――2020年。海援隊の実働部門は連合艦隊に組み込まれ、海上護衛総隊と一体化した。これは民間軍事会社が日本が認められていない事、21世紀の民間軍事会社の不祥事が槍玉に挙げられたからで、日本側、とりわけ警察系勢力の強い圧力が背景にあった。そんな中、2018年頃に手違いで解体された戦艦薩摩の代替として、海保のあきつじま型巡視船を提供する(武装は軍艦として強化する)事が決まった。殴打騒動を起こした海保への懲罰的措置である。パトロール任務の多くが連合艦隊によって替えが効いたことから、海保が自らの存在意義の証明に躍起となっていた中での殴打(正確には殴打未遂)騒動はロシアとの戦争後の警察系勢力の相次ぐ不祥事の一つとされ、海保のウィッチ世界での活動圏は本土周辺のみとされた一因であった。(もっとも、当時の海保の艦船保有数では、広大な扶桑の領海をカバー不能であったからだが)また、日系国家である太平洋共和国は独力ではリベリオンの圧力に抗する事が不可能であることから、日本連邦の構成国入りを選ぶ。その過程で戦艦近江のレストアが行われ、海上護衛総隊の旗艦として使われる。雲龍型と紀伊型戦艦が現役で使われたのは、太平洋戦争が最後である。ダイ・アナザー・デイ~太平洋戦争の頃になると、大和型戦艦に迫る能力のモンタナ級戦艦が量産され、能力的に陳腐化していた紀伊型戦艦は残存した全艦の退役が予定されていた(ダイ・アナザー・デイで叩きのめされた尾張など、不幸が重なっていため)が、大和型戦艦以降の新型重戦艦は敵に警戒されるため、紀伊型戦艦を航空戦艦にする事が決議されたが、二隻では雀の涙なので、艤装・武装のテスト艦になっていた大和型戦艦『武蔵』を航空戦艦のままで運用することとなり、この航空戦艦運用が未来世界の『機動戦艦』というカテゴリを生む遠因となった――
――技術系譜上はメカゴジラシリーズとMOGERAはスーパー戦隊ロボとともに、23世紀に隆盛を極める人型機動兵器の祖とされる。直接の子孫はマジンガー、特にZとされる。そのマジンガーZの基礎設計はザクⅠ以前にまとめられていたので、兜十蔵の先見の明は確かであった。ミネルバXはそれと同時期に設計され、Dr.ヘルが作った巨大ロボットとしてのボディは機能停止し、水葬された。だが、中枢部のAIは生き続けており、回収された。後にヒューマノイドロボットタイプのボディに中枢部が移植されることで蘇生。それ以後はヒューマノイドロボットとして活動している。兜十蔵の息子である兜剣造が作ったグレートの系譜については、十蔵の制作ではないことから、『正式なマジンガーの系譜ではない』とし、快く思っていなかったが、兜剣造が父からの指令で改良型として設計したという経緯と、Zと共通のアーキテクチャから生まれた点で『マジンガーの兄弟』であると言う理屈で説得した。グレートマジンカイザーはその進化形態の一つ。だが、ZEROにどこかの世界で破壊されたというだけで、デザリアム戦役が終わる頃にはマジンエンペラーGの予備機扱いで不遇を囲っており、炎ジュンはそれを不憫に思い、数年後に鉄也が可愛がりつつ、パイロットとして高い能力を持つ黒江に再評価に繋がる成果を懇願。それが後の太平洋戦争で、黒江がGカイザーに乗ることになった理由である――
――新規開発であったマジンエンペラーGがZEROに対抗し得た理由は何か?動力が光子力だけでなく、陽子エネルギーとゲッターエネルギーで駆動する『純粋なマジンガーとは言えないマシン』だからだ。装甲もゲッター合金と超合金ゴッドZを混合させたG合金。この素材は完全新規であるため、ZEROと言えども手出しが容易でない。そもそも超合金ゴッドZのある世界があまりに希少なのだ。また、ゴッドZにはニューZαと違い、破壊された世界が存在しない。そこがミソだった。超合金ニューZαは真に希少だが、破壊された世界がある。だが、ゴッドZは出現そのものさえ希少な上、破壊された世界が全く存在しない。更にゲッターエネルギーの再生能力があるため、余計にZEROが予測困難となった。贅を尽くし、花形となったマジンエンペラーだが、完全新規の開発であるため、マジンカイザーの後継機的側面がある。グレートマジンカイザーはあくまでもグレートの純粋な強化タイプ。そこもミネルバが存在そのものに冷淡な理由だった。『マジンカイザーとマジンガーZのマガイモノ』。ZEROはどこかの世界でそう宣言し、Gカイザーを焼き尽くしたという。機体のスペックそのものは同等と言えたが、因果律兵器によって敗れ去った。その経緯を知るミネルバにとって『まだ、素のグレートのほうが可能性があった』と切り捨てる存在でしかない。逆に言えば、マジンカイザーとZが持たないグレート独自の側面を突き詰めれば勝機がある証拠で、兜剣造はその方向を突き詰めたわけだ。エンペラーはGカイザーにないグレート独自の要素を強化して造られた最新鋭機であるため、ZEROに対抗できただけで持て囃されるのは仕方ない事であった。ジュンはミネルバの物言いに反発し、ダイ・アナザー・デイの頃にゲッター線増幅炉の搭載を兜剣造に具申する。地球連邦政府からはその効果を疑問視されていたが、オリジナルのグレートと同一存在であるGカイザーを救いたいジュンの懇願は甲児を動かした。
『負けた世界があったって、俺たちの成長の一端を担った物をゴミクズ扱いする様な言い様の相手を信用出来るか?せめて直接貶す様な言い方はやめろ、グレートもグレートマジンカイザーも俺たちの仲間で戦友なんだよ!』
グレートをあからさまに嫌うミネルバは甲児に強く叱責された。甲児自身、幾多の世界の中には自分がグレートマジンガーに乗った世界もあったからだ。(その世界線では、Zの後続機という形でグレートマジンガーは生まれ、兜剣造が甲児を格納庫に導き、乗せたらしい)
――1949年のこと――
「ああ、綾香ちゃんか?俺だよ」
「甲児さん。メールは見たんすけど、ジュンさん、相当キツイ事言われたみたいですね」
「ミネルバはZのパートナーだが…兄弟か従兄弟と言えるロボットに対する物言いじゃねぇからな。俺がシメた。じいちゃんの意向にも反するしね。…あのよ、前みたいに、甲児って呼んだっていいんだぜ?」
「アンタ、ゼウス神でしょうが。俺の主の親父じゃん」
「そりゃそうだが、Z神になるのは先の話だぜ?娘が生まれたところなんだし…」
「なんで、リサって名前に」
「どこかの世界で出会った子とよく似ていてね」
ダイ・アナザー・デイの頃には、甲児は弓さやかと入籍し、すぐに娘を儲けた。これは鉄也に息子が生まれるのと同時期であり、二人は20代半ばにさしかかる頃に子を持った事になる。甲児は太平洋戦争にさしかかる頃には、パイロットでありつつ、一児の父になり、弓弦之助教授は地球連邦・日本州知事になって政治家へ転身しているのだが、祖父になった兜剣造は科学者一筋。そこも十蔵の先祖の代から科学者一族だった故だろう。また、ZEROの名乗る『ZERO』と言う名がどうして出てきたのかという点を調べていたが、剣造はその根源となった存在を突き止めた。それは父の大学時代の親友の一人で、壮年期に袂を分かったロボット工学者『Dr.ブレード』の製作していたマジンガーの亜種であった。
「それと父さんの調査で分かったんだが、ZEROの名乗っていたZEROという名前の元ネタが分かった」
「本当かよ!」
「じいちゃんの大学時代の親友が超合金Zと光子力エンジンをちょろまかして制作してたロボットだよ」
「あんたのじっさまの?」
「Dr.ブレード。本名は剣崎鋭二。Dr.ヘルとじいちゃんの大学のゼミでの悪友で、じいちゃんが50になるくらいまでは組んでたっていう奴で、父さんも若い頃にダメ出しされたって」
「そうか、兜十蔵は若い頃は世界征服を夢見てた。Dr.ヘルやそいつは…」
「もちろん、当時は冗談半分だろうが、三人ともロボット工学を修めたあたりで具現化し始めた。折しもひみつ道具全盛期だったしな」
甲児の祖父である十蔵はドラえもんが生きた時代に20そこそこの若造であった世代で、高齢になったあたりでZを制作し、早乙女博士にエネルガーへのゲッターエネルギー照射を依頼していたという。三人の内、Dr.ヘルは親からも疎まれる人生を送る内に、自国で忌み嫌われていた独裁者『アドルフ・ヒトラー』に傾倒してしまい、悪道に手を染めた。剣崎は50代の頃に十蔵と袂を分かち、自分の夢を実現させるべく、日本軍の生化学者であった先祖の作っていた毒ガスを再現した毒ガスを持つマジンガーの亜種を作っていたが、志半ばで人知れずに逝去したという。そのロボットの製作途中の残骸は23世紀の松代付近の彼のラボに残されていたが、超合金の量が少なかったためか、負荷が高い箇所と攻撃に使う箇所にしか用いない設計であり、兵器としては欠陥品だったという。
「ZEROはその存在を知ってたんだろう。だが、零戦が名の由来になったっては縁起が悪いと思ったんだろうさ」
「そのマジンガーは?」
「製作途中だった。たぶん、製作途中で亡くなったんだろうさ。彼のラボには断片的なMOGERAと機龍の概念図があったからな」
「と、言うことは、Dr.ヘルも兜十蔵も『ウチ』(自衛隊)の秘匿兵器の統合戦争後も残された断片的な資料で技術を得たってことか?」
「統合戦争でMOGERAや機龍がどうなったかはわからないけどよ、技術は残されたはずだ。だから、時空融合後にロストテクノロジーを再現できる天才が現れて、じいちゃんとヘルはそれを運良く具現化したんだろう」
甲児は知らなかったが、青年期の兜十蔵はGフォースの整備士であったし、Dr.ヘルもドイツ支部に一時は務めていた。二人の技術の根源は在りし日のGフォースにあるのだ。
「父さんも詳しくは聞かされていなかったらしいんだが、じいちゃんたちはミケーネの遺跡を10年単位で調査していた。Dr.ヘルが野心を表に出したのは完全にモノにした後だけど、それまでは悪友みたいに振る舞ってたってんだから、あのジジイも意外に人間味あるぜ。今は地獄大元帥だけど」
地獄大元帥/Dr.ヘルは少年時代から周囲に疎んじられ、親からも『どうして産んだんだろうね』と言われるほどに嫌われ者の人生を送っていた。悪道に走る前では大学時代が一番に幸福な頃というのは、悪友ができ、恋もした(その女性が甲児の祖母である)普通の生活を送れたからである。恋に敗れた事が彼の老年期以降の豹変に繋がったかは定かでないが、自身の後継ぎがいないことを大いに嘆き、『兜!お前が羨ましい!実にあっぱれな後継ぎを持ちおった!!』と落ち込むなど、意外に人間味がある。兜家三代との因縁が若き日の恋話のもつれから始まったというのはDr.ヘルがあしゅら男爵などにも言わず、上司の闇の帝王(ハーデス)にさえ明らかにしていない恥部らしい。
「闇の帝王に言ったのかね?」
「いや、プライドの高い奴だから、言わねぇさ。闇の帝王はハーデスだぞ。見栄くらい張りたいだろうさ、ヤツだって」
とは言え、Dr.ヘルも意外に節操ないところがあり、あしゅら男爵がヘマをした時には『このオタンコナスのピーマンめ!!』というまくしたてをしているなど、日本ナイズされた面もある。また、地獄大元帥になり、デビルマジンガーをさらなる肉体にしてもあしゅら男爵とのギャグめいたやり取りは健在で、生身時代の名残りで『あしゅら男爵が血相を変えてすっ飛んできた=戦闘獣が負けた』という図式ができあがっており、あしゅら男爵を困惑させる一幕もある。
「天才の割に俗っぽくない?」
「単なるマッドじゃないのが奴だよ。ばあちゃんに惚れた腫れたやらかした悔しさをバネにじいちゃんを危惧させるだけの機械獣を用意してた。その割にミーハーで…」
「それと、奴はなんで、デーモン族の事を知ってたんだ?」
「ああ、Dr.ヘルの大学時代のゼミ仲間がヒマラヤ山脈のほうで研究してて、その時に冬眠状態のシレーヌを見たらしい」
「妖獣シレーヌを?」
「そうだ。その縁で悪魔王ゼノンはジンメンを送りこんでたんだろうな」
「あれでキュアブラックと揉めたんだけどー…」
「のび太君が来てくれなかったら、殴り合い始めてる雰囲気だったもんなー、君とキュアブラック」
大決戦の折、黒江はデーモン族『ジンメン』を殺すために汚れ役をしたが、ドリームの姿でやったので、危うく衝突しかけている。その際の黒江が発した怒気はキュアブラックを怯えさせるほどのものであった。また、ジンメンの外道な行いに激怒し、黒江はドリームの姿でデーモン族へ乖離剣エアを使ったので、その場にいたプリキュア達に誤解を招いたのは否めない。
「あれでデザリアムの時、かれんとこまちを連れて行くのに苦労させちまってなー。のぞみも同位体にさんざ愚痴られてたそうな」
「それなー。聞いた話だと、あの子の同位体が相当に後輩にキャラを誤解されたとか詰め寄ってね。デザリアム戦役が終わった後、数時間も電話で愚痴ったらしーぜ」
デザリアム戦役が終わった時期に交わされた電話は黒江の太平洋戦争での道筋の四分の一を決めたと同時に、のぞみが同位体に愚痴られたという経緯を教えられた一幕であった。
「俺、色々ブチギレたからなー、あの時」
「キュアマリンに怯えられたとか、後輩に怖い人って思われてるとかさ…」
「俺に言われてもなー」
「我は神威の戦士、仮初のこの身を用い、そこなハンチクなデーモンなる怪異共を討ち伏さん! とかよ、別人アピールしとけば良かったんんじゃね?」
「普段の口調使ったし、超電磁砲撃ってたんだけどなー。駄目だったか」
「ま、5とフレッシュ以外は気づかないさ。姿が入れ替わってもプリキュアになれる実証はされてない頃だったから」
「そこかよぉ!?」
「そこだよ。キュアサンシャインが言ってたぜ。その頃はプリキュアじゃなかったけど、見てたらしいから」
甲児は当事者であるが、その戦いでは傍観者であった明堂院いつき(キュアサンシャイン)から話を聞いたという。
「綾香さん。智子さんの言いつけでお迎えに上がりました」
「噂をすれば、だな」
ため息の黒江だが。
「責任とってくださいよ、先輩!」
膨れっ面のキュアドリームもやってきた。同位体にさんざ愚痴られたらしい。
(行かなきゃ駄目か?)
(行かなきゃ、将来お前は祟り神になるぞ?)
(あちゃー、なら、行かないと話にもならんなぁ……って、電話しながらチャネリングか!?)
(行ってきな)
(アンタの言いつけじゃな。甲児…いや、ゼウス神)
「責任は取るんだが…どーすりゃいいんだ?」
「やらかしたのは私達なんだから、別人証明して、仲裁するわよ!一度なったんだから、変身出来るでしょ、行くわよ!!」
続いてやってきた智子に怒鳴りつけられながら連行される黒江だが、智子はすでにキュアピーチの姿だ。
「お、おい!お前、ピーチの姿で行くのか!?」
「アンタもさっさと変身しなさいよ、アルカディア号についたら、すぐよ」
「あのな、どっちがどっちかわからんだろ?」
「別形態になるんで、大丈夫ですって」
「そ、そうか。サンシャインもついてくるのか?」
「その戦いには参加してない第三者は必要でしょう?私はその証明書みたいなものです」
「す、スマン」
「ちょうど、私も明堂院いつき名義の軍籍作れたところだったんで、初仕事のつもりで」
「ほら、サンシャインにも迷惑かけてんだから、あとでなんかおごりなさいよ」
智子はなんだかんだでプリキュアに憧れていたためか、怒鳴りつけつつも、どこか嬉しそうな足取りであった。黒江は責任を取るため、自身もドリームの姿を取る。のぞみのほうはシャイニング形態になる。
「なんか、懐かしい感じですよ」
似た顔同士で並んだ経験があるからか、ドリームは懐かしそうである。
「ダークドリームのことだな」
「ええ。あの子がれいかちゃんに生まれ変わったのなら、私の心残りは一つ無くなります」
「のび太が確証はないと言ったろ?」
「ええ。でも、なんだかそういう予感がするんですよ。あの事は心残りですから」
後輩のキュアビューティが、かつて、自分を庇い、消えたダークドリームの「生まれ変わり」であるかは定かでないが、もし、本当であれば、自分の心残りと負い目の一つを解消できる。そういう予感がしてならないというキュアドリーム。黒江はのぞみが立ち直った事にひとまず安堵する。ポジティブさを取り戻してこそののぞみだからだ。
「お前、のび太とコージのおかげだな」
黒江はそう言って茶化し、ドリームはすっかり顔を真っ赤にして、顔から湯気がでるほど赤面する。
「せ、先輩!」
「ハハ、さっきのお返しだ」
「智子先輩、張り切ってませんかね」
「あいつ、プリキュアになれたんで、嬉しいんだよ。昔からあいつは上機嫌だと張り切ってな。それでヘマしてなー。若本に『陸軍のアホな姉ちゃん』呼ばわりされててな、当時」
「若本先輩、言いますね」
「あいつは智子のヘマの尻ぬぐいが多くてな。当時は本当にそう言ってた」
「徹子ぉぉ~…!後でバシッと…」
「お前、威厳ないからな、マジで」
智子は転生した記憶があっても、若い頃から張り切った末にヘマをやらかす事が多く、同期からは『時々抜けてる奴』扱い。若本からも『レイブンズ一のマヌケ』と見られている。智子は圭子のように戦闘狂でもないし、黒江のように求道的でもないが、主人公属性だけは持っている。そのため、常識人枠に入ってしまう。芯がヘタレキャラであった分、感性が最も常識的なのが智子の魅力である。圭子は最近は男性人気で智子を逆転したが、智子はヘタレキャラが明らかにされた分、愛玩動物扱いもされてしまう。圭子が本来は持つはずの穏やかを智子が持っていった結果である。圭子がタガを外した分を智子が締めた結果、起こった逆転劇である。
「ケイを見てみろ。今や、あいつはトゥーハンドだぞ、トゥーハンド」
「なんで、圭子が男に人気なのよ」
「そりゃ、漢女を地で行く姉御キャラだからだろ。黒田の同期のセラっていう奴もだな…」
黒江もそうだが、この頃の日本連邦の人気投票で男性人気では、戦う気質の者が上位に食い込んでいる。圭子は姉御キャラへの路線変更が受けたのだ。また、大口叩きも扶桑では眉をひそめられるが、日本では大人気であり、セラ(広瀬大佐)がセイレーンの魔女という渾名を名乗った事も歓迎された。セラが圭子の後輩であると分かるのはもう少し後の事だが、バルナックというファミリーネームを持つことは注目を浴び、本人が黒江へ馬刺しを届けたことから、彼女との交流は彼女の入隊前に始まっていた。渾名はセイレーンの如く、相手を誘い出しての戦術を用いていた事からの由来だが、64Fで戦術を変えた後は高い撃墜率を常に出すことから、そう言われる様になった。
「ああ、そうだ。ドリーム、お前に言っとくけど、アイツが張り切ってる時は、超ロボット生命体の赤い司令官が『私に良い考えが有る』って言った時くらいのフラグだから、くれぐれも注意しとけよ」
「本当ですか?」
「うむ」
黒江は異様に張り切る智子を尻目に、ドリームとサンシャインに注意を促す。二人はそれまでの智子の行いから、なんとなく事のあらましを察し、思わず苦笑いするのだった。