ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第三百十六話「ダイ・アナザー・デイの戦い 43」

かくして、キュアフェリーチェはかつての彼女自身と『似て非なる存在』とされてしまったことが語られた。その関係で、普通の銃器も使わざるをえない状態(魔力は据え置きであったが、ZEROのせいで固有アイテムを喪失している)であるので、一〇〇式機関短銃を携行した。扶桑では数少ない『量産ラインに乗っている連発式の銃器』であるからで、元々はエリート部隊である挺身連隊(空挺部隊)専用のものであった。だが、M動乱で散々であったことから、士官層の多くにあった『弾の無駄遣いは~』という論調は消え失せていった。これはその中心であった魔女層の世代交代などが関係しており、挺身連隊の統廃合から、余剰となった同機関短銃が放出されていった。また。日本側が銃刀関連の法規の統一を望み、市井の銃火器(猟銃以外の)の回収、刀の宝物認定を考えていたことから、備蓄弾薬の在庫を消費できる一〇〇式の普及は望ましかったが、扶桑の前線部隊の士官層の少なからずは機関短銃を日常的に用いるドクトリンに慣れておらず、それが戦死率を上げていたりする。そのため、普通に重火力を前線で奮う64Fが『超エリート』と見なされたのである。

 

 

 

 

 

 

前線では、参謀本部の想定を超えた事態が次々と起こり、『練度の平均化』は『烏合の衆の再生産』と大衆に批判されたため、開き直って、精鋭中の精鋭を集中して、前線で使い倒すドクトリンへと変遷。これにより、以前は疎んじられた『尖った技能の持ち主』が英雄として、周囲の神輿にされる事になり、欧州では、司令部の護衛に充てるのが主流になったが、扶桑では、本土部隊の出征が憚れるようになったため、64Fに人的・物的な意味の最高の資源を集中させ、それで『人的被害を極限させる』という手段が常態化していく。ある意味、日本連邦は国家総力戦よりも、その後に現れた『特殊部隊は無敵』という考えを強く信奉しているとも言え、ある意味、総力戦向けの古来からの軍隊が無謀な戦争で滅んだ後に生まれた次の世代の組織の宿命であった。更に言えば、太陽戦隊サンバルカン、電撃戦隊チェンジマン、鳥人戦隊ジェットマン、秘密戦隊ゴレンジャーなどがそれで地球を守っていた故に生じたドクトリンであり、軍事に予算をかける=悪の思考が根強い故に、文民統制を盾に、扶桑に強いた組織改編であった。

 

 

 

 

 

 

欧州の前線では、64Fの死闘が(日本に支援をさせる目的で)中継されていた。歴代プリキュア達のうち、顔出しを事前に了承していた者が中心であったが、その彼女らが旧軍の一〇〇式機関短銃を使う姿は衝撃を以て受け止められた。旧軍期待の兵器ながら、連合艦隊の急速な衰弱で大半が死蔵されたという記録があるため、メインではないにしろ、前線で用いられるのは、好意的に受け止める声と、外国産の機関銃を与えろという否定的な声があった。だが、1940年代では、サブマシンガンはドイツが最も研究を進めていたという事実がある。リベリオン合衆国のトンプソンは『マフィアの武器』であるし、ナチスの武器は(戦後の大衆には)イメージが悪い。また、日本の警察機関が扶桑の銃規制の強化を志向していたため、南部弾の在庫を消費できる一〇〇式はうってつけであった。史実では、装備自体が挺身連隊の特権であったからだ。

 

「弾倉はいくらでもあるから、雑魚を散らせ!」

 

黒江はギアのローラ機能で疾走し、一〇〇式を撃ちまくる。この時代の兵士はボディアーマーを持っているわけではないため、設計が明治後期で、比較的に殺傷能力が低いとされる、8x22mm南部弾でも容易く無力化する。

 

「先輩、南部弾の射程は長くないですよ!」

 

「仕方ないだろ、登場が日露戦争の頃で、この時代の時点で旧式の弾薬なんだ。それに、日本は旧軍系の銃器の流通を止めるつもりだから、どうしてもってんなら、もっと威力のある外国産を買えってことだよ。だが、よってかかって、自衛隊の機関銃はどういうわけか、尽くが粗悪品だから、しばらくは使われるだろうよ、機関銃は」

 

シュルシャガナのローラーの速度はそこそこあるが、それについてこれるあたり、プリキュアの身体強化の大きさがわかる。

 

「いちいちパンチとかしてたら、体力を使う。急所は外して、銃で動けなくさせろ」

 

「先輩たち、ベレッタが好きなんですか?」

 

「ケイが若いときからのヘビーユーザーでな。のび太はリボルバー好きだから、オートマはケイに聞け」

 

と、黒江はサイドアームのP220も使い、ガーランドを撃ちまくる兵士らを無力化していく。

 

「まさか、プリキュアの姿で銃を撃つなんて…。元・教師としては複雑ですよ……」

 

「そりゃ、戦後の日本で生きてりゃ、マタギや警官、自衛官になるか、射撃競技選手にならない限りは撃つことはないし、男の兄弟がいなければ、モデルガンも縁がないしな。だが、ここに転生した以上、銃を扱ってみせなけりゃ、世間的に認められん。ましてや、芳佳と違って、お前の素体になった魔女は長島飛行機と縁が深い名家の次女で、古参の年齢だったんだ。たとえ、この世界で暮らさなくても、扶桑の家族に迷惑はかけられん。それ相応に戦わんと、お前の転生先での姉貴へ言い訳が立たんだろ」

 

「……確かに。うちの姉貴、大佐だったからなぁ」

 

中島小鷹。中島錦の実姉で、この時代では既に退役済みだが、江藤敏子の同期で、在籍時の最終階級は大佐であった。

 

「江藤参謀には伝えてあるから、この戦いが終わったら、一回は面談しとけ。今生の別れになるやもしれんし、場合によれば、転職の便宜を図ってくれるかもしれん。天姫には、俺から伝えとく。その姿で会うわけにもいかんだろ」

 

「分かりました。参謀にはくれぐれも……」

 

「参謀はうちの隊の初代の隊長だ。うまくやってくれるよ」

 

と、黒江はこの戦いの最中から、軍人を続けるつもりは(この時点では)なかったのぞみに(自分の権限の範囲で)便宜を図るのだが、日本側がとびっきりの不手際を起こし、それらの計らいの全てを吹き飛ばしたばかりか、前代未聞の事態を招いてしまう。結局、のぞみは教師への転職を(政治取引の結果に伴って)諦めざるを得なくなり、色々な兼ね合いで『魔女の世界』の扶桑で暮らすわけにもいかなくなったため、新・野比家への下宿生活に入ることになる。錦としての妹分であった『諏訪天姫』とは、電話口で『生存はしているが、配置換えで会えなくなった』事を伝えたのが最後となる。

 

「俺なんて、事変の英雄だったから、それが未だに第一線に留まってるってことで、魔女の派閥抗争の一因になっちまった。だから、本来の姿と魔法で戦ってくれるなって言われてんだ。まぁ、俺としては、魔力の上限値は高くないほうだから、却って楽だがね」

 

「だから、それを借りてるんですね」

 

「調には交渉役をさせてるからな。ただ、瞳はガキ共に言われたんで、本人とは変えてるがね」

 

調はここから数年後、P因子の覚醒に伴い、プリキュア変身者となり、ギアを使うことは減る(聖闘士との兼任もあるため)ことになるので、装者達が『見分けをつけるため』のその頼みはあまり意味のないものになってしまうが、ここから未来のことになる。本人も切歌への感情は(古代ベルカに飛ばされていた時期を経ているので)共依存ではなくなっていたため、切歌の暴走に同情しつつも、この時点では、ひとまず距離を置いている(大人切歌のいる時間軸では、和解しているが)。

 

「そういえば、調ちゃんはどうなります?」

 

「あいつは古代ベルカでの経験で、切歌とは、しばらく距離を置きたいって言ってきた。元の世界でのあいつの存在への認識も変わってるから、のび太のとこで生活を続けるのが最善となった。それに、切歌は表向きは処刑済みのテロリストだからな……。この戦いが終わったら、老師・童虎を介して、グラード財団に預かってもらう事になった。アニメと同じようにはいかなくなったからな。本を正せば、俺が原因だが」

 

「どうやって連れてきたんですか?」

 

「処刑寸前のところを、周りに鳳凰幻魔拳で幻を見せて、年格好の似てる犯罪者の死体の外見を変えて、茶毘にさせた後に、匿ってた本人を連れてこさせた。元々が日本人だし、身寄りが不明の身だから、法的には元から『いない』も同然なのも大きかったから、処刑とかの法的処理は誤魔化しが効いた。調は元々、あの世界で死んだとされる交通事故の犠牲者の誰かだって事は調べがついたが、その公表を避けるように頼んできた。今さら、その遺族の誰か(血縁関係はあるが)の養子になるのは虫が良すぎるってな。俺が飛ばされなきゃ、普通に三人でテロ行為に走ってたって負い目もあるからかもしれん。お前も、お前で今後は大変だぞ」

 

「ええ……」

 

調は黒江のおかげで、本来、自分は誰であったのかを知り、フィーネの器になる世界線があることも知った。その関係で、元より、シンフォギア世界で生きる事は半ば諦めていたと、のび太に語っている。そして、のぞみも(騒動の当事者になってしまうために)紆余曲折を経て、野比家で太平洋戦争までの戦間期を過ごす事になる。

 

「のび太のマンションで暮らす覚悟はしとけ。その姿じゃ、素体の実家にはいられんだろう。親類連中が嫌な顔するだろうし。俺は俺で、実家に迷惑かかるから、お盆以外は帰らんが」

 

「まぁ、記憶が戻ってるし、金銭感覚も21世紀のになったから、今さら昭和初期の金銭感覚での暮らしは無理ですから……」

 

「財務省の役人が愚痴ってるが、時代が100年近く離れてるし、インフレが重なった結果で、銭が使われなくなってるから、扶桑軍人が21世紀に来た時の有り金の換金の計算が大変なんだそうだ。日本での給金の額面上の金額を扶桑で見せたら、普通に数千円で家が建つし、飛行機が買えちまうよ」

 

実際に、扶桑での給金を日本に持ち込んだ場合、日本銀行も四苦八苦している。扶桑では、銭以下の単位の通貨がまだ使われていたためで、その場合の計算が大変なため、日本側に合わせての通貨単位の統一が画策されていたことも伝えられ、のぞみの金銭感覚の現代化も、野比家への下宿の理由であった。

 

「地球連邦軍から支給された軍刀も使え。致命傷を負わせる必要はないが、抵抗力は奪っとけ。士官でも、ひょろひょろしてれば、徴兵された学生かもしれんからな。少佐以上は大半が職業軍人だから、のして、憲兵に後で引き渡そう」

 

「時々、やたら強いのがいるんですけど」

 

「学生時代にアマのボクサーだったとか、アメフトしてたとかの理由で、ガタイのいいのがいるからな。合気道や柔道も覚えたほうが良いぞ。経験則からの喧嘩殺法じゃ、やれることに限界がある。まっつぁんに習え。あの人は達人だ」

 

「大先輩は異常ですよ」

 

「戦争がなきゃ、飲んだくれのバンカラ女で終わってたとは、本人の談だ」

 

と、時々に遭遇する、リベリオン合衆国の兵士たちをあらゆる手で無力化する。リベリオン合衆国の兵士たちは多くが徴兵で集められたため、士気が低く、指揮官さえ倒せば、すぐに潰走状態に陥る。また、プリキュア本来の武器を単独で呼べるようには変化していたものの、武器自体が本格戦闘向けではなかったため、ヒーローたちから借りたほうが手っ取り早い。更に言えば、剣であれば、素体の技能を活かせるため、この頃から多用するようになる。

 

「空は、コスモタイガー隊が掌握してくれる。俺達の当面の任務は、このあたりの進路の確保だ。本来は陸戦魔女の仕事だが、アウロラの息がかかる連中以外は戦力外な状況だ。かといって、こっちの戦車隊は大戦後期にさしかかる頃の水準で、向こうより劣ってる。自衛隊から持ち出せたのは雀の涙だし、地球連邦軍の61式はデカすぎる。だから、MSとかが重宝されんだ。自衛隊の戦闘車両は支援には使えるが、多勢に無勢ってヤツでなぁ」

 

 

「M4だらけですもんね」

 

「いくら、相手が第二次世界大戦の頃のもんとはいえ、数が違い過ぎる。それに、二次大戦型の戦闘は想定されてねぇしな、自衛隊の戦車。一撃離脱か、待ち伏せだしな、想定。だから、対戦車兵器無しでも、普通に戦車をぼっ壊せる俺等が奮戦しないとならん。対戦車ライフルはどのみち、大戦後期の戦車には効かんよ。急所以外は」

 

「あたしら、手刀で装甲を解体できますからね」

 

「硬いとこは俺に任せておけ。俺なら、正面装甲も斬れる」

 

と、戦車の解体の算段を立てる二人。この経験から、のぞみは後に『聖剣』を与えられる事になる。また、普通に蹴りでも破壊できるのには変わりないため、普通の兵士らにとっては充分に脅威である。のび太とドラえもんも『ジャンボガン』(ロングバレル版。一撃で現代戦車を吹き飛ばす)を使い、蹴散らす。戦車が拳銃で吹き飛ぶというシュールな光景に、兵士たちは一気に怯えを見せる。

 

「何あれ!?」

 

「ドラえもん秘蔵の超兵器だ。久々に見たな……」

 

「の、のび太くん!そ、それ!?」

 

「ドラえもんの秘密道具でも最強の武器の一つ。デパートで買えちゃうんだな、これが」

 

「なにそれぇ!?」

 

「下がって。迫撃砲並の音するから、耳を塞いでな」

 

と、追いついたのび太が大砲級の轟音と共に、ジャンボガンを放つ。ドラえもんが存在を思い出したらしい。

 

「いつものヤツ以外にも持ってきてたの、すっかり忘れてたんだ」

 

「ドラえもんは肝心な時に、いつもこれでね」

 

「もう私は慣れました」

 

「って、なに?そのスーパーマンスタイル」

 

「ごく初期の映画でやってたスタイル。ひらりマント使うから、ドラミに怒られたんだよね、これ」

 

 

ドラえもんはごく初期の大長編で見せた、懐かしのスタイルで戦闘をこなす。いつもの組み合わせの道具でも、第二次世界大戦レベルの戦車くらいは普通にスクラップにできるため、空気砲との二丁拳銃スタイルであった。

 

「フェリーチェ、何年いるの?」

 

「もう、20年近くですね。のび太が小学生の終わり頃に連れてこられて、なんだかんだで落ち着いたので」

 

「みらいちゃんになんていうつもり?」

 

「それが……中々浮かばなくて。今や、高校や大学も出た身の上なんて、みらいが聞いたら、その場で泡吹いて、倒れてしまいますよ。リコも、衝撃で寝込みました……」

 

「だろうね」

 

「私からも、その時の付き添いをお願いします。みらいがあれこれの感情を爆発させたら……」

 

「わかった。その時は任せなって。最も、正式な再会はこの作戦の後だよね?」

 

「予定では。あと数週間で、みらいの再生がすべて終わる見込みだと聞いています」

 

「どこで再生作業を?」

 

「23世紀の財団麾下の病院の特別室。最高機密でもあるから、厳重に管理されてる。リコちゃんが先になったのは、オリジナルの体の状態がマシだったからだよ。みらいちゃんははーちゃんとモフルンを守ろうと、リコちゃんが倒されても、尚も死力を尽くしたが……相手が悪すぎた」

 

のび太も、仮面ライダーディケイドから聞かされた情報でしかわからないが、その戦いで、魔法つかいプリキュアは奮戦虚しく、バダン帝国とマジンガーZEROの強大な力に敗れ去り、仮面ライダー鎧武とディケイドが救援に駆けつけるも、時既に遅し。フェリーチェしか生き残っておらず、モフルンもぬいぐるみへ戻ってしまい、フェリーチェは戦意喪失状態で。完全に心が折れてしまっていたが、二人の叱咤と、鎧武の『献身的な突撃』で、辛うじて生き延びた。

 

「ある仮面ライダーが、この子を逃がすために、敵の大軍団へ突撃をしていったそうだ。平成ライダーの中でも屈指の実力者だから、黙ってやられるとは思えないけど……」

 

「その方の思いに報いるためにも、私は生きると決めたのです。たとえ、元の世界での全てを無くしても」

 

「経緯はわかったけど、衝撃的すぎるって……」

 

「たぶん、アルバムみたら、腰抜かすよ。大学は普通にプリキュアの姿で通学してたから」

 

「理由は聞いたけど、大丈夫だったの?」

 

「元の格好じゃ、良くてミドルティーンで、子ども子どもしてる容姿だろ?それで、うちのおふくろが心配したのは言ったね?僕とドラえもんもおふくろに言ったんだが、仮にも、大学に行くのに、普段の子ども子どもした姿じゃって聞かなくてね。同じ大学に入った、近所の障害者の子の面倒も頼まれてたから、変身姿を通す事になったわけ。オバケのQ太郎やパーマンのいた世界線だから、問題はないはずだって、親父が後押ししてくれたよ」

 

「ええ。途中からは史学を専攻しました。大変でしたけど、大学生活は楽しかったです」

 

「いいな~。あたしの代くらいまでは、プリキュアの事は秘密だったから。ラブちゃんの代くらいからかなぁ?オープンになりだしたの」

 

「あたしも公にできる代じゃなかったからな。つか、はーちゃんの入った頃は2010年代に入るかって頃だろ?学食は使ってたか」

 

「普通に使ってましたよ?確か、あの頃は普通のカレーが210円くらいで、ちょっと贅沢などんぶりがワンコインとちょっとでしたよ」

 

『安っ!?』

 

「ハモって言う事でしょうか、ドリーム、メロディ?」

 

「ば、バッキャロー!210円で普通盛りのカレーが食えるだとぉ!?」

 

「あたしの前世の記憶だと、300円超えだよぉ!?」

 

「そうか、君らが大学に入る頃には、物価が変わってたし、税率も……」

 

「くそぉ!!あたしの遠い記憶だと、丼もんとカレーで迷ってたっつーに!!」

 

「シャーリーさんも?」

 

「たりめーだ!大学生活の中で、ワンコイン超えのメシ食える時なんざ~!!」

 

 

と、シャーリーは北条響の時代の記憶から、やたらと重い発言をする。相方の南野奏と同じ大学であったかは定かではないが、大学生活で相応に苦労(?)したようだ。

 

「あたしもだよぉ~!あ、メロディよりは安かったかも。入った時代に差があるから」

 

「ぢぐじょ~!」

 

「お前なぁ~。たかが数百……」

 

「あんたな、学生の数百円はだな……!」

 

よほど苦労した出来事を思い出したのか、シャーリーはここでもギャグ担当ぶりを発揮する。シャーリーは元々、シリアス担当が坂本とバルクホルンであった関係で、コミカル担当の毛があったが、転生者としての覚醒を経た後はそれに磨きがかかった感が強い。更に、学生時代の食事で苦労した記憶からか、数百円の違いに敏感な様を見せつける。戦場でいうことではないが、一種の清涼剤的な効き目があるのも事実であった。リベリオン合衆国の一般兵士たちには、聞き慣れない日本語(扶桑語)は難解な言語でしかないので、普通に会話しているだけでも、意外に行動を悟られない。また、扶桑語を普通に理解できる者は大卒のエリートか、扶桑にルーツを持つ者しかいない頃であるので、意外と効果はあった。しょうもない会話であれば、尚更だ。更に言えば、21世紀の日本の若者言葉が普通に飛び交っていれば、尚更わからない。更に、そんな会話をしつつも、普通に一般兵士くらいは叩きのめせるのだから、64Fの武勇に泊がつくのも当たり前であった。

 

「のび太、くるぞ!」

 

「大丈夫、スーパー手袋~!」

 

のび太は子供時代は滅多に使わなかった「スーパー手袋」をはめ、兵士たちをコーススクリューパンチでぶっ飛ばす。漫画のように、六人がまとめて吹っ飛ぶが、これでも加減はしている。

 

「お前、高等テクニックを……」

 

「親父があしたのジョーのファンでね……」

 

「わーお…。古典だな……。お前の年代(昭和末期生まれ)なら、はじめの一歩だろ?」

 

「あいにく、僕は少年ジャンプ派なのよ。あしたのジョーは親父が書斎に置いてたからね。カミさんはバリバリに少女漫画好きだけど」

 

と、のび太の漫画好きは父から受け継いだものであり、それは息子や玄孫にも受け継がれていることが明示される。のび太としずかはジャンルこそ異なるが、漫画の百花繚乱の時代に子供時代を過ごした世代であったことも明らかになる。また、のび太は幼少期に『少年ジャンプの黄金期の残り香』を目の当たりにしたことから、子供時代の頃は『ジャンプ派』であったらしい。

 

「だって、シャーリーさん。僕が小学校入るのは1995年前後だよ?その時期に人気だったのは?」

 

「あ~!そうだ!!その頃は……!」

 

 

と、のび太の幼少期には終わりかけていたとはいえ、ジャンプにまだ勢いが残っていた頃であった。その頃に大人気であった作品といえば?ドラえもんとのび太が影響を受けたと言える、その時期の連載作品といえば……。シャーリーも唸り、ドリームも納得するのだった。

 

 

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