ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百十四話「ダイ・アナザー・デイの戦い 41」

結局、日本人による軍人への理不尽な制裁が収まったのは、他国の軍人も『壊した』事例のために、日本政府が規制に動いたのも一因であった。しかも、片方の目を完全に潰した、指を『詰めさせた』こともザラであり、その暴力性に、他国の軍人たちを怯えさせた。また、大衆の意向もあり、『参謀』職が有名無実化しており、指揮官先頭の風潮を日本が増強したため、連合軍は『後方で作戦の協議ができない』とボヤいた。また、使いものにならなくした人物が『有能な人物』であったケースが複数であり、その補償に日本政府が窮したこともあり、扶桑の内政への口出しを控えるようになる。結果、扶桑の軍政はY委員会が裏で実権を握る事が確定する。保守派や魔女至上主義派が次々と失脚させられていくからで、ダイ・アナザー・デイ時点で、図らずも『少数精鋭で大部隊を徹底的に殲滅する』という、日本連邦の基本ドクトリンは(やむにやまれぬ流れで)半ば確立されていた。

 

 

 

結局、捕虜をなるべく取らない(養う余裕がないということと、日本に捕虜関連の法令がないため)方針のもと、敵軍は徹底的に撃滅せよという方針が出されてしまった扶桑軍の前線部隊は困惑。結局、あれこれの兼ね合いで、捕虜を取る方針に再転換するなど、方針が数日の間に二転三転。だが、前線に数十万の捕虜を養える食料品など回せるはずはない。結局、後方に収容所と食料品製造プラントを建設することで妥協され、戦時国際法の遵守を徹底することとされた。だが、それを破れば、一族の族滅もあり得る。その恐怖で連合軍の構成国を脅すことが、日本連邦が欧州と渡り合うための手段として、これから多用されることになる。結局、欧州諸国は『アメリカ合衆国の仲介なくば、日本国とまともに話し合えない』と嘆息する羽目になった。特に、自由リベリオンの将兵は『戦時国際法に無頓着な輩』とレッテル貼りを受けてしまい、大衆の凄惨なリンチで、宝石並に貴重な、潜水艦のソナー手を奪われる事態も起こったため、アメリカ合衆国軍の警護と仲介無しには、日本国内を出歩けない事態にもなった。史実の『ぶゑのすあいれす丸』などの病院船の悲劇の記録が、リベリオンの潜水艦乗りへの白眼視に繋がったと言えるため、自由リベリオンは(人員が貴重なために)潜水艦の運用を控えるようになってしまう。結局、太平洋戦争に至るまで、自由リベリオンも、扶桑も、自前の潜水艦の運用は消極的なものとなるという弊害も起こり、戦略爆撃機の運用も限定的なものとなったため、戦艦=海の王者という認識を崩せず、戦艦の武装が加速度的に高度化したことから、ソナー手の育成を戦艦でするという珍妙な事態となっていった。

 

 

 

 

 

 

そのドクトリンは黒江らを常に矢面に立たせることを意味しており、上層部はミーナの軽率さを罵らずにはいられなかった。当初の配置も、ミーナの指揮権を侵すものではなかったからだ。本来は黒江たちを『ここぞという時の切り札』として配置したのに、既存メンバーでの作戦遂行にこだわるという悪手を打った。だが、圭子が『シャインスパーク』を使ったことで、事の重大性を認識。査察に備えての裏工作を行った。だが、ユニによって暴かれ、失脚の運びとなった。一応、名家の嫡女という出自が失職から救ったが、表向きは『戦局の悪化に伴う心労による錯乱』ということにもされたのは、『座学が省略された世代』&『判明している限りでの、バッハの最後の血脈』という要素であり、本人の戦功ではなかった。また、ミーナが本国で所蔵していた『先祖の遺品』は21世紀の国連の手で根こそぎ回収され、博物館に所蔵されたが、これはミーナの手での処分や売却による散逸が恐れられたからである。そのため、表向きには『嫉妬からの錯乱で、すべてを失った元・魔女』というレッテルを貼られる事になった。年齢的に、ダイ・アナザー・デイの開始後には『力を失っているだろう』と認識されていたからで、カールスラント衰退の原因であると見なされたことから、彼女の名が軍人として、以後の歴史に現れることはなかった。だが、歌手としては数十年の後に成功を収め、そちらで『市民権を取り戻す』のであるが、この場で語るべき話ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイ・アナザー・デイの戦局は余談を許さない状態が続いた。ネオ・ジオンも介入してきたからで、ギラ・ドーガやその次型『ギラ・ズール』の姿が確認されたからである。ジオン残党は基本的に、文化財保護に無頓着であったので、ティターンズ残党や、連邦内部の親ティターンズ派の残党狩りに正当性を与えてしまう危険があった。故に、ネオ・ジオンもまとめて倒すしかなかった。だが、ネオ・ジオンは全体的に練度が高く、地球連邦軍も高練度の兵を充てなくては、まともに伍することもままならない。また、ジオンは文化財保護に無頓着であった(シドニーのオペラ・ハウスを消滅させ、戦後のアデレードへのレプリカ建造も、残党がテロ行為で妨害した)ことから、それがティターンズの生まれた理由であったが、この時点では、反連邦の一点で手を組む始末であり、連邦軍はスーパーロボットも投入しての掃討を行うが、内部の反エゥーゴ派による妨害工作で決定打には至らず、リベリオン合衆国は(国民の不満を逸らすため)太平洋戦争へと至るのである。太平洋戦争勃発後の視点から見れば、『ダイ・アナザー・デイで、魔女の高慢さが露呈した結果、急速に人心を失っていった』という公文書とは別に、『装備が対人想定ではない』事をよく認識していた故に、出動を止めていた部隊長が(世間の掌返しに青くなって)出動させざるを得なくなり、部隊がその一回で壊滅し、64Fの足を引っ張った例もかなり生じた。また、方面軍司令官級の魔女が『64Fに支援の必要無し』と通達していたことも、ダイ・アナザー・デイ後のリストラの大義名分とされ、ダイ・アナザー・デイ直後、欧州方面軍の魔女達(佐官級以上)は上層部や世間への言い訳に追われる羽目となり、ひどいと、故郷を追われ、一族の全員が路頭に迷う例も生じた。

 

 

扶桑も、この嵐が最も吹き荒れた国の一つとなり、パラサイト・ウィッチ計画も既に製造段階にあった機数で中止に追い込まれる。完成した機を64Fに回す案があったが、同隊は既に宇宙戦艦を調達していた上、超重爆をそんな任務に回して、成功した試しがないことは『史実』で証明されているからで、結局、地球連邦軍の超大型輸送機を借用、母機代わりに運用し、それにユニットの運搬装備を搭載する妥協案が採択されたが、それも日本側の一喝で中止に追い込まれる。だが、作ってしまった機体はもったいないため、第二妥協案で、プロパガンダ用の用途に使われ、実戦に供されることなく、おおよそ十五年後に退役を迎える。第一世代理論の斜陽期に登場したのが運の尽きと言え、通常兵器が魔導兵器を追い抜いてしまった時代の徒花。後世の人々には、そう評された。

 

 

魔女は特に空戦分野で、欧州で手頃な12.7ミリ機銃を好んだのが仇となり、重装甲で鳴らした米軍機に致命打を与えがたいことが露呈した。結局、B-29などの迎撃用に、口径を20ミリに差し戻したモデルが再生産され、それは一定の成果を残す。発砲時の反動などの低減がなされた改良のおかげであった。また、X-4などの初期段階の対空ミサイルも試験投入されたが、それらはすぐに後世のより進歩した対空ミサイルに取って代わられた。また、機銃では太刀打ちできない『可変MS』の存在も打撃となった。ガンダリウムγの装甲は当時の魔女が用いるすべての攻撃をシャットアウトできる強度を誇っており、それを無力化するには、地球連邦軍の軍備が必須。異能者は数が少なく、分散配置は不可能であるため、地球連邦軍の助力は必須であった。また、プリキュアに『段階的な強化がある』と踏んでいた扶桑軍だが、この時期は『修行不足で無理だろう』と分析していた。また、マジンガーZEROが『TV本編では敗北しなかった』キュアミラクルとマジカルを倒したことから、『プリキュアオールスターズは全滅した世界がある』ことも察しがついていた。後にZEROが施した『ドリームの強化』を鑑みるに、『プリキュアの形にはまった強化では、戦闘能力がどこかで頭打ちになる』事をZEROは知っていたのだろう。

 

 

 

 

 

それは黒江も同様であり、自身が『魔女としての限界』から、他の才能の開花に全てを賭けた経緯から、プリキュア達に『アニメでの最強形態への自己意思での変身を(最低でも)会得させないと、いずれ、現役時代の基本能力値では太刀打ちできない敵への抵抗手段を持たないことになる』と危惧していた。そのため、精神面での修練として、『変身状態に体を徹底的に慣れさせる』ことをさせている。別世界線ののぞみのおかげで、その仮説は証明される。『プリキュア化は精神を多かれ少なかれ、高揚状態にする』。26歳ののぞみが変身した場合でも、10代の頃に近い口調になっているからである。のぞみAが荒っぽい台詞に慣れているのは、素体になった人物の名残りであるし、(大人のぞみに比べると)戦闘に関しては(武人を尊ぶ)扶桑人らしい倫理観があることを垣間見せるという『個体差』があった。素体の都合もあり、当然ながら、そこそこの大きさの魔力も持っていた。うまく使えば、戦術を広げられる利点がある。要は『一つの才能に依存するな』。なのはがそれで失敗を犯したように。もっとも、なのはは『耐性のない者に、軍隊(管理局)式の訓練を課した』というミスによるものだが。

 

「ところで、先輩。あたしらに変身を保たせてるのはなんでですか?」

 

「まだ調査中だが、昭和ライダーやスーパー戦隊みたいな機械式の変身でない変身は精神を『興奮状態』にする事が推測されてな。それで、心体を慣れさせれば、平常時と同じ状態で戦えるだろうって理論が提唱されたんで、それを俺自身を含めての実証実験がされてる」

 

 

 

「それ、飛ばされた先の世界で?」

 

「ああ。ひょんなことで手に入れた。最も、元から異能持ちだったから、スペックには頼らずに戦った。多少遊んだがな。聖衣は有事じゃないと使えんから、普段の身体保護で使ってる。ガキ共にはブーブー言われてるがな」

 

黒江はシンフォギア世界流に言えば、普段から完全聖遺物を使っているようなもの。シンフォギア世界の聖遺物は『先史文明期に、宝具を模して生み出された超兵器』であるので、聖衣ほどの強化効果はない。更に、感覚を強化する機能もないため、セブンセンシズ以上に到達した者の攻撃は『視覚』できない。それはどうしようがないため、エリスとの戦闘で、装者が戦力外の扱いになったのである。

 

「あのガキはこの力に固執したが、お前にも、プリキュアの力に固執する傾向がある。どんな力であれ、力は力でしかない。一つに依存したら、それが通じない時、精神を狂わす。俺も昔にそうなりかけた。つか、二重人格だった時期もある。だから、お前らには、現役時代通りのままではいるなと教えたいわけだ。その時代と状況も違うしな」

 

仮面ライダーたちが強くあり続けたのは、常に特訓し続けてきたからである。管理局の教導方針と反するが、実際にそれで強くなっている実例が出てきたので、時空管理局は(なのはの失態も併せて)面子丸つぶれとなり、教導隊の存廃問題にまで発展していた。結局、この後に教導隊はM動乱での人数の減少などを理由に、名ばかりのものになっていたこと、なのはが飲んだくれに堕ちたことを理由に、活動休止とされる。この決定に伴い、なのはは64Fへの『出向』扱いになり、史実と異なり、デスクワークにつくことなく、最前線で戦うことで『精神を安定に持っていく』事が選択されるのだった。また、デザリアム戦役で、のぞみも(敵愾心の暴走で)問題を起こしてしまうため、なのはの問題は後々の伏線であったと言える。

 

「この世界は、既にティターンズとジオンの玩具にされているからな。地球連邦政府も一枚岩じゃないし、ジオン系は旧先進国系、特に日本やアメリカ系の組織に強い敵愾心を持ってるし、元の反統合同盟は旧東側陣営が転じた存在だ。だから、この戦いは、NATO陣営とワルシャワ条約機構+αの末裔の対決とも言える。最も、ジオンはドイツと日本の風土に傾斜してた国だったがな。以前は敵だった連中が呉越同舟で連邦政府に牙を抜いてる」

 

「あれ?」

 

「どうした?現役時代の時の国語の成績が2だから、わからんとか言うなよ?」

 

「失礼な~!!3ですよ、3!」

 

「ギリギリでの3だろ。のび太とそんな変わらんだろ」

 

「ぐぬぬ……。本当のことだからなぁ~…。ところで、この世界って、中国は滅んでますよね??」

 

「俺は別の世界線が仕事先だぞ?それに、この世界線でも、明朝までは存在してたぞ」

 

「どうして、わかるんですか?」

 

「黒田に古文書を調べさせた。明朝までは存在したが、女真族(満州族)が清朝を起こす事なく、あの大陸ごと中華王朝が終焉した事が確定したんだ。だから、間違いなく、唐王朝は存在して、栄えてたわけだ。だから、楊貴妃もいたわけで」

 

 

「明朝はなんで滅んだんですかね」

 

「史実と違う要因だな。太閤が侵略したわけじゃないし、むしろ、共同で出兵してる。この戦線が起こる直前に兄貴にも頼んだんだが、その結果を知らせてくれた。上の兄貴、映画会社に務めてるから、武家からの古文書の寄付を受けることがあるんでな。兄貴は『補給の遅滞と、明朝の儒教的な風土と、財政の破綻とが重なって、大陸を怪異から守れなかったんだ』と連絡してきた。俺や智子の先祖も、それに参加してたそうで、実家にその記録があったそうだ」

 

史実の朝鮮出兵は『大陸防衛』という理由で実行されたが、織田政権の大老であった家康の『義務は果たした』という鶴の一声で、扶桑武士団は撤兵。程なくして、財政破綻と、儒教の浸透で魔女の人的資源的意味での枯渇を来した明朝は李氏朝鮮を道連れにして滅亡してしまったという。

 

「ケイが怒ってたが、古文書を調べねぇと、分からなくなってるような国への無知を、兵士への拷問の口実に使いやがるからな、日本の連中。中国はこの世界線だと、とうに忘れ去られてんだってのに。マルセイユがそれを理由に、公安警察に呼び出されて、いきなり拷問されて、片足と腕をへし折られたそうで、ケイがそいつらをぶちのめしたが、マルセイユは入院させざるを得なかった。前線はハルトマンに頼るしか手がない。バルクホルンは育成に回してるからな……」

 

「なんで、日本の公安が軍規の維持にまで出張ってるんですか」

 

「スパイを疑ってるんだよ。連合艦隊の動きを察知されてるらしくてな。まぁ、思い当たる節はある。それも一国家の中枢だ」

 

「どういうことですか」

 

「ガリアのド・ゴール将軍だ。あそこから漏れてる節がある。今は上が大事にしたくないからと、止めてるがな」

 

ド・ゴールの内通は理由が『愛娘(次女)の延命』という、家庭的には切実だが、国家的には『東洋の田舎者風情が…』という侮蔑が入っているのは確実なため、この頃から、扶桑はガリアと戦闘状態に入ったら、『反応兵器の使用』を検討していた。扶桑の国民は日本と違い、反応兵器にアレルギーがないからで、反応兵器でも、厳密な意味での核兵器ではない世代のものを使うことを前提に、将来的なガリアとの衝突を見据えていた。核兵器とその後の世代の戦略兵器はその基礎に原爆がある。また、この世界でもある、ウランやプルトニウムの鉱床の厳密な管理を日本は望んでいる。『作らせないが、研究はしなければ、物質の危険性はわからない』という実情があるからで、かのキューリー夫妻の功績の否定ではないと言い訳するしかない日本のジレンマも絡んでいる。

 

「まぁ、近い将来、あそこをぶちのめすことになるだろう。ド・ゴールとその一派はドゴーリズムを信奉しているが、それを通せる情勢でもないのに、イキってやがる。上は核攻撃を郊外にすれば、大人しくなるだろうと言っとる。実際、のび太の世界じゃ、一年戦争でシドニーとパリが吹き飛んでるから、躊躇がなくなってるが……」

 

一年戦争で旧先進国の首都の複数が吹き飛び、経済的にガタガタにされた地域は多く、そのせいで、核攻撃へのタガは外れた。波動砲という『それ以上の兵器』が抑止力としての役目を引き継いだためであった。

 

 

「波動砲をぶち込めって喚いたのもいたが、波動砲なんて使ったら、星に大穴が物理的に空いちまう。だから、核攻撃で済ませるってヤツだが、日本人としては承服できんが、この世界の連中は広島と長崎の地獄を知らん。ティターンズの核攻撃も秘匿されてるからな。おまけに、アトミックバズーカはレーザー核融合弾頭だから、放射能汚染はないし」

 

「どういうことですか?」

 

「私たちの時代の核爆弾は起爆に原爆が使われているんですよ、ドリーム。なので、爆発すれば当然、放射能汚染が起きるのですが、レーザー核融合であれば、原爆を介さないので、放射能汚染も起きないそうです。」

 

「それを発展させたのが、未来世界での反応兵器だが、それは対消滅反応を根幹にした兵器に変わりつつある。だから、レーザー核融合爆弾も旧式の科学兵器って扱いだ。ティターンズ残党は旧ロシア連邦とその影響下にあった地域から、核を回収していたそうだから、下手すれば、こっちがリベリオン本土に足を踏み入れた途端に……」

 

「そんな、なんかの映画じゃあるまいし」

 

「いいえ、なのはのいる時空管理局を作ったミッドチルダと過去に敵対していた『ベルカ』という国家は、王家が壊滅した後、残された軍部が自国領で核兵器に極めて近い何かを起爆させて、当時のミッドチルダ軍を壊滅させた。その反動で、ミッドチルダは魔法至上主義に走っていたそうです」

 

と、ミッドチルダとベルカの過去の戦争での暴挙が、ミッドチルダを魔法至上主義に狂奔させた(その狂奔も崩壊したが)事が伝えられる。調もその時期にはベルカから去っていたため、詳細を知ったのは、帰還後であったという。当然ながら、時空管理局の時代には、過去の出来事であったが、この暴挙がミッドチルダを魔法至上主義に走らせたのは間違いないが、魔導炉も(特定の条件では)致命的な環境汚染を引き起こす事が発覚してしまい、結局は才覚に左右されない『道具の普及』という形で、時空管理局の魔法至上主義的体制は崩壊したわけだが、この流れは『魔女の世界』でも起こりつつあった。だが、この場合、魔女達は既得権益にしがみついたがために、ティターンズ残党の力に屈しつつあった。彼女らは異能者を『突然変異』として排除しようとしたが、国家が『軍事的に有用』として保護の方向に移り、実際に戦局に寄与していく流れに抗せず、逆に『閉鎖的なコミュニティ』として批判を受ける立場へ追い込まれてきている。

 

 

「まぁ、この戦線で、俺達は国家からの庇護を受けられるようになる。が、普通の魔女は逆に、生きづらい立場になる。日本も、魔女の取り扱いに苦慮してるし、軍は花嫁修業の場じゃないからな。それをうまく変えさせるしか、普通の魔女は社会での居場所を無くす。全員は俺等みたいなことにはならんしな」

 

黒江のこの言葉通り、魔女はクーデターを契機に、それまで享受していた社会的特権を急速に失っていく。その一方で、異能者は『半永久的な国際社会への奉仕』を義務付けられる代わりに、それまでの魔女よりも大きな特権を得ることになる。異能者の力は魔女のそれに比べればであるが、汎用的なものも多く、素質さえあれば、一定程度は広められる力も多い。それは一族にしか引き継がれず、その度合いも世代交代の度に分かれる場合の多い固有魔法に比べれば、遥かにマニュアル化しやすいものであった。

 

「問題は、俺達も無限に体力があるわけじゃない。はーちゃんも、お前もだ。そこを狙われることもあり得るから、さっきも言ったが、変身は保っとけ」

 

黒江らとて、体力は無限ではない。休息は必要。更に言えば。

 

「まぁ、ドラえもんが道具で、このあたりの敵の動きは見張ってるから、数時間くらいは休めるよ。キュアハートとキュアラブリーが撹乱してくれてるし、直に、宇宙刑事たちがポルトガルから戻ってくるよ」

 

「なんか妙な感じですよ」

 

「休める時には休んでおけ。のび太は銃と道具の用意を頼む」

 

つかの間の休息。その間にも、徐々に戦局は動き始める。ヒスパニア付近では、シンフォギア装者らが宇宙刑事の助勢もあり、現地に展開した機甲部隊を壊滅させつつあるし、海では、新たな鉾を手に入れた扶桑連合艦隊がヒンデンブルク号に立ち向かっている。また、調に水面下での交渉などをさせている都合で、黒江はその影武者もしているが、装者らの要請で、瞳の色は本物とは変えている。また、プリキュアたちの出現に伴う因子の存在の発覚。旧日本軍を始めとした、第二次世界大戦の当事者であった列強に残る『海底軍艦計画』の全貌とは?バダン帝国やクライシス帝国らも絡む、ダイ・アナザー・デイの戦局は、次なる局面に入りつつあった。

 

 

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