――ダイ・アナザー・デイで連合軍はウィッチ主体の航空戦力整備が改められ、通常兵器主体に切り替えざるを得なくなった。リベリオンに対抗するためである。その過程でカールスラント製レシプロ機は航続距離が短いという問題が立ち塞がり、新規生産は減産となったが、機種転換訓練が間に合わないという前線の要望で、連合国の主要国では既存機の性能改善型の生産はそのまま開始された。そこが零式と一式戦を一律で新規生産停止にした日本連邦のチグハグな航空行政との差であった。日本連邦は航空戦力のジェット機化を推し進めていたが、ジェット機パイロットはそう簡単には育成できない。そこが日本一般層と扶桑軍上層部の大半には理解されていなかった――
――統合参謀本部――
「だから、何度言えばいいのです?ジェット機はパイロットの新規育成に数百時間の訓練が最低でも必要なのです」
井上成美。空軍へ移籍した海軍提督である。扶桑空軍の体制は始動したものの、日本が目指すジェット機への機種統一はまだ不可能である事、新規育成に数年はいることを日本防衛省の役人に伝達する。警察出身の出向組は旧軍人を『敗者』と見下す一方で肝心要の軍事知識に乏しく、扶桑軍人たちを呆れさせていた。そのくせ、議論の主導権を握ろうとするため、戦時中であるのにかかわらず、悠長な議論ぶりである。黒江が自らの裁量で装備を調達することも無理からぬことだった。
「しかし、井上提督…」
「私はもう、提督ではないのですがね」
井上はひ孫でもいいくらいの年の差の役人に受話器越しに皮肉を言う。こうした光景は当時の扶桑軍ではごくありふれたもので、扶桑は『軍備の近代化をしようにも、生産設備の転換などに時間を要する』事を防衛省の役人に理解させようとしていた。また、ウィッチ用装備主体であった生産ラインを通常兵器主体に切り替えるだけでも一苦労である上、ウィッチ閥が猛抗議を加える始末であった。
――この時代のウィッチ装備はあくまで怪異との交戦用であり、通常兵器との交戦は想定外な物が多い。陸戦型ストライカーは三次元戦闘が可能なので、戦術次第でMBTにも対抗できる。だが、航空ストライカーは携行可能な武装が当時の戦闘機の武装水準からすれば弱装に入るため、64を例外として、重装甲で鳴らす米軍系戦闘機への苦戦が顕著に表れている。火力増強に踏み切った扶桑はともかく、他は歩兵装備の延長線の装備しか空中戦に持ち込んでいなかったため、重装甲の米軍系戦闘機を相手にしての戦果は中々挙がらずにいた。(そもそも、対戦闘機戦訓練も積んでいたか怪しい国が大半である。)怪異への簡易誘導機能があるフリーガーハマーを対戦闘機に転用する事も始められたが、完全な誘導機能があるわけではないので、効果は思ったほどではない。そのため、戦闘機相手でも安定した戦果が出せる64Fは願ってもない部隊なのだ――
――地球連邦軍はキャプテン・ハーロックとクイーンエメラルダスからの技術供与により、軍事面から技術革新が起こり、MSの進化形『マン・マシーン』を既存機からの改良という形でロールアウトし、波動エンジンもエネルギーがプラズマ加工された『プラズマ波動エンジン』という第二世代理論式波動エンジンの開発が始まるに至った。また、この時期に研究が始まったのがモノポールエネルギーの応用で、モノポールエネルギーは波動エンジンよりも質がいいエネルギーを得られ、波動エンジンを主機関から陥落させるほどの高性能を得られるためだが、23世紀序盤当時の技術水準では研究段階の域を出ない。ただし、イルミダスにはモノポールエネルギー単独では対抗できず、波動モノポール機関の普及が進む事も知らされたため、波動モノポール機関は23世紀序盤の段階で、『招来世代の波動エンジン』という形で、総力を挙げて研究されていくのである――
――扶桑皇国連合艦隊は地球連邦からの援助を受け、重要戦力の近代化を進めた。64Fは独自に機材を調達し、時代を超越した装備を揃えた。黒江と智子がのぞみ&ラブと入れ替わる事を画策し始めるのも作戦中の事である。のぞみとラブはこの事を知らされており、智子が特に乗り気だった事に押される形で承諾した。二人は一年後にプリキュアを擬似体験しつつも大暴れするのであるが、のぞみとラブはいち早く現れたピンクチームの一角ということで、北条響とを併せて同世代という理由もあり、『プリキュア三羽烏』という渾名が連合軍上層部からつけられた。のぞみ達は実質、古参のピンクとして必然的にリーダーシップを取らなければならぬ立場になった。カリスマをチームに置く事を嫌うのぞみの意向もあり、合議制の形が取られた。それに従い、作戦行動中ながら、日本でのプリキュア関連のイベントでの顔出しも増えたため、野比家に宿泊することも増えていた。――
「マーチ、広報活動に駆り出されるんだけどぉ~…」
「広報活動は人事査定にも影響がある。給料と出世のためだ、我慢しろ。この世界で出世したければ、上官のケツをなめることが肝要って冗談もあるからな」
キュアマーチは受話器越しに多忙を極め、愚痴るキュアドリームを宥める。マーチはラウラ・ボーデヴィッヒでもあるので、軍隊というモノを理解している。ドリームを諌めつつ、広報活動を含む善行は人事査定に影響があると教える。
「そりゃそうだけど、急に増えたのはなんでぇ~…」
「映画の舞台挨拶であんな事をぶちまけるからだ。おまけに、お前はなぎささんとほのかさん以外のプリキュアでは人気があるほうだ。仕方あるまい。」
「うぅ。まさかこんな急に増えるなんてぇ…。予定外だよぉ。」
「午後休が取れたら、のび太氏にこちらへ送ってもらえ。めんどくさいから、予め変身して来い」
「ココやナッツが聞いたら、腰抜かすだろうなぁ…。ハハハ…」
「苦笑いしている場合か?野比氏への誹謗中傷を減らせるのなら、広報活動などは安いものだろう」
「それはそうだけど。かれんさんが聞いても腰抜かすよ、多分」
「アイツはカタブツだからな」
キュアマーチの口調はラウラ・ボーデヴィッヒとしてのフランクなものである。軍隊階級で一階級の差があるのと、生前の後半生での付き合いに由来する。のぞみもプリキュアとしては自分が先輩であるので、軍隊階級は気にせず、かつての関係に戻って会話をしている。
「それと、みらいとリコにはーちゃんの近況を報告しておけ。閣下についてるから、中々連絡しづらいと言ってたからな」
「わかった」
のぞみはこの日、午後休を取り、21世紀の日本でのトークイベントに出席した。骨川コンツェルン主催のイベントで、軍務に比較的に余裕のある三人のプリキュアのトークイベントという体裁である。のぞみ、響、ラブの三名はそれに出席した。イベントに則って、現役時代の裏話などを明かせる範囲に限って、明かした。響(シャーリー)は『現役時代に不可能だった単独変身が可能になった理由を『エレンやアコは出来てたし、基礎能力がパワーアップすりゃ、あたしだって単独変身出来るようになるさ』とぶっちゃけ、観客を沸かせた。変身した姿でぶっちゃけるため、第一世代プリキュアが現役時代の頃に子供だった2010年代末の青年達向けのイベントとして開催されているのが分かる。
なお、プリキュア姿であるが、変身前の名前で呼び合うのは、現役を終えたヒロインであることを意識しているからで、大人向けのイベントである事が暗示されている。
――イベントの様子――
「最初のオールスターズ戦で会ってからだよね、あたしたちがお互いに連絡取り合うようになったの」
「なぎささんの発案だったかな。それで響と出会うまでに、せつなちゃんを紹介されて、アニメにはなってないけど、あたしたちとラブちゃん達、何度か共闘してるんだよね」
「そうそう。強めの敵が出てきたりして、危ない時に……」
のぞみとラブは直接の先輩後輩関係にある。フレッシュプリキュアの現役時代、アニメで描かれなかっただけで、敵の大規模作戦の際に共同戦線を張った事が何度かあると、ラブは明言し、のぞみも同意する。昭和ライダーも人数が3人以上になった後は大規模攻勢への対応として、先輩ライダーが救援にやってくる事があったが、それと同じことがプリキュアオールスターズの間でも起こっていたのである。
「横浜での戦いからしばらく経って、せつながプリキュアになった後だっけ。敵が大規模攻勢をかけてきて、あたしたち四人だけじゃ街を守りきれなくて、諦めかけた時に…」
「そうそう。あの時は我ながらおいしー場面で変身したーっ!って思ったもんだよ。たまたま、ラブちゃんたちの街にみんなで遊びに来てたところだったのを巻き込まれて、そのまま戦闘して、最後はあたしが決めたからね。美希ちゃんはせつなちゃんの手前、『貴方達を立てたのよ』って、ツンデレじみたこと言ってたっけ」
アニメでは明かされていない戦い。それが第一世代プリキュアオールスターズが毎年のように大戦を戦った遠因にもなったとも明かされ、プリキュア5とフレッシュプリキュアの共闘は敵にもある種の利害一致を促し、映画で描かれた二度に渡るオールスターズの戦い(オールスターズの正式結成はハートキャッチの現役時代以降のこと)に繋がった。昭和ライダーの共闘での法則がプリキュアにも適応されていた事が明確にされ、会場にどよめきを起こす。
「昭和仮面ライダーみたいな感じだね」
「そうなんだよ。のび太君から昭和仮面ライダーの事は聞いてたけど、彼らみたいな事をしてたってのは苦笑いしたね」
スネ夫自ら、イベントの司会と進行役を務め、会話にテンポを与える。ヒーロー(ヒロイン)の共闘の図式は昭和仮面ライダーが現役の時代には確立されたテンプレートである事も明確にされる。プリキュアもその図式に則った共闘を描かれないだけで、実は行っていたのだ。
「今回は軍隊に居るから、戦争に加わることになるけど、後悔はない?」
「無いよ。敵はティターンズが糸を引いてる連中だし、1940年代にあった色んな差別を上手く利用して政権を握ったんだから、連中に正当性はないよ。それに、向こうの議会と大統領なんてのは傀儡でしかない。連中がしたいのは、ジオンと同じ事でしかないからね」
ジオンとティターンズがアニメの通りに台頭し、そのティターンズの残党がウィッチ世界でリベリオン本国を支配した事が明らかにされる。ティターンズが残虐非道も辞さない集団である事は知られており、それが不思議なほどアニメと同じような経緯を辿って、カミーユ・ビダンがパプティマス・シロッコを倒したことで組織が瓦解するという歴史となる事も示される。ただし、アニメと違い、エゥーゴがそのままロンド・ベル隊に模様替えし、レビル将軍もタイムスリップしてきたことで、連邦軍改革派が息を吹き返し、そのまま改革派が主導権を握り、ガトランティス戦役以降は旧エゥーゴ/カラバ系派閥が連邦軍の主流になりつつある。それを嫌う守旧派やティターンズ派はウィッチ世界に転移した残党の援助を行っている。しかし、ティターンズの指導者『ジャミトフ・ハイマン』の抱いていた思想はギレン・ザビのしようとしたものと同質のものであり、形を変えたエレズムに近い事が指摘されている。いくら、予め親類縁者と絶縁していようと、ジャミトフ・ハイマンの思想の根底はギレン・ザビの二番煎じでしかない。(ジャミトフは建前上、体制側に属していたため、やり方は違うが、根底は同様だ。)
「ティターンズはなんで、ウィッチ世界を支配しようと思ったんだろうね。頑張っても40年か50年が限界だろうに」
「たぶん、第二次世界大戦相当の時間軸の世界なら、ティターンズの軍事力で世界の主導権を握れるって思ったんだろうね。人型ロボットはこの時代のペースでの技術進歩だと、400年以上はかかるって試算もあったし、第二次世界大戦中の火器じゃ、チタン合金セラミック複合材を破壊するのも一苦労だから」
「超鋼スチールにもヒーヒー言ってたしね、連邦軍」
連合軍はMSを倒すのに第二次世界大戦水準の装甲戦闘車両だと、多数で以て集中打を浴びせないとならず、MSの存在は連合軍への抑止力となっている。地球連邦軍も最低でもデラーズ紛争の水準のMSを有するティターンズの援助にネオ・ジオンが控えている事は掴んでいたが、ネオ・ジオン穏健派が交渉を行っている最中であるため、手出しを控えている。だが、暗黒星団帝国の侵攻後に強硬派がタウ・リンに乗せられ、事を起こしてしまうため、穏健派は面子を潰されてしまう。また、自分らが完成を否定したはずのネオ・ジオングが完成していた事もあり、穏健派は立つ瀬がなかった。これがサイコフレーム規制がサイコフレームの封印から、『フルサイコフレーム機の禁止』に緩和される理由として使われ、ネオ・ジオングは穏健派に思わぬ災難をもたらした。妥協的にνガンダムとサザビー系統の開発と配備は抑止力の観点からも容認されていく。
「未来世界での第三次ネオ・ジオン戦争はどうなるんだろうね」
「ラプラス戦役、デザリアムとの戦争が絡み合った大規模な戦争になるって話だよ。ジオンの最後の戦になるって前々から噂になってるし、共和国がなくなれば、残党も自然消滅していくと思うし…」
のぞみの見解は当たらずも遠からずであった。ジオン残党は「ジオン共和国は傀儡であり、公国の残党たる自分たちこそが正統なジオンである」とする見解を堅持していたが、支持基盤たるジオン共和国(サイド3)の自治権が返上されれば、遠からず自然消滅を迎えてしまう事は自覚しており、組織の維持のために戦争を欲するという皮肉極まりない状況であった。
――『連邦政府の再建が進み、支配体制が盤石に戻る前に再度、痛烈な一打を与えておきたい。』――
この太平洋戦争末期の日本軍のような『一打論』がネオ・ジオンの強硬派やそれ以外のジオン残党の思考回路と化しており、まさに手段が目的化した事例と言えた。
「それは当面は大丈夫として、あたしらが現役時代の頃、ブラックホールと戦ったろ?あれもみんな、バダンが手を引いてたらしい」
「響、それ本当なの?」
「本郷さんや結城さんに裏を取った。バダン大首領はどうやら、あたしらにも興味があるらしいぜ?」
「そんな、仮面ライダー達の敵がどうして」
「大首領は自分の快楽を満たすための供物として人間を見てる。それを満たすための実験動物扱いだろうってさ。ヒトの創造主の一人だか知らねぇが、黙って、次元世界全体を連中の手にわたすわけにはいかねぇだろ。その配下がナチス・ドイツだ。大首領はアドルフ・ヒトラーを傀儡に仕立て上げて世界征服を目論んだけど、ヒトラーは敗れた。ナチスの生き残りに命じて、今の組織を作らせた。ナチス・ドイツは国家予算をかけて、オカルトを科学化する事を部門造らせてまで目指してたから、バダンと歴代の組織の大半はナチス・ドイツの転じた姿だっていうのを納得させる材料になった」
「それが歴代の仮面ライダーを生んで、戦い続けてるの?」
「そうだ。バダン大首領はブラックホールすら尖兵の一つにすぎない。奴自身は仮面ライダーZXの鏡写しの姿を持つから、アケーリアス超文明の生んだサイボーグって線がある」
「アケーリアス?」
「25世紀に来るって、この頃から言われてる回遊惑星で生まれ、戦争で滅んだ超文明だよ。真田技師長が調べたんだけど、この宇宙で最初に文明を得た種族で、地球、プロトカルチャー共通の先祖にあたる。だけど、内乱でその時の主星があった古マゼラン雲を惑星規模の波動砲の撃ち合いで消しちまったっていう結末を迎えた。バダン大首領はその時代に改造された彼らの王族の一人、もしくはアケーリアスが残した戦闘用サイボーグの素体に神様の一柱が宿った存在っていう推測がされてる。バダン大首領は冥府も司ってる節があるからな」
「嘘…でしょ」
「真田技師長もそこはまだわからんってさ。とにかく、これからあたしたちが立ち向かう相手はブラックホールも尖兵扱いの恐ろしー奴だって事だ」
バダン大首領の起源はアケーリアスにあるのではないか。それが23世紀の真田志郎が導き出した推測である。だが、第一世代プリキュアと昭和仮面ライダーはこの推測により、共通の敵を持つ事にもなる。
「ナチス・ドイツが連中の尖兵なら、どうして日本はそんなのと同盟を?」
「希望的観測だよ。陸軍上層部と海軍の親独派のな。この場で言うのはアレな話題だけど、よーするにな。いけどんだったドイツの尻馬に乗っかって、甘い汁を吸おうとしたんだよ。だけど、日本が太平洋戦争に乗り出した時にはドイツに陰りが見えてたからな。当時の指導層が後世からアホだの言われちまう理由だ。だから、日本はカールスラントを全く信用してねーだろ?」
「…確かに」
「バダンがショッカーとかをけしかけてテロを働いたせいか、日本はドイツ系国家を信用しなくなった。かわいそーだけど、似たような出来事は起きるって法則に則って、奴さんには辛酸をなめてもらおう」
「こういうの、なんかであったなぁ」
カールスラントはキュアメロディの言う通り、ウィッチ世界での1940年代後半以降、冬の時代に突入していく。日独伊三国軍事同盟の実態がお粗末なものだった反動か、日本はドイツ系国家へ一種の不信を抱いており、空母愛鷹の一件で莫大な賠償金と違約金を請求するわ、メッサーシュミットMe262の設計のライセンス料のことで国際司法裁判所に提訴するなど、カールスラントへの不信を顕にした。だが、カールスラントは扶桑の友好国であっても、正式な同盟国ではなかったため、カールスラントは困惑した。だが、ドイツがカールスラントに圧力をかけ、ライセンス料を値切る事などを決めさせたため、カールスラントは軍事技術ライセンスでの外貨獲得を諦めざるを得なくなった。それがカールスラント軍の衰退に結びついてしまうというのも皮肉なものである。
カールスラントが軍拡傾向に戻るのは史実で西ドイツ軍が結成される日以降であり、それまでに失われた多くは戻らず、カールスラント軍隊そのものが斜陽傾向となる。史実で『日本が勝手にアメリカと戦争を始め、ドイツ、イタリアを引っ張り込んだが、同盟国が苦戦しているのに協力しない、日本は利己一点張りである』という戦争中に日本への不満があったことへの事実上の報復行為とも受け止められる行為であったが、日本にとっては正当な抗議であった。また、カールスラント空軍がライセンス料をぼったくっていたのは事実であった事も不利に働き、カールスラントは21世紀世界の覇者であり、日本を諌められる『アメリカ合衆国』に仲裁を依頼したが、その見返りとして、カールスラントの既存軍需産業の開発中の戦闘機の開発中止を要求した。これはユーロファイター・タイフーンが生まれる以前は米軍機を用いていた西ドイツ軍を踏まえてのものだが、カールスラント空軍技術陣にとっては『我々に下請けになれというのか』という宣告に等しいため、猛反対が起こる。だが、日本が要求した賠償金を値切ることに必死であったカールスラント政府とドイツはそれを呑んだ。それに失望した技術者たちは日本連邦とブリタニアに流出していき、カールスラントの軍事開発力は数年で壊滅してしまう。これを憂いたアメリカの援助で一定レベルには戻るが、以前の様な航空軍事開発の最先端には戻れなかった。その逆に日本連邦が航空開発先進国に躍進したのは、カールスラントの技術者を高待遇で迎え入れたからであり、歴史の皮肉と言えた。
「SFとかでもよく見る、なんとやらだよ。カールスラントはこれから冬の時代になるから、頭のいい連中は日本とキングス・ユニオンで次の仕事を探してるだろーよ」
「君、現役時代よりサバサバしてるね」
「直近の前世、紅月カレンだもん、あたし」
そこでどっと笑いが起きる。キュアメロディは現役時代はそれなりに女性言葉も用いるなど、相応に気質はおとなしめだったが、紅月カレンとしての人生を経た故か、紅月カレンの特徴がシャーリーとしての気質と混じり合い、色濃く出ているのか、北条響としての特徴は鳴りを潜め、紅月カレンの激しさが出ている。
「みんな、そこ笑うとこぉ!?」
「まーまー、ギャップ萌えだよ、響」
「のぞみ、お前なぁ…」
キュアメロディは現役時代と違い、先輩であるキュアドリームと対等な口を聞く。また、紅月カレンとしてのがさつさが出ているため、ボーイッシュであったが、気質は歴代ピンクではおとなしめだった現役時代と違い、気性はかなり荒く口も悪い。のぞみも戦闘時に錦の持っていた好戦的で荒い側面が出るようになったが、北条響ほどではない。そこも比較的に現役時代の振る舞いを意識し、口調を調整しているのぞみ(キャラのイメージを保そうと努力している)と、紅月カレンとしての口調が出ているため、どちらかというと荒くれ者気質になり、実はかなり繊細であった現役時代からはかなりかけ離れた性格と口調の響との差であり、精神的成長のためか、両者の間を取り持つ役目を担う桃園ラブの役目が大事と見なされるようになる。
「二人とも、ぶっちゃけすぎだって。響ちゃん、愚痴りたいのはわかるけどさ」
「たまにはいいだろ、ラブ」
イベントでは、かなり仕事に疲れているキュアメロディの姿がネットで話題になり、ニュースでも取り上げられた。それを受けて、後日、プリキュア達に滋養強壮のために、日本の大手飲料メーカーから滋養強壮に定評のある栄養ドリンクが進呈されたという。(後に、その縁でその栄養ドリンクのCMに何人かのプリキュアが出演したという)