――地球連邦軍は30世紀にイルミダスに敗戦するが、その失態をゲッターエンペラーで払拭すると失地回復に努め、瞬く間に23世紀時の版図を取り戻した。イルミダスは瞬く間にゲッターエンペラーとワルキューレの炎によって滅亡した。イルミダスが滅び去った後の地球連邦政府の統治下の惑星では『イルミダス狩り』なる協力者への報復が横行し、最後まで反イルミダス派であったアースフリートが本拠地にしていた『大地球』(地球にそっくりな姿だが、地球よりは若めの惑星)が事実上の暫定的な主星になる形で再建される。ハーロックは地球を見捨てる形での地球人類の復興を良しとせず、星間文明としての最初の最盛期である23世紀に介入し、技術の提供を行うことで、ゲッターエンペラーの誕生で逆転勝利した後に醜い協力者狩りが行われるに至る『イルミダスへの敗戦』を歴史から消すべく行動をしていた。既に本来は24世紀以降に現れる技術の実用化が進み、MSの次世代兵器たる『マン・マシーン』への変革も早期に起こりつつあった。ジオンの衰えが加速したのは、この技術供与で軍事力の格差が生じつつあったからであった――
――マン・マシーン。ハーロック側の知る歴史においては、『24世紀にMSから進化したマシン』として登場する機動兵器である。MSの進化系であるが、小型機からの進化ではなく、大型MSの進化系である。ビームシールドは搭載されているが、あくまで予備装備である。本体にIフィールドが搭載されたからだ。基本はMSそのものであるので、既存MSからの改造は23世紀の設備でも容易である。既存の歴代ガンダムはマン・マシーンの技術での強化が施され、性能がグンと強化された。そこも他勢力のMSの陳腐化を招いたといえる――
――24世紀以降の技術で強化されしHi-νガンダムはシャアが持つ最新機『シナンジュ』をも上回る性能水準を誇る。フレーム強度も強化され、ビームマグナムの発砲も可能である。ネメシスの格納庫に鎮座している。このオーバーテクノロジー全開の兵器をウルスラは快く思わなかったが、日本が『オーバーテクノロジー使ってもいいから、死傷者を出すな』という無理難題を要求するので、それを実現させるにはオーバーテクノロジーは必須だった。マンマシーンは飛行可能であることも必須なため、23世紀よりも先の時代の技術が入れられている。マンマシーンはマルチロール機に分類される都合上、搭載量の増加も地味に行われ、プロペラントタンク容量の増大と効率化、バルカン砲などの弾倉の強化など、各所に手が入れられている。核融合炉も数世代先の理論による小型高出力のミノフスキー・ドライブ(完成型)に変わり、シナンジュも問題にしない攻防速を持つ。この大規模改修は歴代ガンダムに優先して施され、Zガンダムもこの恩恵でピーキーさが幾分か改善され、F91級のハイパワーを手に入れ、ZZのダブルビームライフルにはヴェスバー機能が追加された。コックピットにはISCも導入され、操作の簡易化がなされた他、ジェネレーター出力が数倍に強化され、余剰出力もあるため、マンマシーン用のバスターランチャー(30世紀で使用されるハイメガランチャーの最高位のもの)のドライブも容易である――
「あれ、歴代ガンダムの改修ですか、アムロさん」
「キャプテン・ハーロックのもたらした技術での改良だ。23世紀から700年後の時代のアナハイム製の部品を導入し、性能を引き上げている。シナンジュやナイチンゲール対策だ」
「マンマシーン化なんてチートですねぇ」
「シャアだって、ネオ・ジオングの建造は止められなかったようだしな。30世紀の技術で強化せんと、まともにやれんさ」
「つか、700年後も元気なんですね、アナハイム」
「政府の庇護があるからな。公然の秘密だよ。スポンサーのビスト財団が解体されたとしても、代わりはいくらでもいる」
黒江とアムロは三度の戦乱期をアナハイム・エレクトロニクスがくぐり抜け、元気に死の商人をしている事に苦笑いするが、機動兵器の基本規格とフォーマットは変化しておらず、使用テクノロジーだけが高度化したため、23世紀のMSはマンマシーンにできる。23世紀で人型兵器の基本が完成したからで、スーパーロボットも細かい改修で30世紀の戦闘に耐えられるため、人型兵器がフレーム構造化した事は整備性に大きく貢献していた。
「なるほど」
「子供達の訓練はどうだい」
「転生後、もしくは前にパイロット経験がある奴を優先して出します。後はプリキュアとして、空間騎兵隊ですな」
「わかった。なのはの謹慎はどうか」
「期間は終わりました。入る時に不貞腐れやがったんで、最終的にキュアエースに叱ってもらいました。それと管理責任で人事考査にマイナスが付きます」
「先方とのこともあるから、仕方あるまい。デスクワーク主体の階級にはなれんだろうから、定年まで一佐で使い倒しだな」
「ええ。あいつ、教育心理学の教授に集中講義受けていたそうですが、後の祭りな気が」
「やらんよりはマシだ。人事考査でマイナスがついたことには代わりはないが、向こうも人手不足だ。なのはほどの魔導師を窓際にはしないだろう」
「俸給の自主返納はさせました。俺とまっつぁんも減給処分は受けましたけど、軽いって批判来そうで。謹慎しても別に良かったんですけど」
「君等は謹慎させられんよ。現場はシッチャカメッチャカだ。戦場で失点を取り戻せ。減給処分は下してある上、始末書も書いてもらった以上は問題はない」
アムロとブライトは当事者の中では、なのはに謹慎と俸給の自主返納、始末書提出と自習室行き、『修正』という厳罰を与えたが、黒江と赤松はその管理責任を取れという事で減給処分となった。黒江と赤松も管理責任を取り、一週間は謹慎してもいいと言ったが、連合軍がそれでは困るという事で見送られた。(ブライトの華麗な修正がその代わりにされた)ブライトもダイ・アナザー・デイにロンド・ベルの責任者として関わっており、統合参謀本部に連邦軍側の代表の一人として詰めており、黒江と赤松は修正を受けた。ブライト曰く、『アムロ以来、この手に慣れてしまった』とぼやき気味である。
「ブライトさん、良いビンタしますねぇ…」
「俺以来、修正には慣れてるからな。不本意ながらスナップが効いてるよ。ガイちゃんと調にも厳重注意をしといた。ブライトのビンタはとにかく重くて痛いんだよ、そのくせ跡が五分も残らない、だから許されてる面も有るんだよなぁ、医者も『過度な暴力』って言えない絶妙さだから。それと、先方にはブライトが改めて侘びている。君等が宝具を扱える事は驚いてたというが、先方は。」
「俺と調、ガイちゃんは宝具の霊格を宿してますからね。俺のガキはアロンダイトですし」
「君の一家は剣に縁があるな」
「聖闘士ですから」
黒江の義娘の翼は『無毀なる湖光《アロンダイト》』を宿す。円卓の騎士系の宝具であるのは、山羊座の聖闘士の継承者同士であるからだろう。絶対に刃が欠けない特性があるため、どんな得物とも正面から打ち合える。左手は神剣『草薙』であるため、綾香の特徴を受け継いだ後継であるのは間違いない。これは山羊座の聖衣が聖剣の霊格を引き寄せて着用者に最適な物を所有させる能力を持つからで、そこも山羊座の聖闘士が剣士の称号を持つ証であろう。騎士の聖剣を右手に、神から賜りし剣を左手に携え山羊の両角と成す。それが黒江家の聖闘士に代々課されていく宿命である。
「調は何と何を組み合わせている?」
「俺と違って、エクスカリバーにシュルシャガナを組み合わせたモノを使ってます。ベルカの騎士としてのデバイスも『エクスキャリバー』でしたし」
例外として、魂単位で感応した調はその能力を持っており、エクスカリバーとシュルシャガナを組み合わせた『エクスカリバー・フランベルク』を発現している。そのため、ギア姿と別にベルカの騎士としてのバリアジャケット姿を持つ。かつては黒江の容姿で纏っていたが、現在は元々の容姿で纏える。また、両親の遺伝子の関係で、磁光真空剣もレーザー刀化できる。これは黒江にはない能力だ。
「不思議なんですよ。あいつ、俺らの誘いに乗るまでの短い間、飛来した磁光真空剣を使ってたって言うんですよ」
「あの子自身に記憶がない両親のどちらかの先祖に戸隠流の血統がいたとしか思えんよ、それは」
アムロもそうとしか言えないが、なぜ、磁光真空剣を発動できたのか。調本人にもわからないが、のび太のもとに行くまでのごく短期間はそれを武器に戦った。もちろん、磁光真空剣・真っ向両断は相手を消滅させる技であるので、そこで折り合いが悪くなった面もあるだろうとの推測である。
「あの出来事での君等の失敗は穏便に済ます手段に思い当たらなかったことだな。解除させた後にしばらく没収したりできただろうからな。君等らしいと言えば君等らしいが、以後は気をつけるように。ブンヤにネタを与えかねんからな」
「了解」
アムロは今後のため、黒江に釘を刺す。今や階級は逆転したが、関係自体は出会った時と同じであるからで、黒江もアムロに敬語を使っている。
「磁雷矢に磁光真空剣の写しが出来ないか打診しておく。レーザーメタル鉱石は銀河連邦警察の予算削減で余ってるようだからな」
「できたら回してください。あいつに渡すんで」
「その旨、闘破氏に伝えておくよ」
その話は後日、山地闘破が更に一条寺烈に伝える事で具現化し、『磁光真空剣・ 鏡月』という長脇差が調のもとに送られたという。
――調以外では、黒江が艦で同室になったのぞみが錦の技能を発現させ始め、剣技では黒江と黒田には及ばないが、そこそこは戦えるようになった。現役時代に剣戟をピンクチームで初めて行った誇りが強い事を後輩らに明確に告げた――
「そう言えば、剣が武器のプリキュアはあたしが最後だなぁ。エネルギーの剣だけど」
「そーなんだよ。実はさ、大人になった後、それではなちゃんと揉めた事あってさ。めぐみちゃん、どう思う?」
「まぁ、平成の終わりのプリキュアはガチンコバトルじゃないからねぇ」
敵を倒すプリキュアは代が下るにつれ、いなくなる傾向があり、平成後期には浄化がメインになっている。そのため、なぎさとほのかの護衛を務められる後輩プリキュアは少ない。ガチンコバトルが務まるプリキュアは魔法つかいが最後であるとも言われるため、のぞみやラブなどの第一世代プリキュアは平成後期~令和年間以降は需要がないと言える。
「メタ的に言うと、つぼみちゃんがターニングポイントになって、それからはガチンコバトルできるプリキュアが減り始めたからねぇ」
と、のぞみとめぐみが嘆いていると…。
「大変ニャーーーー~!」
キュアコスモ(ユニ/ノンナ)が息を切らしながら、大慌てでやってきた。相当に慌てているようで、コケそうになっている。
「どーしたの、コスモ。そんなに慌てちゃって」
「そ、それが…。思い出したんニャ!」
「何を思い出したの?」
「令和時代一号のプリキュアの事ニャ!」
『えーーー!?』
「ほら、なのはがボコした子いるニャ?あの子の声、どっかで聞いた覚えがあると思ったら、ウチの後継のプリキュアのピンクニャ!!」
「うそぉぉーーー!?」
「ま、待って、コスモ!裏付けは!?」
「ありすにとってもらったから、間違いないにゃ!キュアグレース、花寺のぞかニャ!!」
『何だってーーー!!』
キュアコスモは西住みほ(四葉ありすの転生であった)に裏を取ってもらい、令和時代に最初に現れる『ヒーリングっど・プリキュア』のキュアグレースの存在の裏付けを取った。のぞみとめぐみは自分らが余計に過去のプリキュアである事を増強する後輩の存在に目が点になる。
「あのさ、コスモ。一ついい?」
「何にゃ?」
「泣いていい?」
「落ち着くにゃ。ここまで来ると、2000年代半ばが生年月日になりそうだから、諦めるにゃ」
令和を迎えて数年経てば、のぞみの現役時代に赤子の世代がプリキュアになってしまう事を悟ったのか、ジェネレーションギャップを想像して落ち込むのぞみ。
「もー、なってるよぉ!オバハンとか言われると堪えるよぉ!平成初期生まれなのにぃ!」
「あ、そこなんだ…」
「転生前、大人になってからもプリキュア続けてたから、裏で言われてたろうし…。ガラケー世代で何が悪い~!」
のぞみは2008年に14歳前後の世代。その頃はまだガラケーが主流であったため、後輩達が生まれるにつれ、ガラケー型アイテムを使っている事を揶揄されるようになったらしく、気にしていたのが分かる。
「うん、どんまい」
「めぐみちゃん、泣いていい…?あたし」
「う、うん…」
「だから、仕方ないニャって」
「だーからー!」
のぞみはギャグ顔で目をうるうるさせて泣く。愛乃めぐみとキュアコスモは、のぞみに同情の眼差しを見せつつも苦笑する。
「何を騒いどる、お前ら」
「黒田先輩」
「ガラケー世代の後の世代が続々とプリキュアになるのは仕方ないだろ。令和だぞ、令和。平成の半ばの終わり世代がそろそろプリキュアになる時代だ。ガラケーを触ってないのがジェネレーションギャップなら、初代はどーする。令和に入る頃には、あの二人は30前半なんだぞ」
「リアルすぎます…」
「ですね」
「現実味ありすぎニャ」
「事実だろ。それはそれとして、通達事項だ。艦娘の部隊が作戦に加わる」
「司令部直属で極秘扱いの?」
「ほれ、お前なら知っとるだろ、マリンウィッチの噂。その大元が艦娘だ。」
のぞみ達のギャグじみた空気を黒田が一掃した。黒田は艦娘がいよいよ本領を発揮出来る場に出てくる事を伝え、第二水雷戦隊、第一機動艦隊(大鳳を基幹とした空母娘の空母機動部隊)、大和型と長門型の片割れが参陣する事が伝えられる。
「長門さん、戦場に出たんですか」
「奴も史実での揶揄は気にしてるからな。お上に許可をもらっての出陣だ。ビスマルクと違って、遠距離戦を前提にしての防御を持つから、戦場に出れた」
「ビスマルクの実態は20年遅れで生まれたバイエルン級でしかないですからねぇ。いくら三次元戦闘が可能な艦娘と言っても、防御力は低めだろうなぁ」
「本人が聞いたら怒るにゃ」
「ビスマルクの妹はグランドスラムでノックアウトさせられたし、本人もまぐれ当たりでフッドを倒せただけだ。ま、二次大戦の戦艦で一番華々しく散った戦艦だが」
ビスマルクは戦歴なら、第二次大戦当時の戦艦で最も幸せな部類に入る。そこがビスマルクの誇りだが、防御力が低め(想定距離でなら、タフネスだが…)な事、ドイツ戦艦の宿命『近距離戦想定であるため、太平洋の戦場を駆け抜ける花形だった日米の戦艦とは戦えないだろう』というスペックの問題はどうにもならない事はビスマルクのコンプレックスである。実艦のほうは足手まといとされ、ダイ・アナザー・デイに参陣できずじまいだが、艦娘のほうは『扶桑型を出して大怪我させるよりはモチーフ元の建造年度が新し目のビスマルクを出す』という判断が山本五十六とチェスター・ニミッツの合議で決定された。
「海軍の最高権威の二人の合議で参加が決まった。共同戦線になるから、お前らはエアカバーを充分に行うように」
「了解。でも、急な話ですね」
「まあ、財務省に怪訝にされたから、完全公表に踏み切ったのさ。艦娘が部隊として運用されてるのは、ウィッチの間でも噂になってたからな。それを肯定したようなもんだ」
「予算を削られるよりは大っぴらにして、銭を稼ごうってヤツニャ。あたしも色々と仕事が入ってるし」
「え、コスモ、もう日本で仕事?」
「戦争映画のコメンタリーとか、歴代のプリキュア映画のコメンタリーの収録だにゃ」
そこで、のぞみとめぐみの頭に閑古鳥が鳴く。半分はノンナとしての趣味だろうとは、黒田の推測だ。軍籍でありつつ、プリキュアとしてのフリーダムな振る舞いが許されているキュアコスモならばの生活費稼ぎである。
「あたしも元の世界で有名だけど、幼馴染とか以外には正体隠してたしなぁ。今はそれ気にしなくていいけど、なんか気が咎めるなぁ」
「いいじゃないか。のび太の世界じゃ、お前らはプリキュアオールスターズとして子供達の人気者だぞ。初期のプリキュアはオールスターズの制作が減ったから、顔出しが減って、『大きな友達』が嘆いてるんだし、お前もこづかい稼ぎを出来るぞ」
「フェリーチェやドリームがしてるみたいな?」
「そうそう。あたしも、のび太君の世界でイベントに顔出し初めてさ。おかげでこづかいには不自由はしなくなったよ」
「…あたしもやろうかなぁ」
「のび太くんがマネジメント担当だから、食事の時に声をかけてみればいいよ」
「うん、考えとく」
めぐみは出身世界での経緯上、のぞみを姉のように慕っている。のぞみもその経緯を尊重し、めぐみには明確に先輩風を吹かせている。世代が同じシャーリー(北条響)、生徒会長経験者のマナとはほぼ対等な立場かつ、タメ口だが、めぐみにはかつての春日野うららと似たような接し方である。(タメ口ではあるが、めぐみがのぞみを立てている事が見え隠れしている)
「お前ら、今日はハンバーグだ。並ぶ前にとっとと食った方がいい。赤城と加賀が来たら…」
『あーーー!?』
一同は黒田の指摘で、艦娘・赤城と加賀の大飯食らいに考えが及んだ。二人がいると、食料品が一気に消費され、その日の内に補給艦が必要になるとさえ言われ、食堂の担当部署で恐れられる存在。
「よーし、みんな!赤城さんと加賀さんに食われる前に食堂に向かうよ~!けってぇ~い!」
「YES!」
一同が大慌てで艦内の食堂に一目散に向かうのを微笑ましく見送る黒田。実は宇佐美いちかに言って、幹部特権でスイーツの在庫を確保していた。それがいちかの口から漏れ、黒田は怒り心頭のドリームらに追いかけ回されるハメに陥ったというが、蠍座の黄金聖闘士であるため、スイーツ好きなドリームとそれに付き合わされたキュアホイップを除くメンバーをくすぐりなどで返り討ちにしたが、ドリーム、ホイップのコンビとはガチンコの戦いになってしまったとか。