ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第七十七話「2019年の同人誌即売会とプリキュア2」

――同人誌即売会に参加したプリキュア達。サークルとしての参加日は最終的にDVDの配布で終わったが、それだけで終わりはしなかった。なんと、彼女達の目の前でひったくりが起こったのだ。もちろん、見逃すプリキュア達ではなく……。

 

「お前ら、追え!!」

 

「分かってます!!」

 

黒江はひったくられ、そのはずみで倒れてしまった被害者を介抱しつつ、指示を飛ばす。ドリーム達はひったくり犯を持ち前の身体能力で追う。逃げる犯人は思いっきり目を疑っている。彼こそ、史上初の『プリキュアに追われるひったくり犯』だろう。犯人はそれなりに運動能力があり、機転が利くようで、数十万の人混みを利用して振り切ろうとする。

 

「あたしたちの目の前でひったくりなんぞ、いい度胸だ~!こうなったら絶対に捕まえたるぜ!」

 

ひったくり犯を追いながらも、そう息巻くドリーム。錦の口調が入っているので、言葉づかいは荒い。しかし、変身で身体能力が強化されている彼女たちも、数十万人が集まる会場の人混みを縫って追いかけるのは一苦労であった。そこでキュアミューズは一計を案じた。

 

『みんな~。ボク達はさっき起こったひったくりの犯人を追ってるんだ。協力して~!』

 

ミューズは会場の来場者を味方につける方法で犯人の策を潰し、道を開いた。

 

「ミューズ、でかした!」

 

「ドリーム、犯人は左に曲がったわ!」

 

「YES!」

 

プリキュア達はミューズのひらめきで会場の人間達を味方につけ、犯人を追う。こうなってくると、犯人も必死であるのか、駅伝経験があるのか、プリキュア化しているにも関わず距離が縮まらない。と、犯人はそこでドジを踏む。のぼりが偶然にも彼の方に倒れてきたのだ。一本や二本ではない。犯人はたまらずコケる。が、それにめげずに逃走を続ける。変に根性があるらしい。

 

「しゃらくさい!こうなれば、プリキュア・スパークリングシャワー!!」

 

痺れを切らしたミューズが犯人へ技を撃つが、犯人はその場の色んなものを盾にして凌いでしまう。

 

「なにーーー!?んなのありかぁ!?」

 

「少々手荒いけれど、大人しくしなさいっ!!プリキュア・サファイアアロー!!」

 

アクアは外へ逃げ出す寸前の犯人の背後から、前方にあるのぼりへサファイアアロー(水流による矢)を放つ。連発が効くため、5発を放ち、のぼりを倒して犯人をコケさせる。そして。

 

「よくやった!せーの!廬山昇龍覇!!」

 

黒江が駆けつけ、加減して廬山昇龍覇を放って犯人を打ち上げ、ドリームが飛び蹴りで〆た。犯人は当然ながら伸びている。

 

「手間かけさせやがって。このままスタッフさんに突き出して、当局に委ねよう。あ、お前ら。技撃ったから、ファンサービスしとけ」

 

「先輩、廬山昇龍覇撃てたんですね…」

 

「老師・童虎のもとで修行したからな。廬山系は得意中の得意だ」

 

「でもな、お前、加減したか?怒られるぞ」

 

「加減しましたよ。ヒットさせずに衝撃波で気絶させましたし…」

 

「おまわりさんから怒られるのは覚悟しとけよー」

 

黒江の言うとおり、この後、キュアドリームは『飛び蹴りはやりすぎ』と厳重注意を受けるハメになったが、会場にいた数十万人からの喝采を浴びた。犯人は梱包ラップで三回縛られた上で当局に確保された。ドリームは前世で失った『英雄としての喝采』に久しぶりに出会った感動からか、ホロリと一筋の涙を流した。

 

「久しぶりだなぁ……この感覚……」

 

「君、涙腺緩んだね」

 

「前世じゃ二人の子持ちだったしさ…。それに戦うことだけが承認欲を満たす手段になってたし…」

 

ドリームは前世の後半生が悲惨だった故か、精神年齢の都合で涙腺が緩んだところを見せる。プリキュアとして喝采を浴びたのはいつ以来だろう。そう考えると、泣けてくるらしい。

 

「ほれ、お前のキャラじゃないだろ?」

 

「ちょっとは感慨に浸らせてくださいよ」

 

「倒す戦いでなくても人は守れる、犯罪者を捕まえて贖罪の機会を与えるのも戦いなのさ。それに、ここにいる連中はお前らの勇姿と背中を見て育った子供たちも多いんだ。笑顔を見せてやれ。お前らしい、な」

 

ドリームは黒江が何故、扶桑で派閥の中心になれたのか。その答えを見出した。黒江はのび太と同じく『人たらし』なのだ。

 

「感慨にふけるのは帰ってからでも出来るが、笑顔をふりまくチャンスは人が居る今しかねぇぞ」

 

「そ、そうですね…。みんなー、ありがとー!!」

 

その一声で会場は揺れた。本物のプリキュアによる大捕物と技の披露。これ以上ないファンサービスになったと言える。

 

『去年の映画、どうやってシナリオ変えたのー?』

 

と、プリキュアファンらしき一団の質問が集団でハモるようにして出た。

 

「制作会社にお願いして、ちょっと、ね」

 

『ちょっとどころじゃないよー?』

 

「本人がアフレコしたんだし、そんくらいはいいじゃんー!」

 

のぞみは本人ということで、HUGっとプリキュアと初代メインのオールスターズ映画のシナリオを書き換えさせている。スネ夫経営の広告代理店による宣伝もあり、のぞみのアフレコは多少誇張されて宣伝に利用された。実際は戦闘での追加場面のアフレコだが、技の発声が現役時代の音声そのままであることもあり、『代役』がアフレコしたと担当声優も気づかないほどであったという。

 

『でも、コミカライズにまで出番あるなんて、なんかやったでしょ』

 

「クリスチーネ剛田先生との縁もあったのが早かった理由かもね~。」

 

ジャイ子はこの時代ではプロの漫画家として大成し、兄の献身もあり、少女漫画から青年漫画まで手がける新進気鋭の若手漫画家として売れっ子であった。偶然、2019年度の『スタートゥインクルプリキュア』のコミカライズの一つを依頼されたのだが、引き受けるのを迷ったが、子供時代から、花海ことは/キュアフェリーチェと知己であった事での依頼と、のぞみとりんの強力な後押しで引き受けた。のぞみとりん、ことはが肖像権を承諾したことでコミカライズは独自の展開となり、スタートゥインクルの冒険に先輩プリキュアが巻き込まれて同行する展開となり、独自色が強まっていた。また、ジャイ子の真骨頂というべき本式のスペースオペラ色が出たため、掲載誌が幼児向けから少女向けに移動する珍事が起こったという。(一年後、ヒーリングっどにプリキュアが移行した際に、その路線で貫徹した場合の想定でのスタートゥインクルのコミカライズが出版され、ジャイ子の名声を高めたという)

 

『アクアさーん。初めてのコミケはどーうですかー?』

 

「少し緊張したけれど、みんなが元気そうで良かったわ。ミントが行きたがってたのが理解できたわ」

 

キュアアクアはこの場での最年長兼唯一の青のプリキュアであるため、このような場にも慣れていた。また、親友のキュアミント/秋元こまちが小説家志望ながら、参加志望ありという事が笑いを誘った。

 

「ファンサービスでこの姿も見せちゃうぞ♪」

 

『アストルフォきゅん、あざとすぎー!』

 

アストルフォとしての姿も披露するキュアミューズ。萌え要素がてんこ盛りなため、プリキュアファン以外からも声があがる。

 

「ボクだけ現役時代の姿はとってないし、国籍も日本じゃないけど、英霊でプリキュアだよ~ん♪」

 

アストルフォとして、ガリア国籍を取得した(イングランド王の子でもあるので、半分はイギリス人であるが)ため、21世紀世界ではフランス人扱いであるキュアミューズ。アストルフォとしての姿も見せるが、生前と違い本当に女性であるため、体つきもアニメと違い、女性である事を示すラインである。

 

『ルーラーにどう言い訳するつもりー?』

 

「ルーラーには侘びてるよー?アニメでナニを見せちった事。それにボクはセイバー適性はあるにはあるけど、英霊としては強くないほーだしさー」

 

と、アストルフォとしての見解を述べつつ、プリキュアに再変身する。

 

「理性が蒸発してると不味いんだよねー、ボク。レッツプレイ!!プリキュア・モジュレーション~!」

 

再度、キュアミューズの姿になるが、アストルフォの姿から変化した都合、背丈はアストルフォの時のものになっている。そのため、背丈は現役時代より高くなっている。成長すると、メロディたちと遜色ない背丈になっただろう予測もあるため、妥当な伸び率である。

 

「一応、仏の公務員だしさ、今は」

 

ここでどっと笑いが起こる。仕事はクラスダウンしたが、理性についてはアップしたからだろう。一国の姫から公務員というのは大きいダウンであるが、英霊に対するガリアの特別措置としては、すごく高待遇である。

 

「あー、ここでコードギアスファンのみんなにお知らせだよ。ウチのキュアメロディ、紅月カレン経由の転生だから、ルルーシュとスザクをぶん殴りたいって息巻いてるよー♪」

 

ここで笑いを取る。シャーリーは常々、『ルルーシュとスザクと再会したらぶん殴る!!』と息巻いており、コードギアスファンの笑いも誘う。カレンとしての割り切れなさをシャーリーが引きずっているのを知ったキュアミューズ(アストルフォ)は公にしてやることで、却って気を楽にさせることにした。ただし、シャーリーとしてはものすごく恥ずかしいため、ミューズが帰ると、口調が麦野沈利のアブナイものになったキュアメロディが原子崩しを乱射しまくり、ミューズは生きた心地がしないと後に零したという。(ニュースで中継されていたため、シャーリーは気恥ずかしさで湯気が出てしまい、麦野沈利としてのスイッチが入ってしまった。その時に原子崩しを使用できる事が判明する)

 

――『てめぇ、理性が溶けてるってんなら、丸ごと溶かしてやるよォッ!』――

 

 

明らかに麦野沈利なアブナイ口調で原子崩しを乱射し、黒江の爆笑を誘ったという。

 

『む、むぎのんはいってないー!?チミィ…」

 

『るせぇ!!今日という今日は許さねぇぞ、この理性ぶっ飛びヤロぉぉぉ!!』

 

……であったとか。そこで持ち上がったのが『何故、同じような出来事を経験しなければならないのか?』というもので、黒江たちも似た出来事を転生の度に経験しなければならない理由が未だにわからず、その日、JAXAでの仕事があり、野比家に泊まりに来た出木杉英才に尋ねてみた。

 

――夜遅く 野比家――

 

「夜分遅くにすまないね」

 

「いえ、僕にできることなら」

 

「奥さんと英世(出木杉英世。出木杉英才の嫡男)くんには?」

 

「野比くんの家に厄介になると、息子とワイフには伝えてあります。貴方方の気にしておられることですが、おそらく、運命の軛云々以前の問題ですね。歴史の修正力というものでしょう」

 

「歴史の修正力?」

 

「歴史改変SFでよくありますが、戦争の敗者と勝者を入れ替えたくらいでは、流れは大して変わりません。ウィッチ世界が太平洋戦争に向かっているのも必然でしょう。遅かれ早かれ、日米の衝突はどこかで起こるのです。マジンガーZEROが操る因果律ですが、遺伝や魂魄が持つ因子が似た状況を引き寄せる可能性は無いと言い切れないから、運命って言葉も否定も出来ないのですよ。なのはちゃんがいつも、どこかで似た経験をしてしまったり、あなた方が一度は引退するように」

 

「出木杉君、それはどういうことかい」

 

「時間の流れは特定の事件を軸に流れやすい所に分岐して行ったり収束したりするから最終的にもっとも太く、一番強い流れへ纏まっていく事でその因果として同様の事件が起きるのです。のび太くんが必ず大冒険に何回も行ったり、あなた方が転生して記憶が戻るのにきっかけがいるのと同じです」

 

「つまり、なのはがティアナ相手でなくても、似たような事をやらかしちまうのは…」

 

「因果の最たるものです。本人の意思を超えた次元のものですので、彼女の努力ではどうにもできません」

 

出木杉は仮説と断りを入れつつ、黒江たちも心当たりがあるので、ZEROが如何に恐ろしい能力を持つかを思い知る。また、なのはが同じミスを繰り返してしまう理由に一つの回答が提示されたが、黒江たちにも似たような事が言えるため、すごく複雑そうな顔である。

 

「プリキュアにも同じことが言えます。ですか、人によっては別の人物の因果も取り込んでいる。そこが読めない点ですよ」

 

のぞみが錦の因果をも取り込んだりしているため、それを指して、読めないという出木杉。また、キュアビートもクラン・クランの因果を取り込んでいるため、本来の因果とは別の因果が表れると出木杉は予測した。ドラえもんの存在がきっかけで多元宇宙論の研究をJAXAで行うようになったからか、その種の研究では権威になっている。ウィッチ世界で太平洋戦争が起こる理由も彼はこう言い当てた。

 

「ティターンズがいなくとも、あの世界はいずれは太平洋戦争を行っていたでしょう。どこかで覇権主義にリベリオンが目覚めた場合、扶桑を排除しようとするのは自明の理ですからね』

 

 

「日本連邦はどう勝つべきだと思う」

 

「長時間の大陸制圧などは夢物語です。五大湖工業地帯の壊滅か占領、あるいは無力化した上で西海岸を切り離して和平に持ってゆくか、五大湖、東海岸の主要都市を抑えるか。ハワイは制圧した上で」

 

「最低でもハワイの制圧は必須か…」

 

「あなた方の世界でのパナマ運河が史実ほどの規模でない上、さほど重要ではないのなら、ハワイは最低限でも抑えませんと」

 

「閉塞で充分か?」

 

「強硬論者は完全破壊を望むでしょうな。海軍の重要拠点である以上は。ですが、政治的にそれは無理でしょうから、空挺部隊で制圧を閉塞と同時に行うのがいいかと」

 

日本連邦はそれで太平洋戦争の戦局の進め方が混乱し、結果として、海軍に少なからずの打撃がもたらされてしまう。ハワイ攻略作戦の方針が二転三転したのが原因で、最終的には空挺部隊による制圧で片付くものの、連合艦隊が少なからずの打撃を受けてしまうのだ。ハワイ閉塞を非現実的と嘲る勢力がバカ正直に艦隊を突っ込ませたためであった。それでかなりの旧軍式重巡以下の艦艇が失われてしまい、連合艦隊は再建のために組織だって動けない時間が出来てしまう。それで編み出されるのが主力艦艇のゲリラ的運用である。大和型戦艦も駆り出され、次なる決戦までの時を稼ぐのだ。

 

「ハワイが制圧できたとして、艦隊決戦にかっても、ゲリラ的攻撃が」

 

「それをやり返すのです。連合艦隊が組織だって動けなくなろうと、通商破壊に大和型戦艦などを使えば、敵はそれに戦力を割きましょう」

 

「そういえば、海自の若い幕僚共が俺にその案を持ってきてたな。検討させよう」

 

大和型戦艦の戦闘力が強化されてきた理由はそこにもあった。単艦戦闘力を引き上げ、通商破壊での安全性を確保する。ポケット戦艦の運用を大和型戦艦でするのだ。既に海自の幕僚の間では検討が進められているが、高官らに嘲笑され、検討すらしてもらえないという。扶桑の大和型戦艦は度重なる近代化改修で時代を超えた戦闘能力を持つため、その種のゲリラ的運用も考慮されている。しかし、日本の背広組からは『非現実的』と一蹴されている。(燃費、補給の問題は?などなど…)だが、実際は核融合炉の恩恵で航続距離は気にしなくてよく、弾丸の備蓄も扶桑では余るほどあるのだ。(むしろ、大和を契機に、世界で46cm砲の普及が試みられたほどである) 

 

「出木杉くん、君は万能だね…。軍事まで詳しいとは」

 

「祖父が太平洋戦争で戦死してますからね。祖父の足跡を探っているうちに、ね」

 

出木杉英才の祖父は太平洋戦争で南方戦線に従軍し、若き妻を残して戦死したという。その子が出木杉の父であり、その彼が長じて儲けた子が英才だという。出木杉家は代々、インテリではあるが、太平洋戦争で戦死した親族がいるという点では、のび太らの仲間達の中では際立っている。(のび太、ジャイアン、スネ夫の一族のその時代における主要人物は戦争に従軍するような年齢層ではなかったため)

 

「おじいさんが?」

 

「ええ。南方に送られたようですが、遺骨は発見されなかったそうです。サイパンなのか、フィリピンなのかは、祖母の記憶が曖昧だったので諦めましたが」

 

出木杉の祖父は太平洋戦争もたけなわの時期に召集され、激戦地のどこかで戦死した。それを祖母から教えられてからは祖父の足跡を辿りたい探究心、祖父の終焉の地を知りたいがために軍事もかじったと告白する出木杉。

 

「子供達は?」

 

「疲れて寝てるよ。今日は大捕物だったからな」

 

「それがいいでしょう。休暇はいつまで?」

 

「あと二週間くらいだ。タイムマシンがあるから、長めに取っといたからな。来年になれば、また戦闘だ。客人もいるから、そいつが帰った後で、だが」

 

それはこの時点では正式には戦列に加わっていないキュアアクアのことだ。アクアが戦列に加わるのは先のことであったが、ドリーム(のぞみ)がかつてと同様の様子を装いつつも、その実は闇を抱えていることを悟っていたため、この頃には参戦の決意を固めていた。その一方で元の世界の事も気になっており、それがドラえもんが分身ハンマーを貸し与える事に繋がる。かれんはそのことを元の世界ののぞみをなかなか言い出せなかったため、後に一悶着あるわけだ。

 

「その子は関わらせるので?」

 

「いずれはそうなるが、まだだ。今の戦いは俺達でケリをつける」

 

黒江はアクアをダイ・アナザー・デイには関わらせないと明言しつつ、デザリアム戦役には関わってもらうことになると出木杉に告げる。それはアクアの事情を考慮してのもので、彼女に身辺整理と説明の時間を与えるためであった。後に、彼女から事情を聞かされたキュアミント/秋元こまちも参戦を決意する。姉がキューティーハニーに転生していたという大決戦での記憶が蘇ったからだ。同じチームで皆が出身世界が違うことになるが、仕方ないことでもあった。

 

「先日も、マスコミは貴方方を蛮勇しか能のない前時代的な軍隊だと」

 

「史実の日本軍よりずっとマシだよ。通常兵器の研究が遅れてただけで。史実と同じペースで研究ができないわけがあったんだよ。だが、ダイ・アナザー・デイでその軛が取り払われたから、むしろ自衛隊より自由に兵器が買えるよ」

 

「ウィッチの排除をそれで行うつもりだったでしょうが、この間の事件で方針転換を迫られるでしょう。ウィッチ部隊の日本への配置と、艦娘の一定数の駐留も求めるでしょうね。現金なものですが」

 

「若い連中がそれに納得するか、だな」

 

 

 

 

――硫黄島に現れた怪異には現地の自衛隊では対処不能であったため、日本は事後に扶桑にウィッチ部隊の派遣を要請し、艦娘の駐留も求めた。扶桑はこれに応じたが、現場のウィッチが『都合が悪くなれば、掌返しするのか!』と反発した事から、日本に派遣するウィッチの選定が難航してしまう。その時に部隊にいたのが、後に64Fへ赴任する宮部大佐と広瀬大佐は派遣を経験したのである。佐官級でありながら、一介の戦士扱いに慣れていたのは、この時に日本への派遣を経験したからであった。日本側がウィッチへの方針を転換しだしたのは、硫黄島に怪異が出現したからで、手のひら返しぶりに多くのウィッチが憤慨したのも無理はなかった。しかしながら、日本政府はウィッチの運用にむしろ積極的であり、反対したのは野党の大半という有様だったのだ。ウィッチは社会的に成人と見なされてきたため、日本の政治家から子供扱いされる事が我慢ならなかったのもあって、クーデターを起こしたが、結果的にウィッチの立場が却って悪化する顛末となる。結果的に特権意識を持たない次世代のウィッチが登場するまでの時間、一握りの超人達が支えるハメとなったのだ。これは皮肉なことに、時空管理局の弱体化と同じプロセスであった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――マジンガーZEROの因果率操作能力は強大だが、あくまでもZが勝つ未来しか予測出来ないという点から『勝機』を見出そうとする黒江だが、自らも無視できない因果はまさに運命であった。だが、希望はある。因果は絶対ではないという答え、かくあるべき魔神の序列を示すZ神。進化で因果を超えるゲッター。それらの『機械仕掛けの神』の力を借りる形で『未来を切り開く』という選択を取る。のび太たちはその手助けをするのである。キュアドリームは転生を重ね、不死の存在になっても超がつくほどポジティブな黒江に次第に感化され、成人後の時代の生活で失っていた『現役時代のひたむきさと真っ直ぐさ』を取り戻す意思を持つようになっていく。また、キュアドリームとしての自分が現役時代から長い時を経ても忘れられずにいる事で、本当の意味での自信を取り戻し始めた。また、のび太が超獣戦隊ライブマンのレッドファルコン/天宮勇介からの『自分の信念を貫く勇気で戦え』とのアドバイスを伝えていたことも要因だった。錦との意識レベルでの融合が進んだ影響か、徐々に剣技が得意になっていく。(錦の見様見真似から脱し、黒江達同様にヒーローやスーパーロボットの剣技をコピー出来るようになるには、ダイ・アナザー・デイから少しの時間を要するのだった。)――

 

 

 

 

 

 

 

 

――2019年の同人誌即売会は大捕物で幕を閉じたが、同時に、新たなウィッチの食い扶持が見つかった瞬間でもあった。イベント警備や交通整理などにウィッチを駆り出すアイデアが採用されたり、治癒能力持ちが応急処置などに活躍する。その流れで、2020年の疫病の流行でも活躍するのである。また、実在が確認されたプリキュアは色々な権利の絡みで安定して収入が入るようになったため、短時間でかなりの額の資産を有する事となった。また、のぞみとりん、ことははプリキュアシリーズのコミカライズを新たに手掛けることになったジャイ子に頼み込み、自分をその漫画に変身後込みで登場させるなど、新たな生活をエンジョイしている。りんは概ね、行動を共にする機会が増えた『のぞみとことは、ラブの保護者』的ポジションに落ち着きつつあり、最近は裏方仕事に専念している他、かれんに『振り回されること』へ愚痴をこぼすなど、現役時代よりお母さん属性が強まっている。(りんはのぞみの闇に気づいており、一番に気づかっていたため、彼女がデザリアム戦役で記憶喪失になってしまう事がのぞみのデザリアム戦役での『暴走』に繋がってしまう。いわば、彼女は娘に自らを否定された後ののぞみの思い出、自分の生き方を肯定してくれる希望の象徴だったのだ)ラブは仕事の都合で同人誌即売会には行けずじまいであったが、『どこかの世界』に東せつながいるだろうという事を前向きに捉え、再会を待ち望む。また、この時はプリキュア達も知らなかったが、のぞみの想い人であり、プリキュア5を支えた妖精(パルミエ王国の王子)である『ココ』が地球人へ転生を遂げた後に『烈火の鎧』を継承して『サムライトルーパー』として覚醒を遂げ、彼が予てから願っていた事が叶った事が知らされるのはもっと後の事。

 

――超弾動ぉぉぉぉぉ!そぉぉぉうえぇぇんざぁーーーんッ!!――

 

のぞみがそれを正式に知るのはダイ・アナザー・デイの後のことだが、それを最終的に受け入れ、太平洋戦争時に籍を入れることになる。その経緯は後に現れる先輩の日向咲を驚天動地にさせ、それを鑑み、彼女の太平洋戦争での奮闘に繋がってゆく…。

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