ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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ダイ・アナザー・デイの戦いの補完の一つです。


第三百六十六話「ダイ・アナザー・デイの戦い 11」

――ダイ・アナザー・デイが始まって、しばらくが経った頃。青年のび太は黒江の要請で、SONGに参戦を要請した。調の実質的な保護者として。切歌は経緯が経緯であるために迷ったが、結局は参戦した。そんなある日の事――

 

「ばーちゃん。シンフォギアの解除ができねぇんだけど、どーなってるんだよ」

 

「一時的な機能異常だ。一、二週間ほどすれば、機能は回復する。関連性がなく、物理法則も異なる世界に飛んだんだ。何もないはずねぇよ」

 

「つか、帰っても、それ使ってんのかよ?」

 

「これはコピーだよ。俺たちの能力なら、まるっとコピーできるからな。それはそうと、うちのバカがやらかして、すまなかった」

 

「アイツには謝ったのか?」

 

「ああ。土下座もしようとしたが、さすがに未来に止められたよ」

 

「でもよ、あたしらが加わって、勲章とかもらっても、意味なくねぇか?」

 

「もらえるもんはもらっとけ。時空管理局の出先機関がお前らんとこの口座に、礼金とかを振り込むからな」

 

「ん?前の時と、瞳の色が違わないか?」

 

「瞳の色は変えてある。見分けつかないからな。俺、軍の上の方の階級だから、元の顔が顔バレしててな。こういう作戦の時に色々と不都合がある。だから、調の姿を主体に、いくつかの姿を使い分けてる。今日は調の奴が別行動で敵の泊地に潜り込むから、その揺動と欺瞞を兼ねてる。あいつはしばし休ませたいから、お前を呼んだ」

 

「なるほどな。まぁ、あたしとなら、特段の違和感は抱かれねぇからな」

 

黒江はこの時、久しぶりにシンフォギアを使っていた。調が潜入調査をするための揺動である。クリスを伴うのは、行動に信憑性を持たせるためであった。

 

「でもよ、あたしでいいのか?」

 

「他の連中には、他のことをやらせてるからな。しかし、リコが『マリアの妹』(セレナ・カデンツァヴナ・イヴ)の転生とは思わんだ」

 

「予想外だったのか?」

 

「転生しているだろうとは言ったが、まさか、転生しても、戦に関係しているとはな。マリアが裏で大慌てだったぞ。プリキュアって商売は良くも悪くも、人々が願う限りは不滅だからな」

 

マリアはセレナが『戦から解放される』事を願ったが、皮肉な事に、プリキュアに転生していた。そのため、転生後の姿である『十六夜リコ』を溺愛するようになっており、リコを苦笑させている。

 

「マリアとしては、生まれ変わったら平和に暮らして欲しかったんだろーな。それが……プリキュアなんて」

 

「まぁ、こればかりは神様のご意思で、俺たちにどうこうできる話じゃないからな。記憶を保持したままの『他人への転生』は……ある種、暮らしにくいものだ。だが、マリアには良かったかもしれん」

 

リコがセレナとしての記憶を蘇らせたことは賛否両論だが、天涯孤独となっていたマリアにとっては『幸せ』である。マリアは妹を失ったことが何よりの心理的外傷であったので、リコが前世の記憶を蘇らせたことで、それが解消される、ないしは緩和されることが期待されている。

 

「マリアはそれでいいかもしんねーが、あいつはどうなる?」

 

「二重人格の新しい人格の分離の試みを今後にやってみる。あいつ個人としての資質は別にある可能性がある。この戦は、あいつにはきついからな。下手すれば、太古に悪魔と呼ばれた種族とも一戦を交えるかもしれんし」

 

「悪魔だって?」

 

「デーモン族。神が太古に生み出したが、失敗作と見なした存在。神に反抗した大天使の一人の力で存続した。その凶暴性や醜悪な姿から、原始時代の人間から恐れられた種族で、無機物とも合体できる能力を持つ。未来世界で姿を現し、俺たちの敵になっている。とはいえ、奴らの合体能力にはリスクがある」

 

「リスク?」

 

「人間と合体した場合だが、相手側が精神力の強い人間だったら、逆に人間側に全てを乗っ取られる。その事例は『デビルマン』と呼ばれている」

 

「デビルマン……」

 

「最初の事例だった青年がそう名乗ってるから、デーモンと合体して尚、理性を保った者たちを指す用語になった。『悪魔人間』じゃアレだしな」

 

デビルマン。その力はマジンガーZと対等以上とされる特異な存在。不動明は戦闘を得意とする上位のデーモンと融合したおかげで、デビルマンとしては最上位の力を得ている。(不動明と合体した『アモン』は勇者と讃えられるほどの猛者であったため)

 

「そんな連中ともドンパチするから、アイツにはきつい戦場だ。話し合いの余地がゼロだからな、はっきり言って。」

 

「だから、未来が代わりに戦うって言い出したのか?」

 

「そういう事だ」

 

 

黒江は未来がきたことは『誤算』だと認めつつも、血で血を洗う戦場は立花響には辛いだろうと明言した。シンフォギア世界の戦いのような話し合いの余地が殆どない『戦争の体をした生存競争』になりつつあるからだ。

 

「それと、プリキュアの連中は転生者だから、お前より年上だ。今度会ったら、それなりに口の聞き方は気を使え」

 

「嘘だろ、おい!?見かけはわけーぞ!?」

 

「現役時代の頃の姿なんだから、そこはしょうがない。さて、大げさに暴れて、調が潜入しやすいようにするぞ」

 

「へいへい、わかったよ」

 

二人は敵の駐屯地を荒らした。M4中戦車程度は二人の敵では無いのもあり、敵は右往左往するだけであった。

 

「敵の戦車だけど、M4しかいねーのか?」

 

「M26も出始めたが、あれらは精鋭に優先的に回されてるから、末端はM4の初期型のままだな。硬心徹甲弾も月に一度の補給があれば良いほう。シンフォギアなら、砲弾に耐えられんだろ?」

 

「あのバカみたいに、拳で弾くなんて真似はできねぇけどな。ミサイルがあまり使えないのがきついよ」

 

「M粒子が巻かれると、23世紀の最新式のミサイルでも、100パーの命中率は出ないから、そこはしょうがない」

 

「ばーちゃん、なんだよ、その拳銃」

 

「うちが懇意にしてる兵器開発のスペシャリストの敷島博士が作った特別製のものだ。ドラえもんの『ジャンボガン』っていうもんを、彼がリバースエンジニアリングして生み出した。反動はあるが、片手打ちできる程度。威力は大口径戦車砲以上だ」

 

黒江がシンフォギア姿で撃つのは『プロト・ゲッタードラグーン』。ゲッターノワールのドラグーンの大元となったという拳銃。技術的にはドラえもんが持つ『ジャンボガン』の傍流の子孫にあたるという。見かけはコルトM1848やコルトM1851などの古風な拳銃を模しているが、機構はちゃんとコルトSAA以降の回転式拳銃に準じている。

 

「拳銃で戦車をぶっ飛ばせるのは反則だな」

 

「反動を抑えないといかんから、力がいるけどな」

 

クリスは得意のダブルガトリングガンを撃ちまくる。ミサイルを撃たないのは、M粒子で『打ちっぱなしのロケット弾も同然』に使うしかないため、やたらめったに撃てない事情による。クリスのダブルガトリングガンは第二次世界大戦レベルの中戦車であれば、正面装甲も撃ち抜けるため、銃身冷却の時間を考慮に入れても、充分に遠距離から制圧できた。

 

「機甲兵器からの反撃はないのか?」

 

「こっちの完全な奇襲だ。エンジンを温めてる時間があるか?」

 

「言えてるな。砲兵陣地は?」

 

「懐に入り込んだ以上は『カカシ』だ。撃ってくる敵兵は麻酔弾で眠らせておけ。ペンダントへの被弾は注意しろ。弾丸に魔力が込められてれば、バリアフィールドを貫通されるからな」

 

「面倒くせぇ」

 

シンフォギアのバリアフィールドは、魔力を込めた弾丸であれば貫通する。それは黒江が暴走した切歌の動きを止めるため、『ゲッタードラグーン』で攻撃したところ、見事にシンフォギアのバリアフィールドを貫通し、ダメージを与えた事例で証明されている。とはいえ、ゴルゴに撃たれない限りは通常の弾丸は問題ない。二人はとにかく撃ちまくり、戦闘車両の相当数を沈黙させる。兵士たちは麻酔弾で眠らせ、弾薬庫はクリスのミサイルで吹き飛ばす。

 

「今ので戦闘車両は最後だ。弾薬庫はミサイルをばら撒いて吹きとばせ!」

 

「よっしゃあ!」

 

大まかな照準を駐屯地の弾薬庫に合わせ、クリスは大型ミサイルを放つ。単純に吹き飛ばすことが目的なので、大型の数発で事足りる。

 

「よし、後はそのへんのジープを奪って逃げるぞ!」

 

「なんだそれ!?」

 

「残ってる兵隊は気にすんな。ずらかるぞ」

 

二人は放置されていたジープを動かし、弾薬庫の爆破を見届けつつ、その場を去る。あっさりと片付いたが、二人の実力からすれば、当然の流れだった。この爆破の隙を突く形で、調は無事に敵地に潜入したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――こちらは連合艦隊。日本の背広組からは小馬鹿にされていたが、主力艦艇は既に高度に近代化済みであり、時代相応の装備が大半のリベリオン艦隊を圧倒せしめた。大和型戦艦『甲斐』(史実でいう『111号艦』に相当)はM動乱後半に就役。ダイ・アナザー・デイには第二戦隊所属で参戦。以後、扶桑きっての武勲艦として名を馳せる。大和型の難点であった速力も32ノット前後に改善されている他、連合艦隊主力の高速化で『艦隊の平均速度』も大きく改善されていた。彼らは1945年時点のウィッチ世界では、紛れもなく『最強の艦隊』であった――

 

 

 

 

 

――フレッチャー級などの米新鋭駆逐艦の登場で、ハード面の旧式化が目立ち始めた扶桑の駆逐艦。しかしながら、少数であるものの、ダイ・アナザー・デイの時点で戦後型が加わっており、総合能力は改善されつつあった。大和型そのものも『直接防御を見直し、間接防御の強化に重量を回す』という改良案が破棄され、『重量増加を承知で、全体的に強化を施す』案に切り替えられた。これは日本側が史実の大和型の沈没原因をこれでもかと艦政本部に突きつけ、モンタナ級戦艦の40cmSHS弾の威力を以て、装甲厚削減案を封殺した影響によるものである。副砲はミサイル兵装とレーザー兵装の搭載で代替され、空いた箇所にCICの一つを置く事となった。これは日本側が『1トン爆弾が落とされたら?』と副砲の撤去を強く圧したからで、結局は副砲の代わりはレーザー兵器とミサイル兵装が勤めることになった。主砲も『宇宙戦艦ヤマトと同規格のショックカノン』に換装されていたので、モードを切り替えれば、ショックカノンを撃つことができる。そのため、改大和型の艦容は未来的なところと、古き良き日本海軍型戦艦のDNAが入り交じるものとなった。――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――この艦容はダイ・アナザー・デイで始めて通告された。当時の扶桑は『ヒンデンブルク&モンタナショック』に陥っていたため、空母増勢派は勢いを無くし、戦艦の増勢=世論となっていた。更に言えば、航空機が発達してゆくと、35000トン級では『軽空母』にしかならず、装甲空母の運用構想が机上の空論に終わる事もあり、空母の技術革新が必要になるため、大鳳型の増勢は中止。雲龍型も多くが他用途転用が決まった。しかし、『空母』としての運用をされた雲龍型は実際には建造数の半数以上に上った。ブリタニアがまともな空母機動部隊を有していなかったからで、雲龍型が艦隊空母として一線を張れた最初で最後の戦がダイ・アナザー・デイであった――

 

 

 

 

――蒼龍型航空母艦は史実の翔鶴型相当の大きさで竣工していたため、翔鶴と瑞鶴は『蒼龍型の後期艦』という扱いであったが、日本側の要請で、独立した艦型として扱われるようになった。それに大鳳が組み込まれたため、扶桑の艦型種別表はM動乱以降の短時間で、書き換えと改訂が何度も行われたことになる。装甲空母という枠組みも廃止されたため、大鳳は時代の徒花となった。とはいえ、防御力強化の観点からは、ある意味で正解であったのも事実だった――

 

 

 

 

 

――それらを改善し、全ての点で戦後型の要項を満たす新型空母の竣工は『1949年』(後に、1952年へ先延ばし)とされたため、既存空母だけではどうあがいても戦力不足。悩んだ扶桑軍は地球連邦軍が軍縮の過程でモスボール保存していた『最後の洋上空母』をまとまった数で購入。人員は暇を囲む『地球連邦海軍』の人員をレンタルする事で賄う契約を結び、ダイ・アナザー・デイの開始前から続々と戦列に加わった。その艦載機はF-4EJ改やF-14などの『20世紀後半以降の機体』で、日本側の意向を汲んでのセレクトであった――

 

 

 

 

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイの当時、扶桑は零戦、隼などの既存機のサブサイプの生産切り替え、新型発動機(ハ43など)を積む新型戦闘機の増産体制の構築でアップアップであった。敵機の性能向上も凄まじく、震電や閃電でさえも、早晩の旧式化は避けられない見通しであった。その事も両機の運命を暗転させた。その一方で、『枯れた技術の水平思考』の集大成である『五式戦闘機』は隼に代わる主力戦闘機となることになり、隼の損耗は同機で補われ始めている。排気タービンの搭載で、高高度性能も改善した同機は初期生産機の多くが『日本軍義勇兵』の手で使われた事もあって、獅子奮迅の活躍を見せた――

 

 

 

 

 

――黒江の知り合い(釣り仲間)の元日本兵の老人達も、青年期に若返った上で義勇兵となっており、少なからずが五式戦闘機を駆っていた。双発戦闘機より単発機のほうが気が楽とは、彼らの談――

 

 

「こちら、荒鷲一番。そっちにシコルスキーがいったぞ」

 

「荒鷲二番、了解。シコルスキー如き、キ100の敵じゃない」

 

五式戦闘機が空で乱舞し、F4Uを翻弄。次々と撃墜する。実戦経験がある者が乗る五式戦闘機はまさに空の王者であった。ラダー操作も駆使し、見事に攻撃を回避。F4Uの背後を取り、20ミリ砲を撃ち込み、撃墜する。

 

「久しぶりにやってみたが、体が覚えてるもんだな」

 

「まぁ、キ45で単座機とやり合えと言われる戦時中よりも、今のこの状況の方がはるかに気が楽だ」

 

「確かに。もうちょっと早く、キ100が出てたら、一矢報いることくらいはできたかもな」

 

「343空が関西でやったようにな。せめて…」

 

史実の戦争後半の陸軍飛行隊は海軍の343空のような華々しいエピソードはあまり残されていない。244Fや明野飛行学校を改変した戦隊の細やかな抵抗が慰め程度に伝えられる程度。その防空戦の当事者であった彼らは、技術格差もなく、万全の状態で戦える喜びを噛み締め、通信を交わしつつ、敵を落とす。史実と違い、ウィッチ世界では、サッチウィーブなどの高等戦術が通常戦闘機同士の戦闘で用いられていない。しかし、連合軍の手には、第二次世界大戦以降も発展を続ける空戦の全ノウハウが伝えられた。その違いも、連合軍の質的優位に繋がった。

 

「三番、慎重に狙え。アメ公の飛行機は頑丈だからな」

 

「了解」

 

五式戦闘機の編隊はこうして、一糸乱れずに攻撃する。対するリベリオン軍は経験不足を露呈し、『飛行機の性能を活かせない』。彼らのような義勇兵がダイ・アナザー・デイの空を支えたのである。史実の鬱憤を晴らすかのような五式戦闘機の活躍ぶりは、同機を隼の後継機種にまで躍進させる。それを目の当たりにした長島飛行機は嚮導機も同然の『四式戦闘機』を純然たる戦闘機へと、取り急ぎの設計変更をするものの、機体に必要とされる武装が20ミリ砲以上の大口径砲になった事で『大がかりな機体の設計変更』が結局は必要となったのは言うまでもない。

 

「キ84はどうなる?」

 

「いらんだろ、あんなの。キ100の一機はあれの三機分に相当する戦力だ。それに、整備兵が泣く」

 

「そうだったな」

 

「それよりも、F-86を催促した方がいい。あれはジェットだからな」

 

この義勇兵たちの会話からもわかるが、ウィッチ世界の四式戦闘機は完全に『戦闘機化したところで、紫電改と大差ない性能にしかならないのでは?』という試算も出るに至った。とは言え、経営難に陥る危険もある長島飛行機への救済措置も兼ねての計画承認であるため、欧州戦役に間に合うかは度外視されている。実際に、戦場での重戦の需要は陣風(山西航空機系最後のレシプロ戦闘機。紫電改の後継機種であるとされるが、実際は別計画の同名の試作機を未来技術で完成させたものである)で賄われることになり、四式戦闘機の居場所はほとんど無くなっていた。義勇兵にも、この言いようで、ほとんどぞんざいに扱われるあたり、四式戦闘機の悲劇であった。とはいえ、紫電改より航続性能と防御力で優れていたのは事実。老朽化していた鍾馗(二式単座戦闘機)を代替する用途での限定生産が行われ、一応は第一線で使用された記録が残されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――五式戦闘機は『史実より程度のいい工作精度、高オクタン値の燃料、史実より無茶の効くエンジン』の三拍子により。史実以上の高性能をマーク。機体も史実より軽量化されていたため、F4U程度であれば、カモにできるだけのポテンシャルを発揮した。特に、急降下性能は原型機譲りのもので、急降下した敵機を追える実力を備えていた。そこも五式戦闘機の名声を高める理由だった。繋ぎ目的での量産には変わりなかったが、日本機として『高速・機動性・高火力』の三拍子揃った機体であるため、実戦で次第に数を減らす『隼』に代わる主力機としての本分を果たした。その五式戦を更に代替する機体として、『F-86』が選定されたのは、それらの活躍がマスコミを賑わしている『まさにその時』であった。また、水上戦闘機が時代遅れとなり、ヘリコプターに多くの役目が代替されていったが、最後の水上戦闘機隊がダイ・アナザー・デイで戦果を挙げており、事実上、これが最後の華と記録された――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――五式戦闘機はいわゆる『枯れた技術の水平思考』で構成された『間に合わせ』の機体で、胴体と翼は飛燕のものが流用されている。しかしながら、液冷エンジン関連のあれこれが排除されたために、飛燕の欠点が解消された。皮肉な事に、空冷エンジンで機体設計の正しさが証明されたわけだ。液冷エンジンは日本人の手に余るとされ、大馬力化した空冷エンジンが液冷エンジンを駆逐してしまったわけだ。(P-51とて、マーリンエンジンがなければ、凡作である)史実のメタ情報もその後押しとなり、飛燕が原型通りでダイ・アナザー・デイの第一線で用いられることはなかった。そのことへの反発が、扶桑でのクーデターの一因となる。メタ情報は有益性ばかりをもたらすわけでもないのだ――

 

 

 

 

 

――自由リベリオンは超大国化するアメリカという史実のメタ情報が災いし、常に扶桑への『血の献身』を強いられる。扶桑も、中堅や上級将校の少なからずを政治的理由で失脚させられたため、将校の人手不足が顕著になる。ダイ・アナザー・デイ後のクーデターも痛手となり、ウィッチ兵科は解消に向かう。とはいえ、既得権益化していたモノが解消されるため、好意を以て迎えられた他、志願制への移行で良質な人材が得られるという楽観的予測もあった。だが、実際は農村部の中卒ですらない少女らの『花嫁修業の場』代わりも同然に見られていたため、猛反発が起こった。昭和天皇の玉音放送で表立っては収まるが、逆に『身分を問わず、都市部の少女らに負担がかかる』流れとなる。そのため、七勇士~宮藤芳佳らの世代までの若者たち(1945年当時)に軍ウィッチの存在意義の証明の双肩がかかる事になり、後の時代にまで強い影響力を持つことになる――

 

 

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイでの士官級のウィッチの多くは『1945年当時で15歳以上の世代』であったが、更にその半数は『ウィッチとしては高齢』であり、『先が見える年頃』であった。R化してまで、現役にこだわる者は実は少なかったが、現場の人手不足と『新人がこないし、入らない』という危機的状況が意識を変えた。例として、ダイ・アナザー・デイに参戦を予定していた111Fと112Fの幹部クラスはR化処置を受けた『明野飛行学校の教諭と助教』であった。同部隊は結成の根拠となった指令が存在しない扱いになった兼ね合いで、南洋島に人員が軟禁された。しかし、一部の先行して向かっていた隊員がそれに反発。独断で欧州に向かい、64Fへ合流。結局はダイ・アナザー・デイを孤軍奮闘する64Fへの補充要員として扱われ、自主的に同隊に加わった者は最終的に、同戦隊の予定人員の三分の一近くに膨れ上がった。仕方ないが、日本系軍隊では『後方任務を続けていると、現場の人員に馬鹿にされる』風潮があるため、前線勤務を望む者は多いのだ。そこが防衛省背広組の誤算であった。64Fはこうした僥倖も重なる形で、所属隊員の層を厚くしていったのである――

 

 

 

 

 

 

――64Fは序盤からティターンズとの戦闘の矢面に立たされたわけだが、プリキュアの参陣で圭子たちの負担は軽くなったが、それでも、当時はまだ、そのポテンシャルは未知数。怪人に技が通じない事もザラにあり、のび太が呼び寄せたヒーロー達に助力される事もおなじみの光景であった。最も戦闘ポテンシャルの高いプリキュアでも、南斗聖拳の前に苦戦することはザラ、崋山系の拳法相手でも優位に立てないため、ヒーロー達による特訓は訓練に組み込まれていき、仮面ライダースーパー1や仮面ライダー一号とのスパーリングは難関であった。変身前の時点でも武道家、ないしはスポーツ万能の超人である二人の特訓は苛烈で、『全速力のジープで追いかけ回す』、極寒の地の滝に打たせ、そこで攻撃のタイミング図りの特訓をさせるなど、『どこかで聞いたような』昭和のスポ根ものもかくやの特訓を課された他、素体の実家が草薙流古武術の伝承家であったキュアドリームには、その特訓も課された。ヒーロー達による『地獄の特訓』は苛烈で、ドリームたちが現役時代の最強形態で南斗鳳凰拳に敗れた後には、そのボルテージも、ますますアップすることになる――

 

 

 

 

 

 

 

――この特訓はフェリーチェや調も、長年の野比家への滞在期間中に受けていたため、ダイ・アナザー・デイ参戦時には『史実』、あるいは『現役時代』とは比較にならない強さを手に入れていた。フェリーチェは敵に南斗聖拳の使い手が多数いる事が判明した事で、のび太が送り込んだのだが、20年近くの特訓の成果により、徒手空拳、武器を使っての戦闘の双方を高次元でこなせるようになっている他、現役時代にはない技を身に着けている。一方の調は聖闘士になったが、上級の聖闘士ではなく、黄金聖闘士、ないしはそれに準ずる権限を与えられた聖闘士ではないので、聖衣を自由に纏う権利は与えられていない(当時)。そのため、普段使いはシンフォギアのままであった。とはいえ、イグナイトとアマルガムが機能として共存(イグナイトの根幹である魔剣が消失していないためと、他世界の同一のギアとの共鳴でアマルガムの機能が追加)し、任意でエクスドライブ(通常型)になれる上、聖闘士としての闘技はシンフォギアを着ている状態でも放てるので、史実を大きく上回る戦闘能力を持つ。とはいえ、マリアが調を『単騎で戦わす』事に強く反対したため、聖闘士に転じた後の時間軸の『大人切歌』がタイムマシンで呼び寄せられ、調のバディを務めた。これには、子供切歌に発破をかける目的も含まれていたが、大人切歌にとっては、過去の自分に『希望を与える』事も目的に入っていた――

 

 

 

 

 

 

――キュアダイヤモンド/菱川六花が『光明結社とSONGが戦闘に至った世界線のサンジェルマンの生まれ変わりであった』事は立花響への光明となり、キュアドリームとの出会いが立花響個人の持つ『プリキュア因子』を呼び覚まし始める。後にこの出会いが、キュアドリームとキュアグレースに『ドリームキュアグレース』形態への扉を開かせるわけだが、それはダイ・アナザー・デイからは未来に属する出来事である――

 

 

 

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