――扶桑皇国は国防上の理由で多数の戦艦を維持してきたが、航空機が史実通りに発達したことで戦艦の存在意義に疑義が生まれた。だが、怪異の上位種にはシールド、ないしは二重コア持ちが存在し、ミサイルを迎撃、ないしは無効化する特性のものがいるため、旧来通りの装備のウィッチの軍事的優位性が低下。更に人員の世代交代が停滞したため、一握りのトップエースに依存する体制と化してしまった。カールスラントの軍事的衰弱で同国のトップエース達が続々と永住権を取得していった事による人材の充実が問題を覆い隠した事もあり、戦乱が小康状態になる時期まで新規志願の平均数低下の問題は見過ごされてしまう。日本の左派による政治工作もあり、軍隊が社会的に嫌われ者になった事も、人材的停滞に大きく作用してしまう。軍備更新のほうが急務であった時期なので、人材の世代交代の停滞はやむを得なかった――
――技術革新により、戦車はあっという間に105ミリ砲が主流となり、航空機は超音速が当たり前となったウィッチ世界。そんな中で、ウィッチは一騎当千が求められてしまったのもあり、急速に軍への在籍数が減っていった。それを押し留めるために、転生者を含むGウィッチは『英雄』である事が求められた。その兼ね合いで、プリキュア達も現役時代の技だけでない攻撃を身につける必要に迫られた。それは大決戦の折に、キュアフェリーチェらの見せた攻撃に端を発する――
「おおおおおおおっ!」
時間稼ぎが必要だが、フルチャージされたストナーサンシャインはそれ相応に威力を発揮する。大決戦においては、ブライ大帝を歓喜させるレベルのゲッター線の制御法を見せた。
「フェリーチェ、うまく当てろよ!フルチャージだから、消耗するぞ!」
「わかってます!」
フェリーチェは空間のゲッターエネルギーを圧縮し、前に包むように構えた両手の中で集束させ、エネルギー弾を生成する。プリキュア本来の攻撃ではないが、大地母神ではなくなった彼女がその後に会得した中では、最大の技の一つだ。
『ストナァァァァァ・サァァンシャイィィンッ!!!』
もう一つの太陽を作り、爆発させるに等しい攻撃なため、威力は保証されている。ヒーロー達や黒江たちの態勢立て直しの時間を稼ぐための攻撃であるので、魅せ技に近かったが、敵の虚を突くには充分であった。地球連邦軍の第七艦隊がその間の戦闘を引き受け、MSなどで応戦する。
「避難民の収容を急がせろ。この空域は戦場になる。この世界の自衛隊などはこの事態を感知しても、動けんはずだ」
「司令、そもそも、敵が衛星を破壊しているか、妨害で確認していないかと」
「あり得るな。ウザーラの動きは?」
「沈黙しています」
「よし、プリキュア達を少しでも休ませろ。総力戦になるぞ、予備機も使え!」
この戦闘はヒーローユニオンと地球連邦軍の共同戦線へ移行した。この時にできた縁で、後々に呼ばれるプリキュアも数多い。黒江たちはプリキュアの姿のままながら、そのまま軍人としての職務に入り、愛機の一つを整備させる。そして。
「よぉ、ずいぶ珍妙なことになったもんだな」
「忍さん。メカトピア戦の後は銀河の辺境に飛ばされたって」
「呼び戻されたんだよ。今は第七艦隊所属になってる」
「つか、なんで俺だって?」
「纏う雰囲気と、カンだね。あたしらはそこが異常に効くのさ」
「特に、忍と沙羅はな」
「どこにいたんです、亮さんたちは」
「サジタリウス腕の探査船団にいた。ボラー連邦やガルマン・ガミラスの勢力圏外の区域が残ってるからな、銀河には」
司馬亮の言から、獣戦機隊は藤原忍が例によって、上官を派手にぶん殴ったため、懲罰的に銀河の探査船団に飛ばされていたのが判明した。
「銀河連邦も弱まってますからね、戦乱で」
「地球連邦が地球帝国化するのを警戒して、23世紀の戦乱は座視していたらしいがな」
「でも、結局はボラー連邦の攻撃で地球連邦に泣きつくんだから、同じじゃ?」
「そこだよ。宇宙刑事ギャバンたちがいなければ、とうに銀河連邦は分裂か、崩壊してるよ」
地球とのハーフである宇宙刑事ギャバン、戦士シャイダーの末裔である宇宙刑事シャイダーなどがいなければ、とうに銀河連邦は消滅しているだろうとはよく言われている。そのため、バード星が度重なる不祥事の責任を取り、地球に銀河連邦の常任理事国の地位を譲った後の時代には『地球連邦の天の川銀河統治の大義名分』に使われている。
「ダンクーガはどうです」
「整備は完璧さ。強化プランも、葉月博士が二通りを考えてるそうだよ」
「マジンガーやゲッターがパワーアップしてるのに、俺たちのダンクーガが強くならねぇ理由はねぇさ」
「相変わらず、ジュドーと聞きわけできない声ですね」
「そっか?俺のほうがイケてるだろ」
「ジュドーより喧嘩っ早くて、アホなのが忍さ」
「おい、沙羅!…あのな、士官学校出てんだぞ、俺」
藤原忍は喧嘩っ早い性格が災いし、出世に縁がないものの、ちゃんと正規の士官教育を受けた将校である。威勢がいい割に喧嘩が弱めなため、ロンド・ベルの仲間内で話の種にされていたほどだ。(たいていのスーパーロボットのメインパイロットは喧嘩に強いためであるが)
「忍は、操縦技術で士官になれたようなもんさ。とはいえ、野生が強いのもあるだろうけど」
「家の政治力で改修資材をかき集めたよ。野比家とかと違って、比較的に新興だから、骨をおったけどさ」
「雅人さんち、軍需産業でしたね」
「オレが継いでからは、民需にも手を出させたけどね。軍需一本槍じゃ、今の世の中でつぶし効かないから」
式部雅人は家業を継いだものの、軍籍は残してある。軍需産業主体だが、民需にも手を広げつつあるという。
「ダンガイオーチームと組んで、宇宙海賊バンカーを叩いてたんだが、俺らに呼び出しがかかりやがってな。上の連中は勝手だぜ」
と、不機嫌な様子の忍。
「でも、どうしてまた、銀河の反対方向に?」
「忍が、ある作戦の司令官をぶん殴ってな。それで探査船団の護衛に回されたんだ。俺たちはスーパーロボットの運用部隊だから、ダンガイオーチームの援護という名目で異動させられた。半分は本当だったが」
やれやれと、ため息をつく司馬亮。地球連邦は人材不足であるので、司令官の全員が有能ではない。戦乱で淘汰されてきているが、無能な働き者というのは、どうしても出てくるものだ。
「あんたも面白い格好になったね」
「からかってる場合じゃないですって。」
「わかってるよ。今は英気を養いな。敵もそう馬鹿じゃないんだ。第七艦隊の総力とぶつかって、無傷じゃいられないのは分かってるはずだ。子供たちはどうだい?」
「みんな、パニクってます。まぁ、こんな状況だし、俺はこんななりですし」
「これが縁になることも充分にありえるから、今回の出来事は軽く見ないほうがいいよ」
「ええ」
獣戦機隊もこの戦闘に参加していた。この後、彼らは司令部の都合で(軍に正式に所属するスーパーロボットであるため)、ロンド・ベル本隊にしばらく合流できずじまいになるため、この時が貴重な共闘の機会であった。マジンガーとゲッターと比較して、『野生』以外は既存のテクノロジー中心で固められた『堅実な機体』。リアル系寄りだが、れっきとした『スーパーロボット』であるのがダンクーガなのだ。
――プリキュア勢は妖精らも含めて、轟天に回収されていた。そこで大まかな事情の説明がなされた。のぞみとラブが『入れ替わっている』事は公然の秘密であった。正式なカミングアウトは戦闘後のほうがいいという、なぎさとほのかの判断もあっての事であった。ヒーロー達と第七艦隊司令部の協議が行われており、反撃の計画が練られている。雑兵の機械獣や百鬼メカ程度なら、地球連邦の標準的な機動兵器でも戦えはするからだ――
「今回はガキどものお守りか。はて、人数が多いな」
「シャーリーの話じゃ、あれでも初期の連中しかいないらしい」
「なるほどな」
「今回は長丁場になりそうだ。エネルギーを充填しとくに越したことはないぞ」
「ウザーラとやり合うんだ。エネルギーはフルにしとかねぇとな」
スーパーロボット達も間隙を縫う形で補給を行い、パイロットの休息時間を確保する。今はシャーリーがキュアメロディとして、紅蓮聖天八極式・改で敵の軍団に立ち向かっている。量産型ゲッターGも含めた軍団にワンオフのハイエンドモデルとはいえ、MS以下の大きさのナイトメアフレームで戦うのは、勇気のいる行動である。
「シャーリーはよく戦っている。だが、ナイトメアフレームでは限界があるぞ」
「ああ。運動性はいいが、絶対火力が足りん。大介さんはどうだ?」
「ダブルスペイザーの調整が終わり次第だそうだ」
「ゴッドマーズは?」
「タケルはガイアとの外交団の護衛で、当分は戻れんそうだ。だが、バトルチームとボルテスチームが合流する」
「そうか。それでも、ブンヤの連中には『豪華』と言われるだろうよ」
この頃には、明神タケル(マーズ)はアースに定住し、ガイヤーを含む六神を戦闘の度に呼び出していることが、神隼人の口から説明される。彼は元々、更に別の地球の人間(ただし、出自は宇宙人)であったが、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを介し、別の地球の危機を知り、立ち上がった勇者である。今回は別の任務に参加しており、参加不能であるらしい。それでも、ゴッド・マジンガー(最新鋭のマジンガーで、マジンガーZの後身でもある)、マジンエンペラーG、真ゲッタードラゴン(人型)、UFOロボグレンダイザー、コン・バトラーV、ボルテスV、ダンクーガが一堂に会するという陣容は空前の豪華さであると言える。それに加え、ヒーローユニオン側もマシンを投入する事を通達している。彼らは本格的な反撃の準備のため、補給と整備が完了するのを待つ。如何にスーパーロボットであろうと、通常は補給と整備が重要なのだ。
――第七艦隊は外征艦隊として整備されていたため、比較的に装備は優良であり、リ・ガズィなども保有していた。外征部隊では機体強度と空挺強襲がある程度は重視されている関係上、TMSが多めに配備され、ある程度の技能持ちのパイロットが配置されている。小型機は外征では、却って物理強度の不足が問題視され、更にその需要を満たすVFの高性能化もあり、ジャンルそのものが廃れ始めている。機械獣などの類はジム系用のショートバレルビームライフル程度では撃ち抜けないため、高級品の長砲身ビームライフルが重宝されている――
――プリキュアらは、いつの間にかとんでもない出来事に発展し、宇宙戦艦に乗せられ、大戦争と化していることに大いに狼狽えていた。自分らが対峙した敵は、ナチスの生き残りが絡む存在であると知らされたからだ。ある世界での第二次世界大戦で敗れた後に『大首領』の手足となり、70年代以降から暗躍してきた。しかも、自分らがオールスターズ戦で最初に戦った敵は彼らが実験的に生み出したのでは?という推測も伝えられ、第二次世界大戦の時代、下手をすれば、神話の時代からの『大首領』の世界を超える野望に図らずも巻き込まれていることはスケールの大きすぎる話だ――
「と、いうわけ。敵にはナチス・ドイツの生き残りやら、帝政ロシアの将軍(ブラック将軍)がいるわけよ。何故か、そいつらは日本を狙うと来てる」
「どうして、日本なんですか?」
「彼らが忠誠を誓う存在にとっての聖地が日本列島だって推測があるわ」
ハニーはプリキュア勢に状況を説明する。変身している状態のままなのは、力が奪われ、再変身が困難なプリキュア達に合わせたためだ。
「それと、今の私はアンドロイドの体に、人の霊魂が宿って生まれた存在。体は機械、心は人間ってところね」
ハニーは元々、如月博士が心血を注いで作り上げた最高傑作である。幼少のうちに夭折した娘(そもそも、一個人の記憶を一から作ることは現実的ではない)の記憶をベースに手を加えたメモリーがインプットされていた。そこに秋元まどかの姉『まどか』の霊魂が宿ったため、人格に変化が生じた状態が今のハニーだ。その兼ね合いか、パワーアップもしたためもあり、『キューティーハニーF』がヒロインとしての呼称だという。
「それじゃ、今のお姉ちゃんの体と頭脳は……」
「そう、機械よ。ただし、心は人間のまま。体が機械になっただけってだけ」
ハニーは超高度な機械工学と生化学技術の融合の賜物で生まれた。機械に自己意志が宿る事は日本ではよくある事(ドラえもん、アナライザーなど)だが、外国では人工知能の反乱を恐れるあまりに、その技術の根絶を狙うようになるまで先鋭化。結局はモビルドールなどが市民権を得られずに、地球連邦軍が慢性的な人材不足になる遠因となっている。
「それに、ドラえもんやアナライザーとか、完全な機械でも、自己意志が生まれる場合があるしね」
ネコ型ロボットとその派生タイプのロボットは当時でも特に高度な人工知能を持っており、経験を積み、個性を明確に持つ者も生まれていった。技術衰退後においても、アナライザーなどの例がある。
「あるんですか?」
「あるんだよ。時たまね。それに、宇宙に降り注ぐ宇宙線の中には、全ての進化を促すものもある」
「あなたは確か……キュアミューズ」
「本当は小学生として、君たちと会うんだけどね。あいにく、ボクは成人済みの状態なんだ」
キュアミューズは現役時代、史上初の小学生プリキュアであり、年相応に小柄であった。だが、転生を重ねた状態で再覚醒したため、アストルフォの姿から変身することになり、164cmの背丈を持つことになった。現役時代ののぞみ、咲、なぎさより長身である。(ただし、転生者は転生後の肉体が現役時代の容姿に変化する事もあるので、キュアメロディは現役時代より、だいぶ長身になっている)キャラは完全にアストルフォとしての飄々としたものになっているため、一人称も『ボク』である。
「全ての進化?」
「そう。たとえ無機物である機械でも」
「そんな、無機物が有機体のような変化を起こすなんて」
「その産物が、あのスーパーロボットのうちの一体さ。真ゲッタードラゴン。あれは元々、懐かしのアニメに出てきてた『ゲッターロボG』だったんだ」
写真を使い、説明する。ゲッタードラゴンが真ドラゴンへ変異したと。体躯の大きさまでも変化が生じ、全ての点で比較にならない性能へ強化されたと。そして。
「ボクの後輩のキュアフェリーチェが使った『ストナーサンシャイン』も本当は『真ゲッターロボ』の技だし、色々とボクたちは垣根を超えた存在なんだ」
フェリーチェは元来、浄化メインのプリキュアであったが、ゲッター線に身を委ねた後は『ストナーサンシャイン』、『シャインスパーク』を使用可能になり、得物もゲッタートマホーク(真ゲッターなどが使うハルバード・両刃タイプ)などを使うなど、戦闘面での『以前との共通点』は大きく薄れている。
「垣根って?」
「そうだね、ミント。一言で言うなら、何かかしらのきっかけで『理』を超えることさ。それを超えることで、存在そのものが本来の枠組では測れなくなる。ボク達もある意味じゃ『不滅』を願われた存在さ」
「どうして?」
「本来、プリキュアは代替わりが当たり前だったろ?だけど、そんな事、世間は知ったこっちゃない。いくら、『ただの学生なのに』って言ったところで、力がある時点で、大人達は『戦うことが使命だろうが』とか言うだろうし、子供達には、ボク達の存在そのものが『夢の象徴』みたいなもんなんだ。それで、その後の人生に悪影響が出た子もいるよ」
ボカしたものの、それはのぞみAのことである。のぞみAは成人後の人生が上手くいかなくなった事のトラウマが、デザリアム戦役での情緒不安定へと繋がるのである。
「だから、ボク達は難しい立場なのさ」
「まって、この船はなんなの?どうして、戦艦大和に似てるの?」
「その戦艦大和の姉妹艦が宇宙戦艦になった姿なんだよ、ウィンディ。」
「待って、戦艦大和の姉妹艦は二隻あったけれど、予定通りに戦艦になったのは……武蔵だけのはずよ!?」
「そこがややこしいんだ、アクア。この艦は武蔵じゃないし、ましてや、信濃でもない。111号艦……公式記録の上では解体されたはずの四番目が生き長らえ、どこかで保存され続けて、時代とともに改装された末の姿だよ」
「111号?」
「日本海軍の建艦予定表にあった姉妹艦の仮称さ。日本海軍は世界線にもよるけど、作ろうとしてた。多くの場合、戦争が始まったから諦められたけど、極稀に『逆転の切り札』として作られ続ける。それが戦後まで続いた世界の産物さ」
轟天は大和型の上部構造物をそのまま、宇宙戦艦の船体に乗せたような姿である。ラ號では船体に設置されていたチェーンソーなどがゲッター線テクノロジーを応用した収納式になったのもあり、準同型と位置付けられている。ただし、ラ號では46cm四連装砲であったのが『51cm三連装砲』に強化され、砲塔が増やされているなど、改良されている。最も、この場で細かい事情を言う必要はないので、ラ號のことを指す説明で済ます。いい加減なようだが、ラ號をコピーしようとしたのが計画の始まりなので、間違ってはいない。
「それを宇宙戦艦へ大改造した。手間はかかったけど、下手な量産品より高性能さ」
元々、地球連邦軍はワンオフの高性能兵器を作ることに否定的であったが、ガンダム(RX-78)や宇宙戦艦ヤマトの事例以降は、量産型の部隊に度重なる大損害があった事から、ワンオフの高性能品を少数でも持つように考えが変わり、デザリアム戦役直前の段階では、戦艦に至るまで『ワンオフの高性能さが鍵』となるに至った。間接的にはジオンのエースパイロットらのせいとも言えるため、平均的な軍備を志向する官僚からは恨み節であったが、地球が直接的に狙われる事が常態化したため、一握りのエリート部隊にばかり、最新兵器が回されるという事態が当たり前であった。
「あとは君らに力が完全に戻るかは……希望と勝利を抱くことさ」
「どういう事?」
「この星の明日のために戦うってこと。それだけで充分でしょ?」
ミューズはそう告げる。『明日のため』と。プリキュアたちの多くは使命というモノとは思想的に縁遠いが、守らなくてはならないモノは誰でも存在するものだ。
「本来はこの時間軸じゃ、ボクとメロディはまだプリキュアじゃないはずだけど、こうして戦ってる。真面目に言うけど、君たちに……守らなくてはならないものはあるかい?」
プリキュアたちの戦う理由は様々である。だが、パワーソースを侵され、力を弱められた状態では、まともに戦えるはずもない。皆、怖気づくような表情だった。
『ミューズ、俺だ』
『君か。何で出るの?』
『整備が終わってたFAガンダムマークⅢで出る。お前も動ける機体で出ろ。総力戦だ』
『わかった』
格納庫の様子がモニターに映し出される。FAガンダムマークⅢがカタパルトで打ち出されていくわけだが……。
「ち、ちょっとまって。頭がこんがらがってきた……」
頭を抱えるキュアベリー(蒼乃美希)。そして。
「どうなってんのよ!?何がいったい!?」
「ありえなぁ~~い!!」
キュアルージュ、キュアベリー、キュアブラックの三者が同時に頭を抱え、ブラックはお馴染みの台詞もつく。事を飲み込めず、戸惑いが続くキュアブロッサムとキュアマリン。この当時の新人プリキュアのはずだが、より後の後輩達がやってきたため、置いてけぼり感が否めない。
「ミューズ、何してんの!出撃だよ、出撃!」
「待った、今いく!」
キュアハートが駆け込んできて、キュアミューズを急かす。現役時代であれば、乗り物酔いに苦しむキュアハートだが、転生の関係で乗り物酔いしなくなっている。
「ちょっと待ったぁ!出撃って、どういうことよ!」
「いつものツッコミは後にしてくださいよ、りんさん!こちとら、急いでるんですよ!!」
キュアハートが言い返すが、現役時代の癖で『いつものツッコミ』といってしまった。言われたキュアルージュはあまりに衝撃だったのか、フリーズする。
「ほら、君がいつもの癖でいうから、りんがフリーズしちゃったじゃないかー!」
「だーーー!!もう!!この時期は耐性ないんだっけ?」
キュアハートは転生後の逸見エリカとしてのガサツさが見え隠れする口調で、キュアミューズと喧嘩する。あっけらかんとする一同を尻目に、この後、10分は口喧嘩するのだった。