に一点集中されていく。数合わせで、レシプロ機も現役扱いが続く。ジェット機は単価が高価になり、レシプロ機よりも遥かに機材として貴重になったからだ。ターボプロップ機が既存レシプロ機の改装で普及したのは、ジェット機の数的補完という名目があったためで、史実と異なる軍事史を辿ったといえる。兵器が数年で高度化していくために『現場での教育』も盛んに行われ、1940年代後半には、士官学校のカリキュラムが平時のものに戻され、基礎教育水準の向上が図られた。だが、その効果が出るのは数十年後と見込まれているため、太平洋戦争は実質的に『既存の人員をやりくりして戦った』戦争と言えた――

 

 

 

 

 

 

――その序章と言えるダイ・アナザー・デイは当初の想定より実働可能兵力が事前に大きく減ったため、全体的に超兵器頼りの状況になり、怪異の脅威をスーパーロボットが退ける必要が生ずる有様であった。また、通常部隊でも、扶桑に備蓄されていた兵器の予備パーツの在庫が尽きる事例が続出。現地での生産が許可される、鹵獲機の再利用も推奨された。そのため、零戦、隼、鍾馗などは早々に正規の予備パーツが尽きてしまった。ただし、扶桑独自の型式である『鍾馗三型』(R-2800エンジン搭載)はその貴重性から、前線部隊で使用されなかった。また、零戦の新規製造が追いつかず、その間に零戦自体が旧式化したため、アグレッサー部隊用の零式四三型が史実の六四型へ改装されて投入されることも起こった。(これはウィッチがアグレッサー任務を行う必要が無くなったためである)その後継が期待された烈風は、その基礎設計の古さによるロール性能の低さが問題視され、制空戦闘機としては使われず、多少の改良を施された『戦闘爆撃機』として使用される。四式戦闘機の騒動もあり、同機は陸軍系部隊でも多数が使用される。なお、陸軍系部隊は三式戦の胴体に既成の空冷エンジンを乗せた五式戦闘機を『一式戦闘機の後継機種』として使用し、史実と違い、こちらが陸軍航空の主力機としてのレシプロ戦闘機の掉尾を飾った。防空部隊は高空仕様の紫電改と雷電三二型、排気タービン搭載の鍾馗が序盤の主力を、中盤以降はF-86ジェット戦闘機がその役目を担う流れとなった。双発レシプロ戦闘機の多くが破棄されたために単発機が重爆迎撃の主力を担う形になり、雷電もダイ・アナザー・デイでかなりが生産され、第一線で使用される。局地戦闘機はダイ・アナザー・デイが防衛戦になった事で始めて、脚光を浴びた機種となった。

 

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイの正式開始前にも、超重爆による爆撃は行われており、当時の連合軍の多数派の戦闘機では接敵すら不可能であったので、64Fと義勇兵部隊の共同で迎撃し、成果を挙げていた。史実より改良された紫電改や雷電、五式戦闘機は(史実より編隊戦闘の研究が進んでいない)B-17やB-29には脅威であり、(史実より少数機で空襲していることもあり)敵機を容易く撃退している。また、ウィッチ母機も編隊に含まれていたが、史実通りに編隊の最後尾から狙うセオリーで、上空から襲いかかった紫電改と雷電の編隊にあえなく撃墜され、真価を発揮せずに終わったというが、ウィッチ母機は『ウィッチを運ぶ』ことに特化しているので、自衛用の武装も削減している事もあるので、このような損害は日常茶飯事ではある。自衛用の武器の削減は雷電や紫電改などの『大戦後期型の重戦闘機』には仇となった。以後、ウィッチ母機は自衛用の武装を追加する流れとなるが、ジェット戦闘機がミサイルを伴ってデビューすると、それも存在意義が薄れていく。時代の流れはウィッチ『母機』から『空中補給機』へと変化していく。戦場から一歩引いたところで、空中の補給場として機能する運用へ変化するのだ。同時に、爆撃機ベースから『大型輸送機ベース』へと変化していく。より多くのウィッチを運び、戦場に導く』役目に特化していくと、爆撃機ベースでは不都合が生じていくためだ。更に、爆撃機ベースでは第二世代理論型の運用には適さなくなる(装備が大型化するため、狭い)。戦略爆撃機とウィッチ母機の役目の分離は装備の重装備化と戦略爆撃機本来の任務の重要性の向上でなされたと言える――

 

 

 

 

 

 

――ウィッチ同士の戦闘での交戦が起こる可能性がウィッチのサボタージュを招いたが、ダイ・アナザー・デイ直前の段階で、そうならないことが示されつつあった。ウィッチ母機はそもそも、ウィッチを発進させる前に撃墜される、ウィッチはそれを自主的に避ける。つまるところ、交戦の可能性は元から限りなく低かったのだ。実際、ティターンズもウィッチを戦力として見なしていない節があり、主力の露払いができればよしという認識であった。サボタージュにより、実働兵力が減少した連合軍は世界を問わず、義勇兵を募った。その結果、米・英軍は『軍事顧問団』、自衛隊は『Gフォース』という形で参戦するに至る。こうして、21~23世紀の兵器が多大な戦果を挙げる土壌が出来上がる。ミーナが人格変容前に懸念していた補給も『ミデア輸送機』、『ガルダ級超大型輸送機』が飛来するようになったため、杞憂に終わった。(ガルダは初期型でも9800tもの物資を運べる余裕がある。つまり、第二次世界大戦当時の大型輸送艦が霞む量の物資を運搬できるのである)連合軍の兵力が史実より質的に貧弱であるため、地球連邦軍も兵力を供出する流れになる。ティターンズがリベリオン本国の兵力を大量動員する情報を入手したからであった。――

 

 

 

 

 

 

――こうして、地球連邦軍は暗黙の了解で戦列に加わるが、一騎当千が求められた都合、質のいい装備を持つ部隊が派兵された。Z系のMSが多く配備されているのも、それが理由であった。地球連邦軍がグリプス戦役直後から、独自に量産を試みていた『Zガンダムの可変機構をそのままに、装甲部の削減でコストを削減した』機体も各部改良がなされた後で、正式に生産に移された。派兵にあたり、機体の頭数が必要だったのと、リ・ガズィの増産は『BWSの欠点』がやはり問題だったからである。そこもBWSの悲しさだが、再設計機のカスタムはデザリアム戦役までのテスト期間を経て、正式に生産ラインに乗る。BWSのコンセプトはこの段階で破綻しているが、実用性はそれなりにあったため、ライトニングガンダムが試作されるに至る――

 

 

 

――こうして、派兵された部隊は重MS師団と空挺MS師団。地球連邦軍が本国で温存してきた虎の子である。元々はガトランティスの本土侵攻に際しての抵抗手段として用意されたもの。戦後はジオン残党狩り任務に供されていたが、地上の残党が組織力を失ったため、暇を囲っていたのをティターンズ残党の撃退のために投入される事になった。元々の仮想敵の一つであったティターンズ残党はTMSを意外に有しており、通常MSでは不利であったためだ。彼らの機材は余剰気味であったので、一部は64Fに事前に引き渡された――

 

 

 

――ある日――

 

「MSの訓練をさせないとねぇ」

 

「ええ。これだけの機体を無償で供与されれば」

 

格納庫にウェーブライダー形態で並べられるZ系MS群。ウェーブライダー形態であれば、航空機と同じ感覚で並べられるからだ。

 

「元々、一式陸攻や銀河とかの格納庫にしていたのを転用できて良かったわ。レシプロ機は高さが低いから」

 

「まぁ、大型機はこの時期に既に前輪式も出ていましたけど、うちの軍隊の双発機は尾輪式でしたから」

 

「連山で代替するつもりだったんでしょ?」

 

「ええ。航空魚雷が陳腐化したので、連山の搭載武器は爆弾に統一されそうです。そちらも一〇〇式や飛龍の退役が決まったとか?」

 

 

 

キュアマーメイド状態の竹井が智子に言う。この頃から、竹井はキュアマーメイドとしての活動を始めており、体を慣らす意味もあり、変身をしたままである。元々、両家の令嬢としての色眼鏡で見られることに反発していた竹井は、覚醒を期に『キュアマーメイド』としての活動を増やしており、海藤みなみ名義の身分証明書も用意させていた。この時もその姿で勤務していた。

 

 

 

 

「双発機は使い物にならないって判断だもの。野戦高射砲も多くが廃棄。未来世界から携帯式対空ミサイルを買うしかないから、地球連邦軍から緊急で買ったそうよ」

 

「戦車も旧式の多くが廃棄処分。これで数に勝る敵にどう立ち向かえと」

 

「MSを使うしかないわね。それも広域殲滅用の」

 

「これが?」

 

キュアマーメイド状態の竹井が視線を移した先に駐機されている『大型化されたGフォートレス』。地球連邦軍が第一次ネオ・ジオン戦争当時から設計していた『モビルフォートレス』の真の意味での完成型『ジークフリート』。サイコガンダム系統を排除した地球連邦軍がダブルゼータガンダムの基本設計を流用し、サイズを拡大して生み出した『単騎城塞攻略用MS』。原型機の倍の30m級の巨体に拡大され、兵員輸送能力すら持つ『移動要塞』。

 

「ダブルゼータの基礎設計を使い回して生み出された『モビルフォートレス』。サイコガンダムが非人道的なサイコミュシステムで制御されてたのを鑑みて放棄された後に、その代替扱いで作られたらしいわ」

 

「ダブルゼータガンダムの兄弟なんですか?」

 

「運用思想が違うから、再従姉妹程度のつながりよ。こいつの運用は『火力をばら撒きまくって、空域を制圧する』ことだもの」

 

ダブルゼータの設計上の難点を『機体自体を大型化して解決した』ジークフリートはサイコガンダムよりも高度な自衛能力を持つ。サイコガンダムよりは小型であるのと、駆動系の技術進歩で滑らかな動きができるようになったためだ。

 

「まぁ、もっと強いシズラー系のマシーン兵器はほとんど残ってないっていうし、縮退炉を出されても、扱いに困るから」

 

当時、マシーン兵器は宇宙怪獣との交戦前提に大型化が進んでおり、グレートガンバスターに至っては、300mの巨体(初代ガンバスターよりも巨大)。宇宙怪獣との戦いはともかく、それ以外の局面では、ガンバスター以上に扱いが難しくなった。そのため、その次の代のガンバスターは小型化が志向される事になる。

 

「ガンバスター系は宇宙怪獣との交戦前提だから、戦艦サイズ。都市のある惑星の中で運用するには不向き。だから、Gガンバスターの次は小型化だって」

 

第三世代ガンバスターは小型化がコンセプトであるが、これについては上手くいかず、有人操縦ではなく、AI搭載の無人機が模索される。超AI技術の復興に、一定の目処が立ったからだ。このプロジェクトは、伝説のエースパイロット『タカヤ・ノリコ』と『アマノ・カズミ』の両名の姿を混合させた姿を持った『ガンバスタータイプの機能を有事に発揮するアンドロイド』の建造へと変遷していく。このプロジェクトは『どこかの世界で『ノノ』と呼ばれたであろう、人間サイズのバスターマシン』を生み出すことになる。ユング・フロイトがプロジェクトを推進させたというが、その理由は明かされていない。自身はパイロット気質が抜けず、Gガンバスターのテストパイロットを兼任しているためでもある。また、グレートガンバスターのセキュリティ強化のために、起動機となる機体を作らせ始める。それが『マイクロガンバスター』であり、Gガンバスターの第一次改修はセキュリティ強化が主な目的だと言えた。また、亡きオオタ・コウイチロウの遺産を地球で管理し、彼の遺したガンバスターの系譜の機体を守る事も、ユングがしていた事でもある。

 

「それ、間に合わないですよね」

 

「当たり前よ。基礎研究の段階だし。人工知能技術の復興で、目処が立った無人機になるかもしれないし。エースパイロットがそう都合よく確保できるわけでもないから」

 

「そうですねぇ。未来世界は戦争続きで、ロンド・ベルにおんぶにだっこですから」

 

二人はガンバスターの進化の可能性が小型化に向かう事を予見していた。性能的には最強のGガンバスターだが、運用コストが高いのが玉に瑕。ガンバスターの増産が潰えたのは、そのサイズである。戦艦サイズという高コスト、『ハイパワー過ぎて、ビーム一発で都市が消し飛ぶ』のと、フルサイズのガンバスターは機体管制と火器管制要員としてのサブパイロットが必須であるために、扱いにくいという難点がある。ユングがガリバートンネルに飛びついた理由もそこにあり、『サイズを縮小させれば、隠密理に運用テストができる』という利点を発見したからだ。また、地球連邦の機動兵器操縦システムの技術革新で『パイロットの五感を電子的に機体の各センサーに接続させ、機体と一体化させるように操縦させる事で、モビルトレースシステムより簡便にパイロットの確保をする』システムが開発されたのも、ダイ・アナザー・デイの頃。21世紀頃のVR技術を発達させていった末の技術で、火星の移民が用いている『ナノマシンを入れ、それを機体操作に用いる』技術よりも世代の進んだ技術という。

 

「あ、ドラえもんの増設してくれた格納庫にある『ストライクルージュ』、地球連邦が介入した時に与えて、二度目の時に返還されたものだけど、新操縦システムの試験機に転用されてるみたいよ」

 

「使うんですか?」

 

「誰かいない?手空きの後輩で」

 

智子はVF乗りであるが、MSの訓練はまだ未了であった。そのため、誰かに与えたいらしいが。

 

「名前的には、りん(キュアルージュ)に与えてもいいけれど、機体のカラー、ピンクに近いですからね。さて…どうしたものか」

 

「それに、バックパックがごちゃごちゃしてるでしょう。もっとシンプルなものなかったんですか?」

 

「オーブが独自に試作したストライカーに換えてたみたい。未来世界だと、ミッションパックは嫌われるんだけど、かの世界じゃ受けてるみたいよ」

 

ストライカーパックは未来世界でのミッションパックに近いものだ。オーブはオオトリという独自のものを制作し、ストライクルージュに換装していた。オーブ製作のオリジナルが戦闘で大破した後は、予備のストライカーが、保管されていた地球連邦製の同機に換装されていたが、アカツキがフラッグシップになったので、地球連邦へ返還された。

 

「どうします?」

 

「装甲の色合いは調整効くから、とりあえず、誰かを乗せてみましょう」

 

智子は悩んだ末、ひとまずは機動兵器の搭乗経験を転生で持つキュアマジカル/十六夜リコを呼び、稼働テストをさせることになる。ただし、ガンダムタイプの常、テスト運用中に何かが起きることが警戒されたのと、稼働試験が長時間に及ぶため、縮小に時間制限があるスモールライトとビックライトではなく、ガリバートンネルが選ばれた(縮小効果に時間制限がないため)。マジカルによる運用テストの後、遅れて復活したキュアミラクル/朝日奈みらいがある日に使用。以後は彼女がメインパイロットになる。プリキュアが機動兵器を操縦する初の事例になったわけだが、こうした『関連性のない機動兵器をプリキュアが動かす事』は賛否両論となる。キュアメロディin紅蓮系はまだしも、魔法つかいプリキュアinガンダムは異色の組み合わせであったからだ。とはいえ、後に『ハートキャッチプリキュアinガイアガンダム』、『YES!プリキュア5inガンダムX系』『ドキドキプリキュアinガンダムスローネ』も続々登場。日本のプリキュアファンは困惑することになる。この頃、キュアドリーム(夢原のぞみ)は『昔、サーフボードに乗ってる機動兵器は動かしてたんだけどね』と言っていたが、後々に自分がのび太から『Gコン』を託され、ガンダムX及び、後継機のDXに乗ることになるとは想像だもしていないのである。ここより数年後、プリキュア5の世界でこんなやり取りがあったという。

 

 

 

 

――数年後 『プリキュア5の世界』――

 

「うおおおおお!!そのガンダムは私のガンダムだぞ!!」

 

ある日、ガンダムXにのぞみAが乗った事を、りんAが現地の敵の一員で、腐れ縁の『ブンビー』に言ったところ、こんな叫びが帰ってきた。

 

「それは、あんたの声の妖精さんネタでしょうがー!!」

 

「いやぁ、のび太くん……あたしの嫁入り先のお父さんが容赦なくてね。いきなり戦略兵器だしぃ」

 

「お前らなぁ~…」

 

「あんた、売ろうとしてたでしょうがー!!」

 

「最終回まで乗ったぞ、失礼な!!フラッシュシステムはどうなんだ、ドリーム」

 

「それに適応しちゃってさー…。その気になれば、サテライトキャノンの一斉射撃させられるよ」

 

「お前、何と戦ったんだ……?ドリーム」

 

「だって、ジオン残党はコロニー落とそうとするわ、ヌーベル・エゥーゴは月の爆破だよ?それにグランジオング持ち出されたしさ」

 

「ネオジオングの間違いじゃないのか?」

 

「別系統だよ。クイン・マンサやαアジールの後継機のMSで、アンチファンネルシステムを持ってた。強かったよ?」

 

「まて!!なんで、大型のMSやMAを二機以上作れる資金がジオンにあったんだ」

 

「それは知らないよー!」

 

グランジオングとの死闘を断片的に語るドリーム。その時は乗り換えて間もないDXのパワーに振り回され気味であったとも述べ、アムロたちのアドバイスがなければ、機体に『乗せられていた』とハッキリ認める。

 

「いやぁ、あの時は機体に振り回されてさー」

 

「よく動かせたな?」

 

「転生してんだから、前のあたしと一緒にしないでよー!ツインサテライトキャノンで綺麗さっぱり薙ぎ払ってやったけど、それまでが大変でさー…」

 

「月面であれを撃ったのか」

 

「大丈夫だって。敵がかなり強いフィールド持ちだったから、被害なかったよ」

 

「ジオン脅威のメカニズムという奴か……しかし、お前も所帯持ちかぁ」

 

「そりゃ、あたしだって、大人になればさ、所帯くらい持つよー!」

 

この時、のぞみAは既に結婚し、世帯を持つ身である。そのことに妙な感慨に耽るブンビー。どこの世界でも腐れ縁なため、Aたちはブンビーとこうした会話を交わすのである。

 

「そう言っても、言うほど所帯染みちゃいないな、お前」

 

「失礼な~!これでも、旦那の戦力になろうと……」

 

「この子、生まれ変わっても、家事が相変わらずでさ」

 

「食事はできるようになったもんー!」

 

軍隊で当番制の炊事担当の経験(錦時代の経験だが)があるので、流石に食事は作れるようになっているとぶーたれるのぞみA。

 

「旦那の為とか泣かせるじゃねぇか、敵じゃなきゃ惚れるぞー畜生!!こっちはコンビニ弁当の毎日だぞー!」

 

と、こちらもブラック企業そのままの組織なため、コンビニ弁当の日々らしい。正式な改心前は悪の幹部だったはずだが、この月の給与はまだもらっていないらしい。

 

「ブンビーさん。そろそろ、いつものお約束ターイムだよ?」

 

「今日は穏便に頼むぞ。私はまだ、エターナルに属してる身なんだ。報告書に書ける程度の勝ち方を頼む」

 

「こっちも色々あってさ。悪いんだけど、今日は派手に行かせてもらうよ。レーザーブレェードッ!」

 

「おい!そこはキュアフルーレだろー!!なんで、宇宙刑事ギャバンだかシャイダーの武器を持ち出すんだーー!!」

 

「あれは単独じゃ技を撃てないんだよね」

 

「何だその理由ーーー!?」

 

「それに、このレーザーブレードは伊賀電さん…宇宙刑事シャリバンから譲られたものだよ」

 

「どこがどう違うんだーーー!」

 

「柄のデザインがかっこよくなってるよー!」

 

 

「わかるかー!!」

 

「大丈夫!切断じゃなく、打撃に振り切ってるから痛いだけだよ」

 

「なんだそれー!?」

 

ブンビーは哀れ、レーザーブレード(宇宙刑事シャリバン仕様)のパラメータ調整の試し打ちの標的にされた。打撃にパラメータを割り振った場合のレーザーブレードはエネルギーで痺れさせ、打撃で相手を昏倒させる『警棒』に近い武器となる。捕縛に割り切った場合はロープ的な使い方もできるが、それはギャバンタイプのコンバットスーツのレーザーブレードの当初の機能ではない。シャリバンの赤射タイプのレーザーブレードは焼結タイプの前段階にあたるので、ギャバンタイプより新型のレーザーブレードを持つ。ギャバンタイプは古い型式のコンバットスーツらしい。三つの長所を組み合わせたモノが『ハイテククリスタルスーツ』(結晶)タイプ。その被験者が伊賀電だが、任務が特務に属するので、最近は『城洋介』名義で時空戦士スピルバンを名乗っている。

 

「ふっ!!」

 

のぞみAはドリームとしての通常フォームだが、武器の扱いが桁違いに上手いため、ブンビーは怪人態でありながら、太刀筋が見えなかった。そして。のぞみAの持っている得物が宇宙刑事シャリバンのそれだからか、どういうわけか、夕日をバックに袈裟懸けに斬り裂くようなアクションとともに。

 

「シャリバンクラァァシュ!!」

 

「まんま叫ぶんかいーーー!?」

 

とはいえ、レーザーブレードのエネルギーが炸裂し、ど派手に爆煙が上がる。宇宙刑事やそれに準ずる捜査官の持つレーザーブレードは必殺武器の扱いなので、かなりの高密度エネルギーを纏う。爆発はそのエネルギーによるものでもある。

 

「ふぉわーーー!?覚えてろ~!」

 

遠くへ吹き飛ばされ、涙目で逃走するブンビー。宇宙刑事たちの間では『様式美』と伝わる『必殺技を放った後の残心』。そこまでが必殺技の決めポーズなのだ。

 

「本当は例のBGMを、ムードもりあげ楽団で流したいくらいなんだけどね」

 

「あんたも好きねぇ」

 

と、レーザーブレードを譲り受けたので、武器に相応しいBGMをムードもりあげ楽団でかけたいというなど、すっかり『ドラえもんのいる生活に慣れている』のがわかる。戦間期のとある日常だが、B世界のプリキュア5、とりわけ、のぞみBにぶーたれられるのも日常風景であった。

 

「宇宙刑事たちから『コスミックハーレー』も習ってるし、抜かりはないさ。ここのあたし、ぶーたれてるんだよね」

 

「そりゃ、現役時代のあたし達じゃ、組織の連中には太刀打ちできないし。5人がかりでも、エターナルの館長に手も足も出なかったしさ」

 

「今だったら、サシで倒せる自信あるけど、『あの時』はアナコンディが連れて行ったようなもんだしねぇ。この世界だと、あたしが倒す事になるね」

 

「まぁ、超プリキュア化しても、『第一段階』だものね」

 

「第一段階は翼が生えて、技のクールタイムが短くなるくらいだもん。仮面ライダーみたいにパワーが極端に上がるわけでもないから、あたしのシャイニングやエターニティが羨ましいんだろうね」

 

「隣の芝生はなんとやら…って奴よ。シャイニングやエターニティは後輩の最強フォームに相当するし」

 

「普通に行けば、ドリームキュアグレースになれるんだし、拗ねる事ないと思うんだけどね」

 

「それはずいぶん後の話じゃないの」

 

りんA(キュアルージュ状態)はツッコミを入れる。アニメで後輩の最強フォームに相当する形態をキュアドリームが新規に手に入れるには、本放映当時からは15年近くの年月を必要とした。実質的にプリキュア全体の代表格に近い立ち位置である彼女でも、現役引退後に新規フォームを得るには、そこまでの時間が必要であったのだ。

 

「うーん~…。」

 

と、メタ的な意味でも、なんとも言えない気持ちののぞみAであった。

 

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