ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百七話「ダイ・アナザー・デイの戦い 34」

カールスラントの内戦はNATOと地球連邦軍の共同部隊が終結させたが、後に残されたのは、軍事国家の骸であった。結局、立憲君主制での再建が決まるのは1949年。残された軍隊の人材は扶桑軍が引き受ける事になり、魔女不足に苦しむ扶桑を救うことになる。ナチを生み出す可能性を持つカールスラントが軍事大国であり続けるより、日本連邦に軍事大国になってもらったほうが安全。それがNATOの選択であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイ・アナザー・デイ当時、そうなる事を予期していたガランドは有能な人材(コンドル軍団出身を含む)を日本連邦へ送り込む計画を極秘裏に実行。自身の退役はその布石であった。日本連邦は魔女不足に悩む一方、百戦錬磨のベテランらが次々とあがりを迎えていく時代に大戦争をする羽目になるので、ドラえもんとドラえもんズの力なくば、魔女全体の練度維持は叶わなかった。ダイ・アナザー・デイ後の法改正で、若年者を軍に入れられなくなっていくため、元から軍人であった者が異能者となる事は大歓迎された。また、Gフォースを正式な直轄部隊にする過程で、64Fも法的に直轄化される。参謀本部の参謀たちのこれ以上の粛清人事を避けるため、参謀本部も容認する。参謀=左遷のイメージが根付くのを恐れたからで、なんともさもしい結果であった。

 

 

ダイ・アナザー・デイが事実上、海軍航空隊が独自の作戦能力を維持していた最後の時期であった。クーデター後は組織の解体が途中まで進んだが、ドイツ軍の轍を踏まないためか、可決の土壇場で存続する。もう一つの理由は次年度の予算対策であった。結局、現場が大混乱になってしまい、日本連邦は連合艦隊の戦力を遊兵化させてしまうわけである。海軍の空母の世代交代や艦載機のジェット化の遅れ、人員の意識改革の遅れがそれを起こすのである。さらに、陸軍全体の粛清人事の影響で、Y委員会の指示なしには、何もできなくなる部署が続出。陸軍はこうして、航空部隊と船舶部隊も手元から奪われ、独自作戦能力を喪失した状態で太平洋戦争に突入させられていくのである。結局、回転翼機部隊などは手元に残されたものの、ヘリコプター部隊の創設には紆余曲折があり、空軍の主力化が進む。扶桑は宇宙軍の創設の母体にする思惑もあり、64Fの組織で管理させる形で、宇宙戦艦を購入していく。この流れは海軍の形骸化、ティターンズの主力はリベリオン合衆国にいる宇宙艦隊(ティターンズ最後の大艦隊とされ、30隻近くのアレキサンドリア、存在しないはずのドゴス・ギアの同型(建造計画のみとされた三番艦から六番艦)艦が存在した。解体されたグレイファントム級からミノフスキークラフトを流用して搭載したと思われ、侮れぬ艦隊であった。

 

 

 

 

「ジャミトフめ。旧式のペガサス級から引っ剥がしたミノフスキークラフトを搭載していたか……。これだけの艦隊を温存させていたとはな」

 

「ドゴス・ギアは今でも侮れぬ戦艦です。こちらはラー・カイラム級で試験していた段階で波動エンジンに切り替わり始めましたから」

 

エイパー・シナプス(未来世界では改革派が生き永らえた都合で、ティターンズ派主導での処刑が先延ばしにされているうちに、グリプス戦役で有耶無耶になって釈放。エゥーゴに拾われ、いつしか艦隊司令になった)は仮面ライダーらからもたらされた情報に唸る。

 

「虎の子だ、そうやすやすとは使わんだろう。だが、こちらも抑止力は必要だ。将軍に増派を要請する。ネオ・ジオンの援助が入っても厄介だ」

 

「ハッ」

 

とはいえ、旧エゥーゴの象徴であったZガンダムがいる時点で、ティターンズ派には充分な精神的抑止力であった。皮肉な事に、Zガンダムのバイオセンサー発動時の超常性がティターンズ残党の組織だった行動を抑制していた。グリプス戦役の時点で、MSは兵器として完成の域に達していたが、Zガンダムは『変形機構を持つガンダム』としての最高傑作に近い。バイオセンサーやサイコフレームなどの技術発展で追従性も上がっており、火力で後発に劣っていても、空間機動力では勝っているため、近代化された個体が現役であった。カミーユの乗る個体もそれで、アクシズとの戦闘で回収されたオリジナルをドラえもんのタイムふろしきで完全に修復した後、一旦解体し、ガンダリウムεのテスト機として転用され、再組み立てされていたもの。ジェネレーター技術の進展でその小型化が進んだため、オリジナルの完成時から構造が多少変更されている(外観はオリジナルのそれに戻っているが、性能は機器の進歩などで段違いである)。とはいえ、可変機の再評価で、後継機種も開発が進み、本来はアムロ用であったリ・ガズィ・カスタムも量産化されているが、エゥーゴの象徴であったというシンボリック的意味合いでもあるが、重宝されていた。

 

 

 

 

 

「お前に見せるのは、始めてだったな。ドラえもんに頼んで、壁紙格納庫を用意してもらったからな」

 

64Fはダイ・アナザー・デイもたけなわを迎える時期、地上空母への遊撃を指令され、移動が激しくなったため、固定された施設に機材を置けなくなったため、ひみつ道具『壁紙格納庫』で持ち運ぶことが進んだ。後の太平洋戦争との違いはそこにあった。

 

 

 

「ひみつ道具、もらったんですね」

 

「ドラえもんの時代の技術の賜物だ」

 

壁紙格納庫には、アナハイム・エレクトロニクス社やサナリィの送りつけてきた(様々な年代の)ガンダムタイプが置かれていた。アニメでは、年代が数十年単位で離れている機体が普通にある。ただし、F91に関しては量産型をチューンしたものである。

 

「ストライカーユニットは近いうちに、F-86に統一しろとの通達があったが、扶桑の軍需産業に恩を売らなきゃならんし、何よりも、ジェットは黎明期で、ハルトマンも信頼性に疑義を抱いているんでな。だから、実機の構造を分析させた上で、時空管理局の技術を会得させて、軍需産業には高出力の魔力に耐えられる伝導管とかを開発させんと、次世代の理論に置き換えられん。俺達の世界の魔女の平均的な魔力量では、ディバインバスターも撃てないしな」

 

魔力量などは世代交代が根本的に起きない限りは向上しないし、使い魔の寿命もあるので、おそらく、現在に存在する個体は50年後までは存在していない。マルセイユの事例がそれを証明している。

 

「なのはやフェイトの魔力量は俺達からすれば、マンモス級のタンカーのようなもんだ。俺や智子で、普通の輸送艦程度。ケイはさらに低い。だから、俺らはミッド式の会得はある程度で諦めた。だから、さらに別の方向で極めたが、俺達のようなのは『もの好き』扱いなんだ」

 

「そう言えば、フェリーチェの魔力量は?」

 

「元々が神様の後継で、その名残りがあるから、魔力量なら、なのはよりも高い水準だ。その気になれば、スターライトブレイカーも撃てるだろう。俺と智子は戦闘で撃つと、一、二回が限度だが、あの子なら制限無しに撃てるはずだ」

 

黒江の発言から、キュアフェリーチェは『スターライトブレイカー』や『トライデントスマッシャー』などを扱えるようになっていること(元々が大地母神であったので、そのくらいは朝飯前であった)、黒江も一回の戦闘で数回が限度だが、高位のミッドチルダ式砲撃魔法を(デバイスを介さずに)使える事が判明した。

 

「そうなると、みらいちゃんとリコちゃんも?」

 

「最強形態なら、気兼ねなく撃てるはずだ。理論上は。それをなのはに言ったら、拗ねた」

 

「でしょうね」

 

苦笑交じりのキュアドリーム。この頃から、黒江に連れ回されていたわけだが、黒田が実家の事を口にしていたため、その後継ぎとしたいということで、武子の指示もあり、『勉強』させていた。この時は『軍に骨を埋める』気はなかったのぞみだが、日本政府の不手際による外交問題で、結果的にそうなるのである。プリキュアとしての戦闘行為の合法性を担保するには、行為を合法にできる職業である必要がある。それが外交問題の発生時の日本・法務省の見解であった。歴代のスーパー戦隊の少なからずが民間の有志によるものであったのを、法務省は予てから(一説によれば、大戦隊ゴーグルファイブの時代から)不満に思っていたことが判明。結局、法務省の見解も、のぞみの予備役編入願いを『なかったこととして処理する』動きに影響を与えた事になる。

 

「お前の希望は叶えてやりたいが、半分は覚悟しておけよ。軍人あがりをすぐに教職につけるのを許容するほど、日本は寛容じゃないしな。戦後直後ならいざしらず、21世紀にはな。俺が心配してるのは、いくら航空兵科っても、陸軍に籍があったってことだ。空軍の法的な設立はこの作戦の後(法の施行は1947年になった)になるそうだし、日本の官僚は旧軍に興味のない連中で満杯だ。資料を引き継いだ厚生労働省であっても、な」

 

「わかりました」

 

「面談の場で何を言われても、落ち着いて反論しろ。あとで俺等がなんとかしてやる」

 

「先輩、コネあるんですか?」

 

「日本の各省庁に、釣りや麻雀、オートバイ仲間がいるんでな。ケイは広報部所属の経歴があるから、出版業界に顔が効く」

 

多趣味である故に、黒江は各省庁にコネを作っていた。それも事務方のトップに近い層などに。また、圭子は引退後を考えて、出版業界にコネを作っていることも伝えられる。それが結果的に功を奏するのである。

 

「さて、そろそろいいか。見せておく。アナハイム・エレクトロニクス社とかから送られてきた『ブツ』を」

 

「!」

 

そこには、歴代のガンダムタイプが装備ごと安置されていた。年代はバラバラである。古いものでは、デラーズ紛争当時のものだ。

 

 

「アナハイム・エレクトロニクス社、サナリィの双方に供出させた機体だ。年代はバラバラ。最新技術での近代化はしてあるそうだ。ガンダムタイプは原則的に、残っているものは保管されているそうでな」

 

ZⅡやクラスターなど、さらに後の世代の機体の実験に供された機体も多いが、後に実用化された量産機より性能向上の余地が大きいと判定され、データ収集のため、現役に復帰した。MSの存在意義に(外宇宙時代のため)疑義が呈されている時代ゆえに、地球連邦の技術のシンボルでもあったガンダムタイプで、軍事的有用性の健在ぶりをアピールしたいMS開発部の思惑が絡んでいた。コズミック・イラ世界の機体が一部を除いて、ないのは、MSの動力に互換性がないこと(ミノフスキー物理学前提の核融合炉と超電導バッテリーなど)、改修しなければ、地球連邦のユニバーサル規格の電装品が使えないなどの難点があったからである。また、PS装甲にメリットがない(ビーム兵器に防弾効果があまり見込めない、無駄に重い)などの点が見過ごせない点が大きかった。また、いくら高効率のスラスターなどを積んで飛翔させたとしても、ミノフスキー物理学を前提にしてのG緩和能力を伴う(ミノフスキー・ドライブ)V2ガンダムやその改良型には及ばない(特に、機動力で隔絶の差があった)というのも、デスティニーなどに、地球連邦軍がそれほど興味を示さなかったのは、殆どの装備で上位互換が実現されていたからである。

 

「時空管理局や波動エンジンの誤作動とかで出会った、平行世界のものもあるけど、先方が送ってきた機体は研究材料にしかならんものが大半でな。戦って鹵獲したものもあるけど」

 

 

既に小型MSの時代が終焉に向かい、ゼロシステムなどのヤバい代物も出尽くした感のある未来世界。故に、MSは兵器として完成されたカテゴリであり、量産機に突出した性能がないことが逆に咎められるようになったのは、外宇宙との戦争の時代を迎えた後の事だ。マジンガーやゲッターなどのスーパーロボは強力だが、ほとんどワンオフであり、そのままの量産は不可能な機体が多い。可変戦闘機も、高性能を追求すると、どうしても大量生産ができなくなるというジレンマに悩まされているため、必然的にスーパーロボットが象徴のように扱われる。マジンガーの場合は、マジンカイザーの(光子力駆動の機械の悪用を感知すると発動する)『魔モード』を回避するために、量産機は性能を抑えないとならない、ゲッターは高性能を求めすぎると、初代チームに匹敵する者しか乗りこなせないという問題が発生する。また、それ以外のスーパーロボは『無敵ではない』。無敵の印象を押しつけるのは大衆の身勝手だが、マジンガーZは愚か、グレートマジンガーも、負ける時は負けるのは事実である。真に無敵と言えるのは、ゴッドマーズやダンクーガ、マジンカイザー、真ゲッターロボくらいだ。また、道理を捻じ曲げることで、そうあろうとした(当時)がマジンガーZEROである。

 

「今は義勇兵が特攻を含めた戦法で支えてくれているが、絶対数が足りん以上、それもおいそれとできなくなる。史実だと、先に燃料と人が尽きたからな。一回限りで派手にやるから、あれ(特攻)はいいんであって、常にやるもんじゃない。対策がされるしな。まぁ、それでも損害を与えてたけど。この世界線じゃ、狂気の沙汰扱いだろうな。死と引き換えに、空母や戦艦をスクラップにするのは。800キロ爆弾を抱えた飛行機が逆落としで、猛スピードで突っ込んできてみろ。兵隊たちはイカれる。おまけに、自衛隊からのミサイルが超音速で突っ込んできてくるときてる。この時代の対空装備じゃ、ミサイルは防げんしな。連合艦隊はそれを想定した装備に変えたから、突っ込んだんだ」

 

義勇兵は『一度は死んだようなもんだ』ということで、特攻を行う。M粒子のせいで、遠隔操縦ができないため、特攻をするコースで脱出するのは一苦労であるので、工夫して、操縦桿を固定した上で、落下傘降下する方法が当たり前だが、『死に場所を得られた』と、本当に散華する者もいる。天山で突っ込み、エセックス級空母を(待機していた魔女ごと)撃沈に追い込んだのが報告されている。こうした、魔女搭載の空母が(要員の訓練不足で)特攻を防げずに粉砕されていったことで、魔女同士が戦う事態は未然に防がれたようなものであった。だが、これをサボタージュの大義名分としていた魔女たちは、陸戦魔女でも、暗殺拳の使い手の前にあえなく倒され、プリキュアを以ても、一敗地に塗れる流れに飲み込まれ、軍事的に役立たずの烙印を押されかける。これに危惧を抱いたのが、第一航空戦隊の魔女らで、彼女らの血の献身が始まるのである。

 

「……まずいな。キュアマーメイドが北斗の拳のシンのそっくりさんに負けたそうだ」

 

「えぇ!?」

 

「ガチで南斗聖拳使ってきて、ズタボロにされて、今、キュアラブリーとキュアダイヤモンドが野戦病院に担ぎ込んだって連絡があった」

 

「って、先輩!どうやって連絡を?」

 

「テレパシーだよ。聖闘士になれば、テレパシーくらいは当たり前に使えるようになる。それに、プリキュアも感覚が強化されれば、できるようになるそうだ。今は無線がミノフスキー粒子で通じんことが増えるから、覚えろ」

 

「え~!!!」

 

と、いうように、ここから、のぞみは(必要上の理由で)聖闘士式の訓練を課されていく。また、MSの操縦訓練も課されていくわけだが、テレパシーは、普通の無線がミノフスキー粒子の影響で通じないことが多くなるための必須技能となっていく。のぞみがそれらを完全にモノにするのは、ここからしばらく後の事になる。また、この頃から、黒江がシンフォギアを手軽な防具代わりに使っていることが話題になる。さらに、元々の容姿が別にあることも部内で盛り上がる。本人曰く、『軍隊で喉を潰す前の状態に戻ったから、アンバランスなんだよ』とのことだが、元の容姿が日本でも、ある程度は知られている故に、隠密行動に向かないという事情も絡んでいる。そのため、調は黒江の代理で、あれこれの交渉にも駆り出されていた。その合間の健康診断で『P因子』が確認されたのである。その事は小日向未来に伝えられたのだが。

 

 

 

 

――野戦病院――

 

「ここしばらく、事が思うように運ばなかった事が堪えてるから、しばらくは伏せておいてください。これ以上刺激したら……」

 

「立花響にも困ったものだな……。腫れ物のように扱うしかないとはな」

 

「響は頑固なところがあるから。どうします、キュアダイヤモンド」

 

「そうだな。こいつの父上の捜索は時空管理局に委ねるしかあるまい。何が怖いのだ?」

 

「響は天羽奏さんから受け継いだ力だって、ガングニールに執着してるんです。因子が覚醒したところで、ギアが使えなくなるわけでもないのに……」

 

「精神的要因だな。キャロルは救えず、エリスのゲイ・ボルグに力負けした上、マガイモノと嘲られた事を自分の手で否定できなかったこと、ガングニールとロンギヌスは本来、別々のものだという因果の存在……。天羽奏から受け継いだといっても、フロンティア事変で消えてなかったか?まったく……。自分の母親よりも、君や父親を愛しているという環境か?」

 

「自分の居場所や拠り所が否定されるのが怖いんですよ。それが巡りに巡って、善意の押し付けになってる事にも気づかない…。奏さんが死んだ後、お父さんがDVに走って、蒸発したことで……響の箍はもう、外れていたかもしれません」

 

 

小日向未来にも『P因子』は存在する。だが、精神のバランスがおかしくなっており、沖田総司の人格のほうが強まる事による、基本人格の侵食を危惧した未来とキュアダイヤモンドの判断もあり、沖田総司をなだめすかしつつ、立花響のP因子の自然覚醒を待つ事になった。

 

「これから君はどうする?」

 

「神獣鏡を使います。因子が覚醒したとしても、どの世代のプリキュアかはわかりませんし」

 

「それもそうだな。立花響は鎮静剤を定期的に投与して、しばらくは休ませたほうがいいな。強引にさせんと、休まんだろうし」

 

シンフォギア姿のままで眠らされている響。これは即効性の物を投与されたからで、シンフォギアは肉体自体を強化するものではないため、睡眠薬や鎮静剤等の投与は普通に効果を発揮する。また、響は頑強な体質であるとの事から、即効性と安全性の両立ができている最新のものが治験代わりに使われた。

 

「なんかシュールですね、この光景…」

 

「いうな。それはお互い様だ。お前もギアを使っているし、私はプリキュアに変身しているしな」

 

ややこしいが、キュアダイヤモンドこと、菱川六花はシンフォギア世界線のどれかでのサンジェルマンの転生した姿であった。記憶が覚醒した事により、(A世界線では出会わなかったが、出会った場合の記憶が宿っている)お互いに顔見知りとして接している。

 

「響の覚醒はいつにになると思います?」

 

「心境が変わらんと、完全覚醒には至らんだろう。君や調のほうが先かもしれんから、それはなんとも言えんよ。それと、現役時代から能力を変質させるやもしれん。」

 

「響のことだから、普通のアイテムにも拒否反応起こしそう……」

 

と、この二人も、響の精神が落ち着かない限りは因子の自然増加は起きない事を悟っていた。その通り、響が因子を受け入れ、キュアグレースとなるには、ここからまだ長い時間を必要とするのである。

 

「それよりも、君が力になりたいと願うのを受け入れさせんとな……」

 

「ええ……」

 

響は未来を日常の象徴として捉えており、戦場から遠ざけたいという考えであるが、未来自身は(響のためなら)血みどろの戦闘をすることも厭わない。その考えのすれ違いが二人の関係に、いつの間にか溝を作ってしまったと言える。そのすれ違いは、かつて、学園都市にいた『上条当麻』が禁書目録(インデックス)を守るために、彼女を戦いから(できるだけ)遠ざけていたことによく似ていた。また、何の因果か、小日向未来はそのインデックスとよく似た声をしている。それをキュアダイヤモンドは知っていた。

 

(この手の声は……。そういう因果でも持っているのか?まぁ、それは私も同じか)

 

覚醒前は学園都市にいて、常盤台中学に『婚后光子』として在籍していたことから、魂の意味での因果を考える、キュアダイヤモンド。それを言うと、キリがないのも事実だが、常盤台への在籍時代に、インデックスを何度か見たことがあるからか、なんとも言えない気持ちになったのは事実であった。

 

 

 

 

 

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