野比家が元の家から引っ越したのは、2007年前後の頃であった。これは区が『公園のトイレにする』と述べたことで、のび助が激昂し、交渉が長引いたからであった。野比家に支払われた金額は相当な金額で、再開発計画を反対運動の大規模化で暗礁に乗り上げさせるわけにもいかなかった練馬区は、野比家とその近隣住民に億単位の金額を慰謝料として支払った。特に野比家は公園のトイレの予定地であったため、大いに揉めてしまった。また、家主の代替わりで、土地が野比家に売却された矢先であったので、のび助は区に強く反発。野比家は明治以前より、練馬の土地に居住する旧家であったので、同調した近隣住民に反対運動の神輿にされたわけだが、どうしても、野比家の土地が必要であった区は、億単位の慰謝料、駅近くの新築高層マンションへの優先居住権の付与などで説得。ただし、そのマンションは『G機関の隠れ蓑』である不動産会社の建築であり、野比家の地下にあるものの移築を想定した作りであり、少数の先行入居の住民も、機関の構成員であった。のび太はそれを知らされ、父を説得。野比家が引っ越したのは、のび太の浪人期間中の2007年のことであった。そして、のび太は大学の在学中に婚約。25歳で結婚、すぐに息子のノビスケを儲けたのである。これは野比家歴代当主の結婚での平均値であった。
ダイ・アナザー・デイの戦いで活躍している『Ⅴ号戦車パンター』。戦車道世界からもたらされた『防護用カーボン板』がキュアハートの搭乗車へ施されていた。オーバーテクノロジーである上、出自故に、本格的な軍事利用は望まれていないが、欧州の存亡の危機故に、戦車道世界から持ち込まれた車両を軍の判断で、実戦仕様(カーボンは有効と判断され、そのまま搭載された)に差し戻して投入された場合もある。キュアハートの指揮する車両がそれであった。本来は重戦車嗜好の彼女であったが、機動力勝負の局面であるのは承知していたため、1945年当時では最も高性能の中戦車の一つであった『パンター』で戦車戦を遂行した。
「戦車道と違って、ガチンコの戦闘だから、咄嗟の反応が物を言う……。分かってるね?」
「はい。統括官より仰せつかっております」
搭乗クルーは黒江が選抜した、熟練の元・カールスラント陸軍のエース級戦車兵らである。カールスラント陸軍は国家の内戦で形骸化しつつあったが、人員は多くが残留していたため、日本連邦の義勇兵という形で、戦線に参加し続けていた。また、カールスラントとドイツは微妙に言語が異なる(時代の差もある)場合があり、Gフォースの誰かが『発射』を試しに『ファイエル』と発音したら、普通に『通じてしまった』。黒江は『どこの銀河英雄伝説だ』と苦笑しているが、響きがいいためか、連合軍はカールスラント系兵器を使う場合の符号に制定。バダンとの交戦の際の都合もあったからである。
「敵戦車の距離は900前後……行ける?」
「その程度は問題ありません。本来はもっと開けた場所でのアウトレンジが想定されていましたから」
怪異相手では無意味とされ、燻っていた将兵らは、皮肉にも、対ティターンズ残党の戦争で真価を発揮した。当時としては『最も練度が高い』と謳われた、カールスラント戦車兵は史実で言う1941年までの人数の状態で温存されていたため、日本連邦は臨時に義勇兵として登用。これが公的な『義勇兵』制度の魁であった。また、日本の意向で『戦後まで生き抜いた戦車兵』も集められており、少数ながらも、活躍を始めていた。これは連合軍は戦後水準の部材で改修したものも多く、徹甲弾の質もいいため、時代相応の部材しか用いていないリベリオン合衆国軍に対しての優位性があったからでもあった。特にパンターは足回り等の弱点が指摘されていたが、後世の部材投入で信頼性が改善。また、その場で追加装甲が側面などに施される場合があり、結果的に、生存性は史実より改善されていた。
『んじゃ、ファイエル!!』
ドイツ系の組織であるバダンとの交戦も考慮し、正式な符号に採用された『ファイエル』。ちょっとした悪ふざけから始まったが、思わぬ効果により、正式採用となった。敵軍の主力は依然として、M4シャーマン。それも後期型ではない。M26は前線の将軍らに好まれず(戦車駆逐車部隊の存在故に)、あまり使ってこない。そこに連合軍の勝機が見出された。ある意味、アメリカ合衆国の合理性が悪い方向に表れた例と言えた。だが、対する連合軍も、熟練の戦車兵が(全戦線からかき集めても)とても足りない。そのため、キュアハートのような『転生先で、武道という形で触れている』だけの人材にまで、指揮の要請が回ってくる有様である。
「命中!さすがは最新型の砲弾ですね」
「そりゃ、M4自体はそこそこの能力しかないから。それが当代最強クラスのスペックを持つカールスラント製の火砲に撃たれてみ?軽くぶっ飛ぶって」
と、キュアハートは『逸見エリカ』としての経験から、M4相手では余裕の態度である。パンターが太刀打ちできぬ車両は(時代を考えれば)限られる。センチュリオンは味方側であるので、パーシングが普及しない限りは、パンターの性能的優位は崩れない。日本側が五式改の主砲を無理くりに90ミリ砲に制定したのは、パーシングとの交戦を恐れたからである。とはいえ、五式改は『繋ぎ』目的での生産でしかないため、戦況の風雲急による増産も憚れる状況であった。そのために、パンターは重宝され、派遣軍の四散の際の残存数が多かった&本国の生産ラインで完成済みの個体もかなりであったために、(結果的に)扶桑陸軍が最大手ユーザーとなり、彼らの手で『戦車本来の使用目的』に供された。また、キュアハートはこの時点でも、『格闘技の猛者とも、ある程度は戦える』くらいの実力は持っており、この時点では、キュアフェリーチェに次ぐ実力者と扱われていた。第二世代のプリキュアスターズのリーダー戦士で最強を謳われたのは、伊達ではないということだろう。
「雑魚を散らしてくる。幹部には敵わないけど、そんじょそこらの雑魚相手なら、充分だよ」
と、彼女も『力不足』の痛感から、この戦線の終了後は修行に赴くつもりであったことがわかる。元々、転生後に普通の『護身術』は身につけていたが、南斗聖拳に歯が立つものではなかったため、この戦いの後、実際に修行を敢行。その中で『自分の遥かな前世が、中国は三国時代の英傑であった関羽雲長であった』事を知る事になり、三国志演義での彼の武器であった『青龍偃月刀』を得物とすることになる。関羽としての自我は(酒を飲むと)僅かながらも蘇るらしく、一人称が『儂』になる、伝承通りの怪力を発揮するなどの要素が付与される。これについては、『酒が記憶を呼び覚ますトリガーなのだろう』と推察されており、当人もその要素を自覚した後は『精神的な修練』に重点を置くことになる。彼女がプリキュアのリーダー戦士で唯一に近い『文武両道』タイプであった最大の謎への一つの回答となった。
この時点(ダイ・アナザー・デイ)でのプリキュアスターズはそれなりに集まっていたが、南斗聖拳という強敵の存在から、彼女らの予想より苦戦気味であった。逆に、メタ情報で登場が早められたマジンエンペラーGなどのスーパーロボット軍団は無敵に等しく、怪異もティターンズもなんのその。どんな怪異も一撃で粉砕できる(大和型の火力を上回る)上、ティターンズのモビルアーマーも敵ではなかった。怪異の脅威度が低く見られるようになったのは、スーパーロボットがあまりに強大であるが故に、巣ごと倒すことが増大し、当面の安全が確保されたからだが、同時に、それが魔女の軍事的価値を大きく低下させた。また、同時に、プリキュア達に『現役時代通りのままでは、早晩に行き詰まる』事を示した。その筆頭と見なされ、軍籍を持つ事になったのぞみは、黒江に帯同させられていたが、本人としては『義務を果したら、教師に転職したい』と口にしており、周りもその前提で動いていた。だが、日本側の重大な失態により、両国の関係は戦争の一歩手前にまで追い込まれることになる。
この頃、日本では、一部の人々は『現代兵器なら、連合艦隊を一晩で全滅させられる』と豪語し、扶桑の占領計画をかなり検討していたが、歴代プリキュアが実在した事により、計画は破綻した。その中でも『戦闘技量が特に高い』世代の戦士達が一気に集結した上、歴代仮面ライダーらが与しているため、『どうあがいても絶望であった』からで、警察庁は検討案を比較的に早い段階で闇に葬ったが、一部の官僚は扶桑に軍事的なイニシアチブを握られている事への反発から、その検討案を個人的に保管しており、その発覚も、日本国を窮地に追い込むことになる。しかしながら、連合艦隊の近代化が明らかになったのは、この戦線によるもの。史実より強力な戦艦がズラリと揃っていることに、防衛省関係者は震え上がった。播磨型でさえ、大和型が重巡に見えかねないほどの巨体を有していたからで、これを理由に、日本はこの後、八八艦隊型の戦艦の引退を更に進めさせ、さらなる巨体を持つ『水戸型戦艦』の建造を後押ししていく。核兵器を持てぬ国情故に、大戦艦をその代替物にする。左派が戦後に目の敵にした『大艦巨砲主義』を自分らが推進する。ある種の歴史的皮肉となる流れを作る力を、播磨型戦艦は備えていた。
日本がそれを進めるだけの理由もあり、それは空母の打撃力が史実より低い傾向にあったため、史実と同等に引き上げやすい兵器が戦艦であったからである。更に、モンタナ級が『大和型とほぼ同等の装甲を誇る大戦艦』であることは、子供でも知るような時代を迎えていた故、大和型を超える戦艦が本当に必要と認識されたからである。『アメリカ相当の国なら、いずれは50cm砲も容易に実用化してくる』という懸念があったのも、61cm砲や66cm砲の研究を進めさせる原動力であった。実際には杞憂であったのだが、絵空事と思われた原爆を二発も使われた史実を持つ日本としては、どうしても、リベリオン合衆国の国力への懸念が拭えなかった。本土決戦用に、93cm迫撃砲が試作されたことも有名であった故だが、造船学史上、大和型を超える規模の重武装艦は造られておらず、欧州最大の新戦艦も、せいぜい45000トン前後の排水量しかないという史実は軽視され、それよりも、常に予測を超えてきたアメリカ合衆国へのトラウマが、政治的な道具の意味合いさえ持たせられた『超大和型戦艦』のさらなる巨大化を後押しする事になる。
後々に判明するが、バトル漫画よろしく、プリキュアとして『限界まで成長した』後に、変身した状態で感情が爆発すると、力の殻が破れ、新たなフォームに覚醒する』ことが確認される。それには『元から持っていた変身に、心体共に慣れきっている』などの条件を満たすことが必要だとされたので、この時点(ダイ・アナザー・デイ)では、フェリーチェを除く全員が満たしていなかったため、現役時代と同じ程度の力しか振るえなかった。予てから、日本のバトル漫画などを(防大同期などとの同人サークル活動で)真面目に考察していた黒江は、自らの聖闘士としての経験もあり、まずはのぞみなどの有力な戦士に『変身した状態に精神を慣れさせる』方法を試させる事にした。これは『プリキュア化すると、精神が(どのような形であれ)興奮状態になる傾向がある』ことは、この時点で確認されたからである。
「先輩、自衛隊にいる時、普通に同人活動してるんですね?」
「まぁ、防大の同期がプライベートで同人活動してるんで、そいつが親の介護で、自衛隊をやめざるを得なくなった後、サークル運営を引き継いだんだよ。実質、俺は日本の法律で裁かれんから、そこをうまく使ってる。のび太たちの日本に行けば、お前は現役時代のすべてが『アニメ』の形で晒されてるから、普段の姿だと、逆に過ごしにくいことになる。下手したら、アイドル全盛期の頃の芸能人みたいな有様になるかもしれん」
「うぅ。学校の成績も全部?」
「現役時代の時点の成績は晒されてると思え。だから、公務中の言い訳が使えるから、変身した姿を通したほうがいいぞ。お前だって、四六時中、アイドルみたいに、笑顔で対応しろってのは嫌だろ?プライベートはあるし」
「え、ええ……。大丈夫ですかね……」
「子どもの夢は壊せないだろ?かといって、旧軍とほとんど同じデザインの軍服を着てちゃ、智子みたいに、無用なトラブルに巻き込まれるからな。なるべく変身してたほうがいいと思う。そんな理由で、調にも、ギア姿を通させている」
日本では、扶桑陸軍の軍服は『トラブルのもと』とされ、着用が避けられるようになっていた。旧軍の軍服とよく似ていた関係で、2000年代の時点では、多数が元気に生存していた『戦争を中等以上の学校の学生として経験した者』とのトラブルになってしまう事例が相次いだからである。そのため、空軍では『陸軍航空隊時代の戦闘服の着用が望ましい』とされるのである。扶桑陸軍航空隊の戦闘服は『巫女装束と小具足』であったが、空軍でも引き継がれるのである。これは安土時代の魔女隊の服装が残ったものだが、近代軍隊化された後には不都合が多くなり、近年は『昔気質の魔女しか着ない』と揶揄されたものである。だが、軍服が日本で着用するのが憚れる状況であったので、トラブルを避けるためにも、戦闘服の着用が推奨された。黒江は自衛官としての勤務があるので、着用の機会はほとんどないが、智子は多い。形式上、ストライカーユニットを履いての戦闘記録が必要な時に重宝されていたからである。元々、目立ちたがりであったのも大きい。
「そういえば、智子先輩、最近は姿を見ないような?」
「最近は記録映画の撮影に駆り出されて、B公との空戦に駆り出されてるよ。時空管理局との協力の実績作りってヤツだ。ケイがゲッターに当てられて、完全にそういう仕事向けのヤツじゃなくなったって都合もある。目つき見たろ?」
「なんですか、あの石川賢先生の漫画にいそうなグルグル目ぇ……」
「あいつ、マジでゲッター艦隊にいたから、敵に情け容赦しなくなってるんだよ。それで、ゲッターの技を覚えて、現世に帰還したから、アフリカ戦線じゃ、『血まみれの踊り手』だの『狂った二挺拳銃』だの、『斧使い』だのの異名で鳴らしたんだが、ミーナがアフリカ戦線の情報をガチで知らなかったのが、問題になってんだよ」
「どうせ、モンティあたりが秘匿したんでしょ?」
「だと思って、本人を電話で怒鳴りつけたらよ。ガチで『私のせいではないよ』と言ってきてな。で、坂本にも問いただしたんだ。そうしたら、『目の前の事に悩殺されていたし、あいつ自身も、そう『長くは戦えなかった』だろ?それもあって、欧州戦線はチェックしていても……』って言ってた。まったく。デロス島の解放は、公にしていいと思ったぜ。タイミングがアニメよりだいぶ早まったって違いはあれど、、ノイマンが罷免されたって展開はあるけど、隠すほどじゃないんだがな。ケイがストナーサンシャインで怪異を倒したのが最大の理由か?」
「それだと思いますよ、たぶん……。ルッキーニとシャーリーはいました?」
「いた。だけど、ルッキーニに知らされたのは、ストナーサンシャインで怪異がぶっ飛んだ後だったよ。シャーリーは完全に、ケイを宛にしてた。『あの人呼んだなら、あたしの出る幕ねぇだろ』って。マルセイユはノイマン関連のことで、戦力にならん始末だったし」
「で、ケイ先輩はそのまま?」
「空挺降下からのゲッターウイング展開からのストナーサンシャインだった。真美曰く、『いつもの流れすぎて、私やティアさんの出る幕はなかったですよ』だそうだ」
「ストナーサンシャイン、割にポンポン撃ちますね、先輩方……」
「コツさえ覚えれば、シャインスパークより体力を使わんで使えるからな。見栄えもいい。お前の必殺技みたいに、『天空×字拳』みたいなポースもとらんでいいし」
「せめて、稲妻十字空烈刃って言ってくださいよぉ」
「バカ、あれはそこそこ、少年漫画読み込んでねぇとわからんだろ」
この時点で、『プリキュア・シューティングスター』のポーズが『天空×字拳』か、『稲妻十字空烈刃』そのままじゃないかという指摘はされていたわけである。当人もそれは気にしていたらしく、後日、それに代わる必殺技を模索し、シャインスパークに行き着く事になる。また、この時には、デロス島関連の騒動の箝口令は解かれていたことがわかる。史実と異なり、圭子の独壇場であったこと、ノイマンが凄惨な暴行を受け、実質的に再起不能にされたという負の側面から(ノイマンへの暴行への箝口令の徹底などで)、上層部は隠蔽工作を図ったが、それが今回の流れに繋がってしまったため、箝口令が解かれたのである。特に、ストナーサンシャインほどの所業は隠し通せるものではないため、後年、『色々な意味で、ミーナは不運が重なった』との同情論が勢いを得たのは、既存メンバーとの軋轢を避けるというモントゴメリーの意向で、『上層部が異能者にスキルを隠すように指令を発していた』事が公にされてのことである。この頃には、黒江らの間で話の種にされていたわけで、モントゴメリーは(戦略方針等が)批判を受け、アフリカ戦線敗北の責任を問われ、(日本は敗北の一切の責任を負わせ、拷問からの独房送りの後の免職を検討したが、イギリスの英雄であったので、結局は政治判断で『左遷』で済ませられた)左遷されたため、連合軍でのブリタニアの影響力は大きく減退するに至った。
「モンティがアフリカでの敗北の責任を追求されて、罷免されたんで、公にしていいことも増えた。ヤツは『今回』、引退後に爵位をもらえるか微妙だな。敗軍の将だし」
「ブリタニアは金がないはずですよ?赤城のことの詫びはしたんですか?」
「新造空母の提供で手打ちにしたいそうだが、現場が反対してるそうだ。どうせ、ブリタニアはこの先、軽空母しか持てなくなるんだし、俺らに売ったほうがいいんだがね」
「プライドですかね?」
「21世紀でクイーンエリザベス級空母も持て余し気味なの聞いたら、連中、泡吹くだろうよ」
日本連邦が覇権を握るにつれ、少数精鋭が尊ばれるようになり、連合軍の戦線は(強引な軍縮で)形骸化が進む。だが、それが太平洋戦争での連合軍の有名無実ぶりを招く事になり、ある程度は正規戦を想定した軍備を維持していなくてはならないという方針に結局は転換せざるを得なくなる。日本連邦、とりわけ扶桑の国民に外国不信が芽生えてしまったからで、各国は最新兵器を惜しげもなく提供することを誠意としようとするが、日本連邦が隔絶した科学力を得たことで、それもうまくいかず、妥協的に義勇兵という形で、人的資源の提供をするのが、この時期以降の連合軍の扶桑への傾向となる。ブリタニアも財政的危機により、軍備整備計画の殆どが潰れてしまい、空母も史実ほどは造れずに終わる。数少ない完成艦の複数は日本連邦との取引材料とされ、天城型と雲龍型の旧式化の進展に喘ぐ扶桑海軍への(赤城の撃沈への)お詫びとして使われ、空母の急速な世代交代に追従できない扶桑海軍には貴重な戦力となるのである。
かくして、この時期の各国の選択により、魔女の世界での勢力図は大きく変化を遂げる。また、大量のカールスラント軍人の免職で、カールスラント中心の連合軍体制は実質的に崩壊。結局は日本連邦が義勇兵という形で再雇用する羽目に陥った。軍人をとかく軽んずる日本連邦の台頭により、参謀などは使い捨ても同然の存在として、(史実の日本軍の散々たる有様から、嫌われ者であったため)扱われていくことになる。また、人員育成費が大きく削減され、軍学校の分校も次々と閉鎖されていくため、前線は常に人手不足に悩まされる事になっていく。軍事教練の廃止で余った連中を出征させればいい。それが日本の世論の論調であった。軍部は以後の時代、前線への人材供給に四苦八苦する羽目に陥り、魔女の世代交代の停滞に悩むと同時に、各国はリベリオン合衆国の圧倒的物量に対抗するための方策に困窮することになる。日本連邦は結局、中小国のそんな大国の軍縮への不満を消すため、将兵へとにかく『一騎当千』を求めるしかなく、魔女の世代交代期にあった中では不可能に近かったが、やるしかなかった。それもあって、人員育成の縮小傾向に拍車をかける事になる。