――カールスラント軍はドイツの介入で多くの人材を喪失した。王室親衛隊も組織解体の危機に見舞われ、皇室も解体されそうになるなど、踏んだり蹴ったりであった。だが、皇室解体論はそれがアドルフ・ヒトラーの台頭に繋がったという点が考慮され、ドイツからの提案としては見送られた(共和制への移行はこの後も時代の節目ごとに議論が起きるが、ガリアの醜態ぶりが知れ渡っているウィッチ世界では、ガリア型の共和制へ決定的な不信が存在するために見送られ、カールスラントは徐々に完全な立憲君主制に移行していく)。カールスラント軍の軍事的衰退に伴い、逆に扶桑は超大国として、強大な軍事力を維持する必要に迫られていく。だが、高性能兵器は高額な維持費を要するため、日本連邦も量的意味での強力な軍隊は時代とともに保てなくなり、質重視にシフトし、ベトナム戦争が終わった後に一定規模の軍縮が行われ、大戦世代のウィッチはその時に大半が第一線を退く。真の意味での扶桑皇国のウィッチの世代交代はその際にようやくなされたため、それに至るまで、ダイ・アナザー・デイからは20年以上の月日を必要としたと言える――
――ダイ・アナザー・デイの激しい戦闘は通常戦闘機の更新を促し、大戦後期~朝鮮戦争時代の航空戦力が主力となった。F-86のさらなる改良型に主力生産ロットが移行し、配備が促進されたことで陸上での制空権は徐々に連合軍に傾いた。だが、海は空母の関係でジェット機の使用率は低く、そこも64Fと地球連邦軍が航空戦力の数的主力を担う理由であった。自由リベリオンは『第二次世界大戦型の正規空母』でも多数を運用できる大きさで、この時期の艦上戦闘機としては必要充分な性能と見なされたジェット艦上戦闘機『F9Fクーガー』を緊急で開発していたが、南洋新島の工場は建設途上の施設も多く、同機の大量生産には至っていない。そのため、敵と同様のレシプロ艦戦の『F8Fベアキャット』を『F9Fクーガー』までの場繋ぎで生産し、少数を戦線に供給した。これはベアキャットよりも高性能な陣風とシーフューリーが既に現れていたためで、レシプロ最強と謳われたはずの艦上戦闘機はなんともしまらない顛末を迎えた。この急激な進化に追従が困難であったのは、なんとストライカーであり、第一世代宮藤理論のジェットストライカーはF-86系やF9F-6系以降の海軍ストライカーでも無い限り、魔力を過剰に食うという課題が解決されないために敬遠されて部隊配備が遅れ、64F以外の部隊はレシプロストライカーの最新型への更新すらできていなかった。それが命取りとなり、P-47に『ウィッチ・ハンティング』されるウィッチが続出した。――
――ウィッチ・ハンティングとは、当時世界最高水準の急降下制限速度を誇った『P-47』戦闘機に追わせ、ウィッチが急降下からの上昇に転ずる一瞬に猛攻撃を加えるもので、ウィッチが機体を急降下から立て直す上昇に全神経を集中する一瞬を突く攻撃手法であった。この攻撃に狩られるウィッチが続出し、半端なウィッチ部隊が出撃を控えるようになる原因となっていた。また、F6Fの20ミリ機銃程度の数発の被弾ではビクともしない防弾装甲もウィッチ部隊の戦果の縮小に関係しており、特にMG34機関銃を主用していたカールスラント系ウィッチの火力では『落とせない』点が問題視された。戦線にはM2重機関銃二丁のウィッチもいるが、それでも落とせない大戦後期型米軍機は脅威であり、大火力だが、ウィッチに『発砲時の反動が強くて扱いづらい』、『弾を多く持てないし、大型怪異の邀撃以外に使わないよ』と忌避されていたはずの大口径航空機関砲たる、『二式二十粍機関砲』や『九九式二〇ミリ機銃』が敵機の強力化で再び脚光を浴び、ウィッチ用機銃の主力がそちらへ差し戻された。地球連邦軍による弾薬の輸送体制構築もあり、戦線での使用機銃は20ミリ以上の機関砲に再統一される事になった。元々、ウィッチたちが好んだ7.7ミリから13.2ミリまでの銃弾は欧州での補給が比較的に容易な弾薬ということだったが、輸送体制の刷新で大口径の20ミリ砲弾の戦域への輸送と安定供給に目処がたった上、史実大戦後期型米軍機の防弾装備が概ね、『20ミリ砲弾』に対応するものであったため、ウィッチの発揮する火力の増強が急務とされたという事情であった。(日本側が本土防空部隊の火力強化と超重爆迎撃を名目に、旧式の一式十二・七粍機銃などの13ミリ口径以下の機銃の空戦での使用を禁止しようとしたため、それを宥めるために、ウィッチ用機銃のラインを大口径砲に改変せねばならなかったためもある)――
――64F 魔弾隊――
44戦闘団がまるごと日本連邦の義勇兵に転じた部隊『魔弾隊』は カールスラント王室と扶桑皇室の会談の結果、『カールスラント空軍軍服を引き続き着用すべき』との義務を負わせられたが、既に祖国の軍役は皆が予備役に退いているため、それ以上の追求は免れた。補給などは扶桑軍の管理下に移管したが、全員が50機超えの撃墜王であるため、衰退するカールスラント空軍の絶頂期の栄光の光芒を世に示し、カールスラント空軍、未だ健在のプロパガンダを担う役目を負った。
ちなみに、史実と違い、ハルトマンも同隊に属しており、本人は空自の制服を着たがったが、元のままで通せと言われ、ガックリしていた。
「なんで、元の軍服のままなのー、トゥルーデ?」
「国同士の取引だ。上は我々が予備役になった事に腰を抜かし、閣下がリストラの波が及ばない扶桑へ避難させたことに震撼しているのだ。政治的取引だよ」
「つまり?」
「エースで鳴らした我々をクビにしてみろ。カールスラントは総力を挙げてドイツを制圧するだろう。軍縮でまともな軍備を持たないドイツなど、我々の敵ではないさ」
ドイツは兵器の維持管理もおぼつかなくなっているため、カールスラントが本気を出したら、一週間と持たずにベルリンは陥落し、時計の針が帝政ドイツに逆戻りする。それを恐れたのである。
「自衛隊からジャンパー渡されたのはいいんだけど、これからどうなるの?」
「我々は部隊ごと、日本の義勇兵になったからな。これからは日本連邦の意向で動くことになるが、加藤閣下の部隊と一体化するのが救いだな。妙な干渉もない」
64Fは特権として、独立権を有する。空軍司令直属部隊という位置づけだからだが、中央の指揮下にないことは中央の参謀の反感を招いている。(この独立権は精鋭部隊を軍中央の愚策に振り回されないようにするための日本側と扶桑良識派の作った一文だが、中央の指揮下から外れる独立部隊の意味を理解できない扶桑軍の若手から中堅参謀も多かった)
「バラして統制の効かない部隊員にするより一纏めで統制された部隊として参加してくれた方が助かるんだ、実はな」
「加東閣下でしたか」
「やっほー、ケイ」
「ハンナは今日、出れねーぞ」
「なんで?」
「昨日、ベットから落ちて、親指をくじきやがったのさ」
「へー、珍しい」
「タイムふろしきで治しても良いんだが、自然治癒の超回復の為にほっとくのも良いかと休ませる事にした」
「それで他は?」
「伯爵は訓練させてるから、フーベルタとケッテを組んでくれ。何分、ハンナが出れなくなったのが予定外でよ」
「フーベルタか。助けられた時、なんで眼帯メイド姿だったの?」
「野郎共の独房の管理人の趣味だそうだ」
「…あ、そう」
閑古鳥が鳴くハルトマンだが、フーベルタ・フォン・ボニンは声質がネオ・ジオンの強化人間『マリーダ・クルス』と似通っており、そこもティターンズの独房管理人の嗜好のスイッチを入れてしまったといえる災難を味わったが、フーベルタはその災難を乗り越えたおかげでGウィッチ化を起こしており、44戦闘団預かりになった。そのまま501にサーシャ後任の扱いで着任したため、階級は大佐になっていた。その一言に呆れるハルトマンだが。
「ヨシカ、痛み止めくれぇ~!痛いんだ~!」
「ダメですよー、腫れが引くの遅くなってもいいのかなー?」
「ぬわーー!!どうすればいいんだーー!」
と、向かいの部屋からマルセイユのうめき声といたずらっ子な芳佳の声が聞こえてくる。マルセイユも思わぬ事態に狼狽え、みっともない泣き声で喚き散らしており、思わず吹き出すハルトマン。
「おーい、ミヤフジィー、氷嚢くらいは出してやれ」
「おお、恩に切るぞ、エーリカぁ……」
マルセイユもさすがにシュンとしているため、バルクホルンはキャラ崩壊級に大笑いで、腹がよじれるほど爆笑している。
「お、覚えてろ、トゥルーデぇ~!妹に言いつけるぞぉ……」
「テメーらはジュニアスクールのガキか?」
さすがの圭子もこれだ。
「歳で言ったら日本で言う高校生?」
「なんで疑問形なんだよ」
「いやさ、ドイツだと教育制度違うしさ」
「あ、そうだっけか?」
「あ、氷切らしてたんだった」
「な、ナヌイィ!?」
「黒田さんが司令官連中の接待に使うとかで、クーラボックスに入れて」
「く、クニカのヤツ~!!」
喚くマルセイユだが、流石にこれはどうにもならず、氷ができるまで唸る羽目になり、黒田への恨み言を連発していた。
「だ、誰か氷か熱量操作系の固有持ち呼んで来い!」
「智子は出撃してるし、他の連中も訓練だ」
「う、嘘だろ…。あ、アヤカは!?」
「海の上だぞ」
「じ、じゃ、青のプリキュアとして、水使えるジュンコは!?あいつ、キュアマーメイドだろ!?」
「あいつは教習でいねーよ、諦めろ」
「うわーん!!そんなのありかーー!?」
「せめて、アクアとかビューティーがいればねぇ」
「あ、アラモードのガキは!?えーと、キュアジェラートとかいう野郎が……。」
「マルセイユさん、あおいちゃんはそういうタマじゃないですよ」
「のわぁーーーー!?★」
キュアジェラートは青のプリキュアだが、マリンと似た傾向の異端児であるため、そういう芸当はできない。それが可能な青のプリキュアであるキュアダイヤモンドは海戦に赴いているため、万事休すであった。
「ご愁傷様です」
「こらー!勝手にチーンって鳴らすな、ヨシカーーーー!」
と、完全に諦めムードの芳佳だが。
「あ!!あ、黒江さんの釣り用保冷剤があった!!あれを使おう!」
「よーし、取りに行ってやるから、ガキどもの前で喚くなよ、ハンナ」
「それは無理な注文だーーー!!」
と、完全にギャグメーカーなマルセイユだが、当時はローテーションの模索中でもあり、地上残留組のキュアラブリー、その援護要員としてのキュアフォーチュン、そして、遂に初陣となったキュアホイップなどが地上の守備を行っていた。ラブリーとフォーチュン、ブロッサムが地上の主力になると知らされた時、宇佐美いちかが遂に思いを吐露し、晴れて戦闘に参加が認められた。そのため、彼女が現状では一番の後輩であるため、現役時代は小学生だったキュアミューズにもタメ口を聞かれる身で、地味にプリキュアも一応の上下関係はある事が分かる。なお、海戦に駆り出されたプリキュアは戦闘力が高いか、転生先が機動兵器パイロットである者であるため、キュアビートもクラン・クランとしての技能で海戦に参加している。内訳は戦闘力枠はピーチとドリーム、機動兵器枠がハートとダイヤモンドである。
「お前、出なくていいのか、宮藤」
「日本連邦の医療学校に行く準備で、あまり出れなくなりそうなんで、バルクホルンさん。プリキュアとしてのほーが多くなるんで、芳佳としてはあまり。震電を受け取るフラグも折れましたし」
芳佳は震電を専用機として回す話が今回の歴史でもあったが、今回は横須賀航空隊が供出を『テスト未了』を理由に拒否したために立ち消えとなり、その代替として烈風改を使用している。公にはそうなっているが、他の理由に『震電はあくまで局地戦闘脚であり、制空戦闘向けではない』とする横須賀航空隊の最もな意見具申も関係している。震電ストライカーは芳佳のシンボル的な機体でもあったため、日本側のゴシップの材料にされたのも事実である。だが、震電は当時、エンジンをデチューンしての量産化の予定が空技廠主導で立てられており、そのテストに回したかったために供出が憚られた事情もある。また、宮藤博士が遺した理論に基づく『マ43-42ル特』エンジンは宮藤芳佳や黒江綾香らでないと、エンジンの起動すら不可能である『工業製品としての大問題』があったのも事実である。これは第二世代宮藤理論となる奮進機前提の理論を無理に旧来型に当てはめてしまった不幸によるもので、吾郎技師曰く『誤解の産物で、失敗作』とのこと。実際、橘花ストライカーのエンジンを試しにその理論で改良すると、第二世代ジェット機級の推力になったとのことなので、奮進機の出力を前提にした理論であることが確定している。ただし、レシプロストライカーとして作った試作機は放置するわけにもいかず、調査がなされた。すると、出力から高出力までリニアにコントロール出来る特性を最高出力モードに固定された為におかしくなっていたためで、横須賀航空隊の整備ミスが糾弾された。魔力コンデンサの設置、魔力コンバータの変更で量産化が予定されたが、それがF-86の活躍で先送りにされたまま、そのコンデンサとコンバータ設置型となった試作エンジンと試作機は翌年の事件で焼失してしまう。事前に黒江が入れ替えておいた機体は無事に難を逃れたが、1946年以降は奮進エンジン(要はジェットエンジン)の時代を迎えたために、機体の開発計画がそちらに切り替えられた。震電を芳佳が履かなかったのは、『レシプロストライカーとしての量産化がされず、紆余曲折を経て、ジェットストライカーになったから』で、これが芳佳Bの機体への補給が不可能と言われる理由である。更に再設計の際に第二世代理論で機体が再構築されたため、第一世代型との互換性がほとんどないのもお互いの震電の違いであった。
「うちの旦那、第二世代理論を早めるとか言ってるから、多分、再来年の時に、同位体が困るだろうなぁ…」
「ああ、例の話か。同位体の震電はパーツの供給が出来んって話だな」
第二世代宮藤理論で出来上がる機体はジェットストライカーであり、第一世代理論型と規格が変わっている。また、平行世界では微妙に工業規格の寸法も違うと予測され、実際にそうである。そこも芳佳Bが不貞腐れる理由である。この時点で頭を悩ます問題であるものの、これは未来に属する話である。
「海戦は海戦に参加した連中に任すとして、閣下が戻られたら、こいつの応急処置をしてやれ。それが終わったら、二年後の事の対策会議だぞ、宮藤」
「了解」
「おい!同情したってバチは…」
「すまん、若い頃のムカつきを解消したいんでな、我慢しろ」
「おおわぁーーー!?」
バルクホルンはそこはイジワルをし、茶目っ気を見せるが、マルセイユにははた迷惑なことであったが、ある意味では自業自得であった。マルセイユを除いた一同はこの後、次元震パニックへの対策会議を開くことになる。
――実際に予測され、二年後に本当に起こるであろう出来事がバルクホルンによって、リストアップされていく。B世界の501への補給は難しい事、それ以外の部隊も来た場合、色々な説明に追われる事は確実である。ただし、圭子は『転生する時に同位体の一人を素体にした』と言っており、圭子のその世界での代替存在となると予測されている。それ以外は概ね同じだが、問題は山積している――
「二年後の事態に備えておくぞ、みんな。基本的に同位体は我々の戦いには関わることはないだろうが、問題は宮藤やリーネなどだ。何かかしらのことはやりたがるだろう。だが、この世界は思いだけでも、力だけでも生き残れんような修羅の時代を迎えている。どうすべきだ」
「顔を隠しての救難任務が一番無難じゃない?こっちのミヤフジは武闘派に転じてるし、マスコミに顔知られてるし」
「リーネは別人化しているが、母親のほうの関係で同様に処理するしかないか」
「それだな。それ以外は事前に『似てるけど、別の世界だ』と話しとけば、強くは介入して来んだろう。問題はお前だな」
「あ、はは……地味に身につまされますよ、バルクホルンさん」
「しかし、お前の頑固さが問題なのは事実だぞ、宮藤。二年後に我々は同位体に会わなければならなくなるが、お前は基本世界と一、二番に乖離している。説明が難しすぎるぞ」
「自分でも説明しますよ。色々と方向性がずれたのは自覚してますから」
「ま、ここにいる連中は多かれ少なかられ、生きる方向性が基本世界とずれてるからな。それに死ねなくなった上、まともな老いもない。それは伏せておいたほうがいいだろう」
「そうだな、向こう側には関係のない話であるからな。プリキュア覚醒組はどう説明する?」
「模擬戦を通して説明するしかあるまい。それに、菅野たちが来た場合、口で言ったって、納得はせんだろうし」
「オーバーキルだな」
「仕方あるまい?あれだけの力をウィッチ能力の上位互換で持つ以上は実際に味あわせたほうが早いだろ」
「言えてるな。それと孝美の妹だが、あいつについては?」
「ああ。あいつはこっちでは特段のポジションについていないし、菅野達とも親交はないからな。口頭で済むだろう。問題なのは、私たちが同じ部隊に配置されているか、だろ。ミーナの同位体へのその説明はトゥルーデ、お前に任す」
「フーベルタ、お前という奴は…」
フーベルタはそこはカールスラント人かしらぬいい加減さを見せた。統合戦闘航空団の司令や副司令級の人員が使い走りになっている事、それを凌ぐ実力者がこの世界にいることの説明はバルクホルンに一任された。元・52JG(第52戦闘航空団。開戦~大戦初期にカールスラント最強を謳われた)の主要メンバーが集結しても、扶桑の『人外魔境』は更に上を行く。
「日本の人外魔境の連中の説明は誰が?」
「私がしよう。トゥルーデだけでは信用されんだろうしな。立場上、信用がないのはわかってるが、中将だからな、今は」
「グンドュラ、お前が中将と言っても、説得力ないぞ」
「よく言われるさ。しかし、今や空軍総監だからな。名ばかりとは言え」
カールスラントのポストも整理され、総監職は『空軍総監』に一本化された。ラルはその新体制での二代目にあたる。制服組トップに押し込まれた形だが、古傷が完治したために現場主義に戻っている。ロスマンを従卒扱いにしているが、ラル自身はガランドの指示で動くことが多いため、『中間管理職』と認識しているが。
「向こう側のあたしやリーネちゃん、事変世代の事を知らないだろうし、揉め事は起こしそうだなぁ…」
「智子さんが人形のモデルだって事も気づかんだろうな。その時は向こうの坂本少佐に任せるしかないかもしれん」
「あれの黒幕は誰だ?」
「仮面ライダーBLACKに倒されたはずのゴルゴム創世王らしい」
「創世王だと…?」
「仮面ライダー達から聞いた話でしかないが、ゴルゴムという悪の組織の長であり、5万年周期で代替わりをしてきた存在らしい。その力は神に等しいほどだが、現代の創世王はその寿命が尽きる寸前で、本来の肉体を維持できず、巨大な心臓の姿だったそうだ。その後継候補だった仮面ライダーBLACKに倒されたわけだが、その魂は健在で、どこかでシャドームーンの肉体を得ている可能性が高い」
創世王はその通り、仮面ライダーBLACKに倒されたが、本来の姿は先代のシャドームーンの可能性が高く、南光太郎の先代にあたる『ブラックサン』を下し、創世王になったと推測されている。シャドームーンの肉体を得ているという推測もあり、創世王は先代のシャドームーンの可能性が強い。そのため、ゴルゴムの先代の世紀王同士の戦いの勝者はシャドームーンだったのは容易に想像できる。創世王の本来の姿の謎もパニックに絡むだろう。
「そんな途方も無い存在とこれから戦うと?」
「怖気づいたか、フーベルタ?」
「いや、まさか神々の戦いに自分が絡むとは予想していなかっただけさ」
「この場にいる全員がそうさ。だが、彼らの意思もあって転生した以上は我々は自分達に課せられしその使命を果たさなければならん。闇あるところには光あり…って奴だ」
「大仰な物言いだが、仮面ライダー達や他のヒーロー、ヒロインを見てると、あながち信じられん話でもないからな…。サーシャ大尉がついてこれなくなっていた理由がわかった」
「彼女には気の毒だったが、だいたいはそういうことだったのさ」
――会議は進んでいく。パニックの物事はだいたいは一同の予測通りとなる。そして、新たな来訪者である日向咲と美翔舞の二人も絡み、パニックは大規模となっていく。また、キュアドリームが二年間担っていた『プリキュアの顔役』の役目をキュアブルーム(キュアブライト)が一部引き継ぐ事にもなる。(全てではないのは、キュアブルームの知名度に理由がある)その過程で、次元震パニックの黒幕が仮面ライダーBLACKに滅ぼされたはずの『ゴルゴム創世王』である事も正式に判明し、昭和仮面ライダー達もパニックに関わることになる。また、なのはの処分が決まった事で『再教育』が必要となったことが芳佳から伝えられ、後日にのび太とドラえもん、キュアドリーム、キュアエース、キュアフェリーチェが再教育の担当となる。これはなのはに『自分本位で物事を考えている』という批判があったためで、批判を重く見たのび太達はなのはを色んな意味で鍛え直すことにし、海戦をアリシア・テスタロッサ(花咲つぼみ)、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン姉妹に任せ、なのはは地上の戦いをしつつ、新野比家へ送り込まれ、揉まれていく。また、バリアジャケット姿(子供の姿)で過ごす訓練も課され、なのはは精神的に苦労をする事となるが、再教育は結果的になのはに本当の意味での成長と反省を促すことになる――