――のび太は少年期、鉄人兵団を倒した後に青年期を迎えた後はそれまでと違い、一歩引いた立場で戦いに関わる事になった。ことはと調を保護し、面倒を見るようになったのは青年のび太の少年のび太への根回しによるものであったが、ドラえもんの判断も大きかった。当然、のび太の両親は難色を示したが、アドルフィーネ・ガランドやペリーヌ・クロステルマンが率いる『G機関』やシンフォギア世界の『SONG』が『養育費を負担し、生活費も援助する』と公的に申し出た事で、二人の養育費の心配が無くなったことで、のび太の両親も最終的に了承し、どうにか事無しを得た――
――2004年。のび太が高校へ進学した年、調は地球連邦大学を卒業し、ことははのび太が出た中学校へこの年に入学した。その前年からススキヶ原の再開発が急速に持ち上がったのである。これは2000年代前半から地主の代替わりが始まり、相続の際に売り払うケースが増大したこと、学園都市へ隣接する好立地を練馬区が活かそうとしたなどの理由によるものだった。当時に野比家があった立地は区立公園(ボートを漕げる池があるほど大規模)の近くであり、区は災害対策(1980年代に地域をパニックに陥れた大火災の教訓との事)のため、区立公園の拡張を地主の代替わりを見計らう形で推し進めようとしたが、当然ながら立ち退きを強いられる区域の住民の猛反対にあった。野比家もその拡張予定地に入っていたが、立ち退いた土地に公衆トイレを置くというので、のび助は激怒。立ち退きを反対する区域の住民の反対運動に加わっていた――
――2004年頃 旧野比家ののび太の部屋――
「親父、相当にトサカにきてるな」
「なぜです?」
「親父が怒ってたけど、ウチ、近くの公園の拡張予定地域に入ってるらしいんだ。ところが、事もあろうに公衆トイレの予定地」
「……そ、それは……」
苦笑するフェリーチェ。調は連邦大学の卒論の詰めのために出かけているため、この日はフェリーチェと二人であった。ことはは修行の一環で、休日はフェリーチェの姿でいる事が多い(現役時代と違い、神としての因果をZEROによって切り離され、『キュアフェリーチェ』という一介のプリキュアに存在が変わったため、完全な自己意思での変身が可能になっている。なお、以前に備えていた不死性と不老性は出自と切り離せない関係で残った)。のび太は中学から身長が伸び始め、高校に入る年には160cm後半(18歳で176cmになる)に成長していた他、精神的成長のせいか、小学生当時より凛々しい顔の似合う青年に成長していた。
「それで親父はお冠。こりゃ引っ越しは延びるな」
「駅前に造ってるマンションに引っ越させるって話ですけど…?」
「管理費を払えないって揉めててね。区も苦慮してるんだ。それでG機関に動いてもらってる。G機関が買わないかぎり、うちやその近所の連中にマンションの管理費は負担できないよ」
「確かに」
比較的に収入のある野比家も、この頃は『駅前のマンションの高額な管理費は払えない』とし、区立公園拡充に反対していた。練馬区はススキヶ原でもっとも古い一家の一つである野比家の説得にこの後の数年を費やす。野比家は安土桃山期以前から住んでいた記録がある(それ以前は狩人だったという)からである。数年後、建設が進むいくつかのマンションに分割して受け入れ、野比家へ勧められているマンションをG機関が買い取り、管理費などを肩代わりする事で折り合いがつく。のび太は予め、それを知っていたため、私物をこの頃から整理し始める。(大事にしている祖母の形見となったクマのぬいぐるみは結婚後も持っている)この頃から将来の為に戦闘技能を磨き始めているのび太だが、この日は完全オフであった。
「それにしても……なぎささん……最初はへそ出しだったんですね」
「来年には君の知ってるコスチュームにパワーアップするよ。ドリームも一年目はへそ出しだったって言うから、二年間は現役だと、一年目はへそ出しって慣例あるのかな?」
「それはなんとも。ドリームの後は無くなりましたから、二年の現役は」
プリキュアは『フレッシュプリキュア』以降は一年で代替わりする方向になったため、変身コスチュームが変化するほどの期間を戦ったプリキュアはプリキュア5が史上最後となった。それがのぞみが前世で後輩とかち合う原因を作ってしまったのは皮肉であったと言える。
「それがあの子の前世の不幸に繋がったのは不幸なことだよ。それと、君がプリキュアって認知されるには、少なくともあと5年はいるだろうね。その頃にはドリーム達がアニメになるから。僕はその頃になんないと、アニメを見れないだろうけど」
「そうか、大学受験が……」
「おふくろ、だんだん締め付けがきつくなってるからね。こりゃ、大学に入らないと開放されないかもな」
愚痴るのび太。実際に玉子は息子が大学受験に成功するまでと、中二以降は息子を厳しく管理しており、黒江が時たま、息抜きに外へ連れ出すなどして、健康を維持させている。(流石に健康維持は必要であるとは分かっている)その傾向は高校の後半に顕著になるが、のび太が大学受験に成功した事を見届けると、憑き物が取れたように穏やかになり、一転して放任主義に転換する。(調は2007年以降に『中高の殆どの時間を大学受験対策に費やせた事を大学の四年を自由にさせる事で釣り合いを取ろうとしたのだろう』と自分なりに推測している)
「体、壊しますよ?」
「買い物を出かける名目にするし、タイムマシンを使うさ。どうせ、来年には大学受験の事でおふくろが喚き散らすだろうし」
のび太は中高の期間、彼の自由になった時間はそれぞれの最初の一年だけであった。(中高での成績が比較的下位をうろちょろする似たりよったりな成績だったことも関係している)その事への罪悪感を2006年頃に抱いた玉子は『大学の四年は自由にさせる事で釣り合いを取る』という形の選択を取る。のび太が成人し、運転免許証を取得した後にモータースポーツに傾倒しても文句を一切言わなかったのは、その事に由来する。これはしずかも似たようなものだったのか、結婚後はそれぞれの趣味を大切にする夫婦生活になり、最終的に裏稼業を夫婦で営むに至るのだ。
「それに、光はあるさ。おふくろも僕が体を壊すのは望んでないだろうから、最低限は出かけるのを許すだろう」
のび太はそう言って微笑む。この頃には両親への呼び方を変えていたのがわかる。声色も低くなっており、青年期以降の声色になっている。のび太の言う通り、玉子も友達付き合いのための外出や体力維持、気分転換のための外出は許した。それがのび太の14~15歳、17~18歳の間の四年間の息抜きとなるのだ。
「大人の僕は『しずかちゃんと同じ大学に行ける』って言ってるから、僕はそれを確実にするだけさ。あと二年は我慢すればいいんだし」
青年のび太が裏稼業で名を馳せる上での重要要素である『我慢強さ』はこの時期に培われた。玉子が後年に黒江に語ったところによれば、『のび太が自分の偏差値からは高望みな高校や大学を志望したから』といい、のび太の偏差値の低さを補うために勉強漬けにさせた事を語り、それで大学入学後はその褒美と20代になったので、のび太の自由にさせたという。
「それと、君がプリキュアだって、おふくろたちがわかるのも、あと五年はかかるだろうな。他のプリキュアがある程度は出て、『プリキュアオールスターズ』って概念が生まれないとね」
「最低でも、ピーチ達の時代までかかりますよ、それ」
「そうなれば楽だよ。町のイベントとかで小遣い稼ぎできる様になるから」
「そうですかね…?」
疑問を呈するフェリーチェだが、ドリーム達がアニメで人気を博す2008年度以降は『プリキュアオールスターズ』という概念が生まれたため、彼女がまだ見ぬプリキュアの一員であることは2008年度から少しづつ認知されだす。そして、更に数年後の『スイートプリキュア』のアニメ放映が始まる年、ことはが大学に入学するのだが、その頃にはプリキュアオールスターズが世の中に概念として定着したため、大きな話題になったという。
「さて、今日は親父とおふくろは親戚の結婚式で帰らないし、ドラえもんもロボット病院でドックだから帰らない。調ちゃんも綾香さんところに泊まって、連邦大学の卒論書いてる。新宿で買い物がてら、食事に行こう」
この日は土曜日であり、高校は休みであった。また、親戚づきあいで両親は二、三日は留守にするということで、食事代を置いていったため、のび太は溜め込んだ小遣いとそれを元手に、フェリーチェを連れて、新宿に赴いた。(ススキヶ原には再開発が一段落するまで、まともなレストランがない)
――新宿――
この頃、フェリーチェは『ススキヶ原で活動している謎のヒロインの一人』として知られ始めたが、当然ながら、当時は『プリキュアの一人』としては認識されていなかった。(キュアブラックとキュアホワイトのデビュー当時であったため。彼女が魔法つかいプリキュアの一人であることが認知されるのは12年後のこと)それを残念がったが、時代が時代なので仕方ないことであった。(なお、本来、使命にさほど囚われなかったプリキュア達だが、昭和ライダー達と出会った事、ゲッター線という存在を知った事で『邪な者から世界を守る』という意味合いの使命は自然と背負う事になった。)
「さて、これとこれを買って勉強しようっと」
フェリーチェが本屋で買ったのは、当時に修行中のゲッター線制御に纏わる資料としての『ゲッターロボ』から『ゲッターロボ號』(真ゲッターロボ含む)までのコミック一式であった。(コミック文庫であったが)なお、フェリーチェになっていても、素の口調になっている事があるが、これは『マザー・ラパパの後継者』ではなくなり、ほぼ一介のプリキュアに存在が変えられたからであり、マジンガーZEROがフェリーチェに施した『因果律改変』の結果である。(従って、彼女は他の平行世界における自分自身と厳密には別の存在として歩む事となった。以前と別の方法で強くなるしかなくなったため、ゲッター線と光子力の制御方法を覚えようとした。ただし、空中元素固定能力を新たに取得したという)
(ゲッター線の事を覚えて、力を制御して……あのマジンガーに借りを返す……!みらいとリコ、モフルンの仇を取るために……!)
キュアフェリーチェ/花海ことはは精神状態が落ち着き、ススキヶ原地域の中学校に改めて通い始めたこの頃から、黒江達が提示した目標を意識した修行を始める。また、元の魔法の力であった『無からモノを作り出す』力は辛うじて残ったものの、空中元素固定能力が新たに加わったため、そちらとの併用をするようになった。(彼女が読書家になったのは、マジンガーZEROに敗れてからの事で、それまではさほど興味はなかったという)
「フェリーチェ、目当てのものは買えたかい?」
「はい、ばっちり」
若干ながら、目当ての本が買えて嬉しそうなあたりは素の無邪気な性格の片鱗であろう。のび太はちょっと奮発し、フェリーチェを連れて、百貨店の最上階のレストラン街のレストランで食事をした。
「この姿でレストランに入るのは、ちょっと恥ずかしいですね…」
「そのうち慣れるさ。大人の僕なんて、他のプリキュアのみんなをスネ夫の家に連れて行って、スネ夫に食事を奢らせたとか言ってたよ」
「本当ですか?」
「ああ」
なんだかんだで大食漢らしいキュアフェリーチェ。ライス大盛りを頼むあたり、本物だ。なお、ダイ・アナザー・デイを戦う大人のび太とはお互いに連絡を取り合っていると15歳のび太は述べ、『修行』が終わったタイミングの年から彼女を呼び寄せた事が暗に示される。
「なぎささんとほのかさんが聞いたら、腰抜かしますよ?」
「大人の僕の時代になると、君たちは色々忙しくなるらしいから、今のうちに静かな生活を楽しんでおきな」
「そういうものですか?」
「プリキュアが世の中に認知されればね」
この頃には、のび太も流石にお子様ランチは食べられない歳であるので、年相応にカツとライスを食べている(ジャイアンと違い、カツ丼ではない)。フェリーチェもなんだかんだでスタミナがつくものを注文している。これが『プリキュアが衆目に目撃された』最初期の事例となった。なお、キュアドリームが家族に加わる2017年、この時の目撃情報がネットの掲示板やSNSで流れ、それがキュアフェリーチェであるとわかり、ネットを賑わしたという。
「のび太、トルコライスを頼めばいいんじゃ?」
「こういう気取った店にあると思うかい?ま、クリームソーダさえあれば満足さ」
のび太は青年になり、お子様ランチを頼めなくなると、トルコライスやカツをライス付きで頼むようになった。それにメロンクリームソーダを頼むのが通例となる。
「街中で写されるのは仕方ないにせよ、食事中とかマナー的にどうなのさ?あれ」
「注意します?」
「いや、揉めるのは面倒くさいし、ほっとくよ。この頃はまだ、2010年代みたいなSNSはないからね」
のび太は食事中に写真を取られた事に不快感を示すが、ほっとくことにした。2004年なので、まだSNSの時代ではないからだ。(掲示板に書き込みがあったが、当時はプリキュアが人気を得る前の頃だったために顧みられず、注目を浴びたのは、プリキュアが社会に根づいた後の2017年。その頃に書き込みが発掘される。他には、当時は携帯ブログサービスが既にあったため、ブログに写真が上げられたが、後年のSNSほどの効果はない)
「さて、食事を済ませた事だし、手洗い済ませたら帰るよ」
「はい。でも、夕焼け、きれいですね」
「あと8年もすれば、第二東京タワー(東京スカイツリーのこと)が建つらしいから、景色もその頃にはまた変わるよ。この街は生き物だしね。」
百貨店の最上階レストランの窓に映る景色は綺麗だった。東京スカイツリーが存在しない時代のものだが、それでも東京のメガロポリスぶりがわかる。そこから更にビルが増えたり、建て替えが進んだのが2020年の景色だ。江戸期にメガロポリスへ発展し、関東大震災と東京大空襲で灰燼に帰したが、そこから摩天楼の建ち並ぶ大都市と生まれ変わった。80年代にはアジア一と謳われたほどの都市圏に成長した東京。フェリーチェは現役時代には地方都市にいた(朝比奈家が地方都市在住だった)ため、日本の首都でもっとも栄えている街の一つからみるメガロポリスに圧倒される。
「こんな賑わってる街も裏を……、裏の世界から見ると、海千山千なんですよね?」
「君も僕が成人すれば、その世界に身を置く事になるよ。大人の僕は漫画みたいに『X、Y、Z』なんて暗号を受け取って動くんだって」
青年のび太は漫画のような暗号を受け取ったりする依頼方法で裏稼業を行うようになるが、それは22歳以降のことだ。さらに言えば、鋼線を身に着けたのは26歳頃。ダイ・アナザー・デイの時はまさに油が乗っている全盛期にあたる。のび太自身が直接動いた最後の時期がダイ・アナザー・デイの前後の頃であり、以後は裏稼業の元締めなどの裏方へ、しずかの言いつけもあり、転向するからだ。(息子の育児のため)
「ノビスケがある程度の年齢にならないと、また働けないだろうから、多分、20代のうちに稼ぎまくると思うよ。それと、23世紀での戦いはノビタダが代行するそうだよ」
「貴方の…えーと、孫の孫の曾孫でしたっけ」
「セワシの曾孫で、僕の転生体さ。デザリアム戦役は奴に動いてもらう。未来でのボクだからね」
ノビタダは自分の転生体でもあるが、別の存在であるため、奴と表現するのび太。その頃には地球連邦随一の名家として名を馳せている野比家の礎はのび太が築くのである。ダイ・アナザー・デイの戦功で扶桑の伯爵位を得る野比家だが、この頃はまだ『比較的に余裕はあるが、平凡な一家』の範疇は出ていない。扶桑華族となってから、名家と認識されだすのだ。
「のび太。貴方のおかげで学校まで行かせてもらった上に、その……養子の話まで」
「親父が君を気に入ったからね。気にしなくていいよ。そのうち、ドリームも迎える事になるそうだよ?」
「え、ドリームを…ですか?」
「ああ」
後に、肉体の元の持ち主の実家である中島家に帰るわけにもいかないとした夢原のぞみ/キュアドリームも野比家は迎え入れる事になる。ダイ・アナザー・デイが始まり、青年のび太が関わり合いを持った後、中島家に帰るに帰れないと悩んだのぞみを見かねたドラえもんが壮年期のび太の許可を得る形で野比家を仮住まいとして提供したのが、のぞみとの関係の始まりである。(のぞみは壮年期のび太のいる時代で養子のコージが結婚しているため、一応は野比家の関係者であり、かなり無理矢理であるが、子孫という理屈は通る)
「ココの生まれ変わりがボクの養子だそうだから、彼とドリームがくっつくから、戸籍上はボクの子孫で通じる。大人のボクは親父たちにそれで押し通したそうな」
「かなり無茶なような」
「ハインリーケ少佐がアルトリア・ペンドラゴンになったってことよりは無理ないよ。彼女はカールスラントとブリタニアで取り合いだそうだし」
「あの方、生まれ変わっても貴族で、王位継承権持ちということは相当に苦笑いしてると聞きましたよ?」
「しかも生前に治めていた国の近世以降のライバル国の貴族だからね、あの人。相当にげんなりしたそうな」
アルトリア・ペンドラゴンは俗に言うアーサー王にあたる英霊である。転生した先がライバル国の貴族であったため、当人は相当にげんなりしたらしいが、欧州系の貴族は独系の家系が栄えた都合、20世紀にはブリタニア王家にも独系の血が入っていた事や、扶桑の皇室という例外を除いて、王室は国民統合の象徴としての役目が主な役目になり、政治的権限は縮小傾向にある事、時代とともに華族と貴族の特権が縮小され、名誉階級化が進んだ背景ながら、疲弊した両国の政治家がお互いに神話の英雄の再来を求めた事が取り合いになった理由である。アルトリアはハインリーケへの贖罪意識もあり、カールスラントにそのまま属するつもりだが、ブリタニアから帰還を強く望まれている。(アーサー王そのものなので、当然だが)
「ブリタニアの保守派が人気取りのために帰還を煽り立ててるそうですよ?」
「モードレッド卿の裏切りがなくても、円卓は他の要因で崩壊しえたし、あの人自身はブリタニアに未練はさほどないと思うけどね。何回も王朝が変わってるし、ブリタニアにはちゃんと女王がいるしね」
「そこが難しいところなのでしょうね」
「シャルル・ド・ゴール将軍が現代のジャンヌ・ダルクと祭り上げてたペリーヌ・クロステルマン中尉が円卓を崩壊に追いやった裏切り者のモードレッド卿の転生で、キュアスカーレットだった事に比べればいいんじゃないかな?キュアスカーレットはともかく、モードレッド卿は円卓の裏切り者だ。そんな出自の過去生を持つ上、別にジャンヌ・ダルクご本人が転生してくれば、ねぇ…」
ペリーヌ・クロステルマンはシャルル・ド・ゴールにより、『現代のジャンヌ・ダルク』と祭り上げられていたが、ジャンヌ・ダルクご本人が転生して現れた上、ド・ゴールの強引で、身内すら人気取りに利用するエゴイズム的かつ独裁的な手法は皮肉にも、自国で崇められる英霊達から『エゴだよそれは!!』という趣旨の批判をされるに至った。ペリーヌ・クロステルマンがそうやって持ち上げられる事は減った。(ペリーヌ・クロステルマンが政治と復興財団に専念できた間接的要因)アストルフォとジャンヌ・ダルクの批判的なシャルル・ド・ゴールへの批評は彼に自制というものを教え込む役割を果たした(ウィッチ世界のド・ゴールが同位体より協調性を持ったのは、英霊たちにエゴイスト的な振る舞いや尊大さを指摘され、落ち込んだからとも)。
「都合が悪い…ということですか?」
「モードレッド卿のしたことは結果からすれば、単に亡国だしね。後世の嫌われ者ってのは本人もわかってるだろうし、ガリアの愛国主義者であるド・ゴール将軍からすれば、モードレッド卿は好ましくない人物だからね。キュアスカーレットでもあるから、辛うじて受け入れられたようなものさ」
ガリアは王党派・共和派・ド・ゴール派の三つが政治的に争い合う場である。モードレッドは生前の行いを理由に、ド・ゴールからは好ましざる人物と見なされていたが、ノブリス・オブリージュを理想的までに体現したキュアスカーレットが第三人格としてペリーヌ・クロステルマンに存在していることで妥協的に受け入れられた『ハズレ枠』。ド・ゴールからそう見なされた事に大いに『俺様がハズレ枠だとぉぉ!?』と憤慨したモードレッドであるが、生前の行いを考えれば、ある意味では仕方がないことである。のび太は手洗いを済ませ、百貨店の外に出るまで、その話題を話した。つまり、のび太からもモードレッドは『円卓の騎士の反逆者』。そう認識されていることでもあるので、後に話を聞いたモードレッドはショックを受け、『まじかよぉぉ…』と言わんばかりの表情で半泣きになり、大いに凹んだとか。