ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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ダイ・アナザー・デイ編です。


第三百十話「ダイ・アナザー・デイの戦い 37」

結局、現場と後方の双方で人的にズタボロに追い込まれていた扶桑は、地球連邦軍や自衛隊からの派遣人員に参謀の殆どを担わせ、航空兵は旧日本軍の生き残りに担わせた。レシプロ機を操縦できればいいのだが、国家に不信を持った者も多いため、揉め事の温床ともなった。黒江たちに合流した者らは一級の質とモラルを持つ者たちだが、それでない者も多いので、魔女部隊は彼らからの冷たい視線に耐えなければならず、サボタージュを次第に撤回していったが、彼女らの居場所はもはや、戦場にはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

紫電改や烈風、F6F、F4Uなどの末期型のレシプロ戦闘機が飛び交い、鎬を削る。大戦中期水準から後期水準へ移行し始めていたばかりのストライカーユニットの性能では、ハイオクタン値燃料等の導入で飛躍的に高性能化したそれらに追従できず、かといって、装備が完全に怪異専任化されていた都合上、重装甲化された大戦後期型の戦闘機を落とすのは容易ではなく、結局は64F以外は『使いものにならない』とされた。この頃には、F-86も慣熟訓練中であり、登場は間近であるので、レシプロが主役という空気は消えていくことになるわけだが、Me262どころか、そのさらに次の世代の戦闘機が現れ、レシプロ戦闘機の全盛時代の幕引きをしていくことになる。それはもうまもなくであった。

 

 

 

 

「あまり時間はない。南斗聖拳は末端の連中でも、並の兵隊の1000人分の戦力はある。それに、バダンやクライシスも動いている。そいつらはヒーローたちが食い止めているが、俺達も対処してみせなけりゃ、来年は政治家に軍の予算を削られる。だから、武器は借りてきてる。純粋な悪だから、お前らの現役時代の技は通じん。はーちゃんは能力を一部失った後、それを別の力で補完したが、浄化向けじゃないから、みらいは泡吹くだろう。リコも腰抜かしたし」

 

「あ、そういえば……」

 

キュアフェリーチェは能力が変質しており、以前のような浄化能力はない。その代わりに、敵を倒すという方向に振り切れており、ストナーサンシャインやシャインスパーク、サンダーボンバー、ソードトマホークなどを使えるようになっている。ハルトマン経由で、飛天御剣流も会得済みなど、ゲッター線の影響をもろに受けている。

 

「先輩、なに教えたんです?」

 

「ハルトマンも噛んでるんだよ、これ。あの子が望んだことだから、俺はどうこう言えんよ。で、ハルトマンが面白がって、首突っ込んできてな。せっかくだから、やらせた。この戦いが終わったら、お前にもやらせる。万一に備えるって意味でな」

 

キュアドリームはなんとも言えない表情をしたが、騒動で転職が潰されてしまうため、ヤケクソのように取り組み始める。やがて、タウ・リンへの敗北をきっかけに熱が入るようになり、太平洋戦争勃発までには、プリキュアの域を超えた戦闘力を手にするのであるが、それにはそれなりの時間を要するのだ。

 

 

「上は、ノイマンが政治の都合で、下手したら、全身麻痺と盲目に追い込まれても、何の補償も無しになるところだったのに怯えている。向こうが逆ギレしたのにだ。コンドル軍団にいただけで、だ。結局、ノイマンは体は未来の医療でどうにかなったが、心が壊れてな。鬱病に陥ってる。慰留はしてるが、本人は残務整理の後に退役したいと言ってる。カールスラントの皇帝すら退位に追い込まれそうになったんでな。コンドル軍団にいた連中は軍籍剥奪が叫ばれたが、史実と真逆のことをしてたんで、勲章等は据え置きにはなったが、直ちに予備役編入に追い込まれた。それで、うちに義勇兵として移籍する動きが加速してる。たぶん、カールスラントのトップ30まではうちに移るだろうな。ノイマンを慕うヤツは多かったし」

 

 

エディタ・ノイマンは実際に、1947年に大佐待遇に戻された後に退役。機械工業系の企業を興す。以後は軍と半ば縁を絶った人生を送ることになるが、元の部下らの求めに応じ、数十年後に飛行クラブを設立することになる。また、カールスラント空軍は事件を衰退の最大の引き金とし、瞬く間に形骸化してしまう。1945年は古参の『あがり』が始まる時期であったのもまずかった。カールスラントの帝政は軍の力を背景に成り立っていたため、その軍が弱体化すれば、皇帝の権威も失われてしまう。

 

「ドイツは何考えてるんですかね」

 

「ナチだと思ったら、第二帝政のままだったんで、気まずくなったのさ。東西分裂どころか、ポーランドとかの領域も治めてたし、ポーランドなんて、この世界だと、影も形もない。だから、統治地域の権利はそのままになった。ポーランドがごねたが、歴史的に影も形もないんだからってヤツだからな。おかげで、カールスラントは内戦だ。ドイツ系の艦娘とかはその前に、南洋へ脱出させたが、海軍の主力が『火元』だから、海軍はスクラップだ」

 

「どうするんですかね」

 

「M動乱で鹵獲できた船を譲渡してやったから、それを使って再建だろう。今更、ビスマルクとティルピッツを出したところで、超大和型戦艦すらいる戦場にはいられんよ」

 

と、カールスラント海軍を酷評する黒江。ビスマルクとティルピッツは辛うじて無事であったと報が届いたが、港でスクラップ同然に朽ち果てているという。最も、超大和型戦艦が主役になった海では、プレ・ヤマト世代は前座でしかないが。

 

「リットリオもそうだが、イタリアとドイツの腐れ戦艦じゃ、艦隊決戦を目的に進化したアメリカ海軍の大戦艦の相手にはならん。イギリスも、艦隊決戦は主目的じゃないから、それ専用に特化した戦艦だらけのうちしか、戦えん」

 

結局、魔女の世界では『大国の庇護を受けない小国は(地政学的な有利な要素がないと)怪異に飲み込まれる』歴史があるため、日本やドイツなどの左派の目論んだ動きは現地民に否定され、民族自決の加速を促そうとした働きかけは潰えた。魔女を輩出する地域がなければ、国の安全すら担保できない世界であった故である。だが、カールスラントは内戦に突入。1947年までには落ち着くも、『23世紀まで中堅国にも戻れないだろう』というほどの惨状となる。魔女研究が最も進んでいた同国の衰退で、魔女関連研究は停滞傾向に突入。扶桑はこうして、(否応なしに)魔女関連研究の大家に祭り上げられてしまう。だが、カールスラントの資金力と研究力が消えた代償は大きく、扶桑が第二世代理論を実用段階に持ち込み、それを曲がりなりにも量産化するのは、太平洋戦争の開戦からしばらくした後にずれ込んでしまう。軍事予算に国民総生産の多くを費やせた国家が消えたことで、世界の軍事研究がむしろ停滞してしまうのは、民主主義かつ、資本主義国家の持つ有事における弱点であった。

 

「日本は批判しまくってますよ」

 

「今回のことで腰を抜かすよ。近代化してあるからな、あらゆるところを。それより、ミノフスキー物理学の対策くらい、研究を始めろっての。21世紀から始めれば、22世紀終わりには間に合うはずだし。」

 

ミノフスキー物理学の登場により、旧来のデジタルデータなどを前提にしての社会は崩壊してしまい、21世紀前半までの状態に逆戻りしてしまった。この時にスマホなどの通信網も崩壊してしまうという、社会インフラが20世紀後半の状態に逆戻りしてしまう有様となったが、情報の制限はジオンの独裁の温床になったため、ミノフスキー物理学を前提としない通信網などの構築に戦後は心血が注がれ、タキオン通信がかつての光ファイバーの役目を代替しつつある。

 

「ぼくの財団にさせてるよ。孫の代までには終わるはずだ」

 

「上々だ。セワシを敵に回すのが、ジオン最大のミスだ。ブリティッシュ作戦の前までは、セワシは融和派だったはずだし」

 

「良識派に言ってやったよ、この間。そうしたら、『あれはギレン派の独断だった』って言い訳し始めてね。やるにしても、セワシの次男坊の一家がシドニーを発つ日の後にするのがいいって進言してたのに……って。荒野の迅雷が生前に言っていた事は正しかったな」

 

「ああ、ヴィッシュ・ドナヒューのことか……」

 

「彼が生きていてくれればね」

 

 

一年戦争で戦死した『荒野の迅雷』ヴィッシュ・ドナヒュー。彼が戦死する直前に漏らしたのが『コロニーを落とした時点で、ジオンは負けることが運命づけられた』という趣旨の発言であった。また、サイド3についても、『ザビ家の台頭を許した時点で、ナチス・ドイツと同様になるのは見えていた』とも発言しており、シャア・アズナブルもザビ家の敗北自体は歓迎している。結局、ジオンはアナベル・ガトーなどの過激派が生存する一方、ジョニー・ライデンやシン・マツナガなどの良識派の将校が未帰還に終わるという結果に終わった。

 

「ジョニー・ライデンも、シン・マツナガも(ジオン軍人としては)未帰還に終わった(シン・マツナガは生存説がある)からな。生き残ったのが、デラーズに感化された、アナベル・ガトーとかの過激派だもんな。お前の世界も災難だな」

 

ただし、ジオンのエースパイロットの少なからずはジオンの大義に、戦争末期には疑問を抱き、ア・バオア・クー攻防戦のどさくさ紛れに、戦死を装って姿を消し、ひっそりと隠棲生活に入った事例も多い。また、顔を変えて隠棲していたが、異星人との戦争で偽名と併せて、別人として地球連邦軍に入隊し、エースパイロットとして認知された人物もいるくらいである。

 

「本当にそうさ。ティターンズを生んだのも、巡りに巡って、ジオンのせいだしね」

 

結局、ティターンズも残党がジオン残党の駒にされて消えてきているため、ジオン残党の大枠に収めることで、連邦軍の暗部を隠蔽しようとしているのも事実である。要するに、政府の保守派と左派がティターンズとエゥーゴを天秤にかけたわけだ。だが、此度のナチ残党が巡りに巡って、『平行世界までも巻き込んだ大戦を、ティターンズやクライシス帝国をも利用して引き起こしつつある』事態に、地球連邦軍は正式に討伐を決定した。非戦派の無思慮な反対運動もあったが、平行世界の人々をも巻き込む『ナチ残党の大いなる陰謀』の前に消えていった。

 

「君らは『救いを求める人々の願い』で集められたと言っていい。それは胸に刻んでおきな」

 

と、のび太から言い含められ、後に引けなくなるキュアドリーム。『この世界の人間の存在を乗っ取る』形で顕現したからで、本人もその引け目があるからだ。その因果もあり、結果的には、職業軍人を通す事になる。政治の都合でそうさせられるからだが、個人ではどうしようもない流れであったため、日本も損害補償に神経質となり、過剰までの補償金が支払われることになる。既についていた話を(政治の力で無理に)破談に追い込んだという事実は訴訟されれば、確実に政府が敗訴することを決定づけているからである。結果的に、のぞみは扶桑に『帰る家がない』ことを妙実に示したため、ダイ・アナザー・デイ後は野比家に下宿することになる。また、正式にアニメ本編を経ていることが確認されたため、アイドル同然に扱われ、普段の姿(夢原のぞみとして)での生活が却って困難になったため、逆説的なアイデアで、キュアドリームの姿で過ごすようになるのである。

 

「それが、あたしが転生した意味なのかな……?」

 

「そうだよ。人々は『君』を求めたんだ。おそらく、何代もいたであろう変身者の中から……ね」

 

プリキュアのシステム自体は変身者の代替わりを想定したものだが、人々は『アニメ通りの変身者』を求めた。その結果がのぞみらの転生であった。また、現実世界の変身能力が変質する場合も多いので、のぞみは変質により、アイテムを必ずしも必要とせず、気合を込めれば変身できるように変わっている。また、変身の維持でかかる負担も現役時代より軽減されている。それは転生後の肉体が変身に馴染むことで、更に進む事になる。

 

「あ、音が」

 

「キュアハートの戦車隊が交戦に入ったようだ。アウトレンジ戦法は市街地じゃできないから、遭遇戦になるけど」

 

「パンターで大丈夫?」

 

「パーシングに出くわさない限りは大丈夫だよ。パーシングは改良型でも、欧州にはそんなに回されないと思う。まぁ、戦車駆逐車の部隊がボコボコにされるか、反対派が失脚すれば、話は別だけど」

 

ドラえもんの言う通り、M26重戦車は史実通りに(敵味方共に)配備に反対派が多かったが、味方側はアイゼンハワーへのメタ情報の提供による鶴の一声であっさり通され、敵側はM4の大損害の連続による報道で、全責任を陸軍管理本部に被せる形で配備が進んだ。だが、配備は(敵の政治的理由で)本土が優先されたため、連合軍の戦車戦での優位はしばらく維持されたのである。カールスラントが備蓄していた当時最新の徹甲弾『装弾筒付徹甲弾』の在庫が放出され、数千発程度は確保できたことも大きかった。パンターはパーシング以後の米戦車が普及すれば『旧式戦車』に成り下がるとされたが、実際には、連合軍が熟練の戦車兵を優先して搭乗させていたり、徹甲弾を最新型に交換していた等の理由で、パンターは(大方の予想に反して)奮戦している。これは人同士の戦争で、リベリオン合衆国側の士気が低かったり、連合軍側の士気が(大義名分がある故に)そこそこ高かったことが理由であった。これはカールスラント軍がほとんどいなくなり、『戦って英雄として死ぬか、逃亡者として銃殺されるか。好きな方を選べ』と強要されなくなった(そう言った者は義勇兵にリンチされて、再起不能にされるのも大きい)ことによる。カールスラント軍の問題点は貴族出身者の高飛車な物言いによる軋轢であったので、華族であろうとも、下手に出る日本連邦の将兵の評判は良かった。

 

「カールスラントの連中が消えたおかげで、風通しが良くなったのも皮肉なもんだ。陸軍の連中は命令の強要で評判悪かったしな」

 

「皇室親衛隊は実戦部隊としては解体ですもんね。それだけでも良かったですよ」

 

「うちの近衛はクーデターの時のお上の守護のために残る見通しだが、皇宮警察がうるさいんでな。あいつら、正規軍とやれるとでも思ってるのかね?」

 

「単に、平時の事しか考えてない上に、連中は軍隊を土木作業員としか見てないのさ。学のない、ね。防衛大学校は普通の大学じゃないからね、法律上。学士に認定されるようになったのも、90年代だし」

 

「その兼ね合いで、統合士官学校にしたんだろ、こっちの兵学校と陸士を」

 

「主な問題は入校の下限年齢さ。高等教育機関な以上、最低でも18歳以上としたい日本と、魔女の入校を想定した扶桑とで揉めてる。」

 

「その妥協で、15歳になりそうだ。この時代、女に学はいらないって考えも生きてるが、軍隊行けば、合法的に高等教育が受けられて、礼儀作法の勉強になるってことで、行かせるのも多いしな」

 

結局、魔女の社会的地位の否定ではない事を示すため、15歳を下限とすること、この時代における中卒~大卒相当の知識を仕込む場所として位置づけられる事になり、旧課程(陸士と海兵)の卒業者は学歴上は戦後で言う『短大卒』の位置づけで遇される事になった。21世紀にすぐに合わせたら、社会が大混乱を起こすため、Y委員会は『時間をかけての改革』を志向していたが、日本は『自分らはそれでうまくいった』とし、史実通りの大改革を叫んだ。結果、扶桑をさらなる混乱に陥れ、黒江たちに太平洋戦争の行方を依存する流れを確定させてしまう。その罪は魔女兵科にあったため、1947年。つまりは開戦の年、兵科の解体が秘密裏に議論されたが、魔女の近代化の功労者である『竹井海軍少将』(竹井の祖父)の存命中は兵科を維持せよという、昭和天皇の鶴の一声で(戦時下の混乱を懸念した)今しばらくの時間を与えられるが、竹井少将は事変当時の時点で高齢であったため、孫であるキュアマーメイド(竹井は海藤みなみの転生者であった)は『50年代の前半まで持てば、御の字だろう』と、1945年時点で余命が心配されるほどに体調が悪化している。

 

「竹井のじいさんの命が、どのくらい持つか。地球連邦軍の施設に移したが、持って六、七年。日本は特権意識の温床だと宣って、兵科の解体を叫んでいるが、今更、通常兵科には組み込めんよ。俺達は例外中の例外だし」

 

「特技班扱いに落ち着かせるよう、防衛省に圧力をかけてみるよ。今の防衛省の事務次官は親父の高校の後輩だし、その息子はスネ夫の貿易会社の一社員だ。出木杉くんにたのんで、会食をセッティングしてもらう」

 

「頼む」

 

黒江はのび太やスネ夫たちの成人後の時代での地位の高さに感嘆する。官庁の要人を裏で脅せて、なおかつ、自分たちに塁が及ばないように工作できるだけの力を20代後半時点で持っているのだから。しかも、ジャイアン、スネ夫、のび太の三者は社会的成功者でありながら、(特に、ジャイアンとのび太。成り上がった男にありがちな)女遊びに興味はなく、おしどり夫婦ぶりが公に知られる。更に、20代後半で愛息を儲けているなど、21世紀の家庭人として模範的であるとさえいえる。ただし、ジャイアンは立場上、麻雀やゴルフなどを嗜むが、のび太は成人後、モータースポーツと射撃に入れ込んでいるという違いがある。これは父ののび助に、子供時代から『男子たるもの、男らしい趣味の一つでも、持ったらどうなんだ』と愚痴られることが多かったことへの回答でもあった。

 

「のび太くん、すっごい……」

 

「何、スネ夫やジャイアン、それと親父のコネさ。親父、会社の重役にまで成り上がったし」

 

のび太の父であるのび助は、のび太が11歳の時点で、会社の課長になっていたので、それから時を経れば、重役に抜擢されるくらいには優秀なサラリーマンであった。ただし、ある一定の地位に留まったのは、グローバル化の時代にふさわしくないほど、外国語が苦手という(元々が芸術家気質であったので、勉学は苦手であった)弱点があったからだ。2000年代以降の流れに完全に取り残されてしまっていると言っても過言ではなかったので、黒江、調、ことはを始めとした面々が所々で助け舟を出し、なんとか重役にまで押し上げた。のび太が28歳時点(2016年前後)では、重役になって間もない頃で、一応はまだ現役だが、妻の玉子は年月の経過で老成し、物腰もすっかり柔らかくなった。息子の成人と就職で、肩の荷が下りたからであろう。また、のび助が務めている会社は、のび助が若い頃は同族経営であったが、それが代替わりで緩和される時に、長年の功労者であったのび助が重役に抜擢されたらしい。

 

「ただ、こいつの親父さん、2000年代始めの頃に30後半になってたのに、外国語がまるでダメでなぁ。何度か助け舟出したよ。」

 

「え、その頃に外国語できないって、よく出世できたね?」

 

「親父、人柄はいいから、それなりに実績は挙げてたんだ。36の時に課長くらいになれてたし」

 

のび助は同期に比べると、出世が遅いと愚痴ったこともあるが、その後の時代の流れを鑑みた場合、30代のうちに中間管理職になり、社長、専務、常務などの重役たちが年始に挨拶しにくるなどの扱いをされているというのは、『重要人物』と見なされている証であった。

 

「けっこう出世してない?」

 

「今から考えればね。ただ、おふくろが教育ママってやつで、受験戦争を気にしてたせいで、学生時代のうちの数年間は棒にふったようなものなのは、愚痴ってるよ、酒の席で。まぁ、つきあいで飲む程度だけど」

 

のび助は玉子の教育ママぶりを、息子が思春期の頃に諌めたが、玉子は受験戦争時代の生き証人であったため、息子を勉強漬けにさせたが、案の定、のび太は浪人生活を一年ほど送る羽目になった(ただし、しずかと同じ大学に行きたがったという選択の結果だが)。のび太が大学受験をする時代には、ゆとり教育が行われており、玉子の若かりし頃からは、大学受験も様相が変わっていたが、玉子がそれを知ったのは、息子の一浪が決定した時のこと。結局、その翌年に補欠合格と、のび太は強運を発揮。一年遅れで大学生になったわけだ。

 

「それで、結婚した後に、おふくろはすっかり『枯れた』。まだ、そんな歳でもないんだけどね」

 

と、若いうちの教育ママぶりが嘘のように、母親が精神的に老け込んだ事に寂しさを感じているのび太。のぞみも、前世で母親になった後、自分の母親が精神的に老け込んでいったのを覚えているので、共感の表情であった。

 

「しみったれた話になったね、。連合軍は戦車も足りないから、スーパーヒーロー達や、艦娘の通商破壊に過剰に期待してる。だけど、こっちがやることは、敵もやってくる。しかも、軽空母や護衛空母を使って、飛行機を雲霞のように運んでくるから。今頃、フェリーチェがストナーサンシャインで、敵の輸送艦隊を消し飛ばしてるはずだ」

 

「みらいちゃんが見たら、腰抜かすよ」

 

と、何気に物騒だが、この時点で、対軍級の力を奮えるのは、キュアフェリーチェのみ。のび太やドラえもん、黒江達の長年の育成の成果であると同時に、マジンガーZEROの戯れの結果でもある。要因は複雑だが、これからののぞみの運命をも暗示していた。

 

 

 

 

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