ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

174 / 787
七十四話の続きです。


第八十話「ダイ・アナザー・デイで示されたのぞみの分析結果と城茂の思い…」

――ダイ・アナザー・デイで垣間見えたのは、日本に根強く残るトラウマであった。日本軍が圧倒的な科学力と火力差に敗れた歴史から、扶桑軍にある『前時代的』な精神性を排除しようと目論んだ。だが、その行為はウィッチたちの反発を招き、結果的には扶桑にいた一握りの超人達に過剰な負担をかけるだけに終わった。前世で坂本が反発したように、ウィッチは信ずる心で、いつの時代も奇跡を起こしてきたという記録があるからである。確かに日本軍は超テクノロジーに頼らずに戦争を進めたがために、最後には米国に踏み潰されたが、その遺産は日本を確かに守護してきた。ウィッチたちは特殊能力者だが、高位の超能力者たちのように、一人で軍隊を相手取るような芸当は『できない』。その中から突然変異のように生じた『一騎当千の強者』である黒江達は弾圧されたり、あるいは秩序を乱すとして異端視され、ウィッチ社会で村八分寸前だった。だが、時代は黒江たちに味方した。戦争が『人同士の殺し合い』という『かくあるべき姿』に回帰したことで『一騎当千の強者』は強く歓迎されたからだ。1945年を以て、ウィッチの思想的淘汰は始まったのである――

 

 

 

――ウィッチ世界では『史実の情報』で人種差別を論われ、苦境に陥る組織や国、個人が続出した。カールスラントや自由リベリオン、オラーシャはその弊害の最たるものであった。自由リベリオンは時代的に白人至上主義者の巣窟と見做されたために風当たりは相当に強く、前世が日本人かつ、現世でも扶桑在住のエースであり、プリキュアでもあるシャーロット・E・イェーガーをプロパガンダで祭り上げ、ダイ・アナザー・デイ中に佐官にするなど、相当に腐心させられた。カールスラントは公的な場での愛国主義的主張が禁止され、軍人のカールスラント至上主義的言動に厳罰が課せられるようになった影響で急速に軍部の秩序とモラルは崩壊に向かった。『ヒトラーになりえる人物の登場』を警戒しての措置であったが、愛国心で国の秩序を保っていたノイエ・カールスラントのアイデンティティを奪うも同然の行為であったため、瞬く間に国家秩序の維持すら危うくなってしまう。疎開から国家中枢機能を戻すのがおいそれとできない事を通達され、ドイツ領邦連邦は止むに止まれずに規制の緩和を進め、グンドュラ・ラルに空軍の再建を託す。大戦のエースは却って扱いにくいとするドイツ連邦側から異論が噴出したが、『ある程度は撃墜王を残しておかないと、他国に舐められる』とする面子の問題に発展したためにカールスラント空軍の撃墜王達は軍部への残留が認められた。ただし、リストラを警戒し、主だった撃墜王はほとんどが予備役に転じ、日本連邦の義勇兵となったために別の問題が浮上してゆくのである。オラーシャは日本の共産主義・アナーキストによる革命は頓挫したが、疑心暗鬼に陥った住民同士の殺し合いが各地で起こり、ウィッチもかなりが虐殺されてしまった(ドラえもんたちが救出したのもいるが)上、ロシア連邦もロマノフ王朝の転覆自体は黙認していたため、頓挫後はろくに援助もしなかったことでオラーシャ国家自体が大パニックに陥り、国内事情で連合軍から事実上は脱退した。その埋め合わせを日本連邦は求められたために軍事的にも超大国へならざるを得なかったのだ。ブリタニア連邦は史実での浅間丸事件が伝わること、ウォーロック事件の露呈で、国力が健在である貴重な同盟国の国民の心象が大きく悪化することを憂慮し、ウォーロックのせいで沈んだ空母『赤城』の代艦の建造費(調達費)の肩代わりの正式な了承、空母赤城の乗員であった者へのブリタニア女王の名のもとに支給される見舞金など、当時としては破格の賠償を行った。この賠償金は戦後型の5万t級空母を作れるほどの金額であったため、キングス・ユニオン内部でも相当に異論があったが、ウォーロック事件では完全にブリタニア側に非があったため、『味方がこれ以上減ること』を強く恐れたチャーチルの後押しもあり、賠償金は概ね了承された――

 

 

 

 

 

 

 

――45年当時、連合海軍の増強計画は破綻しかけていた。列強諸国の戦艦増備計画は同位国の横槍や政変で頓挫するケース(後にその方針の撤回をして、恥も外聞もなく、受領する国が続出するが)が続出していた。ドイツ領邦連邦も『鹵獲艦の再利用』は造船所の雇用維持の観点から容認したが、一からの新造は予算の都合で認められず、ニューレインボープランにも混乱が生じた。オラーシャもウクライナの独立などで史実ソビエツキー・ソユーズに相当する戦艦の新造計画が中止されるが、地下ドックで既に完成間近であった『リューリク』と『アドミラル・ラーザリェフ』は保有権で大揉めとなり、ロシア連邦の横槍(戦艦の解体とキーロフ級の譲渡を持ちかけた)で混乱し、公な竣工はずっと後のことになってしまう(1953年以降)など、連合海軍上層部は頭を痛めた。連合海軍の上層部は扶桑海軍の大和型戦艦とその血族が『海軍力のシンボル』として定着するのを恐れており、その対抗馬の建造を進めたが、同位国の無理解もあり、連合海軍の推進していた戦艦の建造計画はほとんどが怪異への有効性が不明なミサイル駆逐艦やミサイル巡洋艦に置き換えられて頓挫してしまう。そのため、当初の予定通りに戦艦が完成した後にすぐに受領できたのは、キングス・ユニオンと日本連邦のみであった。(なお、この時に21世紀の世界に流出したのがリューリク級の改良型である『24設計戦列艦』の設計図である。史実ソ連の造艦能力を超越したものであるため、嘲笑の対象にされたが、オラーシャ帝国が健全なら造れる見込みがあったため、オラーシャはとうとう『超弩級戦艦』を50年代まで持てぬままであったという)

 

 

 

 

 

――扶桑ウィッチ社会は日本連邦結成で大きく変わり始めた。軍部から求められるのが『一騎当千の強者』にシフトチェンジしたことで、凡百のウィッチ10人よりも一人の一騎当千の強者なウィッチが持て囃されるようになっていく戦場に彼女たちは嘆いた。だが、黒江たちを突然変異として弾圧した経緯がある以上は、世間の同情を買うこともなかった。彼女たちは自衛隊の管轄下にある『MAT』に自分の行き場を求め、軍に在籍するウィッチの人数は急激に減り始めた。軍部はこれに対応するため、取りやめが検討された縁故採用の継続を決定し、日本でのリクリート活動を強化しつつ、亡命オラーシャ軍人を中心に大量に義勇兵を集める。太平洋戦争で数的主力を担ったのはその層である。また、ウィッチの上位互換の存在である航空魔導師に対するコンプレックスもウィッチのサボタージュに繋がったが、なのはやフェイトのような一騎当千の強者は魔導師でも希少な存在である事には変わりはないので、そこも頭痛の種であった。この頃にはティターンズとバダンは弾芯を純鉄とした『魔導殺し』弾頭を使い始め、ウィッチを逆に狩る専門部隊も結成し、ウィッチと魔導師の優位を覆し始めた。これに慌てた連合軍は栄光の7人ライダーに戦線の打開を依頼。7人ライダーは最古のヒーローチームとしての実力を余すところ無く披露。苦戦を強いられているプリキュア達のピンチを救っていた――

 

 

 

――戦場――

 

「超電!!ジェット投げ!!」

 

仮面ライダーストロンガーは苦戦を強いられたキュアラブリーの危機を救い、チャージアップを披露。再生怪人『カブトムシルパン』を超電ジェット投げで始末したわけだ。

 

「すっご~い。怪人を一撃で……」

 

「見たか、これが再改造超電子の威力よ!」

 

ストロンガーはおなじみのフィニッシュポーズを決める。大抵の怪人は超電子エネルギーの前には塵芥も同然。デルザー改造魔人すら一撃で屠るパワーの前には、通常の怪人などは戦闘員と大差ないのだ。もっとも、チャージアップしなくとも、ショッカーからゴッドまでの怪人であれば一撃で粉砕できるのが彼のパワーだが。

 

「綾香からの連絡で来てみたが、お前、あのガキ(キュアドリーム)の後輩だそうだな?」

 

「はい。5、6年くらいは後輩です。あたし達には生まれた年代はあまり関係ないんですけどね。プリキュアになった時代の姿で会うから」

 

「お前らはいったい何人いるんだよ」

 

「えーと、令和になった時点だと……63人はいます」

 

「多すぎだろ…」

 

「平成の後半に入る頃に初代が生まれてから、毎年増えましたから。昔は緩やかだったみたいなんですけど、ラブちゃんの代からは毎年、4、5人は増えるんで」

 

因みに、スーパー戦隊は53人に到達するのに10年かけたため、プリキュアの増加速度はそれを上回る速度であったのが分かる。数の多さに呆れるストロンガーだが、一号から三年半で7人目の仮面ライダーが現れるというのもハイペースであると言える。

 

「あたしは割に新しい世代のプリキュアなんですけど、もっと後輩にはドリーム達に喧嘩を売る子もいました」

 

「ジェネレーションギャップ、だな」

 

「それありますよね。あの子の気持ち、わかりますよ」

 

めぐみは元いた世界での心情の都合もあり、のぞみを擁護する立場にいる。また、彼女の元の世界でののぞみが後輩と揉めたことをストロンガーに話すあたり、少なくとも二つの世界線では、のぞみは野乃はなか、あるいは彼女に近い世代の後輩の誰かとかち合ってしまうのは確定したと言える。めぐみは元の世界で自殺未遂を起こした際にのぞみ、ラブ、響の三人に諭され、共に戦ったと言っており、その出来事以降、自身を救ってくれた三人を強く慕っている。その関係で三人を侮辱する者は自身の後輩でも情け容赦しない。みらい曰く『めぐみちゃんは筋通すんだよな』と称し、第二期プリキュア最後のピンクながら、一期のプリキュア達にシンパシーを感じている姿を珍しがられている。良くも悪くも『昔気質』とリコの談。

 

「あ、別のが来ますよ!」

 

「うるせぇ連中だ。エレクトロサンダー!!」

 

チャージアップを終えた隙を狙った怪人『ザンブロンゾ』だったが、割に初期のショッカー怪人なので、仮面ライダーV3よりも基礎能力が上であるストロンガーの敵ではない。エレクトロサンダーに粉砕される。

 

「あなたは何の改造人間なんですか?」

 

「俺はカブトムシのパワーと電気エネルギーを操る能力を与えられた電気人間だ。ショッカー時代の怪人なんざ敵じゃないぜ」

 

こともなげにショッカー怪人を一蹴する。ストロンガーは元々が最高幹部候補として贅が尽くされた改造を施され、技術発展の成果でV3以上の基礎能力が与えられた肉体を持つ。それがスペック面で『七人で最強』と謳われた要因だ。

 

「よし、このあたりは安全を確保した。別の所へ向かうぞ」

 

ラブリーをカブトローに同乗させ、ストロンガーは依頼された戦線の火消しを行うべく、移動する。怪人には通常兵器は効かない場合が多いため、大抵の場合はヒーロー達が鎮圧するという役割分担がなされていた。プリキュア達は戦闘向けの気質と能力を持つ者が前面に出ているが、パワー不足気味であるため、単独では苦戦を強いられる場合が多かった。比較的に戦闘向けの能力を持つラブリーでさえも怪人の装甲へのパワー不足を露呈したため、特訓は必須とされた。ダイ・アナザー・デイでプリキュア達が直面した問題がこれで、現役時代における最強形態を以てしても『ゴリ押しでは勝てない』ほど敵が強かったのである。また、ヒーロー達の助け舟がなければ負けていたであろう局面も多いことから、ヒーロー達の薦めもあり、特訓に励む。黒江が課す『変身姿での日常生活』もその一環で、ラブリーも数週間ほど、変身を維持しながら生活を送っていた。割に最近のプリキュアながら、意外に知名度が低いことには落ち込んでおり、そのやけ食いで太ったらしい。

 

「ところで…、一つ聞くが、お前、のぞみとは接点ないんだろ?」

 

「はい。あの時に公園で出会うまで。ここにいるあの子は正確には『違う』って分かってるんですけど、恩義があるんです」

 

「珍しいな。お前の年代で、恩義なんて言葉が出てくるたぁ……」

 

「あたしはたぶん、初期のプリキュアに近い形で戦った最後のプリキュアなんで。それに、個人的なことなんですけどね」

 

キュアラブリーは『昔気質』とキュアミラクルに評されるように、2010年代のプリキュアながらも、浄化が必ずしもメインではないプリキュアである。元の世界での経緯を説明し、のぞみの境遇に共感していること、かち合った後輩を誰であれ、自分でシメたいと漏らすなど、武闘派ぶりを見せた。

 

「後輩をシメる、か。2000年代以降のガキには嫌われんぞ?俺の時代は運動部の通過儀礼だったけどな」

 

ストロンガーは昭和後期に大学生だった世代なので、後輩をビシッとシメると息巻くラブリーに理解はみせるが、程々にしろと諌める。

 

「驚いたな。お前らは縦社会じゃないと聞いたが」

 

「さすがに、経験の差とかで緩めの上下関係は普通にありますって。初期世代には敬語ですよ、さすがに。自分のチームの二個くらい上まではタメ口でも許されるけど」

 

第一期世代はほぼ同世代だったが、第二期世代以降は初期世代と離れていくため、変身前は敬語を使う事が多いと話すラブリー。(つぼみがのぞみをさん付けで呼んだように、気質の違いで敬語を使う者もいるが)

 

「あたし、自分の矜恃と仲間への納得できない否定の言葉をただ放置する事は出来ないんですよ。昔気質って、みらいちゃんには言われてますけど、いるんですよ。代が離れてると初期世代の背負った想いがわからない子は」

 

「平成生まれには、一個上でも先輩は先輩だってのがわかんねぇガキが多いと言うが……、初めてだぜ。実際に聞くのはよ」

 

「昔気質云々の前に礼儀の問題ですよ、これ」

 

ラブリーは元の世界での後輩(誰かは明かさなかったが)の誰かや、のぞみの世界の野乃はなの取った言動を『礼儀に反した』と断じるなど、筋を通すところを見せた。プリキュアで『仁義』にうるさいベスト3があるなら、彼女とキュアハートがランクインするだろう。また、のぞみへの恩義を繰り返し仄めかしている事から、『あのガキ、相当に慕われてやがるぜ。何をしたんだ?』とストロンガーに不思議がられたという。(『のぞみが二つの世界で後輩とかち合ったのは何故か?』というのがこの時期のプリキュア達の間の謎であり、のび太とドラえもんが本気で調査を行うほどの事項となった。だが、ある程度の回答は『レッドファルコン/天宮勇介』(超獣戦隊ライブマン)から提示されてはいた)

 

 

――俺の勝手な推測だが、あの子(夢原のぞみ)は時を経て、自分がプリキュアであることに執着が生まれたがために、『絶対の正義は無い、有るのはそれぞれの正義』だって事に気が付けなかったのかもしれん…。俺たちも親友が悪魔に魂を売った事に反発し、戦い、倒すしかなかったが、あの子は成人後の生活に一切の救いがなかったのかもしれない。その孤独があの子をいつしか、押しつぶしてしまったのかもしれない――

 

天宮勇介はライブマンとしての自らの体験から、のぞみが陥ったであろう負のスパイラルに気づいていた。のぞみの証言から彼が推測したのは『成人後の生活に救いがなく、プリキュアであることが存在価値の証明にすり替わる目的の手段化』を経ていたこと。プリキュア活動で辛うじて持っていた精神が、自分の娘からの罵倒で破綻を来たしたという経緯がそれを裏付けていた。彼に暗にその世界での自分たちが成人後の時間軸で、のぞみの状況に無関心であっただろうと突きつけられたりんは負い目を感じ、のぞみの理解者であり続けようとするが、自身はデザリアム戦役で思わぬ災難に遭ってしまうのだ。また、自身が過去に『自分の幸福を犠牲にしても他者を救いたい』と考えていためぐみはその経緯を知ると、恩返しをしたいと、のぞみに献身する道を選ぶ。自身のようになってほしくないと。

 

 

「これはライブマンのイエローライオンが言ってたことだが、お前の先輩は『正しいことをしている筈なのに、いい方向に身の回りが変化しない事を更に自分が頑張ればってと思い詰めすぎたんだろう。だから、自分の娘の1人は『おかあさんはあたしを見てくれない』ってなっちまったのさ。あいつにしてみれば、絶対に認められない出来事だったから、自分の生き写しだった二番目を愛したんだろうが、それが却って、悪循環になったってのに気づけなかった。それがあいつの落ち度だろうぜ」

 

ストロンガーは移動中、ラブリーにそう伝える。イエローライオン/大原丈による精神分析の結果を。ストロンガーは大原丈が『ダークプリキュア化した長子を嫌悪し、自分の若かりし頃に生き写しに育った次子を愛した事をのぞみの落ち度』と断じていたことも包み隠さずに明言する。ライブマンは善悪の相対性を身を以て体験したため、のぞみの精神分析を客観的かつ、冷静に行った。その中で、のぞみが転生前に抱いていた長子への嫌悪と次子への偏愛を落ち度と断じた。『必ずしも同情は出来ないが、善行への報いとしては酷すぎた』という形でレポートを〆ている。のぞみが前の世界で何歳まで戦っていたかは定かでないが、天宮勇介、大原丈、岬めぐみの三人は『あまりに気張りすぎて、視野狭窄に陥った自業自得・自縄自縛の面が大きいが、彼女は彼女なりに自分の存在価値を見出そうと必死だったのだろう』と話している。

 

「どうして、そうなっちゃったんだろう…?」

 

「ライブマンは『視野狭窄に陥った自業自得・自縄自縛を地で行く経緯だが、同情はできる』って言ってた。あのガキが転生したのは、戻りたかったんだろうさ、自分が自分でいられて、自分の大切な誰かが見守ってくれてた時間によ」

 

「まさか…!?」

 

「人間、誰にでも戻りてぇ時間はある。俺にも……救えなかった女がいたからな…。たった一つの後悔があるなら、その女だ」

 

ストロンガーはパートナーだった電波人間タックルのことを未だに想い、23世紀で過ごしていても、墓参りを欠かさない。一度は好意を持った黒江が身を引いたのは、茂にタックル/岬ユリ子への想いが燻っている事を悟ったからだ。無敵のヒーローと信じられている彼もデルザー軍団相手には大苦戦を強いられ、遂にはパートナーを失う悲劇を味わった過去がある。茂はいつの頃か、黒江の好意に応えられないことをユリ子の墓を見せることで示し、黒江もユリ子の墓を見て割り切り、今では兄妹のような関係に変化している。

 

――タイムマシンで助けには行ける、だが、それをしたらアイツの覚悟を否定する事になっちまう。だから、俺自身への戒めを込めて助けには行かねぇ。……行けねぇんだ――

 

 

茂はある時、タックルを岬ユリ子として眠らせるために自らへ戒めをかけていると明言した。黒江はそれを聞いて悟り、身を引いている。だが、茂は自分を慕う少女を無下にするほどの野暮ではないため、妹分として扱うことで報い、黒江もそれを受け入れた。その不思議な関係は仮面ライダーたちなどには周知の事実である。ちなみに、後の大決戦で黒江がキュアドリームの姿で歴代のヒーロー達の救援、特にストロンガーに対しては、心から嬉しがったため、その世界のプリキュアオールスターズを混乱させるが、それはここから未来の話である。

 

「あたしはどうすればいいと思いますか?」

 

「お前達が選べ。ZEROがお前らに目をつけた以上、どこかでお前らが負ける世界を作りかねねぇ。それだけは止めるしかねぇだろ?綾香もそれを感じてるはずだが、選ぶのはお前らだ」

 

大決戦が起こった際、後輩プリキュア達の参戦はストロンガーもいうように、自由意志に委ねられたが、結局はダイ・アナザー・デイ終了時に現れた殆どの者が参陣することになる。のぞみは大決戦に直接は関わらず、姿を黒江に貸すことになる。ブルームとアクアの証言で、来海えりかに怖がられる、なぎさも怯えるほどに威圧感があったと伝えられ、百鬼帝国、バダン、デーモンとの一戦はアクアとブルームのいたプリキュアオールスターズに影響を及ぼし、後に咲やかれんからあらましを聞かされたのぞみを大いに困惑させるのであった。(同時に、蚊帳の外に置かれてしまったのぞみの同位体との衝突の原因ともなったが…)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。