ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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回想の続きです。


第三百七十六話「回想~番外編2~」

――ウィッチ世界のように、イレギュラーなファクターが作用した結果、歴史が大きく変化することがある。シンフォギア世界では、黒江が調の役目を担わされてしまったことであった。黒江は独自に(二課のデータをハッキングする事も必要だったので、行った)調査し、マリア・カデンツァヴナ・イヴを抱き込み、彼女に離反を促した。小日向未来も協力したため、結果的にこの二人が動くことで歴史が変化し始めた事になる。風鳴弦十郎は小日向未来から事を知らされ、黒江と会談。マリア・カデンツァヴナ・イヴの離反の土台作りのため、しばらくは互いの関係を秘密にすることとなった――

 

「貴方は本来なら、90代の老婆だというのですか?」

 

「普通に生きていればな。1945年時点ですでに将校だから、この時代だと、齢100を突破してもおかしくないだろう?」

 

ある日のとある場所。風鳴弦十郎は小日向未来の手引きで黒江と会談した。

 

「この姿の元の持ち主には悪いが、道具を含めて使わせてもらっている。戸籍その他はハッキングで偽装して作ったから、そちらで調べても、デタラメなデータしか出んよ」

 

「1945年にいるにしては、手慣れてますね?」

 

「故郷の世界がその時代なだけで、俺自身は色々と平行世界に行く事が仕事でね。今度のことも、その仕事でトチって起こった」

 

黒江は風鳴弦十郎に事のあらましを話した。また、ここで、シンフォギアは異世界では『アニメ』という形で存在し、自分もおぼろげに知っているが、記憶が飛び飛びな上に、全てを見たわけでないので、当てにならないと語った。

 

「すまんね。そう都合のいいことにはならん。だが、戦闘では宛にしてくれていいと断言するよ。」

 

「貴方の戦闘レベルは観察していますが、シンフォギアの恒常的なポテンシャルを遥かに超えている。何故なのです」

 

「君のほうがよほど凄いと思うがね。往年のカンフー映画を見ただけで、そんなに強くなれるとは」

 

「お恥ずかしい。ところで、その姿の持ち主の名は?」

 

「伝聞だからな。合っているとは限らんが、月詠調と言う名らしい」

 

黒江がその字を充てて偽装した結果、本人も後にその名義で活動する事になる。この時に交わされた密約の中には『調本人の身元調査』も入っていた。生存中とされる人物に一致する人物はおらず、死亡扱いの人物にも手を広げていく。やがて、月読神社の当代の宮司の孫娘(幼少期に事故で死亡扱い。死体は発見されず)が似た特徴を持っていた事がわかり、後々に調本人も知ることになる。黒江が姿を借りる事になったが、黒江の肉体を変化させたため、転移前の本人よりかなり長身(10cm以上も背丈が高い)である。ギアの外見も異なり、(心象と適合率の違いなどの要因によるもの)明瞭かつヒロイックな配色になっている。(史実での魔法少女事変以降のカラーリング)

 

「しばらくは勝手に行動させてもらうが、お宅の政府はどういう方針だ?」

 

「あれ(プロパガンダ)は首相の意向です。アメリカからの圧力に嫌気が差しているのでしょうな。兼ねてから、首相は米国依存の解消を図っていましたから」

 

「シンフォギアのことは秘匿しているというが?」

 

「本来はそうでしたが、国連や野党の圧力で開示する事になったのです。ノイズ災害の生存者へのヘイトが目に余るレベルになっているので……。」

 

「なるほどな…」

 

シンフォギア世界は全世界でノイズの襲撃が起こり、各国はかなりのダメージを既に負っていた。アメリカも、ノイズには頼みの軍事力がほぼ通用しないため、その威信が大きく低下していた。(故に、フィーネに乗せられて、非合法な研究を行っていた)ノイズからの生存者はもれなく、社会的迫害で生活が崩壊する。これは全世界で共通。この世界における日本国総理大臣は『前政権の官僚からの転身者』。ノイズ災害で愛妻を失っており、自身もヘイトクライムの被害者であった。そのため、シンフォギアの公表を以て、ノイズ災害で起こるヘイトを撲滅しようとした。そのプロパガンダに黒江は利用されたわけだ。

 

「しかし、既に起こったヘイトクライムへの処罰はしにくいと思うが?」

 

「それに走った人々が事後に『犯罪と認定される』事を恐れ、一様に口を噤みますからな。響くん……こちら側の装者の一人ですが……も被害者の一人で、家庭を崩壊同然の状態にさせられましたから」

 

響もその被害者の一人であるがため、かなり精神的に不安定化したところがあり、『壊れかかった関係を元鞘に収めたい』という気持ちがかなり強まっていた。(それしか、切歌の精神の安定を保てなかったなどの状況もあったが)結果的に、黒江が話を引き受けることが調の出奔の伏線となったわけだ。なお、転移の際、黒江は日常的にシンフォギアを使っていたが、後に、調本人も実践してみた結果、(聖闘士転向もあって)半ば仕事着として定着するに至る。

 

「やれやれ。いつの時代も、日本人は変わらんな。集団の和を乱したと見なしたか、はみ出し者を叩きたがる」

 

「21世紀では、より陰湿になったと言わざるを得ませんが」

 

「人間、誰かの陰口を叩くのは経験があるもんだが、過剰な正義感ぶった態度で相手を社会的に追い詰めるのは、日本人の悪い癖だ。俺も、母親の教育ママぶりに嫌気が差して、三人の兄貴達に愚痴を垂れた事があるし、品行方正って言われてる連中も、どこかで不満を発散させてるが、理不尽なことへの正義感が変な方向に暴走すると、どこもろくなことをしないもんだ。中世の魔女狩り、近代以降のリンチ……」

 

黒江は自身の過去の経験(母親からの精神的暴力や、部隊でのいじめなど)や未来世界での『ジオン残党などへの地球至上主義者による集団リンチ』などを見てきた。その一方で、子供時代、影で兄たちに母親への愚痴を垂れ、それで教育ママへのストレスを発散させていた経験もあると漏らし、『品行方正に生きてきたわけではない』と明言するなど、人間臭さを見せた。

 

「どこでどうなるかはわからんよ。けして品行方正じゃない、はなたれ小僧が、軍隊で手柄を立てて、20そこそこで大佐に栄達したように。君もその自覚はあるだろう?」

 

「私も、父が厳格でしてね。兄弟たちとは歳が離れていまして、子供の頃は仕事一辺倒の父を嫌いましたよ。今でも快くは思っていませんがね。一言で言えば、外道です」

 

風鳴弦十郎は父を裏で『外道』と忌み嫌っているようで、父を『超える』ために、半生を費やしたとも漏らす。100歳を超えて尚も、大日本帝国の暗黒期(支那事変~太平洋戦争期か?)の超国家主義/軍国主義的な価値観で国と一族を振り回す父の姿(実は、風鳴弦十郎には腹違いも含めて、九人もの兄たちがいる)に憎悪を覚えている。

 

「もし、できることなら……父を止めてくれますか?」

 

「法で裁きたいのなら、いきなり俺に頼むべきではないぞ。普通はな」

 

「私も公安警察におりましたから、分かるのです。父は『この世界の日本のフィクサー』。法など、いくらでもくぐり抜けられます。ましてや、父は一〇〇を超えているのに、筋肉隆々の肉体を維持しているのです。装者を逆に倒しかねません」

 

「そこまで言うのなら、引き受けよう。俺、もしくは迎えに来るだろう仲間が、何らかの手段で、君の父を止める」

 

黒江本人はこの時の密約は果たせないが、乙女座のシャカがそれを間接的に果たした。アテナの神罰代行者として。風鳴訃堂はシンフォギアA世界では、『神意』でその野望に終止符を打たるわけだ。それも、出自は欧州の神であるオリンポス十二神の意志で。日本という国と土地に、大和民族という民族、風鳴家の遺伝子、血の濃さに異常に心酔・執着する彼にとっては『最大の屈辱』で以て。

 

 

 

 

 

 

――事後(ダイ・アナザー・デイの最中)――

 

「そうだったんですか、師匠」

 

「あの時、おっちゃんもかなり思い詰めててな。それで引き受けたんだ。まぁ、実際にはシャカがしてくれたが」

 

「あのジジイ、かなりの外道だったらしいですね」

 

「翼の血縁上の父は奴だが、外聞的意味で隠し、自分の孫と偽ったほどだというからな。自業自得だよ。いくら、日本を守るためと宣っても、行いが間違ってれば、それは邪なものでしかないからな」

 

「私の立ち位置に事故で収まっただけだってのは?」

 

「話したよ。だが、それが響を突っ走らせたとも言える。俺が入れ替わんなきゃ、他の世界と同じような関係が続いただろうからな。お前への愛が深すぎた切歌への同情は分かるが、切歌は本来なら『咎人』だ。お前を取り戻すという大義名分で、万単位の人の魂魄を霧散させたからな。そこは償わないとならない。あの博士に唆かされた結果とはいえ、本来なら車引きの刑に遭ってもいいと、ポセイドンは言ったそうだ」

 

切歌はA世界では理性が薄れ、狂気に陥った時期に虐殺を働いてしまい、司法取引がなければ、絞殺、銃殺、電気椅子。そのどれかが下されていた。遺族感情の問題もあるので、表向きは『極刑に処された』という体裁で処理されているのだ。

 

 

 

「アイツが『お前の帰る場所を守る』ってことに固執したのも、悪い方向に働いたからな。俺がいけないかもしれんが……」

 

「私も……古代ベルカで人は殺してきましたから、すんなり元鞘に収まっていいのかって考えてました。それも原因ですよ」

 

「アイツの思惑がこっちと噛み合わなかった事が、今の状況の全ての始まりかもしれないな」

 

事後、そう総括し、調に話した黒江。シンフォギア世界はそうして歴史が変わり始めたわけである。

 

 

「今後は自動惑星ゴルバやら、機動要塞ゼスパーゼが敵として控えてるから、ドラえもんも大変だぞ。あれに対抗できる推進力の波動エンジンの開発を促進しないといかんからな」

 

「控えてるのが、デザリアムやボラーとの全面戦争ですからねぇ」

 

「シンフォギアは元々、宇宙レベルの文明を享受していた者が造ったから、宇宙戦闘は想定しているだろうが、流石にワープしてくるレベルの宇宙要塞は破壊できんだろう。ガミラスの旧式のデストロイヤー艦でも、地球のフェーザー砲のエネルギーを装甲で弾き返せるし、ガルマン・ガミラスやボラー連邦はシャルバートに比して未熟なだけで、文明レベルは白色彗星帝国に追いついてるからな」

 

「それと、何回か確認されてる現象はどう説明します?」

 

「強大なエネルギーが外部からギアに干渉するか、ギアで宝具のエネルギーやゲッターエネルギーを無理に制御しようとすると、ギアが何らかの機能異常を起こすアレか。オーバーロードによる異常だと思うぞ?通常より遥かに指向性があるしな、サウンドエナジーにしても、ゲッターエネルギーにしても」

 

「プリキュア因子が活発化したら、それはそれでギアに干渉しますからね。響さんが昨日、ガングニールを使おうとしたら、装着してすぐにギアが勝手に解除されちゃう事があって、大変でした」

 

「プリキュアの力が覚醒め始めて、ギアが異物と判断されたんだろう。一時的なことだと思うが」

 

 

シンフォギアは基本的に、宇宙戦闘は可能だが、そのポテンシャルは未知数である。また、黒江の滞在中に判明したが、強大なサウンドエナジー(フォニックゲイン)、ないしはエクスカリバーなどの超エネルギーがギアに干渉すると、装者の意思、通常の起動手順を無視する形で強制起動、ないしは機能異常が起こり、しばらくはギアが解除不能に陥るという事例がいくつかある。外部からサウンドエナジーを装者が浴びた場合、もう一つはエクスカリバーなどの宝具の破壊エネルギーを響がギアの特性で制御しようとした場合だ。前者は可視化レベルのサウンドエナジービーム(地球連邦の理論である『チバソング』の値が高い者は歌を自力で高次元エネルギーに変換し、ビームとして放つことができる。シンフォギア世界では、その研究は存在しない)を装者が何らかの理由で浴びた場合。翼とクリスがそれぞれバラバラの時期にこれに直面し、しばらくギアの自己意思での解除が不能になり、学校を暫く休む羽目になった。後者は響が仲間を守ろうと、エクスカリバーの射線に割って入った時だ。この場合は宝具のエネルギーを御しきれず、ギアの中をエネルギーが駆け巡った結果である。(その当時の響は融合症例であったが、そのエネルギーがガングニールの宿主との融合を却って、抑制した)共通点は『一週間前後はギアの解除ができず、そのままで生活を余儀なくされた』点だ。

 

「師匠のサウンドエナジーは、ミレーヌ・フレア・ジーナスさんと同レベルですからねぇ。Dr.チバ曰く『音楽が完全には成熟していない(後世で言うところのロックやポップミュージックは1940年代に存在しない)時代の人間にしては、かなり強い』って言うじゃないですか」

 

「シェリルとランカを合わせたそれより微妙に上くらいってことだ。あの二人は技能が完全に成熟していないから、伸びしろはあると思うよ」

 

黒江は、1940年代に生きる人間としては極めて珍しいくらいに『サウンドブースターへの適性があるため、Dr.チバが歌唱データを解析した結果、『訓練の賜物で、ミレーヌ・フレア・ジーナスと同等のサウンドエナジーを放てる』ことが判明した。Dr.チバ曰く、『小宇宙がなくとも、シンフォギアを起動させられただろう』との事。変則的に『異世界転移の影響で体質が根本的に変化した』調も同等級。黒江から手ほどきを受けているマリア、切歌(フロンティア事変後)はデザリアム戦役中にその領域へ到達する。翼、クリス、響は元から高い適合率のため、その種の鍛錬はあまり必要がないが、負担を低減できるメリットがあるため、ダイ・アナザー・デイの派遣が議論された段階で訓練メニューに加えられた。クリスも戦闘本格化からのここ五日は展開状態を維持しているが、訓練の賜物。長時間行動による能力低下は起きなくなっている。

 

「でも、まさか、切ちゃん(子供)が拗ねるなんて」

 

「なのはのポカが理由だ。奴は後で、きつく叱った上で、修正だな。こりゃ。まっつぁんがひとまずやってるとこだろう」

 

「なのはさん、教導隊にいて、あれこれ分かんないんですかね?」

 

「時空管理局はどういう教育しやがったんだ?TPOも教えんのか?」

 

「なのはさん、大物ですからねぇ。後ろ盾も無限書庫の司書やら、三提督やら…」

 

「俺らと違って、挫折の経験も少ないからな。おまけに、幼少期に親父さんが大怪我で死にかけてから、品行方正の仮面かぶって、その流れを捨てたけど、必要最小限の素行の良さ続けてた(教導隊に在籍できている理由の一つ)の分、根本を言うなら、幼少期から私立の一貫校に通っていた上、常に成績優秀の身だったから、(士官学校含む)常人の気持ちを理解しがたい面があると、キュアエースは言ってたな。俺だって、成績優秀になったのはある程度の歳になってからだからな。なのはの場合、兄弟との交流も少ない(兄はなのはの成人後には既婚で家庭持ち。姉は家業の菓子屋を手伝うようになっているため、会うことが少ない)のもまずかったかもしれん。アイツの兄貴、なのはが学生の頃にあったが、結婚控えてたし、もう」

 

「離れてるんですね」

 

「姉貴とも六歳は離れてるし、兄貴は直に三十路に入る年齢だったと思う。複雑な環境だから、自分を褒めてくれる環境に依存するんだな。……甘かった」

 

「大先生、どういう罰を下すんでしょう」

 

「ああ、多分、スカーレットニードルか、積尸気冥界波だろう」

 

「……エグいですね」

 

流石に眉をひそめる調。黄金聖闘士級の実力者がそのレベルの闘技を仕置に使うのは…という心境だろう。とはいえ、黄金聖闘士に匹敵しうる実力者のアッパーはプロボクサー(ヘビー級チャンプ)以上の威力があるので、なのはでも、顎の骨が逝くのは確実である。それよりはマシだが。

 

「廬山昇龍覇で顎が砕けるよりはマシだろう。俺たちは技を教え合ったり、チャネリングで前任者達に教えを乞いたりしてるからな。お前も始末書は書いたか?」

 

「ガイちゃんと一緒に」

 

「三人で二週間はトイレ掃除だぞ。なのはは立場的に、修正の後は謹慎だ。武子が今頃、先方(SONG)に菓子折り持って、謝りに行ってると思う」

 

そこまで二人が話し終えると。

 

「ん。義勇兵部隊が行くな」

 

駐屯地のレクリエーション室の窓から、義勇兵らの操縦する『艦上戦闘機・烈風』の勇姿が飛行機雲とともに確認できた。烈風の2200馬力エンジンの音も響く。零戦より大型な機体(艦攻並と揶揄されつつも、機体規模は実のところ仮想敵である『F6Fヘルキャット』と大差ない』が)ため、零戦に慣れきった者には嫌われているが、大戦後期型の重戦闘機を基準にするなら、標準サイズに入る。

 

「ゼロ戦?」

 

「いや、あれは史実で飛べなかった『烈風』。ゼロ戦の後継候補だった機体だよ。三菱製だから、あれのほうが本当は嫡流だ。まぁ、ゼロ戦乗ってた連中からは嫌われてるのは同じだがね」

 

義勇兵は太平洋戦争で実際に戦った者もいるため、史実で実力が未知数な機体を避ける傾向が陸海共に強い。烈風は『F6F以上、F8F以下』という風潮もあり、制空権争いには積極的に使われておらず、戦闘爆撃機(ヤーボ)として使われていた。その点も『和製シコルスキー』(F4U系の事)と呼ばれている所以だ。

 

「あれこれ言われるが、史実より工作精度は上だし、エンジンもちゃんと動く。防弾もそこそこ充実してんだから、そこは評価すべきだと思うぜ」

 

烈風はウィッチ世界では『局地戦闘機』として開発が細々と継続していたのを、艦上運用可能なように再度の手直しをした経緯があるため、基礎設計の古さは隠せなかった。とはいえ、艤装品などの細かい点は最新技術に置き換えているため、総合的には紫電改と遜色ないと言えよう。

 

「史実で評判悪い機体って、なかなか評価を覆せませんからね。違う世界で作っても、同じように捉えられますからね」

 

「地球連邦のジムみたいなもんだな。あれも評判悪いが、一応はリックドムくらいまでは優勢に立ち回れたというし」

 

「ところで、装者の皆には何を?」

 

「切歌がボイコットして、大人のアイツを呼んだだろ?マリアとクリス、翼の三人が持ち回りで戦線の維持に勤めてる。未来は訓練を始めたばかり。響は当面は療養。そろそろ、クリスのシフトが終わる頃だな」

 

「五日間も戦闘のしっぱなしでしたからね。かなり敵の戦車は壊したはず」

 

「上出来だ。味方の再編成の時間が確保できたからな。さて、ケイの奴にメモを渡してくる。アイツが転移の時のレポートを書きたいからとか言うから」

 

「あれ、まだ続いてるんですか」

 

「年単位で向こうにいたから、事項が多くなったんだ。お前は午後にシフトが入った。格納庫に搬入された戦闘機をチェックしておけ」

 

 

「え、タイガーシャークを?あれ、のび太が趣味で調達したって思ってましたけど、使うんですか?」

 

 

「性能は悪くないし、のび太とドラえもんが趣味と実益を兼ねて調達したレプリカモデルだ。改造は相応にしてあるから、こういう大規模戦向けだ。面倒くさいのなら、そのまま乗れ。下手な耐Gスーツを着込むより、ギア姿で動かしたほうが早いし、マシンマキシマムを引き出せる。それと、もしかしたら、今日はのび太と一緒に飛ぶかもしれん。決まったら、通達する」

 

「了解」

 

調はその足で、同機が搬入された格納庫に向かっていった。こうして、ダイ・アナザー・デイという絶好の機会を得、不遇の名機『F-20タイガーシャーク』は実戦の戦場で実績を積み始める。何故、F-20というマイナーな戦闘機を64F幹部たちは愛機に選んだのか?64Fが後に隊の新エンブレムとして採用する『炎の鬣の一角獣』の始まりはいつか?その答えが提示された。なお、ドラえもんはちゃっかりと搭乗機の尾翼にどら焼きを描いており、自己アピールを忘れていない。意外にも、ドラえもんは趣味と実益を兼ねた『飛行機乗り』の顔を持っているのだ。地味に、のび太の不況で、タイガーシャーク乗りは増えていったのだ。これに同機の製造元の後身『ノースロップ・グラマン』は困惑することとなったが、日本連邦ににF-5系統を売り込むきっかけとなったという。その報は空自の関係者をかなり困惑させ、日本連邦評議会はまたも喧々諤々で紛糾する羽目になったという…。

 

 

 

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