ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第八十四話「骨休みの騒動と日本連邦評議会」

――地球連邦軍が扶桑の要請を受けて建造している『ラ級戦艦』は基本的に依頼国最新の戦艦か、余った戦艦の改装で生まれている。その試作型の戦艦が轟天号にあたる。ラ號二番艦『豊葦原』の再利用であるため、表向きはその修繕としているが、実際は新造である。51cmショックカノンを前提にされての新造であるため、ターレットは拡大されている。ダイ・アナザー・デイの時には船体組み立て途中であった――

 

 

 

――ニューレインボープランで完成する一号でもある轟天は表向き『64F向け大型ガンシップ』の名目で予算が認められている。これは宇宙戦艦自体が21世紀には非現実的であったからだ。防衛省も後に腰を抜かすが、アンドロメダ級の同型艦をガンシップと言い訳して持っていることが分かったからだ。これに防衛省は目を回すことになった。かのアンドロメダの姉妹艦はどこからどう見ても艦艇だからだ――

 

 

 

――日本連邦評議会――

 

「山本閣下、アンドロメダ級はどこからどう見ても宇宙戦艦では…」

 

「宇宙戦艦と言って、財務省が予算与えるわけないでしょう。ガンシップと称したのはその兼ね合いです」

 

アンドロメダ級はガイアの古代進らにはいわれのない嫌悪感を持たれた結果、政治的理由で早期退役が予定され、ブルーノアに取って代わられる予定である。その都合で供与されたのである。本来なら太陽系連合艦隊旗艦でおかしくない艦齢であるのに、だ。

 

「地球連邦政府がスクラップ同然の払い下げを予定してたものを引き取ったから、取得経費も富嶽の3機分程度だから無駄遣いとは言わせんよ」

 

「井上提督、あんな超弩級戦艦がそんな安価に?」

 

「向こうの政治的理由だよ」

 

井上成美は空軍に移籍し、官僚的意味での空軍責任者となったため、海軍の軍服は着ていても、籍は移している。扶桑空軍の責任者は現場責任者が源田実、デスクワーカーの責任者が彼である。なお、海軍出身なので、慣例的に提督と呼ばれ続けている。

 

「ガイア…君たちの常識での反地球の宇宙戦艦ヤマトのクルーに受けが良くなくてね、アレは。とは言え、艦齢も新しく、ヤマトより強力な船をスクラップにするのはもったいないからね」

 

「あれ、ヤマトより口径が小さいはずでは?」

 

「それはリメイク版だよ。オリジナルは51cm砲だよ」

 

苦笑いの井上成美。アンドロメダは悲運の戦艦という風評があるように、白色彗星帝国との激戦でネームシップが戦没し、二番艦『カシオペア』などもその風評のせいで旗艦になれずじまいであった。アンドロメダ級は神話の女性の名を与えられるが、カシオペアの時には定まっていなかったので、規則から外れている。根本的改良型であるしゅんらんの登場で旧式化し、ドックに放置されていたものが64Fの手にわたったわけだ。

 

「オリジナルのアンドロメダは超ヤマトを目指して造られたが、ガトランティスの前に撃沈された悲運の戦艦だ。そのおかげで忌避されているが、性能はいい。だから引き取ったのだよ。それに攻防はヤマトより優れている」

 

「じゃあ、あのヤマトは?」

 

「更に未来で最強の座に君臨する後継艦の大ヤマトだ。初代ヤマトなどはおもちゃ同然だよ」

 

大ヤマトは連合軍総司令部的役目を担っているため、移動司令部代わりだが、性能は23世紀の改装型初代ヤマトの比ではない。波動モノポール機関、パルサーカノン、回帰時空砲装備式超波動砲など、30世紀最強の軍艦である。その艦長は蘇生された沖田十三である。

 

「本艦の大コンピュータの解析によれば、敵は本艦やアルカディア号に怯えているようだ。仕方ないが、アレキサンドリアやマゼランなど、本艦から見れば『中世のガレオン船』程度でしかないですからな」

 

沖田十三は23世紀の地球連邦軍の提督用軍服こそ着込んだままだが、30世紀のアースフリートの総司令でもあるため、階級は元帥である。

 

「初航海時のヤマトより劣る艦、下手すれば『英雄型宇宙戦艦』(キリシマ型のアースでの同位艦級)以下のものを持ってきたところで、本艦の敵ではありません。もっとも、ヤマトの実験艦でも横流しされていれば、話は別ですが」

 

「沖田提督、ヤマトの実験艦など存在したのですか?」

 

「ガミラスも年がら年中、地球を流星爆弾で攻撃するわけではなかったし、武蔵や比叡の残骸に偽装しての実験艦の建造は可能だった。地球衛星軌道上の制空権はあったからね」

 

ヤマトのプロトタイプは複数が実は存在しており、その内の一隻は偽装されてゆりかごの大本の骨格になった(M動乱で擱座した後は改修され、時空管理局に譲渡された)など、ワープエネルギー伝送管の強度不足という欠陥があった。

 

「私も藤堂さんから聞かされただけだが、ヤマト以前の試作は四隻前後が存在し、一隻が古代ベルカに転移してしまい、残りのものは解体され、ヤマトの予備パーツになったものもいる」

 

「それは?」

 

「時空管理局のものになったよ。波動エンジンは取り付けし直し、完成型のパーツでレストアしたからな。概ね、ガミラス戦役の時のヤマトと同じくらいになったと、技師長から報告は受けておる」

 

プロトタイプの波動エンジンはワープエネルギー伝送管が破断すると、亜空間を彷徨う危険を抱えていたため、古代ベルカはそれを魔力で抑え込もうとしたが、無理矢理に補助機関にした魔力炉と同調させていたため、歴代の聖王は若死にだったのである。調はその艦が眠りについた地にデバイス『エクスキャリバー』を安置して、古代ベルカから去ったが、エクスキャリバーは長い年月で遺跡と化したドック内から発見され、現在は手元に戻っている。また、聖剣の発現の媒介として使用している。

 

「時空管理局に波動エンジンが扱い切れますかな」

 

「次元波動エンジンではなく、タキオン波動エンジンだ。エンジンの理論は地球人の理解に足るものだ。彼らに扱えん道理はない」

 

時空管理局は大型魔力炉の不安定さ(史実でのアリシア・テスタロッサの死因も大型魔力炉の暴走による酸欠状態の出現による死亡である)から、次第に核融合炉と波動エンジンという地球産の動力に電力供給などを切り替えていく。

 

「管理局の魔道機関も波動機関を元に発展した技術だからエネルギー源が変わった程度でその装置に対する理解度は地球と甲乙つけ難いレベルだ。ただし、大型のものは動作が不安定らしいがね」

 

「我々は引き続き、後方撹乱と情報収集を行う。どうやら、中国とロシアは日本連邦が気にいらんようだ」

 

「キャプテン・ハーロック、それはどういう事で?」

 

「単純明快。貴国の中興を二カ国は気にいらんということだ」

 

ハーロックはティターンズを援助する勢力に中国とロシアが含まれていることを明言した。学園都市に叩きのめされたロシアはともかく、中国がなぜ敵対するのか?防衛省の担当者は首をかしげる。

 

「二カ国はおそらく、日本の中興を抑え込みたいのだろう。冊封体制の実質的復活を目論む中国にとって、衰退傾向だったとはいえ、力を持つ日本は目の上のたんこぶだ。ロシアに代わり、アジアの覇者を狙う中国にとって、日本は子分でなくてはならない。古くのアジア世界ではそれが当たり前だったからだ。ティターンズはその心理を利用している。なかなかにしたたかだ」

 

「リベリオン軍にAK-47など、ロシア系装備が確認された以上、下手すれば、ティターンズはリベリオンにミグとスホーイを造らせかねないからな。向こう側に残されたエンジニアはよくて二軍の連中だからな…」

 

リベリオン本国に残った技師は良くて二軍であるが、F-84Fを早期に出現させられる程度の能力はある。そこが連合軍の警戒する点だ。財務省がジェットに固執する理由もそこだが、実際は現場でジェットへの懐疑心は根強く、リベリオンは艦上ジェット機の投入をしておらず、陸上でのみ使っている。F-84Fも陸上機であるので、当たっている。

 

「サンダーストリークが現れ始めていますが、そちらは大丈夫ですか」

 

「F-86Fを配備しておりますし、その更に次も設計途上ですので、ご安心を。当面は制空権は揺るぎません」

 

「センチュリーシリーズをもう?」

 

「艦上機もF9F後期型、F-8を用意中ですので、ご安心を。ブリタニアはシービクセンの改良型で凌ぐそうですが」

 

ブリタニアはシービクセンの設計を改善し、機銃搭載を行った機体を使用している。英国の厚意と史実の戦訓からの改善で成った。ナットを艦上機化する案もあり、ブリタニアは英国系にこだわるフシがある。(ナットは英国には採用されていないが、空母が史実よりないブリタニアにはサイズの関係もあって、好評である)

 

「そちらはアメリカ系の艦上機を使うので?」

 

「安全牌ですからな。納得しない技術者や将兵も多いのは事実ですが、旭光はいい機体ですからな」

 

嘘八百もいいところな山本五十六。実際には黒江やガランドの私有機名目で第四世代以降の機体までも保有しているのは口にしない。現場では暗黙の了解で表ざたにされていないだけで、関係者は知っている。無知な日本の役人には『一部のエースの私有機』ということにされているが、実際は実戦配備機なのだ。

 

「これが我が方の彩雲偵察機が撮影した写真です」

 

参謀の一人がディスプレイに掲示した一枚の写真。それはF-84Fが配備されだした証拠であるが、サンダーボルトなどの旧来の戦闘爆撃機と入り混じっている。ジェット機への懐疑心が強いのか、レシプロのほうが多い組み合わせである。

 

「これはカールスラントと似たような状況ですな」

 

「どういうことです、源田大佐、いえ、大将」

 

「カールスラントの古参兵はジェットを嫌う。運用に専門部隊を作ったほどにね。その結果、普及が遅れ、未だにシュワルベすら満足に行き渡っていない内にF-86の時代を迎えたのですよ」

 

カールスラントは実機のシュワルベに手間取っている内に機体そのものが旧世代と化したという哀れな状況で、単発ジェットであるサラマンダーも製造中止命令が出るなど、軍備計画がシッチャカメッチャカであった。もっとも、サラマンダーそのものは悪い機体ではなく、扶桑陸軍も輸入予定があったくらいである。ウルスラが改良を施し、後に練習機として採用させたのは開発メンバーとしての意地であり、黒田を巻き込んで資金援助させたあたり、かなり入れ込んでいたのが判明するのだ。ちなみに芳佳とエーリカもそっと後押ししており、史実の粗製乱造と違い、余裕のある状態で造られたため、練習機として花開き、ウルスラの意地は実ったと言える。(実機/ストライカー共々)

 

「あれを制空戦闘に?」

 

「いえ、彼らは邀撃機として使うつもりだったのですが、旭光の登場でご破算ですよ」

 

「あんな旅客機みたいなフォルムで空中戦など、ドイツ人は何を」

 

「ドイツ人はあれで最善とは思ってはおりませんが、まさか自由リベリオンが胴体内蔵式を切り開くなどは考えもしなかったのでしょう」

 

フォッケウルフなどは早期に胴体内蔵+後退翼が次代のトレンドだと見抜いていたが、資金不足で試作機の製造が遅延、官から援助があるメッサーシュミットでさえ、既存機製造に手一杯であった。ハインケル社はサラマンダーの製造中止で負債を抱え込んでしまうことになるが、ウルスラの努力に協力したことで報われるが、その後にフォッケウルフに吸収される結末を迎え、その政治に翻弄されし歴史に終止符を打つ。サラマンダーは戦闘機にはなれなかったが、練習機としては普及し、次代の練習機が現れるまで、中等練習機の代名詞になり、21世紀にカールスラントが独自に製造した練習機に同名がつけられるくらいに活躍したという。

 

 

 

 

 

――こちらは野比家。休暇中のドリームとピーチはキュアマーチのいいつけで『T-38』による飛行訓練を始めていた――

 

「あのさ、マーチ」

 

「ん?フライトプランなら出してあるが?」

 

「そこじゃなくて…。T-38なんて、どこで買ったのさ」

 

「閣下がアメリカから払い下げされた機体をレストアしたんだそうだ。フライトプランなら出してあるから、羽田空港近くまで飛んでこい」

 

ドリームとピーチは空軍軍人の義務である定期飛行訓練を課され、T-38Cで飛ぶことになった。野比家地下格納庫から、ブレーンコンドルやカイザーパイルダーのように飛び出すことが前提だが。

 

「つーか、なんでトンネルくぐりなんてやらせるのさ」

 

「仕方ないだろ。ジェット機を市街地のど真ん中で離陸させられんからな。裏山の中腹に出口があるから、そこから飛び出せ」

 

ブレーンコンドルやグレンダイザーのような回りくどい発進法だが、騒音を抑えるため、開発がある程度進んだ裏山の中腹に発進口を築き、そこから離陸する。ドリームとピーチは慎重に機体を操り、トンネルから勢いよく機体を飛び立たせる。

 

「こういうヒーローみたいな発進やってみたかったんだー!夢が叶ったよ」

 

「ゲームみたいでハラハラしたけどね、あたしは」

 

ピーチはノリノリだが、ドリームは元が陸軍飛行兵であるため、ハラハラであった。(空母からの発艦よりも難しいため)

 

「マーチ、なんでこんな、漫画みたいな発進のさせかたなの?」

 

「仕方ないだろ、安全面の問題とかあるんだ。本当はスウェーデンよろしく、高速道路を滑走路にしたかったらしいが、日本の高速道路はそういう造りではないからな」

 

のび太は地下を町外れまで伸ばし、高速道路を滑走路に使う案を考えたが、日本の高速道路はそういう造りではないので、断念した。その兼ね合いで回りくどいことになったのだ。

 

「空母よりアボートを早く考えないといけないじゃん」

 

「お前、今は曲がりなりにも正規のパイロットだろう?技量でカバーしろ」

 

「そんな殺生な~…」

 

「着陸誘導システムは組み込んだから、慣れないうちはそれを使え。ピーチにも言ったが、これが出来るようになれば、空母はお茶の子さいさいだ」

 

「そりゃそうだけど。羽田まで飛んで大丈夫?」

 

「羽田が見えるあたりでUターンして帰れ。お前は今なら、航空管制と英語で話せるだろ?」

 

「りんちゃんに信用してもらえないけどね」

 

といいつつ、プリキュア姿でT-38を操縦する二人は羽田方面へ向かう。東京都内であるので、飛行機であれば、割に近い。

 

「えーと、大田区だっけ?」

 

「そそ。ついてきて。時代は変わっても、空は変わんないからさ」

 

比較的低空で飛ぶ二人(肉眼で機影が見える程度)。この日は晴天、まだ冬なので、日の傾くのは早いが、まさに青空だった。

 

「飛行機で飛ぶのは、自分の翼で飛ぶのとは違うんだね」

 

「そうだよ。むしろ、あたしは今はこれが本業なんだよね」

 

「あれ?そうなの?」

 

「だから、大変なんだ。先輩からは『ガキどもを引っ張れ』って煽られるけど、指揮官としての教育は受けてなかったからさ」

 

黒江から何かと『転生先が正規の職業軍人かつ、パイロット』であるために発破をかけられるとボヤくキュアドリームだが、素体の錦はテストパイロットに転向して久しかったので、実戦の指揮官教育は終えていない。黒江は空自流でしごいており、そこも大変らしい。

 

「え、いいじゃん。なぎささんを思い出してよ」

 

「あの人は大雑把だったからなぁ」

 

のぞみは素でカリスマ性を持つが、なぎさはそこがまったくダメで(部活がラクロスだったせいもあるだろう)、一回、自分たちを仕切った時はてんでダメだったことを思い出す二人。その時はソフトボール部であった咲の方がまだマシだった事も思い出す。

 

「咲さんの方がマシだったよねぇ…」

 

「あの人はソフトボール部だしね」

 

「なぎささんが聞いたら憤慨しそうだなぁ。そう考えると、口で言ってくれるだけ、先輩はマシだよね」

 

と、なぎさのだめな点を思い出す。一号ライダーこと、本郷猛がリーダーとして優れていることと比較すると、自分達は彼らより凡人であると自覚させられるドリーム。

 

「あたし達は切り込み役だしね、基本。マナちゃんくらいだよ、あたし達ピンクの中で普通にリーダーできるの。場を自然に仕切るってのは、のぞみちゃんのすごいとこだと思うよ。あたしや響ちゃんはガラじゃないし、つぼみちゃんには重荷だし」

 

「一号ライダーさんに比べればまだまださ。あの人は凄いよ、本当に」

 

ストイックに自分を率し、武人というべき風格がある一号ライダーはリーダーの中のリーダーというべき漢である。ドリームは後に、彼を目標とすることになるのだ。もっとも、一号ライダーもスペックが最旧式である事から、三号に対抗する術がないことを悟ったため、『ネオ一号』への変身を考案するのである。二度目の再改造はそれで、新一号からの二段変身としてネオ形態を作り、そのマシンとして、立花藤兵衛の遺作『ネオサイクロン』を選ぶのだ。

 

「それと、ヒーローのみなさんって、普通に剣に強くない?」

 

「うん。剣で戦った経験持ちとしては弟子入りしたくなるよ。良かったじゃん、ファイブレッドの技をバルイーグルに教えてもらえて」

 

「美希たんにいったら驚かれたよ。でも、なんで、イギリス風の学校でイギリスの戦車なんだろう…」

 

「マチルダじゃない戦車使えてよかったじゃん」

 

蒼乃美希はダージリンへ転生したため、うんちく語り大好きかつ、紅茶が手放せなくなっていた。戦車道は真面目に取り組んでいるのだが、マチルダなどに嫌気が指していたため、黒江の援助を一番嬉しがっていた。

 

「やよいちゃんに『名前間違った』って言ったら、シベリア送りだってさ」

 

「あの子も面白いこというなぁ。シベリアだって?へそが茶を沸かすね」

 

カチューシャとして、ロリ全開な容姿になった黄瀬やよいはカチューシャとしてのノリでシベリア送りを口にしたが、錦時代にシベリア赴任経験があるドリームからは笑われていたりする。

 

「そうそう。うららちゃんが言ってたけど、あの子、相当羨ましがってたよ」

 

「ま、戦車乗りとパイロットじゃ、人気がね。うららには悪いけど、今回は勝ったもんねー」

 

「あの子、プリキュアに戻ったら、また芸能活動するって」

 

「スネ夫くんに頼んどくかな。妹分の面倒はしっかり見ないとね」

 

春日野うららはキュアレモネードだが、サンダース大付属一の射撃の名手であるため、普段はファイアフライに乗っていた。また、ナオミとしては寡黙であるので、春日野うららとしての性格とは真逆に近い。後のデザリアム戦役では『ワルサーP99』を自前で持ってきたため、黒江もびっくりとなるのだ。

 

「そう言えば、うららちゃん、ワルサーP99を持ってるって言ってたよ」

 

「嘘ぉ!?ワルサーをどこで!?」

 

「あの世界だと、割に規制が緩いみたいで、寮に置いてあるらしいよ」

 

戦車道世界では射撃練習用という名目で銃の保持は可能らしい。キュアハートもワルサーP38とルガーオートマチックを持っていたので、彼女がP99を持っていても不思議ではないのだが。

 

 

「なんでP99なんだよ?そこはガバメントとか、ケイ先輩が使ってるベレッタだろー!?」

 

「しかも二丁拳銃で」

 

「二丁拳銃だぁ!?何考えてやがるんだ、あのバカ!P99はマズルフラッシュが目立つんだっつーの!」

 

「昔、ドラマで役やった時にモデルガンに触った事あるからだって」

 

「アホかいな!」

 

「曰く、訓練と威嚇用だからいいんだって」

 

うららの腕であれば、命中率はいいはずなので、本気で当てるつもりはないのだろう。

 

「もしかして、高校んときに出てたあれかー!?緋弾のアリアっていうドラマでライバル役してたけど……」

 

思い当たる節がそれしかないようだが、のび太の世界ではそれはアニメである。つまり、のぞみのいた世界ではそれはドラマ化されたこともあるということだろう。

 

「それと言ってたよ。教師に嫌気が差した時、自分のマネージャーになってくれれば…って」

 

「迷惑かけたくなかったし、その頃には子供産んでたから、転職はね」

 

レモネードはドリームと同じ世界からの転生であったらしく、戦車道世界でのネットワークを構築した立役者である。のぞみが教師に嫌気が差していた30代後半の頃、アイドルから女優となっていたうららはマネージャーになってほしいと打診した事がある。しかし当時は既に子を儲けており、時代的に転職はリスクが高すぎて断念した。

 

「ココとの約束を守りたかったし、教師があたしが勝ち取った未来だったのも事実さだ。けど、どこから間違ったんだろうね」

 

「ドリーム……」

 

「上の子供は不肖の子かも知れないけど、別け隔てないで育てたつもりだったんだ。下の娘に負の遺産残しちゃったみたいでね…」

 

キュアドリームは前世最大の失敗と心残りを告白した。死の間際、若き日の自分の生き写しに育った次女がキュアドリームに変身し、自分を看取った事、その姉を倒すことを言い残して、戦いに赴いていったと。

 

「……だから、もし、娘がこの世界に転生した、もしくはやって来たなら、あたしがケリをつけるよ」

 

哀しげな声色になっていたが、ダークプリキュア化した自身の子を手に掛けることも厭わない点は戦士としてのけじめであろう。

 

「つぼみちゃんが聞いたら、何ていうか」

 

「ゆりさんとあたしじゃ全然違うからね。だけど、あの子なら、反対するだろうね。そんな感じするよ」

 

花咲つぼみは後に、『闇に飲まれようが、プリキュアの力を持つなら人は癒せるはずです。ましてや、あなたの娘さんなら!』とのぞみを叱咤する。その叱咤が後々にドリームの運命を変えていくことになる。そして、あの魔神との対峙で重要なファクターとなる。花咲つぼみは最初からZEROの打倒を前提に話を進める一同に予てから疑問を持っており、みらいとのぞみがZEROの打倒を公言するのに異議を唱える。その流れで、自身の経験から、のぞみが娘が変貌したダークプリキュアを倒そうとするのにも異議を唱えていく。ドリームはブロッサムとそこでかち合うことを覚悟し、シニカルに想いを抱くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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