――ダイ・アナザー・デイの後期になると、自分達の社会的地位が危うくなる事を悟った部隊が自主的にサボタージュを取りやめ、『働いている』事を装い始めたが、既に既存のストライカーでは追従すら困難な新世代機が乱舞する時勢。レシプロ戦闘機も、それまでの紫電改に代わり、そのアッパーバージョンである『陣風』(新規開発の海軍系レシプロ戦闘機もの掉尾を飾ることになった3000馬力級戦闘機。名称は紫電改の競合機のそれを引き継いだ)が飛翔しているのだ。時速700キロ台の高速機がハイローミックスのロー扱いであり、ハイの役目をジェット機が担う状況となった以上、彼女たちの居場所は殆ど残されていなかった。また、彼女たちがサボタージュの理由づけにしていた『ウィッチ同士の交戦の可能性』も実際は散発的にしか発生せず、多くは近代兵器にねじ伏せられるか、歴代プリキュア達に手もなくひねられたりしている事も痛手となった。結局、空戦ウィッチは腕利きでない部隊は新世代戦闘機の重火力に対抗しきれず、国籍を問わず、大半が後送される憂き目に遭った。腕利きであっても、ゴースト無人戦闘機の超機動に蹂躙されたりする不幸も頻発。結局、綱渡り作戦までに、欧州の陸上にウィッチの空戦部隊は殆どが残らずじまいであった。また、ジオン系勢力が地球連邦がコロニーや月面都市の生命維持管理装置を新型に変え、空気税を撤廃する動きがある事を察知した時期にあたり、ジオニズムの求心力低下を危惧するあまり、彼らはシャア・アズナブルに縋るが、結局はヌーベル・エゥーゴに組織そのものを利用され、ジオン共和国の命運を自らの手で断ってしまう。ジオンは戦乱を撒き散らす、忌々しい存在として認識され、サイドごとの事実上の追放のような形になってしまう顛末を迎えるのだった。――
――地球連邦軍本部――
「ジオンも馬鹿なものだ。あちらこちらで内輪揉めをして、ティターンズ残党などを見境なく取り込むなど」
「彼らには縋るべき指導者はいない。ダイクンの忘れ形見のシャア・アズナブルはダイクン派の拠り所であっても、実際は妾の子、庶子だ。戦後は情報が隠されているがな…」
シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹はジオン・ダイクンの正妻の子でない。正妻と何らかの要因で子ができなかったジオン・ダイクンは妾に子を産ませたという、意外にドロドロした背景があり、その背景がシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)の心を歪ませたことは、第三者からでも容易にわかる。また、ジオンの支配層であったダイクン派とザビ派は政敵であり、シャアも一年戦争の実績でネオ・ジオンを統率するしかなく、総帥と呼ばれる機会は実は少ない。しかし、ジオン残党の多数派は公国体制の再建を願っている。故に、ネオ・ジオン敗北後はオールズモビルに縋り、原初の形へ帰結してゆく。
「例の情報だが…」
「やはり、影武者か」
「ア・バオア・クーにいた彼奴はメロリークローンに過ぎず、当人は戦後も生き続けていた。再起のために」
ギレンの生存(正確には本人の蘇生だが、連邦はクローンを影武者として使っての生存と解釈した)を地球連邦軍と連邦議会は把握しており、再起を期して、どこかに潜んでいると踏んでいた。ネオ・ジオンを打倒しても、ジオン残党は消えない事が地球連邦軍の規定事項と化しており、レビル将軍はオールズモビルとの戦闘に備え、各部隊へ新型機の配備を急ぐ。この事から、地球連邦はネオ・ジオンをジオン公国の承継組織と見なさなくなっていた事がわかる。
「ネオ・ジオンとの交渉は?」
「ほとんど形式的なものになるだろう。約束は守るがな。彼らの方だよ、約束を破ったのはな。ミネバ・ラオ・ザビには実権はないからな」
ジオン公国の支配層『ザビ家』の最後の生き残り『ミネバ・ラオ・ザビ』は自分の政治影響力を過大評価しており、『自分が動けば、残党を抑制できる』と考えていたが、実際は組織の体をなすための神輿に過ぎず、残党そのものは着々と対連邦用兵器を建造していた。地球連邦軍はそれを読み、野比財団の進めていたプロジェクトを正式採用し、ガンダムX系のガンダムを造らせていた。ダイ・アナザー・デイには間に合わない見込みだが、その次を見越してのものとなった。そのフラッグシップ機となるガンダムはプロジェクトの提唱者でもあったのび太の判断で、キュアドリーム/夢原のぞみに与えられることになるのだった。
――ダイ・アナザー・デイの時期、空母整備計画に狂いが生じた扶桑皇国。小・中型空母多数でエセックス級へ対抗しようとしたが、ミッドウェイ級、フォレスタル級の存在が伝わったり、艦載機のジェット化の始まりで御破算となった。雲龍型はその後、コア・ファイターを運用する護衛空母として、鋼材の質が安定しているとされた初期建造の6隻のみが最終的に第一線で用いられた。その他は日本主導で『輸送艦』、『病院船』、『工作艦』、『練習艦』に転用されたため、攻撃空母そのもののが不足する事態になった。日本の市民団体のおかげで、沖縄地方に軍事基地が置けなくなったため、供与された大型空母を係留し、プラットフォーム化せざるを得なくなるなどの実害も出ている。瑞龍型はウィッチ世界での1947年度に計画が策定されたが、財務当局がごねたが、戦況の推移から、結局はそこから更に二年後の1949年度に建造が承認される。大戦前の正規空母らが酷使で老朽化したからで、日本・扶桑の財務当局、とりわけ日本側の軍事への冷遇と無理解が強調される形の経緯を辿った。そんなわけで、瑞龍型は超大型空母に設計が当初から強化されたわけだ。だが、日本連邦の財務当局が、その莫大な運用経費を危惧しており、空母保有枠の縮小を招くという危惧があった艦政本部は同時期に『雲龍型の後継となる65000トン級中型空母』を計画する。65000トンで中型扱いにされるほどの空母の大型化に驚愕中の艦政本部はこの二本立てを『戦前世代の後継とする』と策定し、後者は1949年度の初夏から本格検討に入る。扶桑が相対的に超大国化してゆくため、計画は無事に承認されたという。(戦時が続き、膨大な外貨が得られた事、国内が戦争景気であったことも関係している)――
――とはいえ、空母機動部隊の大型空母は供与されたものを入れても10隻あまり。しかも、敵は後方から続々と大小の空母がやってくるというダイ・アナザー・デイの状況は、空母機動部隊の温存と、空軍の主力化を扶桑で促進させる。これは日本側が当て込んでいた『ブリタニアの空母機動部隊』が殆ど戦力外な実情であった(双方がお互いの空母機動部隊を宛にしていた)事で予定が狂ったためであった。ブリタニア海軍はこれで強烈なコンプレックスを抱えることになり、以後、空母機動部隊の強化で空軍と対立を繰り返していく。政府も英国経由の情報で空母の重要性を実感した事から、旧式の予備役の戦艦を空母に改装していく。だが、財務上の理由で、それですら、遅々として進まなかったのは言うまでもない。核兵器が主役とならず、潜水艦の攻撃利用が抑制されている世界であるという、財政上の幸運があるとはいえ、国家自体が衰退期を迎えたブリタニアには、それでも大きな負担であったからだ。日本連邦の『史実を前提にしての航空機の更新速度』がウィッチ世界では異常な速さであるのか。それが浮き彫りになった――
――他部隊におけるウィッチには『腐る者』が増加した。12.7ミリ機関銃程度では、20ミリ砲を弾く重防御を誇る米軍機の撃墜は極めて困難。更に、ウィッチはコックピットを撃つことに拒否反応を示すのが多数派であるため、超重爆はおろか、単座戦闘機にすらも苦戦する有様。64Fを異常と評したした彼女たちだが、実際には自分達が64Fの足手まといになっていた。特に、航空機と大差ない動きしか取れない者が増加していた空戦ウィッチ(練度の低下は、1945年は世代交代期の頃であった事も大きい)はダイ・アナザー・デイが大戦初期までに軍歴がある世代と中期以降の世代の対立が表面化した頃でもあったので、この頃が権威的意味での後退期にあたる。内ゲバと21世紀の自衛官が評した内輪揉めは結局、空戦ウィッチそのものの権威の失墜という結果に終わった。ダイ・アナザー・デイで必死に戦い、地位を向上させた陸戦ウィッチと対照的に、空戦ウィッチは既存ストライカーでは、科学の急激な発達に拮抗することは困難だった。また、多くが乗り物も満足に動かせない、初等教育すら切り上げての任官であることもウィッチ全体の知識力への疑問となり、教育課程の見直しもあり、世代として取り残される事に焦った中堅層はクーデターを画策する。この選択こそが、ウィッチそのものの社会的地位を大きく損ねることになってしまい、Gウィッチか、それに準ずる功績を戦争で挙げた者たち以外は疎まれ気味であるという社会構造の構築の要因になり、世代交代速度の鈍化という結果を残してしまう。軍の上層部は世代交代の進展を期待したが、社会風潮の急激な変化でそれが事実上潰えると、クーデター失敗後も軍に在籍していた大戦初期世代を使い倒すしかなくなり、彼女らが細々と、時代ごとに入隊してきた新人達を支える構図が数十年もの間、継続するのである。結局、世代交代の進展を狙った施策が逆にそれを鈍化させる結果を招き、ウィッチ社会の閉鎖性が浮き彫りになるのである――
――ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケが殊更に査問で責められたのは、一つの可能性が考えられたからである。それは『知っていて、司令部への当てつけのつもりで冷遇した』というもの。ミーナの狼狽ぶりから、その可能性は無くなった。本人が『知ってれば、相応に遇した。書類を確認しなかったのは自分の落ち度だが、普通は20代でも力を維持しているなど……』と弁解したからで、自分の落ち度を素直に認めた。しかし、事は国際問題になりかけていたため、501は新部隊に取って代わられることが通達された。『扶桑の陛下がお怒りになられている』という噂は、カールスラント軍と政府に凄まじい衝撃をもたらしたわけだ。ミーナは整備兵の密告で、この後も査問を受ける羽目になり、それが精神的打撃となり、ついに正気を失う。ロンメルは二度目の査問後に錯乱した彼女を隔離し、指揮権を赤松に臨時で移譲させた。この状態は一週間ほど続いた。武子を大佐へ昇進させる事への反対論を鎮めるのに時間がかかったからで、その後、大佐でも問題が生じたため、更に昇進させることになる。過去における黒江へのカールスラント軍大佐の人種差別が発覚したからで、カールスラント軍はこうした不祥事の連発で、連合軍内部での地位を失っていった。逆に、扶桑軍の伝説が現実のものと言うことが確認されたり、真ゲッターロボやマジンカイザーが『日本製』である事が重なった結果、扶桑軍は一気に連合軍での地位を確立させる。ただし、部内でも相当に武子の大尉からの特進は部内で反発があり、武子はダイ・アナザー・デイ以降、元々の持論を捨て、自分が積極的に戦果を挙げる必要に迫られていく――
――その関係で、ガンダムF91を乗機に選ぶが、量産機では機能面で不満があり、オリジナルの同型機が配備されるに至る。結局、現場側が『M.E.P.E』現象を高く評価したからであるので、量産F91も改修で対応、ないしは新規生産機には実装されていく。結局、地球連邦軍の本隊が激戦続きでエースパイロットが増加したため、ジム系では不満が噴出し始めたわけだ。地球連邦軍が高級量産機を続々と採用しだしたのは、星間戦争時代を迎え、地球連邦本星の権威を示すためもあるが、ジオン残党などへの対抗策であった――
――リ・ガズィ・カスタムもその流れで見直され、高級量産機に開発目的が変更されたが、エースパイロットらの要望で『アムロ・レイを想定した反応速度』は維持された。当時はZプラスの初期生産機が老朽化しつつあったからで、リゼルに性能面の不満が大きいエースパイロットらから歓迎された。当初仕様からアップグレードが相応になされ、BWSの機首を『簡易的にハイメガランチャーとして、MS形態でも使用可能』にされている。生産形態は『アムロ・レイ専用機』では無くなったが、Z系の後継機種として量産ラインに乗り、ZプラスC1型などの後継機種的扱いで、各部隊に配備されていった。ダイ・アナザー・デイ当時には数機が既に64Fに回されていたが、作戦の性質の都合で使用機会は無かった。その後も固定パイロットは設定されず、持ち回りで運用されていく。ただし、Zガンダムの後継機の一つという経緯からか、連合軍のプロパガンダに活用された。リ・ガズィそのものは評判が良くないが、その改良機で原型機通りの可変機に回帰した事はBWSのコンセプトの破綻を意味するため、BWS機はライトニングガンダムが最後になった。Zガンダムそのものも現役であるため、Zガンダムの名機ぶりが裏付けられたことでもあるが、連邦軍がZの量産をあの手この手で試行錯誤している証でもあった――
――地球連邦軍はダイ・アナザー・デイに戦力を提供し、連合軍を手助けしていた。地球連邦軍にとっても旨味があるからでもあったが、21世紀の日独の軍事面の無知による弊害に苦しむ連合軍に兵器を提供しつつ、64Fをロンド・ベルの支部として扱い、同部隊へ過去の試作機の実働データを取らせるという手法を取った。全てが善意ではないが、少なくとも、第三者から見ても、両国の一方的な行為は度を越していた。特にドイツは『ナチ化を防ぐためには、現地の皇帝を失脚させても、革命が起きようが構わない』というほどに暴走したため、地球連邦軍はドイツに砲艦外交を展開し、手を退かせた。日本連邦とキングス・ユニオンのみが『世界を跨いだ連邦国家』として成功を収める事になったのは、お互いの政治体制に口出ししようとした者たちを除いたからでもある。日本は扶桑に攻撃装備を揃えさせ、日本は従来通りの防衛予算のままとする戦略を実行し、役割分担を進めていく。扶桑から兵器を輸入する、あるいはその逆などで、日本は軍事面の弱点を補完していく。地球連邦軍の装備もGフォースは有し始めており、地球連邦軍が過去の機体の内、データ補完のために、内部機構を現用規格(ムーバブルフレームタイプ)に合わせる形で新造し直した『RX-81』が提供され、Gフォースの一般隊員向けに配備された。地球連邦軍としても、ジェガンは型落ちになり、新型量産機は(フリーダムであろうと)『高コスト』と言われる羽目に陥っており、過去の機体を再生産する名目で、ガワは当時のままだが、中身を現用規格に変えて生産するという、回りくどい手法を取る事は理に叶っていた。その一つがジーライン。一年戦争~デラーズ紛争当時までの時期に量産が画策されていた『初代ガンダムの完全量産機』である。ジム系が地球連邦軍のスタンダードの地位を占めてしまったために、歴史の闇へ消えていった機種だが、Gフォースに提供する機体として、現用規格に内部機構を更新した機体が回され、ダイ・アナザー・デイで実際に使用された。MSを操縦し慣れている64Fの隊員が動かすことが前提だが、内部機構はコックピットも完全に全天周囲モニター規格のものに変えられている他、原型の出自通りに『ハイエンド機』らしく、積まれているジェネレーターも高出力の新式であった。そのおかげで、ティターンズの繰り出す旧式機(ジムⅡ~バーザム)への優位は持て、綱渡り作戦の露払いに使われていた――
「はーい。ハイザックにジムⅡさんたちは道を開けるよーに」
RX-81スタンダードアーマーを駆るは十六夜リコ(キュアマジカル)。この時は相方は留守番で不在なため、発注した専用の機体の完成までの繋ぎで搭乗している。見かけは自分のほうが遥かに古い(ジーラインは本来、戦争末期の計画にあった高級機で、一年戦争直後に試作機が完成の『旧型機』である)のを逆手に取り、敵機に近づけさせた後に、近距離で背部の『ガトリングスマッシャー』を放ち、蜂の巣にするという戦法を使っていた。弾数は比較的豊富で、トリガーストップ機構もあるので、必要なだけ撃てる。弾頭はGキャノンに使われていたものの強化型となっており、量産機の装甲くらいは充分に撃ち抜ける。リコは充分に惹きつけ、トリガーを押し、ガトリングスマッシャーを数秒ほど放った。ジムⅡは盾ごと撃ち抜かれ、ハイザックも蜂の巣になり、機能を停止する。
「ふう。運動エネルギー弾は無駄に爆発とか起こさないから、使い勝手いいわね。周りの被害も抑えられるし」
KT弾は無駄な損傷を起こさせずに、機能停止に追い込める『使い勝手の良さ』、『ビーム対策のしている異星人に効果抜群』な事もあり、地球連邦軍は使用を継続している。ダイ・アナザー・デイは市街地(無人になっているところも多いが)の戦闘も当たり前なので、一年戦争からデラーズ紛争までに開発された実体弾式武装は重宝されている。
「おっと、まだいたのね。あら……よっと」
携行武装の一つ『MS用ショットガン』を放ち、横合いから斬りかかろうとしたジムⅡ(ティターンズカラー)を蜂の巣にし、倒す。過去にケンプファーが実証した通り、MSサイズのショットガンは意外に効果がある。ジオンのものは分厚いチタン合金セラミック複合材で覆われていたはずのガンキャノン量産型を行動不能に陥らせているので、連邦製のそれも、ジムⅡには充分過ぎた。散弾に貫かれたジムⅡは電装系をズタズタにされたためか、走ってきた勢いそのままでつんのめりながら倒れ伏し、やがて炎上する。
「ケンプファーってのが、一年戦争の時にショットガンのMS戦での実効性を示したっていうけど、ビーム全盛の世の中でも効くものなのね」
ショットガンを実戦で用いた例は、ジオンのケンプファー系が代表例であることは知っていたリコ。彼女は続いて、立膝の態勢を機体に取らせ、自らを狙撃しようとした『ジムスナイパーカスタム』の先手を取り、敵の持つスナイパーライフルを『ジムスナイパーⅡ用の実体弾ライフル』で狙い撃ち、敵のライフルを弾き飛ばし、実力差を見せつける。
「私も、ただあそこ(野比家)で日々を過ごしてたわけじゃないのよ。みらいがいつの間にか、メカオタクになってたのは予想外だけど……。前世の記憶やプリキュアの力に、ただ頼ってるわけじゃない」
口に出してみるが、意外に様になる事には苦笑いのリコ。
「各機へ、前進します。敵は元はエリートのMS乗りですが、ここ数年はまともに動かしていないはず。つけいる隙は充分にあります」
「了解です」
GフォースのメカゴジラやMOGERA乗り達はその流れで、MSに乗せられていた。ロボットに乗っていれば、MSにも順応は可能であるからで、メカゴジラやMOGERA乗りらは自衛隊でも『トップエリート』の集団であるため、インターフェースが遥かに進んでいるモビルスーツの操縦は楽なものであった。名目上は操縦訓練だが、実際は新式戦車に突破され、火がついた戦線の火消し役として駆り出されていた。リコの僚機は『MOGERA』(モゲラ)やメカゴジラを訓練で使いこなしてきたエリート自衛官らが動かしており、アニメそのままの機体を本当に動かせる感動に打ち震えていた。ジーラインの換装形態が『スタンダードアーマー』なのは、メカゴジラ系の感覚でMSを動かしてしまう者が多い自衛官らへの配慮である。
――連合軍の機甲戦力の更新の遅れは本来なら致命的ですらあるが、地球連邦軍の提供した兵器がそれを殆どの場合で補っていたのだが、少なからずのケースで『プリキュア経験者が操縦していた』。良くも悪くも、その事はダイ・アナザー・デイの後半期において日本向けのニュースを賑わすことになる。『プリキュアが機動兵器を動かす』姿はプロパガンダだと批判的に見られていたが、キュアメロディのように、紅蓮聖天八極式などの高級機を用いて、本当に近現代の戦場で『一騎当千』を実現させてしまうケースもあり、21世紀日本の軍事評論家たちを悩ませた。とはいえ、一年戦争最末期の頃の計画のジーラインは『一年戦争最末期らしい、ジムより洗練された機体のフォルム、ガンダムから受け継いだ『バイザー奥のツインアイ』、『一年戦争期のMSらしく、武装の少なからずが実体弾である』点はミリタリーオタク層にも一定の評価を受け、それを、ミリタリーメカニックとは縁がなさそうなプリキュアのはずである『キュアマジカル/十六夜リコ』が無骨な外見(一応、ジーラインは初代ガンダム系の流れを汲む後継機を目指していたが)モビルスーツを動かしているというギャップもあり、この日の日本のインターネットのミリタリー記事を賑わせたのだった――