ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百十一話「ダイ・アナザー・デイの戦い 38」

かくして、自動工場などの導入で、航空エンジンの精度が安定した扶桑だが、レシプロエンジンの時代の終焉に伴う切り替えの時代に突入した事により、本来は連山の速力改良用に用意されていた3000馬力エンジンを戦闘機に転用した。それが陣風の初期モデルであった。ハ44と呼称された長島製最後の航空レシプロエンジンを改良し、3000馬力としたものであり、日本としては起用するつもりはなかったものだ。とはいえ、P-51やF8Fにスペックで伍するレシプロ戦闘機は悲願であり、事後承認の形で量産され、日本系レシプロ戦闘機の最後の雄となった。半分は長島飛行機への救済措置であった。その一方で、横須賀航空隊が期待した天雷が『役立たず』の烙印を押され、海軍航空隊の空母機動部隊への専念が決まった故に、局地戦闘機の開発は震電が最後となることに反発が起こっていた。この反発が横須賀航空隊の命運を左右してしまうことになった。ジェット機の登場の要求は前線では当たり前であったが、本土では軽視されていた。この空気の落差が、ダイ・アナザー・デイから程なくして、扶桑皇国の航空業界そのものに『悲劇』を呼び込むのである。

 

 

 

 

この避けられぬ流れにより、扶桑の航空業界も、史実通りに開発力的意味での衰退が始まることとなるが、生産能力は維持されたため、ライセンス生産機の供給に支障はなかった。それは避けようのない運命であったが、戦線が長引けば、P-80などの登場が確実視されていたので、F-86が決戦兵器として、量産が急がれたのである。また、軽空母や護衛空母の始末に手を焼いたが、通商破壊を『卑怯』と侮蔑する魔女出身参謀らのせいで、潜水艦と、その搭載武器の開発が停滞していたため、ヤケクソのように『超人らに海上で始末してもらう』というドクトリンに行き着いた。正面切って、艦隊決戦を挑める海軍が扶桑しかなくなり、その戦力を通商破壊に割くことが愚の骨頂とされたからで、圭子やキュアフェリーチェはロボットガールズと共に、その任務に駆り出されていた。輸送目的の艦隊であったため、飛行甲板もびっちりと飛行機で埋まっており、緊急事態への対応力に欠けていた。それも、敵方には不幸であった。

 

 

『ストナァァァァァァ・サァァァァンシャァァァァインッ!!』

 

『両腕にゲッターエネルギーを圧縮し、それを前に包むように構えた両手のなかで集束させてエネルギー弾を生成する』という簡単な動きだが、使用にはゲッターへの適性を一定程度は必要とする。フェリーチェは未来世界で早乙女研究所の事故に立ち会い、その際に『ゲッターエンペラー』を垣間見ている。その関係で、戦闘関連の能力は『現役時代と半ば決別するような』形に変貌している。エンペラーが何かかしらの加護を与えたものと思われる。ストナーサンシャインを生成する際には、フェリーチェの顔には、真ゲッター1と同じ模様が浮き上がっている。瞳も螺旋模様になっており、(みらいとリコを一度は失ったために)(世界を守るために)ゲッター線に身を委ねることを選んだ事を明確に示した様子を見せる。彼女は現役時代の超然性の名残りこそあるが、口調はかなり荒くなっており、この時点では、(蘇生後の)リコが腰を抜かすことになった。特に気が立っている場合は顕著である。

 

「うっさい!!艦隊は始末したって言ってんでしょーが!!小沢長官にそう伝えろっての!!」

 

と、融通の効かない若手参謀をそう怒鳴って一蹴する。プリキュアである上、日本連邦の超・要人である、のび太の『妹』という立場なので、そこらの参謀をぞんざいに扱っても、問題はない。日本にとっても、参謀などは『いくらでも変えの効くもの』だからだ。

 

「ったく、ペーペーの参謀は融通が効かないったら……」

 

姿は変わらないが、口調などがかなり俗っぽくなっているのは、フェリーチェの姿で大学に通い(現役時代の『高位の存在』ではなくなったのもあるが)、学生生活を送っていた結果によるもの。また、フェリーチェの姿をなるべく保ったため、精神的に成長したことも大きい。この時点で、別次元の彼女自身とは『別の存在』になっている事がわかる。艦隊を護衛艦ごと瞬殺するなど、以前より攻撃的になったところもある。

 

「俺だ。首尾はどうだ」

 

「艦隊は消滅させました。これで、数百機分の補給は粉砕したことに」

 

「よくやった。他の連中と併せて、700機は削った。敵も数週は攻撃を控えるだろう。まぁ、微々たるもんだが」

 

と、700機もの大損害すらも『軽い損害』と見なされるところに、リベリオン合衆国の最盛期ともいえる時代での工業生産能力が凄まじいのがわかる。記録によれば、第二次世界大戦のアメリカ合衆国の航空機生産数は数十万を有に超える。日本はせいぜい7万程度。扶桑はそれより数万は増えるが、おそらくは史実のドイツと似たりよったりであろう。そのため、他のすべてを合わせなくては、航空機生産数で追いつけないという点に、リベリオン合衆国の大国ぶりが表れている。

 

「いったん戻って、ドリームに会ってやれ。ややこしいがな」

 

「わかりました。説明がややこしいことになりそうですね」

 

これはフェリーチェが呼ばれた時間軸の都合によるもので、新早乙女研究所の事故に、実はキュアドリームも立ち合っていたりする。そのため、ややこしいことになっているのだ。そのため、いくつかの説明ははぐらかすしかない。タイムマシンがある故の少し不思議なところであった。

 

 

 

 

 

「それと、例のプロジェクトだけど、公にやれそうだ」

 

「いいのか?」

 

「ネオ・ジオンが今度の戦争で負ければ、兵士たちは路頭に迷う。そいつらを雇うためだよ」

 

「シャアはなんのために動いたんだ?性懲りもなく」

 

「単に、アムロさんとイチャコラしたいたじゃないの?ジオンの派閥抗争にうんざりしてるはずだけど、彼も」

 

「だと思いますよ。そうでなきゃ、ナイチンゲールを受領しますか?」

 

「言えてるな」

 

皮肉なことに、ナイチンゲールの情報は、メタ情報という形で、アムロ・レイに漏れており、『シャアらしくもない重MSだ』と酷評されたという。ただし、MA級の出力は脅威と見たため、ハイニューの製造段階での強化が図られた。その成果が、この戦闘であった。これは『シャアは軽装甲・高機動のタイプを好む気質である』事を熟知していた故に、ガンダム本来の『質実剛健』の性質を強化すればいいということであった。また、シャアはMS同士の格闘戦に意外に弱いことが、第二次ネオ・ジオン戦争で露呈しており、アムロはそこを重点的に攻めるつもりであった(最も、シャアも常人より圧倒的に強いのには変わりないが)。

 

「連邦軍も人手不足だしね。ジョニー・ライデンの捜索も公にしていい事になったよ」

 

また、この頃には、かつてのジオン軍エースであった『ジョニー・ライデン』の捜索に、野比財団も乗り出しており、公にされてもおり、連邦軍の人員不足が深刻なレベルに達していることは大衆にも認知されていた。ジオン軍パイロットも『地球人同士で争う時代でもない』と、地球連邦軍に下ることも増えた。既に、一年戦争から長い時間が経過し、宇宙開拓時代に入ったことで、地球連邦政府の中心が月に移ったからである。

 

「いいのか?」

 

「キマイラ隊も、子どものぼくが持ち込んだメタ情報で、表立っての行動をやめたって話だからね。『ザビ家の復讐装置』もバレて、サイド3が針の筵だしね」

 

「選民意識丸出しだもんな。なーにが『ザビ家を受け入れぬ世界など消滅せよ。そして、人類は宇宙世紀をもう一度やり直す』だ。追放で済む分、慈悲深いぞ」

 

「うちのカミさんなんて、波動砲でぶち抜いて全滅させちまえって言ってたよ」

 

「お前のカミさん、いうことが過激だよな」

 

「キレると怖いってことさ」

 

ザビ家の復讐装置の露見はジオン共和国、ネオ・ジオンの良識派の双方から大義名分を奪った。この時点で、共和国は『自治権の期間延長』を諦め、良識派も『シャアの再蜂起で強硬派を潰した上で、太陽系の居住権を守る』という風に、段々と達成目標が低くなっていった。これがメカトピア戦役で、子供のび太らがもたらしたメタ情報の威力であり、ジオン残党の求心力も、ジオンを利用していたビスト財団の混乱と、ジオンそのものの斜陽で低下してきている。年月の経過で、ジオン・ダイクンの息吹を知る高齢層が世を去り始めたからである。また、続々と発見される移民惑星(地球より大きい惑星もある)の前に、スペースコロニー自体の魅力が低下したことも、ジオン公国~ネオ・ジオン系の残党の維持には致命的であった。スペースコロニーを金魚鉢と見なし、破壊するのが星間戦争の常であったからで、地球連邦政府も従来式のスペースコロニーの数の維持は諦めつつある。そのため、ガミラスやガトランティスの残党狩りはスペースノイドのほうが熱が入っていたりする。結局、後の星間戦争でさらに破壊されてしまうため、スペースコロニーの数は大きく目減りし、一時は数千近くあったのが、デザリアム戦役後には数百くらいにまで低下していた。しかも、半分近くは旧国家系のコミュニティ維持用の新式で、旧来のシリンダータイプではない。

 

「ネオジャパンに問い合わせたか?ドモンさんの消息」

 

「シャッフル同盟の使命もあるから、どこかで修行に行ったって。それで、レインさんがカンカンだよ」

 

「あー~、面倒くさがりだしな、ドモンさん。俺が後で助け舟出しとく。絶対に喧嘩になるし」

 

と、ドモン・カッシュは(修行で)不在であり、夫婦になっても、お互いにやることはあまり変わりないことが語られる。ドモンは(武道家故か)口下手なため、第三者がとりなすことが常であることも。

 

「一昨年(フェリーチェから見て)、彼のもとで修行してたのですが、奥さんと喧嘩になりかけまして。何の連絡もしていなかったとかで」

 

「あの人、マスター・アジアが思春期以降を育てたから、そういう連絡とかに無頓着なんだよ。元々、科学者一家のボンボンで、忘れた頃に生まれた末っ子なのが、コンプレックスだったみたいでな」

 

ドモン・カッシュはネオジャパンの名家『カッシュ家』の御曹司であった。兄だったキョウジとは八歳もの差があったこと、兄に比べて凡人寄りであった自分に嫌気が差し、それがコンプレックスとなったことで、家出。やがてマスター・アジアに保護され、十年近くを共に過ごした。兄の死後、カッシュ家の財産等を相続したため、意外に裕福であったりする。

 

 

「東方不敗、バリバリの武闘家だったから、そういうとこはできなかったのを気にしてたみたいで、生前に親しかった友人の誰かに相談してたみたいだよ。それに、あの人の素性は不明だしね。一説によると、過去のガンダムファイトで行方不明になった、ネオジャパンのファイターの老けた姿らしいけど」

 

と、マスター・アジアの素性にも触れられ、有力なのは『過去のネオジャパンのファイターのうち、消息が不明な誰か』であるというもので、流派東方不敗の技を使っていた人物が一人だけいたともいう。

 

「謎ですね」

 

「年嵩風の風貌と裏腹に、公称年齢は四十代後半だったそうだしね」

 

 

と、実際の年齢すら不明らしい東方不敗。だが、その彼をしても抗えないほどの病とはなんだったのか?それは闇の中である。ドモン・カッシュをして、『師匠はおそらく、晩年の弱った状態であっても、プリキュアオールスターズの全員を軽く叩きのめせるだろう』と言わしめるほどの力を維持していた。それで最盛期からは『病で弱った』状態なのだから。その弟子のドモン・カッシュも、フェリーチェを『その場から微動だにせずに組み伏せる』実力を誇る。それは後々、キュアドリームも味わうことになる。

 

「あのさ、どんな世界なの?のび太くんの世界……」

 

「ドラえもんが過ごした世界が次元融合現象と統合戦争で崩壊した後、ガンダムとマクロスをベースに、宇宙戦艦ヤマトとかの出来事が起こった世界なのさ。少なくともね。ただし、ヤマトはオリジナル版の出来事だよ」

 

これは宇宙戦艦ヤマトはかなり後年にリメイク版が生まれているからで、プリキュアたちはオリジナルシリーズをまず見ていないからである。

 

「つか、フェリーチェ。どうやって通信してんのさ」

 

「テレパシーですよ。鍛えれば、23世紀の機器なら会話ができますから。時空管理局に電話を改造してもらうのも考えましたが、メーカー保証外になりますし」

 

「妙に切実ぅ~……」

 

「高いんですよ、スマホ。のび太も滅多に買い替えないし」

 

「ガラケーの時代のほうが楽だったよ。今はたった数年で買い替えの案内がくる」

 

のび太も財団の収入込みでは、かなりの収入があるが、それでも、数十万クラスの出費になるので、おいそれ買い替えられない。それはキュアドリームも前世で経験があるので、どこの世界でも、メーカー保証などを気にするのは同じ事に閑古鳥が鳴いた。

 

「うちの親父とおふくろも、散々に愚痴ってるよ。アップデートだのには。昔はそういうことをしなくてよかったのにって」

 

21世紀も20年近くが経過すると、インターネットでのアップデートを前提にした仕組みが普及するので、のび助が会社で四苦八苦していることに触れられる。良くも悪くも、のび助は家電の買い替えなどに鈍感であった、昭和の人間故に、玉子は機械に疎い方であったので、21世紀の『インターネットによるアップデートが月ごとに行われる』前提の機器は嫌いらしい。

 

「だから、はーちゃんや調ちゃん、カミさんが見てやってるわけ。パソコンも、ぼくが買ってもらわなきゃ、買おうともしなかったし」

 

のび助と玉子は良くも悪くも、昭和の最末期から平成のごく初期が青年期であった故に、パソコンの導入も消極的で、のび太が小学生のうちは『別世界の話』と見なしていたとのことだが、パソコンの大衆化が進み、社会のネットワーク化も進み始めた2000年代半ば頃に、黒江が買い与える形で、のび太にノートPCをプレゼントしたのが始まりで、のび助も会社の業務にPCが必須になるにつれ、流石に買う決意を固め、2007年頃からは定期的に買い替えている。だが、息子からはそう認識されているあたり、子供時代に、掃除機や洗濯機の買い替えすらも嫌がっていた姿が強く印象に残っていたからだが、ある意味、けして裕福ではない時期が長かった故に染み付いた性であり、それ故に、自分の子に苦労を強いた面があるのを、のび助は自覚していたという。

 

「まぁ、そう愚痴るなって」

 

「子供の頃、さんざんにスネ夫の自慢話聞かされまくればね」

 

と、地味にそこは我慢がらないのを抑えてきていたことが窺える口ぶりであった。玉子とのび助は後年、息子の欲しがるものをほとんど買い与えなかった理由として、『最初のうちは情操教育の一環だったが、後に引けなくなって……』と言い訳じみていたものの、息子の成人の前後に釈明している。これは家族が(外的要因で)増えたためと、のび太が思春期に突入した2000年代の半ばほどは(両親の時代とは)、社会の常識がすっかり変わった故でもあり、自分らが受けた『安易に物を買い与えない』という教育は既に過去のものになっていた(故に、のび太は成人後、ホビーなどの購入で高級志向になってしまった)故のすれ違いであった。また、スネ夫が(少年期の承認要求の強さで)自慢話ばかりしていたため、コンプレックスが強くなってしまったのを憂いていたが、けして裕福ではなかった(2000~2004年前後)野比家の財政状況では(家がのび助の祖父母の代から借家であった関係で)物的な解決はのび助の兄弟ら(大半が仕事で成功している)が与えるお年玉に頼るしかなかったという事情、また、時代的に、のび太の少年期は1990年代から2000年代前半。日本全体が不景気に最も喘いだ時期であったことも大きかった。

 

「あいつも、ガキの頃はホラ吹きの毛があったからな。まぁ、それで家業を立て直せたんだろうけど」

 

スネ夫は子供時代には、周囲に好かれる立ち位置ではなかった。だが、成人後は『単なる七光りでない成功者』となり、コンツェルンの中興の祖的な扱いとなった。これは、スネ夫が家を継ぐタイミングの前後に『大震災』が起こったため、そこで苦労をし、更に子供時代の自慢癖が中高あたりでマイナスに働き、えらい目にあった(のび太らと別の中学に行った故に)からだと、のび太はいう。おそらく、ジャイアンという後ろ盾の喪失によるいじめにあったものと思われる。その苦い経験が成人後の好人物化に繋がったと思われる。これは実家が経済的苦境に立たされた時期を経たジャイアンとも共通する。ただし、スネ夫口八丁が家業の立て直しに貢献したため、そこは骨川家代々の気質だろう(戦国時代からだと、のび太は言う)。

 

 

「それで、海底鬼岩城の時、あいつとジャイアンは牢屋行きだったよ」

 

「うーん。なんか、喜んでいいのか悪いのか…」

 

「まぁ、君等にとって、僕らは『TVアニメ』だったからね」

 

と、正真正銘の『本人』のぶっちゃけに、微妙な表情のキュアドリーム。子供時代に『声変わり前』のドラえもんのアニメ作品を見たことがある、最後あたりの世代なためだ。

 

「ドリームあたりの世代だと、子供の頃に『太陽王伝説』か、『宇宙漂流記』を見たかどうかってところですよね?みらいは昔、『声変わりした後のアニメの記憶しかない』とか言ってましたし」

 

「ジェネレーションギャップだぁ~…」

 

「そりゃそうだよ。はーちゃん達と君とじゃ、一回りの差があるんだから」

 

と、プリキュアは同年代の姿で会うことが常態なので、実際の年齢差はあまり気にされない。わかりやすくいうと、美墨なぎさは1990年生まれ。のぞみは(世界線によるが)1993年。春野はるか(キュアフローラ)で2002年前後である。そのため、実際には、初期世代と第三世代では、一回り以上の差がある。また、相田マナはラジカセを見たことがないと語っているので、桃園ラブ、あるいは花咲つぼみあたりが『平成初期までの文化の残り香を知っている』分水嶺であろう。

 

「うぅ~。一気に歳食った気分だぁ~……」

 

「バーロー。そんなこと言ったら、俺なんて、大正生まれだぞ。それも、左門豊作と同じ九州の出だ」

 

と、黒江に言われ、タジタジのキュアドリーム。更に言えば、のぞみの肉体になった『中島錦』は昭和三年前後の生まれである。その割に現代ナイズされている黒江の口ぶりに、ムスッと膨れる。

 

「その割に、東京生まれっぽいオーラ出してるじゃないですかぁ~!!しかも、あたしの現役の頃にいても、不思議じゃないくらいに、現代機器に慣れてるしぃ~!」

 

「前世は関東圏だったっけ?」

 

「関東圏ですよぉ!!それに、今回は福生の飛行学校の近くに実家があって……!そこで訓練を……」

 

「東京だっけ??」

 

「ギリで東京のはず……。俺も、この世界だと、ずいぶん行ってねぇしなぁ……時代が違おうと、あそこは横田基地しかねぇしなぁ……」

 

「あー~!!ひどいひどいひどい~!!」

 

と、のび太は地理に疎く、黒江も事変直後に飛行審査部に在籍した事はあるが、期間が短かったことから、記憶が薄れていた。仕方がないが、21世紀の時点でも、大きい市ではない上、黒江は自衛官としても横田基地にはいくが、黒江ほどの要職になると、市内を通るわけでもないし、自分で飛んでいくことも多いため、東京都内という認識はあまりなかったりする。

 

 

「仕方ないだろ、21世紀でも、あそこに空自の航空総隊の司令部はあるにはあるが、俺は業務上、いく機会があまり無いし、扶桑軍人出身の俺が行くと、防衛官僚の連中が睨むし」

 

「君は警察系から、旧軍人と同じ系列って見なされてるしね」

 

黒江は扶桑軍の現役将校の地位を持っているため、日本連邦体制が発足するまでは、官僚らに敵視されていることも多々あった。本人はどうであれ、旧軍の同位組織の高級将校というだけで、敵視する者は意外に多く残っているからだ。そこも、異なる時代で働く故の苦労であった。

 

 

 

 

 

 

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