ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第四百五十八話「ある日の『プリキュア5の世界』2」

――結局、扶桑は日本の政治的思惑に振り回された。日本郵船は扶桑郵船に『軍への供出を拒む』ように強要し、それが大問題になるなど、結局は軍隊が後方支援艦艇を揃える事になってしまった。この騒動がもとで、扶桑郵船は扶桑の世間の顰蹙を買い、(航空便の発達もあって)船便の衰退を招いてしまう。日本郵船は既に空母化されていたモノを含めて強引に買い取ったが、空母化されたものは資金的にも、物理的にも『元に戻せない』ため、博物館か、映画撮影用の船にする以外に使い道がなく、当代社長の自己満足だと批判を受けた。この時に日本郵船の古参社員が扶桑海軍の主計科の将校に凄惨な暴行を加えていたことも発覚し、日本郵船は一気に政治的に針の筵となった――

 

 

 

 

 

――この騒動で大戦型軽空母と人員輸送に必要な船便の協力を失う形になった扶桑海軍は自前で全てを賄うことを決意するが、民間船会社の雇用維持のため、船便の運行停止は求めなくなった。連合艦隊はこうした騒動で、あちらこちらの組織整備(坂本商会への依存による)が追いついてない有様を露呈する形になり、扶桑海軍と民間会社との明治期からの有機的な関係も崩れてしまった。結局、空軍の輸送航空隊が増強され、戦車や人員を空輸することで代替が行われてゆくが、同時に水上旅客機の衰退も起こったので、そうした民間インフラの整備が優先されていく。軍隊は人員不足や予算不足の関係上、既存のインフラにあまり頼ることのない人型兵器に傾倒し始める。その傾向を生み出す事になった日本郵船は(暴行事件の発覚もあり)扶桑から針の筵となり、結局、買い取った軽空母のいくつかは(日本郵船の社長の代替わりによる方針転換と詫び代わりであった)扶桑へそのまま返還された。手つかずの状態で返還されたものも多かったが、その頃には既に、艦載機も大型ジェット機の時代を迎えていたため、航空輸送艦としても役に立たなくなっており、鳳翔の代わりとしての練習空母としてしか使用されなかったという――

 

 

 

 

 

――1949年にようやく、扶桑で国産大型正規空母の計画が承認された。艦型は史実の『キティホーク級』に改正を加えた大型正規空母となった。各港のドックの拡張作業の終わるまで許可が出されなかったが、それが済んだため、(大戦前の空母が老朽化してきていた上、大鳳型の量産頓挫と雲龍型の量産停止で『大型空母が需要に比して不足しているため』もあって)三番艦までが同年度で発注された。これは本来なら、1948年までに竣工していたであろう『大鳳型の同型艦』の代わりとしてであった。天城~大鳳はこの時期が真に第一線艦としての最後の華であった。艦載機の発達に追従出来なくなるからだが、翔鶴~大鳳については(1949年度でも艦齢が若いため)艦載機をコアファイターに更に更新することで延命が図られる事になった。同時に、陣風を含めたレシプロ機は後方へ配置転換されていったり、第三国へ売却される。第三国はジェット機の特性に四苦八苦しているため、これに大喜び。それで得られた資金で、扶桑は国土強靭化を押し進めるわけである――

 

 

 

 

 

 

――宇宙戦艦ヤマトは世界線によっては『白色彗星帝国の超巨大戦艦へ特攻して相打ちになり、その身と引き換えに宇宙の平和を守った』。その事は有名であり、のび太とドラえもんも知っていた。未来世界でもそうなりかけており、音声記録に残されている古代進のズォーダー大帝への『違う!!断じて違う!!宇宙は母なのだ。そこで生まれた生命は全て平等でなければならない!それが宇宙の真理であり、宇宙の愛だ!お前は間違っている!それでは、宇宙の自由と平和を消してしまうものなのだ!俺たちは戦う!断固として戦う!!』という啖呵はその結果の出現のフラグであった。

 

 

プリキュア達が日本連邦軍の体制に組み込まれてでも、敵と戦う選択を取ったのは、かつて、白色彗星帝国の暴虐へ(乗組員の八割方が犠牲になってさえも)愛のために立ち向かった宇宙戦艦ヤマトの戦士たちの精神に感銘を覚えたからである。また、大決戦を経ている者はその際に自分達を庇って、散っていった、地球連邦軍の将兵たちの行動に報いるために。かれんとこまちがことはの誘いに乗った理由の半分は『彼らの払った犠牲に報いたい』という心の引っ掛かりが理由だ。大決戦では『百鬼帝国や組織の攻撃』で第七艦隊も少なからぬ犠牲を払ったが、その少なからずはプリキュア達の盾になって果てた者たちである――

 

 

 

 

 

――プリキュア5の世界ののぞみはそのことを後から知らされた。かれんとこまちは戦場で自分達を守るために散っていった将兵たちの犠牲に報いたかったのだ。大決戦を経た者が全員集まっているわけではないが、自分達を庇った地球連邦軍の宇宙戦艦が沈む際に、艦長が敬礼しながら『逝く』様を目の当たりにした彼女らはその事の意味を自問自答し続けているわけだが、それは彼女らより後代のプリキュアが示したものとは相反することでもある。ヤマトや地球艦隊の行った事はなんだろうかという想いと自問自答。それがかれんとこまちを戦いの道へ誘ったのも事実であった――

 

 

 

 

 

――世代の相違と言えばそれまでだが、『負ける事がわかっていようとも、戦わなくてはならない』という論理を受け入れた者はプリキュアでは意外に少ない。みらいとリコは『故郷の世界の滅亡』でそれを受け入れたが、代が下ると、基本的に『愛のために死ねるか?他人のために自分を犠牲にできるか?』という『時代がかった考え』を否定する。だが、宇宙戦艦ヤマトの第一世代クルーがそうであったように、そうしなければ、世界が滅んでしまう事態も起こりえるのだ。古代進の『違う!!断じて違う!!宇宙は母なのだ。そこで生まれた生命は全て平等でなければならない!それが宇宙の真理であり、宇宙の愛だ!お前は間違っている!それでは、宇宙の自由と平和を消してしまうものなのだ!俺たちは戦う!断固として戦う!!』という名文句は巡り巡って、プリキュア達にも影響を及ぼしたわけだ――

 

 

 

 

 

 

 

――プリキュア達は基本的に『戦争経験者が減少した2000年代以降の時代に少女期を過ごした世代』なため、大日本帝国時代以前に尊ばれていた自己犠牲精神を否定する者は多かった。だが、激しい戦闘で『誰かが自分達を守るために命を投げ出す』様はそれを目の当たりにした彼女達に影響を強く及ぼし、それがかれんとこまちがのぞみAの苦境を慮り、戦いへ身を投じるきっかけの一つとなった。のぞみBがAに反発したのは『別の自分には、別のみんながいるはずだ』という思考があったからだが、実際ののぞみAには同郷(出身世界が同じ)の仲間がいなかった上、同じチームの仲間という括りであったりん(彼女はのぞみと別世界の出身であった)が負傷で記憶喪失に陥っていたため、神経衰弱に近い有様であった。その状況を慮った後輩らが強引な手段を使ったのである。B世界にゲッターロボGの量産試作型が持ち込まれたのは、性能テストの意味合いがある――

 

 

 

 

――のぞみBは『世界を股にかける』悪の大組織が自分達を狙っており、別の自分はそれと戦う宿命を背負っている事への実感が沸かなかった。他人事に思えたからだ。だが、シャドームーンに手も足も出ない有様。誰かに助太刀される事が増加したため、戦士としてのコンプレックスが強く刺激されていた事も後々の出来事に繋がっていく。その一方で、戦士として完成されていながら、プリキュア以外の力も肯定し、躊躇なく選択肢に入れてくる『別の自分』が羨ましく思えるところもあった――

 

 

「んじゃ、合体テスト行きますよー」

 

「YES!」(プリキュア界隈では『了解』の意味の符号として用いられる)

 

黒主体に彩られたドラゴン号、ライガー号、ポセイドン号が離陸していく。全員が変身した状態で操縦しているので、マシンの限界性能を存分に引き出せる。

 

『チェーーンジ!!ドラゴンッ!!スイッチ・オン!!』

 

竜馬や號たちに比べれば遅い速度だが、それでも『NISAR』(ネイサー)で訓練中の訓練生に比べれば(度胸がある分)迅速な合体を行う。ポセイドン号がライガー号に合体し、下半身から上半身の多く(腕と胴体)となり、最後にドラゴン号が頭部と胸部に変形し、ドラゴン号のチークガードが展開される。

 

『マッハウイング!!』

 

俗にいうゲッターウイングだが、こちらはマント状とプレート状の切り替えが可能という特徴を持つ。設計を継承した後継機たちは『バトルウイング』を採用しているため、マッハウイングの系譜はドラゴンとその進化形である『真ゲッタードラゴン』が装備するに留まっている。性能は確かで、50m級の大型機であるゲッタードラゴンをマッハ4台にまで加速させられるなど、初代機の純粋な発展形である事を示している。宇宙開発を原点にしている都合、ゲッタードラゴンに限界高度はない。そこが同世代機のグレートマジンガーより優れているところだ。

 

「嘘……あんなに大きいのに、戦闘機より速いなんて」

 

「多分、マッハ4は出してますね」

 

「ま、マッハ4!?」

 

「スーパーロボットに理屈は通じないのよねー。あ、分離した」

 

『チェーーンジ・ライガー!!スイッチ・オンッ!!』

 

今度はゲッターライガーに変形する。ライガーのパイロットは(オリジナル機のカラーに則って)キュアアクア/水無月かれんである。スピードはマッハ5だが、パワーは75万馬力~80万馬力(改良後)であり、最も非力な形態だ。初代ゲッター1を上回るパワーは担保しているが、非力な形態と形容されることが多い。

 

『マッハスペシャル!!』

 

ゲッターライガー(ブラック)はオリジナル機の最終時の性能を再現したため、マッハ5の超高速でのマッハスペシャルを行える。変身していなければ、『何の耐G訓練も積んでない中学生は到底耐えられない』負荷がかかるが、変身した状態であるので、余裕綽々だ。そこから分離し、今度はポセイドンに合体する。

 

『チェーンジ!!ポセイドン・スイッチ・オンッ!!』

 

太めの胴体と曲線主体の姿を持つゲッターポセイドンとなる。実はポセイドンも飛行能力を持っており、最終時には局地的適性を除くと、ゲッターGは全形態で空戦が可能となっていた。その特性がアークに引き継がれたと言える。なお、ポセイドンの操縦はキュアミント/秋元こまちである。

 

「プリキュアの姿でロボを操縦していいの?」

 

「みゆきさんたちは『した事ある』って言いますし、それに、あんなスピードじゃ、変身してなかったら、もれなくグチャグチャですよ」

 

「……本当?」

 

「極超音速ですからね」

 

プリキュア化は耐久力に恩恵をもたらすため、変身していれば、地球で最も巨大なゾウの大群の突進も物ともしない。その関係で、乗り手を潰す事に定評があるゲッターロボを乗りこなす(橘翔や世界線によっては存在する『渓』などの適性のある女性のゲッター乗りは男性よりも希少である)には『変身』が必須なのだ。そして、再度、ドラゴンに合体し直し、地上に戻る。そして、ゲットマシン(オリジナルと異なり、ランディングギアがある)で着陸する。

 

「ふう。どうだった?」

 

「すごいです。本当に合体するなんて」

 

「初代ゲッターより無理が多い変形だけど、高度な形状記憶合金だからね、こいつは」

 

「あなた、どこであんな技術を!?」

 

「半分は音声入力だし、転生した先でパイロットしてるからね」

 

「生身でも強いのに、パイロットもできるなんてぇ~!!ずるいぃ~~!」

 

「仕方がないって。置かれた環境が違うし、こっちはそれでおまんま食ってんだしさ」

 

のぞみAは航空兵科の将校である。魔女兵科が解消される見込みがある事から、航空兵科に転科しても問題ないように、パイロット資格を取得済みである。(これまでは魔女の引退後に取得する事が通例であった)こうした取り組みは複数の技能持ちの魔女全体で進んでおり、職業軍人の道を歩む魔女は必然的にRウィッチ化による軍務継続か、後方で教官となるか。その二つに絞られてきている。坂本のように、後方任務に移った後に、別の職務を始める者もいるが、それはごく少数である。

 

 

「英語とドイツ語もネイティヴ級に喋れるからねぇ…」

 

「え~~~!?」

 

のぞみAは素体の錦のスキルを引き継いでいるため、マルチリンガルである。特に同盟国の言語である英語、友好国であったカールスラント語は必須扱いであった都合で、ネイティヴ級の言語力を誇る。ただし、カールスラントが『1945年の不祥事』で扶桑の友好国から外されそうになっているので、若い世代はカールスラント語を履修しない者も増加してきている。このように、黒江達の一件は在扶カールスラント人達に後ろめたさと居づらさをもたらしてしまったのだ。カールスラントへの思慕が怒りへ転化してしまい、瞬く間に両国の関係は冷却化してしまった。ミーナが『咎人』と扱われ、表向きは『精神病院で療養』とされているのは、関係悪化の原因と見なされ、本国で白眼視されているからである。

 

「仕事で必要だったからね。ただ、これからは英語に統一されるかもなぁ」

 

と、ぼやくように、連合軍の使用言語は(後援者である『地球連邦』で英語と日本語以外の言語が衰退しているため)英語と日本語を主体にした統一言語に切り替えられつつある。1945年時点で半公用語だった『カールスラント語』(独語)は同国の影響力の喪失で短期間に使用されなくなってきている。これは連合軍の機材その他の規格が史実のNATO製のそれに変わったためでもあり、カールスラント語は使用機会を大きく減じている。

 

「ドイツが手を引いたからね。ドイツ軍にいた友達もみんな、日本に移住したからなぁ」

 

それは本当だ。カールスラント空軍の古参たちは訪れる冷遇を見越し、本国で予め予備役になってから、扶桑に渡っている。これはドイツ連邦側が『戦時中のエースであっても……』という論理で除こうとしたら、そもそも『帝政ドイツが健在な世界線』であったため、ドイツの論理は破綻していた。これは『坂本竜馬や織田信長などの開明的とされた偉人が長命を保った世界線』である扶桑にもいえる。日本は『改革派を味方につけ、扶桑を自主的に民主化させる』という選択を政権は取ったが、軍や華族の社会からの『排除』を狙う左派の行動でシッチャカメッチャカとなり、結果的に『戦線の維持の多くを超人と超兵器に依存する』有様となった。のぞみAは結果的に、文科省の行為のせいで『職業軍人として骨を埋める』事になったわけだ。

 

「あたしは一つの結果だよ。夢原のぞみという存在の、ね。人生は上手くいくとは限らないけど、それなりの幸せがあることに気づけなかった世界を生きた…ね」

 

のぞみAは前世が前世なだけに、『何かに折り合いをつける』という『大人の世界では当たり前のこと』を学んだ一方で、少女期特有の『無我夢中でつっ走る熱さ』に強く郷愁を感じている。故に、ウマ娘のナリタブライアンとの親和性が高く、後に彼女の仮初の器として、自らの体を貸し出す事になる。

 

「だから、あなたの未来はあなたのものだよ。この先、何が起きようと」

 

「あなたみたいに……強くなれる?」

 

「それはあなた次第だよ。あたしにはあたしの、あなたには、あなたの道がある」

 

のぞみAは『自分とBは同じ名前と同じ立ち位置、酷似した能力を持つ別の存在である』事を明確に告げる。

 

「あなたには、あたしと違う姿がこの先にある。それは教えておくよ」

 

「ど、どういう事!?」

 

「時間が経てば、自然にわかることだよ」

 

微笑むのぞみA。それは遥か後の後輩である『キュアグレース』との合体フォーム『ドリームキュアグレース』のことだ。のぞみが正規ルートで手に入れる変身としては『最後』のフォームである。Aは単独での最強フォームであったシャイニングドリームを『より発展させる方向』に向かったため、そこで『世界線の分岐』が起こっている。

 

「シャイニング……ドリーム」

 

「そう。あなたもミラクルライトの力で変身してた『最高の姿』。あたしは特訓とパワーアップで任意になれるようになってるのは、知ってるね?」

 

「う、うん」

 

「この先、シャドームーンみたいな連中と戦うためには、これも超えなきゃならなかった。……見せてあげる」

 

その瞬間、のぞみAの周囲に黄金色のオーラが迸り、翼がより滑らかな形になっていく。コスチュームも白金色に変化し、意匠が神々しさすら感じさせるものに変化する。

 

「何……あの姿……キュアレインボーでもない……?」

 

「エターニティドリーム。シャイニングの殻を破った先にあった境地さ。これなら、光速で動く相手とも戦える」

 

シャイニングドリーム形態の意匠をより滑らかかつ、神々しくしたような姿の『エターニティドリーム』。シャイニング形態で『第八感』以上の感覚を使うことで変身する『神聖衣』相当の変化』。この姿であれば、ZEROの持っていた最大の能力『因果律操作』も行えるが、それとて万能ではないという匙加減に収まっており、偏執的な性質の強かったZEROが『変わった』証でもある。ZEROが融合していながら、のぞみが『Zの後継となっていった魔神達』の能力を用いるのを『許す』など、健在であった頃より『おおらかになった』側面を見せている。のぞみの言動が『荒い』もう一つの要因は『彼』が抱いていた『兜甲児への理想像のビジョン』の影響である。

 

「この姿なら、『真シャインスパーク』も『カイザーノヴァ』も気兼ねなく撃てるから、シャイニングで対応できない相手に使う『切り札』って感じ。シャイニングでもスピードは上げられるけど、攻・防が追いつかない感じだね」

 

「え~~!?そ、それじゃ、ストナーサンシャインは!?」

 

「大技には違いないんだけど、元になった真ゲッターロボからして、ボタンのワンタッチで撃てるから、普通の変身でも撃てるよ。ただ、それだと体力がごっそり持っていかれるから、扱えるエネルギーの量が多くなる上位の変身で撃つべしって感じ。あ、はーちゃんは例外。元・神様だし」

 

ストナーサンシャインの敷居が意外に低いことに驚くのぞみB。破壊力などで『自分達の技と比較にならない』事から、凄まじい大技だろうと考えていたからだが、実際のストナーサンシャインは破壊力を考えれば、『省エネかつ、任意の威力調整も可能』な便利技であり、ゲッターの最強技は『シャインスパーク』の系譜である。

 

「シャインスパークが正真正銘の大技さ。最高位の真シャインスパークを使ったら、多分、次元に裂け目ができると思う」

 

と、のぞみAは形容するが、そのエネルギー量を受け止められる金属はいくつか存在する。最たるものは『宇宙合金グレン』。光量子を用いて、無重力で精錬した関係である。とはいえ、真シャインスパークのエネルギー量は宇宙戦艦ヤマトの波動砲(完成当初の仕様)を上回るので、同合金の持つ性質による特性である。

 

「うへぇ……そんな力があるのに、なんで乗り物を使うの?」

 

「バトルものでツッコんじゃいけないとこだよ、それ。新フォームのお披露目なんだしさ」

 

「ご、ごめん」

 

冗談めかした回答だが、色々な兼ね合いもあるのは容易に想像できる。戦闘能力は(パイロットとしてのスキル含め)この時点のBが赤子同然なほどの差であるが、ドリームキュアグレースの存在を(はぐらかしつつも)示唆するという配慮を見せる。

 

「でも、ゲッターロボGって、もっと派手な色合いじゃなかった?」

 

「ああ、こいつはその量産に先立ってのテストで造られた実験機だから、黒いんだ。実戦機能のテスト機って奴。稼働テスト機は別にあるよ、りんちゃん」

 

実戦運用テストの機体はミリタリーチックな塗装を想像するが、スーパーロボットは象徴性を重視される実情との兼ね合いで、比較的に目立たない『黒』が塗装に選ばれる。一種の伝統のようなものとされ、グレートマジンガーもゲッターロボGも、その量産の実証試験として建造された個体は黒く塗装されている。漆黒のゲッターは、ブラックゲッターを始祖にする形で存在するが、その二例目である。この機体のテストの結果を反映した新型が『ゲッターノワール・G』(その模倣機)だったりする。

 

「ゲッターロボ……G」

 

ゲッターロボG。かつて、巴武蔵の『偉大な遺産』とも『鬼を討滅する、不滅のマシン』と讃えられし機体。その兄弟機の勇姿は『別の自分が命を託すに値するマシンなのか?』と疑問に思うのぞみBを、はたまた『異世界出身』の美々野くるみを圧倒するのだった、

 

 

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