ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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今回はプリキュア5の世界編の序章的なモノになります。


第四百五十七話「ある日の『プリキュア5の世界』1」

――プリキュア達の内、幾人かは大決戦の経験を経ている。大決戦の後、その記憶を持つ当事者らがさらなる後輩に伝えた結果、キュアドリームの人物像にかなりのブレが生じ、当人が後々に釈明に追われたわけだが、当人もダイ・アナザー・デイ~デザリアム戦役でかなり変化していたので、別世界に生きる同位体との違いが鮮明になっていた――

 

 

 

 

――デザリアム戦役でマジンガーZEROと融合していたため、プリキュアの力と『スーパーロボットのパワー』を両立したのぞみは平行世界の自分との違いを示すためか、その力を主体に、平行世界(便宜的にB世界と呼ぶ)の自分達を時たま、助太刀していた。戦闘スキルは(正規軍人を素体に転生していたこともあって)完全に現役時代の自分を突き放しており、武器も『プリキュアが持っていいのか?』な物騒な代物を好んで使っていた――

 

「悪いね、今日のあたしは機嫌悪いんだ」

 

B世界のプリキュア5に助太刀したのぞみ(A)はシャイニングドリームの姿ながら、武器はプリキュアのものではなく、ガンダムF91(未来世界では、サナリィが制裁を軽くするため、事後承諾という形で、ガンダムのコードを付与することを認めたため、ガンダムF91と正式に改名された)用のビーム・ライフルとヴェスバーを再現、アレンジした武器を携行している。

 

「おい、ちょっと待て!なんだその武器は~!?」

 

「蜂の巣にされなくなきゃ、とっとと帰りな、ブンビーさん」

 

ヴェスバーを左手に、ビーム・ライフルを右手に持ち、その世界のブンビーに『帰る』ように促すシャイニングドリーム。武器の威力は本物と変わりないので、余裕でショッカーの怪人であろうと、ぶっ飛ばせるからだ。

 

「自衛隊の最新戦車も一発で消し飛ばす武器だからね、これ」

 

ガンダムF91が傑作と呼ばれた理由は、機動力重視の構成ながら、開発時では極めて高火力の装備を揃えていたからである。同時期に量産予定であったジェムズガンの武器より遥かに高火力であった事から、外敵が現れた連邦軍はより性能の良いジャベリンを主力化しようとしたが、小型機は物理的限界を露呈。完全にジェガンを置き換えるには至らず、ジェガンを再改修し、別機種にする案が採用されるが、ミドルサイズの有用性がアナザーガンダムで証明されたことから、ジャベリンの後継機『ジェイブス』が同時期に採択された。だが、これは当初設計のミッションパックが『格納庫容積を圧迫する』と用兵側から不評であり、(それもあって)設計変更がなされた関係上、量産配備が遅延していた。これがデザリアム戦役で連邦軍が諸勢力に苦戦する一因となったわけだ。ジェイブス用の装備はF91のそれの廉価版にあたるので、のぞみもダウンサイジング品を使うことが多い。

 

「とっとと帰りな。消し炭にされたくなきゃね!」

 

「ち、ちょっと待った!う、撃つな!そ、それがプリキュアのやることかー!」

 

「いーや、慈悲深いよ。ロボライダーさんにボルテックシューターを撃たれるよりはね」

 

ブンビーは語尾が完全に震えている。組織の襲来前の時点で、仮面ライダーBLACKとBLACKRXに出会う度にボコボコにされて、逃げ帰ることが常態化していたので、彼らの武器の名を聞いただけで震えあがるようになっていたからだ。

 

「それとも、サンダーボンバーで全治数ヶ月くらいの大やけど負いたい?」

 

「お前、別世界とはいえ、言うことが怖くなってるぞー!」

 

「修羅場を潜ってきたからさ」

 

「く、クソぉ~!」

 

ブンビーは逃げ帰るわけだが、エターナルはこの時点でかなり追い詰められていたが、組織とプリキュアの戦いが開始されてしまい、その時点で彼らは蚊帳の外に置かれてしまう。のぞみBは別の自分との力の差が大きいことに焦り出していた。仕方がないが、単独での戦闘能力で差がついたばかりか、成人後の精神状態で転生したため、Aが元々の志望職である『教師』に幻滅した経緯と、現在の『職業軍人』という立場に満足している事に反発していた。その反発が後々、のぞみBを庇い、二号ライダーが重傷を負う出来事に繋がってしまうのである。とはいえ、Aは扶桑での立場上、手柄を立てなければ、世の中に認められず、転職の希望も通らなかったのである。だが、それと別次元のところで転職を潰され、軍を離れたいと言ったため、転生先の実家にも帰りづらくなったので、職業軍人で居続け、のび太の養子であり、『ココ』の転生である『コージ』と結婚する事になったのである。故に、文科省の軍の人事への無理な介入が問題になったのである。

 

 

――それからしばらくして――

 

扶桑の予備役制度は結局、文科省の懇願で『教職への転職』を軍役を退いてからの時間と保有資格で制限する事になった。だが、転職話を潰され、路頭に迷った将校らが大勢出たため、『届け出をしなかった』扱いで軍に居残らせる事になるなど、余計な費用がかかり、扶桑の大蔵省(1948年度より財務省)に苦言を呈される有様だった。のぞみはその被害をもろにひっかぶった形であった。プリキュアであることもあり、損害賠償は手厚く行われた。のぞみはこうして、以後も正規軍人である事になったわけだ。

 

「軍人になったのは、転生した先の肉体になった子がそうだったから、それを引き継いだだけだよ。前も言ったと思うけどね。教師になろうとしたけど、自分じゃどうしようもないレベルで話を潰されたんだよ」

 

のぞみAは軍人であることは自分で望んだわけではないが、錦の全てを乗っ取った事への償いでそうしたのである。ダイ・アナザー・デイを戦い、それを果たしたと判断されたからこそ、お墨付きが出ていたのである。日本の文科省は話を潰すことで扶桑の皇室の顔に泥を塗ったので、扶桑の皇室にお詫びをする羽目に陥ったのである。

 

「職場の先輩達が奔走してくれて、どうにか賠償を引き出したけど、連中は言い訳をしまくった。話をなかった事にしてくれってね。あっちこっちに迷惑かかったってわかってるのかって言って、これだよ?だから、軍に残る事になったんだ」

 

結局、文科省は扶桑の予備役制度の混乱と形骸化を招いたため、扶桑軍人の副業がなし崩し的に認められた。魔女の全員が戦闘向けの能力を持つわけではないため、結局、そのような魔女の行き場も作る必要が出た。そのため、魔女よりも強大な力を持つのぞみを手放すような選択は防衛省と扶桑国防省にはなかったと言える。そのため、『転職しようとしたことはなかった事にする』代わりに、64Fで好きにさせるという条件をのぞみに呑ませたのである。『陸軍の職業軍人』という事が文科省の暴走を招いたが、実際は風紀が開明的であった航空部隊の所属であったので、問題がややこしくなった側面もある。日本が空軍として航空部隊を陸軍から切り離したのは、開明的な航空部隊の将校を『間違って処罰しないようにする』という政治的な理由も絡んでいる。

 

「その代わりに、生活態度は好きにしていいってお墨付きをもらった。こうでもしてくれないと、文科省を訴えるつもりだったから」

 

のぞみは実際は圭子の薦めで、文科省を名誉毀損で提訴する手続きを準備していた。それを聞いた山下奉文大将が先回りし、『自分の名の下に、君は好きに過ごしていい』と宥め、自身は文科省に謝罪を迫った。文科省の態度が急に軟化したのは、『一尉官をいびったら、方面軍司令級の大物が出てきた』と怯えたためもある。結局、扶桑軍はこの一件で予備役制度そのものを作り直す必要に迫られ、経過措置として、軍人の副業を認める事になる。

 

「飛行機を動かせるのは、素体になった子がテストパイロットしてたからだよ。それだって、レシプロ機だから、ジェット機に慣れるのには多少の時間が必要だったけどね」

 

のぞみは素体となった『中島錦』がテストパイロットが主務になっていたため、飛行機の操縦技術を備えていた。だが、あくまで、尾輪式のレシプロ機の時代のものなので、黒江達による『ジェット機時代の操縦技術』の講義は受けている。

 

「それで、少佐になった。戦時中の人手不足の状況だから、試験無しだったよ。日本は形式的に試験をやらせたがったようだけどね」

 

扶桑海軍のクーデター後、全軍で佐官級の将校が不足したため、扶桑は古参の中~大尉を昇進させる方法で補充した。日本は反対したが、クーデターの余波で失った佐官級は殆どの兵科の相当官の多数に及んでいたため、技術・医務・兵站などの特殊な業種を除いた兵種で緊急の昇進が行われた。戦時促成の佐官が主流になることを拒もうとした日本だが、扶桑の状況が状況故に、結局は容認せざるを得なかった。クーデターの起こった理由の一つが日本側の『魔女の階級の見直し』の実行であるので、笑うに笑えない状況になったわけだ。のぞみは損害補償も兼ねての昇進であるが、大尉任官から三年も経たずに少佐に任官されたため、対外的には『出世頭』(戦時でも、扶桑は昇進速度が比較的にゆっくりであったため)として宣伝されている。

 

「あたしは特殊な要因で出世したようなものだから、国も『あわよくば、前線で成果を挙げてくれればいい』程度に見てる。その分、好きにさせてもらうけど」

 

対外的にスピード出世と宣伝されているが、魔女の世界では『佐官への出世は16歳から17歳の間に体験する』事も多かったため、『遅い』と部内では言われている。とはいえ、教育の高度化と長期化が当たり前になり始めていた時期に『野戦任官』が通った数少ない例として『戦時のテストケース』と扱われていく。

 

「変身を解くと、日本軍の軍服なの?」

 

「直に、自衛隊と同じものに変わるけどね。式典の帰りに来たからさ。普段はラフな格好だよ」

 

のぞみAはこの時、デザリアム戦役~太平洋戦争までの間に何回か行われた『扶桑空軍の観閲式』から『プリキュア5の世界』に直行していたので、変身を解くと、扶桑陸軍の旧軍服である。正式な空軍の軍服の普及が済むまでの経過措置であり、対象は『1945年八月以前から軍歴のある者』である。

 

「それ着てると、それらしく見えますね」

 

「でしょ?問題は旧軍のコスプレにしか見えないところだから、他の世界じゃ、あまり洒落にならないけどね」

 

うららBが言う。のぞみAは髪型はBと同じ(史実では、14歳当時の髪型は成長とともにやめていたようだが、のぞみAは髪型を『自分である事を示すアイコン』代わりにしている)であるが、雰囲気は成人女性のそれになっている。

 

「ここへはどうやって来たのよ、アンタ」

 

「これまた別の世界の宇宙戦艦のワープ機能で運んでもらったんだ。今回は正規軍の宇宙戦艦でね。迎えにも来てもらう手筈なんだ」

 

「あんた、別の世界にホイホイ行けるコネを……」

 

「いや、うちの隊の所有物。テスト中なんだ。大きさが問題だから、かれんさんちの持ってる港に着水したんだ。すぐに、屋根付きのドックに入れたけどね」

 

「何よそれ」

 

「昔の宇宙戦艦ヤマトにアンドロメダって戦艦が出てきたでしょ?その同型艦を譲り受けてね。もちろん、波動エンジン込みの状態で。何百mもある宇宙戦艦をそのままにはしておけないから、数時間の休憩でまた戻ってったけど」

 

「宇宙戦艦ヤマト……なんかSFじみてきましたね」

 

「アルカディア号見てる時点で、そーいうツッコミは無しだよ、うらら」

 

「あんた、いったいどんなコネ……」

 

「正確には、あたしの養父……ココの養父になった人のコネだよ、くるみ。結婚してるからね、こちとら」

 

のぞみAは素体の関係上、江戸言葉が入るようになっている。錦が軍服で勤務していた関係で、旧軍服で1947年頃まで勤務していた。その翌年には、フライトジャケット姿になるが、陸軍系の航空魔女に多かった『巫女服様の軍装』を使うようにもなる。

 

「だから、はーちゃんがアルカディア号を呼び出してたわけ。イカ型の初期型だけど」

 

「アルカディア号はいくつかあるっていうわよね?どんなのが?」

 

「大まかにいうとね、イカみたいな艦首の初期艦と後期に造られたクジラ型の艦首のがあるよ。能力にちょっと違いはあるけど、造られた時代の関係で、宇宙戦艦ヤマト(最終型)の10倍の戦闘能力があるよ。1000年くらい後だし」

 

「途方もない未来ってことね……」

 

「そういうことだよ、みんな」

 

「でも、なぜ、キャプテンハーロックは過去に介入するの?」

 

「地球は30世紀にイルミダスという国家に敗北するけど、究極のゲッターロボ『ゲッターエンペラー』のパワーで一発逆転に成功するんだ。その時にイルミダスに協力せざるを得なかった人たちがあちこちで虐殺されていくんだ。その内ゲバを彼は嫌ったんだよ」

 

30世紀で起こったという『イルミダスへの敗北とゲッターエンペラーによる一発逆転、その時に起こる内ゲバ』。イルミダスに負けたことで地球人同士の内戦が再燃してしまうため、それを『なかった事にするか、30世紀の徹底抗戦派が政権を握るように仕向ける』目的で、星間国家としての地球の第一の最盛期である23世紀に技術を流しているのだ。

 

「30世紀の地球は数百年の銀河全体の安定で怠惰になっていてね。そのせいで戦争に負けた。ゲッターエンペラーが現れて逆転に成功すると、今度はイルミダスに協力せざるを得なかった人たちがあちこちで地球人の徹底抗戦派に虐殺されていくって有様。だから、そもそもイルミダスに負けなければ……って論理さ。だから、星間国家として『若かった』23世紀の頃に技術を流した」

 

「国に若さとか老いがあるの?」

 

「長いこと続いた国家はどこかで活力が衰え始める。それが国家の『老い』さ、くるみ」

 

のぞみAはデザリアムの『発達しすぎた科学のせいで種としての活力が逆に衰え、国家も衰退し始めている』有り様を見たためか、そういった概念を信ずるようになっていた。21世紀の時点でも、日本や英国などの国家がどんな形にしろ、直面している事態だ。

 

「落差がありすぎた上、敵がよってかかって、細胞の一欠片まで滅殺するような連中だから、極端から極端に走った。そう聞いているわ」

 

「かれんさん」

 

「分身から情報を得て、久しぶりに学生したけど、なんだかね。医者してる身だから」

 

水無月かれんと秋元こまちはこの世界の出身である。かれんは既に、魔女の世界で軍医になっているため、学生に戻るのが逆に難しくなったらしい。魔女の世界で既に医学部卒ほどの知識を身に着け、実務経験もあるからだ。

 

「私も実務経ちゃうと、学生をやり直すのが大変で……」

 

「こまちさん」

 

かれんとこまちは分身ハンマーで作った分身を置いている。そのため、普段は魔女の世界で過ごすようになったため、既に就職したといってよく、逆に学生に戻るのが大変であったとぼやいた。

 

「それに、エターナルも今となっては怖くないし」

 

「館長もサシで倒せるくらいパワーアップしたものね。それでもボコボコにされたけど」

 

のぞみAとかれん、こまちは既にシャイニング形態に覚醒めている。エターナルくらいの敵なら倒せる自信があるが、デザリアム戦役ではそれでも歯が立たない敵が何人もいたため、超えるべき壁の多さを自覚している。

 

「でも、何があったの?あなたの前世に」

 

「聞いたら、ドン引きもんだよ?」

 

のぞみAは前世で何があったか。ということははぐらかす事にしている。それはシャーリーが口に出しまくり、その度に諌められている通りだ。

 

「あたしはまだいいほうさ。響のほうが割り切れてないからね。はなちゃんと揉めた……ってだけ言っとく」

 

のぞみは子育てもした経験により、野乃はなの言っていたことに(後で)一定の理解が出来たが、シャーリー(北条響)ははなの言うことが『鼻についた』と公言している。仕方がないが、はなは『いじめられた経験』を持つが故に、独特の考えを持っており、それが『鼻についた』と繰り返している。少なくとも、世代間の倫理感の違いが対立のもとなのは事実だろう。

 

「どういうことですか…?」

 

「世代の違い……そうとだけ答えるよ。それはそれとして、エターナルはこの先、物の数じゃなくなる。シャドームーンの背後にいる連中が動き出すからね。今日来た目的の半分は基地の設営。連中がこの世界の存在を知ったから、ここの時間で数週間か数ヶ月後には侵攻が始まるだろうね」

 

「……あいつの背後に何がいるっていうのよ」

 

「ナチス・ドイツの残党さ。あたしは連中に狙われてるんだ。特異なケースだから」

 

「どういうこと?」

 

「今のあたしは『死ねない』し、『今以上は歳も食わない』身の上なんだ。マジンガーの一体と融合しちゃったからね」

 

のぞみAはある意味、『プリキュアは不滅である』という人々の抱く幻想を本当に実現させてしまった存在である。マジンガーZEROとの融合により、ある種の付喪神の依代となったからである。その関係上、ショッカーから連なる組織の標的にされ、デザリアム戦役のあたりからは完全に仮面ライダーとほぼ同レベルの敵扱いであった。

 

「大尉、これより設営に入ります」

 

「ご苦労。設営隊に『数時間で済ませろ』と伝えろ」

 

「ハッ」

 

報告しにやってきた兵士にそう返事をし、士官らしいところを見せる。表向きは『ナッツハウスのペンキ塗り直しと水回りの改修』なので、服装は工事会社の作業員だが、Gフォースの隊員である。

 

「……低い声、よく出せますね」

 

「ドスを効かせるのは簡単さ。普段の声だと、古い下士官連中に舐められるから、ハッタリも必要なのさ。日本の軍隊特有の現象だけど」

 

のぞみAはこの後に『少佐』となるわけだが、扶桑では『古参の下士官を従えさせられるか』が出世の登竜門とされ、一番古い者を殴るか、戦場で範を示すか。その二つに一つで士官/将校と周囲から認められる。もっとも、魔女は多くが後者のケースであり、本当に下士官をぶん殴った例は少ない。

 

「さて、念のために持ってきた機体でも見せるよ。今回はリアルロボじゃないから、合体した状態で見せた方がいいと思ってね。外をみてみ」

 

「!?」

 

のぞみAが窓を指差す。その先にはなんと、量産試作型に当たる『ブラックゲッタードラゴン』が片膝立ちで佇んでいた。オリジナルの個体の設計図をサルベージし、そこから『量産型』に繋げるために用意された『全規模機能実証機』。ブラックグレートと同様の立ち位置にある。

 

「なによ、あれ!?」

 

「ロボット……だよね?」

 

「ゲッターロボって、昔のアニメがあるでしょ?その二代目のゲッターロボGの内の一体。分離させた方がかさばらないけど、それだと、三機の戦闘機になっちゃうからね」

 

オリジナルのゲッターロボGは比較的にスマートな体形であるが、ブラックゲッタードラゴンは別世界から漂着した『個体』を元にしたためにマッシブな体形をしている。コックピット周りは最新のゲッターアークと同様に、合体時には全天周囲モニターとリニアシートになるように改良されており、『外観がゲッタードラゴンなだけの新型』と形容されるほどに変えられている。

 

「リアルロボ以外にも乗る機会多くてね。敵には抑止力になるから、置いてみた」

 

「置いてみたって……」

 

「50mはあるよ、あれ!?」

 

のぞみBも目を白黒させる。まさか、別の自分が往年のヒーローロボそのままの機体を持ってくるとは思ってもみなかったのだ。

 

「そりゃ、合体ロボだからね」

 

「合体ロボねぇ……ずいぶんと大物を持ってきたわね」

 

「訓練した普通の人間が乗れる限界があれくらいだから、大人しいほーさ、りんちゃん。型式がもっと新しいゲッターロボは選ばれた人間しか乗れないような怪物だから」

 

「親戚のお兄さんの家で読んだ事あるわ。真ゲッターロボ……でしょ?」

 

「うん。あれはゲッターに選ばれたか、人を超えた存在しか乗れない怪物だから。だから、ドラゴンタイプが普通の人間が扱えるゲッターの限界点になるんだ」

 

――ゲッタードラゴン。第二世代のゲッターであり、戦闘用に建造された最初の個体。それ故に、高いパワーに耐えられればだが、操縦性そのものは初代機より格段に良くなっている。後に現れる量産型ゲッターの基礎もゲッタードラゴンの基本設計なので、グレートマジンガー同様に『量産に適した』設計なのは確かであり、別世界では数千~数万が本当に量産されていた。のぞみAがこの時に『いざという時の防衛手段』と評して持ち込んだのは、『エターナル』への抑止力を兼ねていたが、もう一つの目的は稼働テストであった。量産型グレートマジンガーの計画の頓挫に伴い、始動した『ゲッター軍団』への試金石の一つであり、スーパーロボット量産計画の第二プランなのだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

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