ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百八十七話「ダイ・アナザー・デイでの戦いその18」

――連合軍は結局は他力本願でダイ・アナザー・デイを戦うしかなかった。リベリオン軍の離反で補給力が致命的に低下し、カールスラントの離脱で兵器の数も減少していたからだ。海では問題はないが、陸と空で物量不足が顕著になった。扶桑の保有する殆どの飛行機を動員しても、10000機にも届かないため、日本側は負け戦としたが、超兵器がそれを覆した。扶桑も必死に増産をし、新型機を生産した。P-51とP-47を打倒するために。それらは熟練兵に優先配備された。消耗戦で既存機は数を減らしていたからだ。ウィッチはサボタージュで活動していなかった時期が数週間あり、その間に対策が立てられた(魔導師にも効力を発揮する)ため、空戦ウィッチ部隊の多くは狩られる側に転じた――

 

 

 

 

――スタンドオフ兵器が大規模に使用されたためもあり、ストライカーの防弾板を外して運用することが常態化していた空戦ウィッチは『小銃弾にも耐えられずに、ストライカーが致命傷を負う』ことが常態化した。64Fを別として、M粒子での通信妨害も常態化していたのも、損害の理由であった。単騎技能の平均値が世代交代で低下した時代であるのもあり、せっかくの利点を活かせずに終わるケースが多く、中堅ウィッチもジリ貧で消耗してしまった。精鋭と評判であった、ブリタニアの『グローリアスウィッチーズ』に至っては、到着初日に『組織的作戦能力を喪失する』有様だった。赤っ恥をかいたブリタニア空軍は同隊の隊長を叱責したが、『隊員の世代交代期だったんですよ!?』と言い返すなど、グダグダであった。64Fが戦果を挙げていくに従い、その特異性も際立たせた。結局、グローリアスウィッチーズの壊滅はブリタニア空軍の権威を凋落させ、64Fの地位を更に高める結果に終わった――

 

 

 

 

 

 

 

――ブリタニア軍は空母機動部隊もささやかなものであったため、ダイ・アナザー・デイで宛にされても困るのが現状であった。扶桑軍も近代化を急いだが、認識の違いで手違いが多数発生したため、結局は地球連邦から多数の兵器を供与してもらうしかなかった。(この時に蒼龍型から『翔鶴型航空母艦』が独立し、大鳳が翔鶴型航空母艦に組み込まれた)また、急場凌ぎで水雷兵装が復活した(例として、高雄型重巡洋艦は再改修で史実通りの諸元に戻されたが、以前に内部を弄くり回したため、性能バランスが崩れ、中途半端になった)ため、既存戦闘艦艇の多くは再改修で欧州までの行程で航続距離が足らなくなってしまう問題が浮上した。派遣は新型艦を使用することで解決が図られた。

一時は『見栄で計画された』と揶揄されていた超甲巡が量産された背景には、『水雷兵装が必要になったのは認めるが、既存艦艇を再改修するには手間がかかりすぎるし、何よりも工廠の人員がショックを受ける』という身も蓋もない理由だった。

M動乱とダイ・アナザー・デイは水雷兵装の復活のターニングポイントとなり、艦艇搭載のミサイル装備の果てしなき高額化も判明したため、ミサイル万能論はこの時期、ウィッチ装備で蔓延る(一時的な流行だが)ことになった。――

 

 

 

 

 

――カールスラントは簡易的な誘導機能を備えた改良型のフリーガーハマーを用意していたが、M粒子の影響でそれが用をなさなくなった上、M粒子の介在しない場でも、セイバーフィッシュやコアイージなどの戦闘機には通用しない(チャフやフレアに容易に引っかかるし、機動性で振り切れる)ため、正式な生産ラインには載らなかった。とはいえ、弾頭の生産は既に始まっていたし、何よりも、フリーガーハマー使いは改良を望んでいたため、『再装填可能なようにしたモデル』がひとまずの対策として量産された。だが、その著名な使い手であったサーニャは『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』として活動をしているので、フリーガーハマーを今更改良されても、使う場がないのだ――

 

 

 

 

「今更、これを渡されてもなぁ」

 

「うちの妹が送ってきたんだ。今回は揺動班に回されたから、これは目眩ましにはなるよ」

 

「再装填可能ったって、その暇ある?」

 

「今までは一発づつ撃って、最大で9発くらいだからね。継戦能力は増すとか言ったってねぇ」

 

フリーガーハマーは打ちっぱなしの兵器なので、再装填可能と言われても、戦闘中にそれができるとは思えない。(実際、フリーガーハマーはその後、似た用途を果たす兵器に代替されている)

 

「今のご時世、連合軍の爆撃部隊の高官たちが史実の結果で叩かれて、直に退役を政治的に余儀なくされるからね。あたしたちの好きにできるのはいいんだけど」

 

「ああ、ヘンリー・アーノルド元帥に、アーサー・ハリス元帥」

 

「アーノルド元帥は発言の揚げ足を取られて、依願退職に持っていかれて、ハリス元帥は暴漢に足を刺されて、杖を手放せなくなって、失意の内に退役の見込み。これで、爆撃部隊は肩身が狭くなるよ」

 

「彼等が虐殺まがいの爆撃した史実を考えればね。弾道ミサイルが現れたら、ますます予算は減らされるよね。元帥クラスでも首にされたんじゃ、兵隊たちは…」

 

「案の定、パニクってる。未来兵器の導入を進めたのは、数を揃えなくなるからってんでの対策なのにさ」

 

「あなたの妹…、本当に転生者?」

 

「……のはずなんだけどねぇ。生粋の技術屋だから、未来技術を一足飛びに使うのをチートとか言って反対してね。この時代のドイツ製ジェットエンジンは耐熱合金の質が悪くて、耐久性低いってのに」

 

「日本やアメリカが、現用機のF-15やF-16を飛ばしてんのに、何言ってんだろ」

 

ハルトマンとイリヤは、現状を顧みない『無能な働き者』と化しているウルスラに呆れていた。擁護するなら、ウルスラはこの時期、多くの開発プロジェクトに参画しており、それを成功させたいあまりに視野狭窄に陥っていた。だが、ティターンズとリベリオンの急速な兵器開発の進行は彼女の予測を上回り、F-84FやB-36などの戦後世代兵器が1945年に飛ぶに至った。こうなると、Me262は単なるカモ、どんなカールスラントの迎撃機もB-36には手が届かない。(B-36は13000mを飛べるので)日本連邦は大手を振って、未来兵器の使用をしまくっているが、それでも、一進一退の戦局に影響はない。

 

「富嶽も被弾率が上がってきたから、直にジェット機に置き換えられるっていうのにな」

 

「富嶽って、架空戦記お馴染みのあれ?」

 

「扶桑は1943年に完成させてたらしーよ。ウィッチ輸送機の名目で。量産されたのは、M動乱からだって」

 

「使うの?」

 

「元は取りたいらしくて、1950年代いっぱいは現役だって」

 

「それでボンボン使ってるわけ?」

 

「ジェット機が普及したら、使えなくなるだろうからって、大盤振る舞い。。元の権利持ってた海軍は泣いてるけど」

 

「どうして?」

 

「誘導魚雷の母機に使いたかったらしいんだ。まぁ、そんなの持たせるより、巡航ミサイルを積んだほうが早いんだけど」

 

富嶽は維持費も高額な事から、投入が躊躇われていたものの、リベリオンの連合軍からの離脱に伴い、『主力重爆』として投入。20トンの搭載量(15トンに削減する案もあったが、元々は魚雷を搭載する予定もあったので、そのまま据え置かれた)と当時有数の自衛武装で活躍していた。だが、流石にジェット機相手では分が悪く、被弾する機が続出。その事から、ジェット化がこの頃から研究され、既に試作が進行している。とはいえ、戦略爆撃機は維持費もかかるので、機種統合も検討されている。しかし、当時は富嶽ほどの能力を持つ連合軍側の戦略爆撃機はないため、結局は連山の発展型『浅間』を開発し、ハイローミックスで運用し、富嶽を補う事で決着する。旧来の軽爆撃機が戦闘爆撃機に飲み込まれてゆく変革の最中、超重爆は戦術用途にも用いられ、生き延びる。富嶽はジェット化された後継機『飛天』の量産が軌道に乗るまで生産され、連合軍の主力重爆として活躍した。そうして、無事に退役を迎えた量産一号機は日本に提供され、博物館に展示されたという。

 

「さて、せっかくだから、使ってみるかな」

 

イリヤは対空用途に改良型フリーガーハマーを使わず、対地用途で使用する。夢幻召喚での宝具のほうが効率がずっといいからだ。

 

「対地で?」

 

「戦闘機は宝具で薙ぎ払うほうが手っ取り早いんだもん。それに、打ちっぱなしのロケットをジェット戦闘機には当てるなんて、できないじゃん」

 

イリヤはぶっちゃける。元のサーニャとしては引っ込み思案だが、この姿でははっきりとモノを言う。

 

「さーて、せっかくだから、駄賃はもらうよ!」

 

フリーガーハマーの本来用途ではないが、眼下を走るM4中戦車の一団に叩き込む。車長用の機関銃はついているが、対空用に調整されているわけではないので、威嚇程度にしかならないので、二人のエースにはかすりもしない。

 

「トゥルーデじゃないけど、パンツァーシュレックを喰らえ!」

 

フリーガーハマーとパンツァーシュレックで奇襲を敢行した二人。隊列を乱し、手持ち火器を撃ちまくり、戦車を破壊する。天蓋装甲は21世紀のMBTであろうが薄いため、第二次世界大戦型では言わずもがな。五両ほどが破壊、三両が擱座させられる。この後、二人は白兵戦に移行。剣技で三〇両の戦車を『解体』するのだが、あまりに凄まじいため、空中援護機のパイロット達の間で語り草となったという。

こうした超人の活躍は清涼剤であるが、戦局を動かすには至らない。何から何まで他力本願になってしまった連合軍は、未来世界の超兵器に戦況の打開を祈願する有様であった。海軍は世界に冠たる戦力を誇っているが、陸軍は機械化が横槍で混乱したこともあり、リベリオンに比して貧弱極まる機械力で戦わざるを得ない部隊が続出。日本連邦が事実上は単独で戦う羽目となっている。ブリタニアは陸軍の大規模派遣を避けているため、日本連邦は『エース部隊が打ち込んだ楔を突破点とする』方法で打開を図っているが、実際は防戦一方である。そのため、地球連邦軍も城塞攻略用超重MS部隊を投入したり、連合軍の輸送網を自らカバーして、連合軍を助けている。

そんな時に、空戦ウィッチ部隊の多くは『初出撃で部隊が半壊した』か、『部隊そのものが一回の戦闘で壊滅する』有様であったためあらゆる戦闘方法で煌めきを見せた64F以外の部隊にとって、ダイ・アナザー・デイは苦闘の一言だった。

 

 

 

 

 

――別の日。綱渡り作戦の立案より2週間ほど前。

 

「母艦が『不幸』とレッテル貼りを受けた事の名誉回復のためにも、ここでふんばれ!」

 

元・大鳳所属の母艦ウィッチ達は強襲揚陸艦に所属が変わっていたが、大鳳が不幸艦とレッテル貼りを受け、『大鳳型一番艦』というアイデンティティさえ奪われたことに強い憤りを感じており、ウィッチ用としては『扱いにくい』と評判であった『20ミリ機銃』を以て奮戦していた。

 

「母艦ウィッチの底力を見せろ!我々の帰りたい場所のためにも!」

 

彼女たちは蒼龍、翔鶴、瑞鶴を経て、新造艦であった大鳳に属したが、近代化改修の煽りで大鳳を去らねばならかった。その上、母艦ウィッチの取り扱いが変化し、強襲揚陸艦に回されることに反発していた。だが、ジェット戦闘機はレシプロ機より遥かに占有スペースが大きいため、ウィッチ運用装備は『邪魔』でしかなかったし、空戦ウィッチは一部のエース級以外の者はホバリングを含めての『三次元戦闘』をこなせるわけではないのも、価値判断を難しくしていた。

 

当時は世代交代期で、全体の練度が低下する時代に突き当たっていたため、強靭な防弾装備を誇るリベリオン機の大群との戦闘は荷が重い感は否めなかったが、大戦初期の戦闘経験を持つ古参である彼女たちは『刀剣による戦闘のノウハウ』を持っていたのが幸いし、64F以外のウィッチ部隊では異例といえる戦闘を繰り広げていた。相手は『ウィッチ・ハンティング』担当のP-47戦闘機である。

 

 

 

「コンチクショウ!刀が……!」

 

しかし、彼女たちの闘志に武具が追いつかず、刀が次々と折れてしまう。彼女たちも万事休すだと思われたが、彼女たちの前に『孔雀』を思わせる空中要塞が姿を現し、窮地を救った。

 

「あれは……孔雀……?」

 

一人がそうつぶやいた。額から血を流し、戦闘継続が困難に陥った彼女たちの眼前に、雲を金切り音と共に切り裂きながら、孔雀型の飛行要塞が姿を見せた。その名も『バリドリーン』。

 

『スカイロケット、発射!!』

 

機体下部に搭載されたロケット砲が火を吹き、編隊ごと敵機を屠る。元々、空中戦艦が相手として想定されているバリドリーンにとって、第二次世界大戦世代の戦闘機などは、『赤子の手をひねる』ようなものだ。この時代の戦略爆撃機と同等以上の巨体を持ちながら、桁違いの機関出力の賜物か、高速戦闘機さながらの機動空戦を見せる。近くにいた巡洋艦と駆逐艦らもバリドリーンの餌食となり、一撃で轟沈する。

 

『あのウィッチたちを収容して、基地へ戻るばい』

 

『よし』

 

ゴレンジャーはこの後、ウィッチ達を収容し、基地へ帰還するも、帰りがけの駄賃でエセックス級空母を撃沈したため、エセックス級は既に五隻が撃沈、四隻が大破という損害を負ったことになるが、日本側はミッドウェイ級の量産を恐れたため、空母は何よりも優先して狙われた。さすがのリベリオンも、大型正規空母を立て続けに失えば、『政治的』な建前上、軍隊の立場が無くなる。それが希望であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――ダイ・アナザー・デイの戦力の中心が日本連邦であることは、その後のウィッチ世界の政治的パワーバランスに大きな影響を残す。ブリタニアは陸軍を供出せずに、陸戦兵器の供与に留めたが、海軍はきっちり活躍したため、欧州の盟主という名目を保つ。ガリアはペリーヌが(覚醒の影響で、ペリーヌ・クロステルマンとして、戦闘に参加することが減った)政治の世界に飛び込んだ事もあり、軍事的発言力が減退してしまい、日本連邦を仮想敵として再建を目指すも、結局は後々に力の差を見せつけられる。ロマーニャはタラント空襲が皮肉にも、海軍を温存する大義名分となった事もあり、ヴェネツィアの衰退と共にイタリア半島の盟主となっていく。カールスラントは政治的内紛が内乱に発展した結果、疎開先が紛争地帯となり、国家そのものが有名無実化してしまう。多くの有力な人物が日本連邦へ流出した事も打撃となり、『昔の名前で出ています』と言うべき惨状を呈していく。自由リベリオンは日本連邦の補助戦力と見做されつつも、有力な人物を多く抱えた事もあり、『正統なリベリオン政権』の地位を認められ、冷戦の終わる『1990年代初め』まで存続する。

 

 

こうして、列強の戦前のパワーバランスは崩壊し、1945年以降は日本連邦が名実共に『世界を主導する』ようになる。否応なしにそうさせられたわけだが、兵器面は自主開発がどんどん減っていったため、『全ての兵器を一国で賄うことが出来た』最後の時代がダイ・アナザー・デイの頃と言えた――

 

 

 

 

 

 

 

――転生者は各国に生じたが、色々な理由で『扱いにくい』と結論づけられたため、国籍を問わずに64Fに集約させ、集中管理する案が採択された。これは転生者の多くが各国軍のトップエースであった故で、黒江たちが事変で戦果を叩き出したことが重視されたからでもある。江藤はその戦果を『矮小化して申告した』咎で、天皇直々に査問される羽目となったが、艦娘・陸奥の執り成しで事なきを得た。『1937年当時、新人・若手のスコアは割り引いて申告することは全軍の慣習であった』と擁護してもらったからだ。(黒江たちの冷遇は従軍記章の有無も作用したからである)江藤はひどく動揺し、自刃も覚悟していたが、陸奥が執り成してくれたため、事なきを得た。

折しも、黒江たちの冷遇が皇室に伝わり、天皇は『カールスラント皇帝への抗議電話』を公言するほどに不快感を顕にし、江藤は『沈黙は金なり』は欧米人に通じないことを痛感した。天皇のこの発言に、岡田啓介(海軍の長老)と吉田茂はこれを宥め、吉田茂(ダイ・アナザー・デイ途中の当時は外務大臣。後に首相となる)は扶桑皇国として公式に、ノイエ・カールスラントに抗議をした。ノイエ・カールスラントも『寝耳に水』な抗議に困惑。当事者であるミーナに責任を被せ、軍人達に今後の言動を戒めさせること、扶桑に賠償金を支払うことで矛を収めるように要請した。皇帝は『私自らが軍の不明を謝罪する。扶桑の英雄を我々も尊敬しているのだ…』と現場を庇った。カールスラント政府はこの最終手段で扶桑からの追求を躱すことには成功したものの、軍内に蔓延る『カールスラント至上主義』的なナショナリズムを一掃しようとするが……。

 

 

ミーナはこの流れで、先輩らに睨まれた。皇帝にわざわざ謝罪させたという点が、プロイセン時代からの貴族が中心の将校団の不興を買ったからで(ミーナは軍人の家系でなく、元々はバッハの係たる音楽家の家系であった)、更に『東洋の田舎(とはいえ、アジア唯一の列強だが)へ頭を下げさせた』という屈辱も、欧州の優等国というプライドに縋ってきた民衆の怒りを招いた。彼女はダイ・アナザー・デイ後は大尉へ降格。そのまま数度の戦役に従軍した後に大佐になるも、正式にミーナ・ディートリンデ・ヴィルケとして、祖国の土を踏んだのは、カールスラント将校団と民衆の世代交代の進んだ後の時代になってからであった。

 

 

ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ』の本来の人格は戦後の時代に目覚めるが、まほから主導権を奪い返すことはせず、実家を引き払うための手続きなどを教え、日本連邦への永住を進めさせるなど、状況を受け入れる。その当時は空母の艦長職にあった坂本に、かつての自らの不明を謝罪し、和解を果たす。以後、音楽関連のチャリティーコンサートなどに出席する際は元の人格が担当し、日常生活や軍務はまほの人格に任せる『役割分担』となる。それが彼女が選んだ道であった。

 

 

 

 

ダイ・アナザー・デイは転生者が市民権を得るための戦いでもあったため、とにかくどの分野でも一騎当千が求められた。だが、それはそうでない者たちの負担も増すことになるため、64Fは味方であるはずの者達の妨害を受けまくった。だが、64Fは地球連邦軍と密接な関係を築いており、情報の入手速度は迅速。戦えば、どの分野でも一騎当千。他のどんな部隊が苦戦した『P-47』や『P-51H』も物ともしない。更に大口を叩いた他部隊の尽くが通常兵器の物量と、超人に捻り潰されたため、それらと対等に渡り合う64Fは一気に『エリート部隊』と見做された。一部からは源田実の子飼いの集まりと揶揄されていたが、『精鋭をできるだけ集め、前線で戦果を挙げさせる』ということを実行できる力があるのは、扶桑には彼しかいなかった。大西瀧治郎は史実の行いが原因で病院送りにされ、退院次第、戦争博物館の館長という閑職で飼い殺しが決定している(史実で自刃しているため、それをさせないためでもあるし、退役後は出家を考えているという)ので、要職につけた源田は幸運な例であった。

 

 

 

 

 

 

 

開発時点で『伸びしろがない』と見込まれた紫電改は陣風にモデルチェンジして生き延びたが、疾風は『用途がかぶっている』という理由で根本的なモデルチェンジはなされなかったが、史実のキ87を吸収する形で『つなぎ』として、要地防衛の迎撃機に転用され、そこそこの期間は使用された。四式戦闘機が一式の後継ではなく、二式の後継になった点は因果を感じさせた。ジェット機は滑走路の拡張などが必須。44年当時の扶桑軍の戦闘機用滑走路は800mしかないため、小さな基地は閉鎖し、ジェット機用に大基地を整備する方針は決まったが、欧州では航続距離よりも補給の容易さと機体の火力が要求されたため、反対する部隊がかなりあった。だが、F-20、F-14などが圧倒的な力を見せると、ジェット機への機種更新をしようとする部隊が生ずるという現金なものだった。とはいえ、1940年代の整備兵に『第4.5世代ジェット戦闘機相当の高度なアビオニクス』は理解できないため、時代相応の『F-86』が回された。Me262とは比較にならない高性能を持つので、零戦や隼を失いつつ、対爆撃機戦闘の機会が多い部隊に優先して回された。故に、既に初期生産機が配備されだしていた『橘花』と『火龍』はMe262の劣化コピーという烙印を押され、既に配備された分以上の生産は差し止められるのである。その時点で、それぞれで25機が配備されていたという。しかしながら、工場で半完成品となっていた個体がもう30機ほど存在したという。

 

 

 

 

 

 

――前世ではグレートマジンガーでダイ・アナザー・デイに参戦していた剣鉄也だが、今回は『皇帝』たる、マジンエンペラーGで参戦してきている。グレートマジンガーはメカトピア戦後には性能面のアドバンテージが殆ど無くなりかけていたので、遥かに強力な後継機種をひっさげてきた事はその雪辱であった――

 

『さて、子供たちを守ってやらんとな。グレートスマッシャーパーンチ!』

 

エンペラーGはゲッター線も動力源であるためか、マジンガー系では唯一、『瞳』が明確に存在する。武器の破壊力もグレートカイザーをも上回るため、一撃で怪異のコアを粉砕し、その駄賃で敵の偵察行動中の『重巡洋艦』を真っ二つにへし折り、轟沈させる。機動兵器とはめったに遭遇しないので、ここ最近は怪異の掃討(巣ごと)か、艦艇攻撃であった。

 

「あれが新型のマジンガーなのね。それにしても、カイザーの次はエンペラーなんて」

 

「一応は皇帝デスから。Gカイザー以上のポテンシャルを持ってるから、全部のスーパーロボットの中でも上位のパワーデスね」

 

「あれ以上のポテンシャルですって!?信じられないわ、異端技術を現代科学が凌駕せしめただけでも、大変なことなのに」

 

「次元世界には、わからない事が多いデスから。ギャグ漫画補正と主役補正は特に強力デスから。のび太さんが危険な仕事しまくったりしても、五体満足で帰ってきたり、犬に何度も噛まれても、狂犬病にもならないように。ゴルゴ13という、プロの殺し屋が裏世界で最高と言われ続けているように」

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴとコンビを組んでいる、大人切歌(目測で18歳前後。子供の自分に代わり、戦っている)。以前よりだいぶ落ち着いた声色であるので、初見で切歌と判別する手段は少ない。

 

「あなた、いつ頃から来たの」

 

「普段いる世界は1990年頃だけど、2200年代の世界にも行ってるから、特段の意識はしてないデス。タイムマシンで行き交うことが出来るから。変わったことといえば……」

 

『りゅうせいけぇーん!!』

 

聖闘士になったため、流星拳を打てるようになっている大人切歌。黒江/調と違い、こちらは一からの努力で為し得たことである。

 

「あなた…」

 

「修行の成果デスよ。聖闘士としての修行を積んできたから。調は綾香さんとの感応っていう下駄があるけど、アタシはなかった。だから、この歳までかかったんデスよ」

 

頭上でマジンエンペラーGが乱舞する中、大人切歌も『わだかまりを超えた』後に得た強さを披露し始める。また、ギャグ補正や主役補正というメタ事情にも触れるなど、次元世界の裏事情に詳しくなったことが窺える。

 

「それに、アタシ達の世界の聖遺物と、他の世界の宝具は違うものらしい話デスし」

 

「やっぱり、そうなの?」

 

「そうでないと、説明がつかないこと多いでしょ?エクスカリバーとか」

 

「やはり、綾香が宿していた聖剣は……エクスカリバーなのね」

 

「モノホンの、ね。アタシ達のギアは先史文明の『それを模した兵器の残骸』を媒介にしてるから、本物の宝具の力には及ばないんデス。たとえ、その世界にとっては『本物』でも」

 

聖衣にイガリマの力が通じない理由は複合的であった。オリハルコンが刃を物理的に通さず、アテナの血を過去に浴びていたなどの理由で『聖衣の究極最終の形態』となり、アテナの加護がついていた状態なので、霊的な損傷もまったく与えられない状態であったこと。それらが複合した結果であると。

 

「それじゃ、奇跡が具象化したような『宝具』に、私たちが太刀打ちできないのは当然…というべきかしら?」

 

「基礎ステータスに大きな差があるようなものデスね。少なくとも、ギアは装着者の身体能力は高められても、感覚までは強化しない。だから、クリス先輩が遊ばれてたんデス」

 

「あの子は基本的に、実体弾勝負だもの」

 

クリスは聖闘士と相性が良くない。黒江の滞在中の後期の模擬戦でなんとか戦えていたのは、彼女の努力と技能の為せる業である。とはいえ、シンフォギアは『インフィニット・ストラトス』を殆どの面で凌駕する力を持っているので、シンフォギアは(上と差があるものの)聖衣に次ぐポテンシャルがあり、並のプリキュア以上であるといえる。

 

「それでもISより上だから、大したもんデスよ。逆に言えば、司令が……」

 

「あの人は人外だから…」

 

風鳴弦十郎は身体能力などを勘案すれば、プリキュア数人分より強いため、生身の人間の限界を極めた人間の一人に彼は連なるだろう。モビルファイターのある世界なら、代表間違いなしだからで、マリアは呆れ半分に、彼を人外と認定するのだった。

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